石臼挽手打ちそば 明月庵ぎんざ田中屋 本店

2004年03月04日
【店舗数:154】【そば食:276】
東京都中央区銀座

御前せいろ

田中屋

よし田を後にして、銀座の街を歩く。コロッケそばを食べて、とりあえず空腹は満たされた。

さて。

空腹は満たされた、ということは落ち着いて蕎麦を食べることができる環境になった、と解釈してヨロシイね?

と勝手な理屈をつけて、もう一軒訪問してみることにした。せっかくの銀座だ、コロッケそばだけじゃ勿体ない。なんかね、コロッケそばは食事として大変結構だったんだけど、もう少しさぁ、蕎麦の味とか香りってのがね、ガツンと来てくれるとねぇ、いいんだけどさぁ。

なぜ語尾を延ばす東京弁を使う。

いや、銀座なんで。深い意味はないです。

銀座で蕎麦屋といえば「いけたに」が思い出されるが、せっかくだから行ったことのないお店にした方がいい。そういえば、練馬の「名月庵田中屋」の支店がこのあたりにあったはずだなあ、と徘徊することしばし。おお、あったあった。ぎんざ田中屋、これだ。

蕎麦屋というのは外見が地味なお店が多いので、銀座のように情報量の多い町並みだと完全に埋没する。通り過ぎた後になって「あれ?今さっきの、蕎麦屋だったような?」と振り返るありさまだ。

名月庵田中屋といえば、蕎麦は非常に結構だったんだけど量がいまいち、という印象が非常に強く残っている。一生懸命、ざるが透けて見えないように蕎麦を薄くまんべんなく広げているありさまは、「薄毛にお悩みの中高年男性」と形容するにふさわしい。このお店に、空腹時に訪問したらせいろ1枚で済むわけがない。2枚、3枚と食べてしまうに決まっている。だから、2軒目に訪問するお店としては非常に妥当だと言える。

妥当だと言える、と言ってみたものの、ふと考えると1軒目に田中屋でせいろ2枚食べるのと、コロッケそば食べてから田中屋にやってくるのとどう違うのよ、と言われると言葉に窮する。まあ、気分の問題です、気分の問題。

せっかくうまいこと、このお店訪問の動機付けがされたと思ったのだが「気分の問題」で片づけられてしまった。それはともかく、店に入店しよう。

中にはいると、お昼時ということもあってお客さん、いっぱい。たまたま待たずに座ることができたが、すぐ後にやってきたお客さんは行列になっていた。

御前せいろ650円なりを注文し、周りを見渡す。お客さんの数が多い上に、壁には季節モノの一品料理などがずらずらと張ってあるため、情報量が多すぎて状況把握ができない。お店の様子をメモしようと思っていたのだが、先ほど訪問の「よし田」の情報も整理しなくちゃいけなかったため、何がなんだかわからなくなってしまった。

やはり、蕎麦屋はお酒を頂きながら、1時間程度滞在した方がよい。蕎麦を手繰って、すぐに引き上げたんじゃあ、蕎麦屋の良さを半分も理解できぬ。

なんて言いながら、お品書きの中のお酒ページをぱらぱらとめくる。

おい!平日の昼間だぞ、この後お仕事があるんだぞ。

ううむ、無念だ。確かにごもっとも、いくらなんでもお酒はまずい。というか、この混雑したお店の状況下でお酒をちびりちびりやるのは人としてどうか。

しかし、周りをみると結構みなさんビール飲んでらっしゃいますなあ。4人で訪れたサラリーマンは、瓶ビール1本を4人で酌み交わしながら、愛おしそうに飲んでいた。ああやっぱり2本目以上にはいきませんか、さすがに。

お隣の、買い物帰りと思しきマダムお二人は、生ビールをタンブラーで頂いている。なかなか良い趣味ですな、銀座で蕎麦で昼から生ビール。僕もそういう人生を歩みたいです。

こうやって周囲を見ていると、「よし田」よりは客層の年齢が低いものの、依然年齢は高めであることに気づいた。30歳のおかでんが、最年少だ。わぁ、なんだか大人の世界にお邪魔しちゃったみたい。

と、子供ぶってみるが、いい年こいてキモいからやめろ。

御前せいろ

注文を通してからしばらくすると、薬味御三家が届けられた。自分ですり下ろすわさび、大根おろし、ねぎ。このあたり、全く練馬の田中屋と一緒だ。

そして、いよいよ御前せいろ登場。出た出た、何やら規格外のデカさのせいろに、薄く敷き詰められた蕎麦。これぞ田中屋。練馬と全く一緒。

この薄く敷き詰められている蕎麦は、おそらく水切りをよくするための配慮なんだろう。しかし、下のざるが透けてみているため、どうにも量が少なく感じてしまうのが、残念ではある。けちくさい考えかもしれないが、もう少し小さい器で、うずたかく蕎麦を盛り上げてくれた方がおかでんとしては、うれしい。

では、そばをすすってみましょう。

ずるずる。

おお、蕎麦の香りがほんのりとしますね。堅めの麺も、好みです、久々にいい蕎麦を食べた、って気になるなあ。

ずるずる。

あっ。

そば、もう終わりです。

しまった、「下のざるが透けて見えるから量が少なく感じる」んじゃなくて、実際に量が少ないんだった。またもや、ペース配分失敗。いや、今回は意識していたんだけどね、できるだけ少量ずつすすろう、って。でも、終わっちゃった。

注文をする際、店員さんが「せいろ1枚でよろしいですか?」と念を押したのにはわけがある。1枚で物足りないという人が結構いるから、なんだろう。

でも、蕎麦ってこれくらいでもいいかな、という気もする。あともう一枚くらい食べられるんだよなあ、ってくらいでストップした方が。

と、分かったような口をきいてみるが、正直「もう少し量がほしかった。」という気持ちはあります。だって、何となく寸止め一本って感じなので、「じゃあこれからあともう一軒蕎麦屋をハシゴしようか」って気になってしまうから。

まだ行くのか?おいおい・・・。