手打ちそば こばやし

2001年11月24日
【店舗数:102】【そば食:186】
長野県松本市大手

天ざる、そばあげ

こばやし

山中の「もえぎ野」から一気に都会へ。今日のメイン企画は、「松本の蕎麦を食べ歩こう」だ。松本といえば、われわれの中ではダントツに「浅田」がブランド力を誇っている。しかし、その浅田ばっかり訪問するのではなく、その他のお店にも注目してみよう、というわけだ。浅田が松本に咲いた一輪の花で、突然変異なのかそれとも松本全体が蕎麦のレベルが高いのか。

そんな思惑の中、選ばれたのは「こばやし」というお店だった。何でも、松本市内に支店を合わせて3軒のお店を持っているという、蕎麦屋で頑張ってます!というお店だ。ただ、われわれからすると「えー?チェーン店?大丈夫かねぇ・・・」という気がするのも事実。大風呂敷を広げているお店でおいしいということは滅多にない。ビジネスと、うまい蕎麦というのはなかなか釣り合わないというのが実情だ。さて、このお店はどうかな、と。

店に到着してみたところで、不安はさらに強くなった。ううん、このお蕎麦屋さん、果たして本当においしいのか?

見ているとお客さんがひっきりなしに出入りしている。繁盛店であることは間違いない。

重厚なお品書き

お品書き。「純手打ち蕎麦」なのは大いに結構なのだが、何ですかこの木の扉みたいなお品書きは。ちょうつがいがついていて、それで開け閉めをするようになっている。「表紙」というよりも、これは「蓋」と呼ぶに相応しい。その蓋を開けるとき「ぎぃぃぃ」と音がしそうな感じ。

お品書き内部

おおう!

お品書きを見てちょっと尻込みしてしまった。もり一人前1,100円。ざる1人前1,200円。4桁のお蕎麦登場。まさか、こんな庶民的な雰囲気のお店でK点越えな強気の値段設定を見ることになるとは思わなかった。

えー。

高いなあ。既にわれわれの中では、このお店は「どうせそんなにおいしくないんでしょ?」という気持ちになりつつあったので、ここで1,100円を払うのはがっかり感に追い打ちをかけられた感じ。

おや?天ざるだと1,400円か。何だこりゃ。天ぷらの実質単価は300円。えーい、だったら天ざるを注文しちゃえ。どうせ高い事には変わりないんだ、天ざるで1,400円払った方がナンボか納得がいく。

天ざる

で、到着したのがこれ。天ざる1,400円。

300円分の天ぷらにしては、それなりに量が多い。いや、忘れちゃいけない、蕎麦の量だって結構あるぞ。

蕎麦屋によっては、「値段は抑えてあるんだけど量が悲しくなるくらい少ない」というお店があるが(名月庵田中屋など)、このお店はその逆を行っていた。つまり、量は多いんだけど値段も高い、と。まあこのあたりが「蕎麦で腹いっぱいになりたい」と考える松本人気質なのかもしれない。

「いやー、いきなり蕎麦ご本尊との対面かぁ。調子狂っちゃうな」

とぼやく僕。このお店、「郷土料理」の一品ものもあって、川魚の甘露煮であるとか、こごみのおひたしといった料理を食べることができる。しかし、蕎麦本体の値段にびびってしまい、とてもじゃないがお酒や酒肴を頼む気がしなかったのである。おとなしく蕎麦をすする。

・・・あれっ、おいしい。

「美味いな」「ああ、美味いな」

完璧にナメていたこのお店の蕎麦だったが、これが美味いんである。値段相応、といってもいいくらいの美味さ。やるじゃん、こばやし!

「そうか、やはり蕎麦が美味かったからこそ、支店を出店できるようになったわけだな」

当たり前すぎることを、あらためて感心するわれわれであった。

「しかし意外だった。こういう庶民的なお店でも、ちゃんと美味い蕎麦は美味いのか。穴場店、みたいなところでないと美味い蕎麦ってのはありつきにくいのかと思っていたが」

そばあげ

そばあげ。500円。

味については覚えていない。

レモンの輪切りが添えられているあたりが、面白かった。

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