古民家そば処 池谷そば

2016年03月12日
【店舗数:401】【そば食:663】
新潟県十日町市松代

温かい天ぷら付きそば

池谷そば

今年も「のっとれ!松代城」に参加するために、新潟県は十日町市、松代(まつだい)にて開催された「越後まつだい冬の陣」にやってきた。通い始めて3年目にもなると勝手知ったる土地になってきているが、未だに飽きがこないし、むしろ「いよっ!また戻って来たよ!」という愛着が強まり、毎年楽しみにしている。飽きっぽい僕の性格からしたらとても珍しいことだ。

このイベントは、雪原となっている総合体育館前グラウンドに屋台村が形成される。たぶんそのほぼ全てが地元のお店やグループによって作られており、手作り感覚がとても楽しい。お祭りで見かける、「プロの屋台屋の吟爾」というのもカッコいいものだが、画一的だったりしてワクワク感がない時がある。しかしこのイベントでは、どれ一つとして退屈なものを売る屋台がないので、見ていて楽しくて仕方がない。

雪が積もってるっつーのにかき氷を売っている屋台に驚いてみたり、3メートルはあろうかという竹の柱を店頭に突き刺し、そこに酒を注ぎ込んで、竹に取り付けられた蛇口をひねれば竹酒が出てきて1杯300円、なんてのにも感心させられた。

でも現実的に何を食べるか、となると話は別だ。さて、どうしよう。

酒飲みならば、焼き鳥片手に竹酒(中身は越乃景虎)を飲んだり、新潟限定ビール「風味爽快ニテ」でシカゴスタイルピッツァ(いわゆるディープディッシュ)を食べるのもいい。でも僕、どうせお酒飲まないし。

そこで目に付いたのが、へぎそば屋だった。

蕎麦イベントならともかく、屋台でわざわざ蕎麦を食べなくても・・・と思ったけど、気になった。

この後、帰京の際に越後湯沢駅にある「小嶋屋」でへぎそばを食べる予定になっていた。小島屋はへぎそばの元祖の店として有名なので、味は申し分ない。で、その手前として、「当て馬」というか「噛ませ犬」といっちゃあ失礼なんだが、屋台でざっくばらんにへぎそばを食べてみるっていうのもいいかもね、と思ったのだった。

ちょうど3キロの雪中行軍レースを終えたばかりで、塩分と水分が欲しかったし。

へぎそばと天ぷら

へぎそばといえば、木の箱みたいな形をした「へぎ」に入っている、冷たい蕎麦をイメージする。しかしここは温かい蕎麦。そりゃそうだ、いくらなんでも外で冷たい蕎麦を食べるのは無理がある。かき氷を売っている屋台がご近所にあるとはいえ。

500円でシンプルなかけそば、600円で温かい天ぷら付きのそばになるというので、600円の方を選んだ。

同行していた他の4名にも一口ずつシェアして味見してもらったので、一人でガツーンと食べたわけではない。しかし、多くはない量でもわかる「あっ、これウマいぞ」という実感。すんません、「噛ませ犬」なんて表現、慌てて撤回しますわ。

汗をかいたあとの、あまじょっぱいつゆなんて反則ですわ、といってしまえばそれまでなんだが、蕎麦そのものもおいしい。へぎそばなので布海苔つなぎなのだけど、その独特の食感は時にはくどく感じるものだが、これはとてもおいしかった。あっ、と思った時にはもう食べ終わってしまった。やべえ、「とてもおいしかった」という幼稚園児でも言えるコメントくらいしか思いついてないうちに蕎麦がなくなっちゃった。

越後湯沢駅の小嶋屋

日曜夕方の越後湯沢駅は大混雑。スキーブームは去った、なんて話が信じられないくらいの人出だ。そんなわけで、お目当てだった駅構内の蕎麦屋「小嶋屋」は入店待ちの行列ができていたので諦めた。よかったー、まつだいで蕎麦を食べておいて。

それにしてもこれだけの蕎麦を出すとは侮れん。十日町市のどこかでお店をやっているのだろうか?と思って先ほど調べてみた。すると、もともとは十日町市の山奥にある民宿らしい。「池谷」という集落にある民宿なのだけど、そこのご主人が蕎麦打ち名人で、宿の客に振る舞っているうちに人気が出たので「完全予約制で」ということで外来客も受け入れるようになり、それが今の「古民家そば処 池谷」なのだそうだ。うへー、完全予約制の蕎麦屋の蕎麦、気軽に屋台で食べちゃったよ。どうもごちそうさんです。

この「池谷」がある「民宿かくら」だが、地図で確認するとびびるくらいの山奥だ。こんなところで旅館業を営んでも商売にならないのでは?と心配になる。どうやら、田舎体験が出来ます、とか五右衛門風呂に入れます、というのが売りらしい。それに加えて蕎麦。なるほど、納得でございます。

湯沢庵

小嶋屋に振られたので、急にひもじくなってしまった。よっぽど駅構内の立ち食い蕎麦屋「湯沢庵」で立ち食いでもやろうかと思ったくらいだ。このお店、昔訪れた事があったけど味はどうだったっけ。覚えていない。

・・・と思って調べてみたら、うわあ、2002年に訪れた当時は「雪中庵」という名前だったのに、今は「湯沢庵」なんだな。業者さんが変わったのだろうか?2002年食べたのは「かき揚げ蕎麦430円」だったらしい。今では、同名のメニューはないものの「かき揚げ天そば」が同じメニューであり、お値段は440円。14年の歳月を経て、10円の値上がりとなっている。この間に消費税が5%から8%に上がっていることを考えれば、良心的な値上がりだと思う。

東京に住んでいると、あまりにも画一的な「あじさい」系列の蕎麦屋だらけで心底がっかりしているところだ。この越後湯沢駅もJR東日本管内。いずれ、ここも「あじさい」一派の蕎麦屋に置き換わってしまうのだろうか?そうならないことを願う。

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください