伊豆半島鮎食い紀行

あゆを食べたいぞ、うぐぅ

日 時:2002年(平成14年) 06月01日-02日
場 所:伊豆半島
参 加:ちぇるのぶ、おかでん、ばばろあ、ひびさん、しぶちょお、きた(以上6名)

「鮎が食べたいぞ」

としぶちょおが高らかに宣言した。

「6月1日と言えば鮎が解禁される日。鮎を食べに行こう!」

はあそうですか。確かにおっしゃるとおりだ。

鮎なんて普段あまり食べつけない食べ物なので、いまいちピンとこない。でも、季節折々にそのときの旬のものを食べるのはおかでんとしても大賛成。この話に乗ることにした。

とはいえ、鮎なんてどこで食べられるんだろう。滝があるところの売店で売られているのは大抵イワナだよな。はて。

当時は「観光やな」の存在なんて知らなかったので、鮎がどこで食べられるか皆目検討がつかなかった。小料理屋や料亭なんぞで出てくるんかな、くらいの認識だ。居酒屋でもあまり見かけないメニューだ。

「伊豆半島に『鮎の茶屋』という鮎料理専門店がある!」
「伊豆半島ゥ?伊豆って鮎が名産だったんか。初耳だぞ。てっきり長野の千曲川とかそんなところだと思ってた」」
「鮎が捕れるんだよ、伊豆半島でも」

未体験ゾーンだな。でも近場だから参加しやすい。これが

「郡上八幡にいい鮎がいてね、おかでん一泊二日で鯉、じゃなかった、来い」

なんて言われたら相当に悩んだと思う。でも伊豆半島なら週末の旅行として最適だ。その話に乗ることにした。

参加者を募集したところ、しぶちょおのほかにひびさん、ばばろあ、ちぇるのぶが手を挙げた。あと、アワレみ隊の隊員ではないが、きた氏が途中から参加することになった。総勢6名。結構な大所帯のツアーとなった。

2002年06月01日(土) 1日目

蕎仙坊

2002年06月01日。鮎の解禁日。

アワレみ隊は伊豆半島の玄関口である三島駅に集合した。さて、ここから南下していざ伊豆の鮎を食べよう、というわけだ。

といっても、鮎を実際に食べるのは明日だし、まずは北上してお昼ご飯を食べるんだが。メインイベントはじらしにじらした方がいい。

最初に訪れたのは裾野にある「蕎仙坊」という蕎麦屋。たとえ鮎を食べに行くといっても蕎麦のことはしっかりと忘れないところがアワレみクオリティ。

「なんだ、鮎の天ぷらが入った天せいろを出す店に行けば一挙両得ではないか」

と気がついた。オレって頭いいな。

でも蕎麦の片手間に食べる鮎、というのはなんだか寂しいので、今回はがっつり鮎!ド正面から鮎!と行こうではないか。うぐぅ。

このときの様子はこちら

蕎麦食べたらさあ伊豆、というのはまだ早い。なにしろ現在お昼ちょっと過ぎの時間。今日はこの後伊豆高原の宿に行くだけの予定なので、アワレみ隊にしては珍しくのんびりとした行程になっているのだった。

普通、アワレみ隊がスケジュールを組む時は、おかでんの性格もあってガッチガチにイベントを詰め込んでくる。一日蕎麦4軒を4時間以内に、などがその典型例。しかし今回は珍しく何もない。せいぜい、伊豆稲取にある蕎麦屋に立ち寄ってもいいねえ、立ち寄らなくってもいいけどさあ、というくらいだ。翌日だって、鮎を食べるという事しか予定に入っていない。

企画立案する主たる人が違うとこうも変わってしまうということだ。ちなみに今回はしぶちょおが宿の手配やお店の選択をしてくれている。

芦ノ湖を見下ろす位置

さて、行くあてが特にないわれわれは、芦ノ湖でも見ようか、ということで芦ノ湖スカイラインのところまで登った。

ひびさんとしぶちょお

そこには「箱根・芦ノ湖展望公園」というのがあり、芦ノ湖の眺望がとても良かった。何度も箱根には来ていたが、いつも関所跡や元箱根の辺りだった。だから、その対角線に位置するここからの眺めはとても新鮮だった。標高1,005mから見下ろす眺めはなかなかなものだ。お勧め。ただし公共交通機関で箱根に訪れた人にはちょっと無理な場所かもしれない。

牛なんだか困った顔

「高原牛乳」というのがとても気になったので撮影。

「おい、この牛なんだか困った顔をしていないか?」
「自分の乳を絞られて売り物にされているから困っているんじゃないか?」
「みんなにおいしいおいしいと言って欲しいけど、でも売れて欲しくもないジレンマ?」

それにしてもこの牛、角が鋭角に尖っているぞ。怒らせたら怖い。

「飲んで欲しいのか飲んで欲しくないのか、どっちなんだよ。・・・牛さん。」

一応下手に出ながらお伺いを立ててみる。

しかし牛は困ったような笑ったような顔をしたまま、何も語ろうとはしなかった。

三角木馬で自ら処刑される

「おっ、三角木馬があるで」

ばばろあがうれしそうに、工事中通行止めの三角ついたてにまたがる。

「うおおおおお」

一人悶絶するばばろあ。

「足を浮かせろ!地面に足がついていたら意味がない!」
「のおおお」
「手を頭の後に!そうだ、そして苦悶と恍惚の表情!」
「できるかぁぁぁ!」

芦ノ湖から伊豆高原へ。

まだ宿でゴロゴロするには時間があるので、伊豆高原のどこかで遊ぶことにした。

とはいっても、伊豆高原はいろんなものがありすぎ!ナントカ博物館と銘打っているものが一体どれだけあることか。何でこんなにミュージアムが密集しちゃったんだ?何かそういったものを呼び寄せるものがこの地にあるのだろうか?

「どこに行けばいいのかさっぱりわからん」

伊豆ぐらんぱる公園
伊豆ぐらんぱる公園地図

そんなわけで、ロードマップにも載っている「伊豆ぐらんぱる公園」に行ってみた。

「何がある公園なんだ?」
「さあ?」

誰もこの公園の事を知らなかったので、とりあえず行ってみようというわけだ。

「うお、入園料1,800円もするぞ」
「高いな、ふらっとよくもわからず入るにしては、ちょっと厳しいプライス」

どうもこのぐらんぱる公園、動物園と植物園の合いの子の施設らしい。なるほど、単なる公園で1,800円は高い、と思ったがそれなら納得だ。

結局われわれはこの公園には入らなかった。

誇宇耶

車を走らせ、伊豆稲取へ。もう日が傾いてきている時刻だが、開いている蕎麦屋がある。

「誇宇耶(こうや)」というお店。伊豆稲取からやや離れた、国道135号線沿いのお店。

このときの様子はこちら

泉郷コンドミニアムホテル

今晩は素泊まりの宿なので、こんな夕方になっても蕎麦を食べ歩いてOKなのだった。

泉郷コンドミニアムホテルキッチン

お宿にチェックイン。

泉郷コンドミニアムホテル。

泉郷といえばアワレみ隊がよく使っている貸別荘で、過去に八ヶ岳、安曇野などを利用してきている。で、今回はその伊豆高原バージョン。別荘ではなく、ホテル形式の宿になっている。しかし、部屋の中にはキッチンや電子レンジが備え付けられており、素泊まりの宿ですよということがはっきりとわかる。

結構広い部屋で、6畳のお座敷にベッド2つ、そしてダイニングテーブルが並んでいる。

こうなると、「お座敷でくつろげばいいのか、それともダイニングのテーブルでくつろげばよいのか」で悩んでしまう。

本日の戦利品を出す
戦車また戦車

ばばろあがガサガサと袋を取り出し、そこから「本日の戦利品」を取り出した。

そのあと、その戦利品を丁寧にバラして仕分け。

何をやっているのかというと、これは「WORLD TANK MUSEUM」という食玩で、マーブルチョコのようなお菓子とばばろあが主目的にしているタンク、すなわち戦車が入っている。

「あっ、またさっきの戦車とかぶった!もういらんでこれ」

などとぼやきながら仕分けを進めていた。

ばばろあは言う。

「地方に行けば案外掘り出し物があるんよ。都会では売り切れになっているようなものもまだ売られていたりするから、古くからやってそうな駄菓子屋やおもちゃ屋は要チェックで」

なるほどそれはごもっともな見解。実際、この「WORLD TANK MUSEUM」は都会では売り切れ続出でなかなか手に入らないシロモノらしい。

「だから大人買いよ。こういうとき買わんでいつ買うん?」

とばばろあは胸を張る。

宴会の準備

お座敷に場所を移し、宴会の準備。

スーパーであれこれ買ってきてあるので、それで夕食兼宴会。

これまでもこのスタイルを採ったことはあるが、それは「お昼に蕎麦4軒食べてきました」みたいな場合限定。この日は蕎麦2軒しか食べていないので胃袋の状態は絶好調。やー、ビールがうまいなー。

乾杯

乾杯している写真をセルフタイマーで撮影しているが、ばばろあ一人だけビールを既に飲んでいる。彼独特の性格で、「ビールがぬるくなるじゃろ。はよしようで」とこういう「やらせ写真」にはあまり応じないのだった。

あまりうまそうに感じない清酒

清酒を買ってあったのだが、あまりおいしくない。

飲み口が柔らかいお酒を飲みたかったのだが、うっかり「生酒」(火入れ処理をしていない、結構当たりが強いお酒)を買ってしまったせいだ。

酒造元を見ていたら、あることに気がついた。

「あっ、これ、旭化成製だ!」

まさか旭化成が清酒を醸しているとは知らなかった。

しかし、その企業名を見た瞬間に、なんだかこのお酒が化学合成品のような気がしてきて、

「・・・薬っぽくないか?これ」
「気のせいじゃないか?」

などと不穏な発言をするようになってしまった。企業名やブランドって味に影響を与えるんだな。

中国茶
中国茶2

ちぇるのぶは1年間にわたる南京留学から帰ってきたばかり。

「中国土産、持ってきたよー」

と取り出したのは中国茶だった。

「ならぜひここで飲んでみようではないか」

と、酒席が一段落していたこともあってちぇるのぶのお手並み拝見。

ちぇるのぶは結構大胆にお茶っ葉を入れる。

ばばろあに説教されるちぇるのぶ

「馬鹿、もったいない事すんな。そんなに入れんでええじゃろ」

ばばろあとしぶちょおにたしなめられる。

「えええ。でも、現地じゃこれくらい平気で入れてたぞ」
「入れんでええ。こんな入れたらもったいないだけじゃ」

結局ちぇるのぶはばばろあに押し切られてしまった。

二人でお茶を飲む

「ほら、十分味が出とるじゃろ」
「うーん」

まだ腑に落ちていないちぇるのぶだった。

このあとさんざんおしゃべりをしたのち、就寝。

2002年06月02日(日) 2日目

二日目朝

起床時間。

ジャンケンで場所を決めた就寝場所だったが、特にいびきや寝相でトラブルなく朝を迎えることができた。

窓からの景色

とはいえ、室内はよどんだ空気。外のすがすがしい空気と大違いだ。

既に朝飯を食っているばばろあ

「あれ?」

いろいろ準備していたら、ばばろあはもう朝ご飯を食べていた。

朝ご飯は各自食べたいものを食べたい量、ということでめいめいが買っていた。写真だとしぶちょおがフライパンで何かを調理しているのに対し、ばばろあはパンをかじっている。

「全員そろって、頂きます、ってやった方がいいのに・・・」

おかでんはこういうところではセンチメンタリズムの持ち主なので、全体でそろって何かをやるというのを好む。だから、ばばろあが先行して自分のメシを食っている事に対しては残念に思っている。

「メシなんて準備ができ次第食えばええんじゃ」

ばばろあは言う。むう、返す言葉がない。

ホテルをチェックアウト

お世話になったホテルをチェックアウト。

さて、一泊二日のミニ旅行、これからが本番ですよ。鮎を食べる、というのが今回の目的なんだから。

昨日の宴会でいろいろお総菜を買っていたわけだが、ここで「鮎の塩焼き」なんてのがスーパーで売られていたらどうしていただろう。「どうせ明日食べるんだから、こんな冷めたものを食べる必要は無い」というのが正解なのだけど、「でもそうと判っていてもあえて買ってしまうルーザーな俺」を演出したいという気持ちもふわふわと沸いてくる。んで、結局買っちゃったんじゃなかろうか。「鮎の茶屋より一足早く鮎食ったぜ!」と意味もなく勝ち誇ったりして。

ばばろあが後部座席であれこれ言ってくる

ばばろあが後部座席であれこれ言ってくる。

「あの山なんか・・・絶対山城あったと思うんよ。ほら、あのあそこの形が・・・」
「さっきも山城あったじゃないか。またか」
「山城なんてのはあっちこっちにあったんよ(と解説が続くこと数分)。ほら、あの山も・・・ええねえ、あの形」

山の形を見ただけで山城の存在を類推するという高度なテクニックをばばろあは身につけていたとは。その技術を応用すれば、スカート姿の女性を見ただけでパンチラ画像を想像できることはできないものだろうか。

あまりに山城、山城と言うので、お仕置きとしてハンドルを預かるしぶちょおにうねうね曲がる山道で大げさにターンしてもらうことにした。

「うおおお」

遠心力に振り回される後部座席の面々。とばっちりをうけたひびさん。

※この当時は後部座席のシートベルト装着は義務化されていませんでした。

鮎の茶屋は、西伊豆の大沢温泉というところにある。

大沢温泉はあまり知られていない温泉で、Googleで「大沢温泉」と検索すると、岩手県花巻の大沢温泉がヒットしてしまうという不遇な温泉だ。同名で有名な温泉があると、このネット時代にはなにかと不便。

大沢荘山の家

鮎の茶屋に行ってみたが、まだ営業開始していなかった。早めに到着してしまったからだ。時間つぶしをするため、また、ここで合流してくる予定の「きた」というニューフェースを待つため、大沢温泉の最奥にある「大沢荘山の家」に行く事にした。

山の家は、日帰り入浴施設。露天風呂が一つあるだけの簡素な施設で、入浴料500円。

木の橋を渡って対岸に渡るというところが風情がある。

橋の先にある建物は休憩所になっていて、山小屋的な雰囲気がある。結構熱いお湯なので、のぼせたらここで休憩して一息ついてから再度入り直すのがよいかもしれない。

露天風呂

面白いのが露天風呂で、男女の仕切りが7割くらいしかない。つまり、残り3割くらいの隙間で双方を行き来することができる。半混浴、と言おうか。

あと、水面すれすれのところがついたてとの間に10センチくらい隙間が空いているので(ついたては水面の中まで浸かっていない)、その気になればその隙間から隣の風呂を覗く事も可能。

・・・しまったァ、女風呂にいるのはひびさんだけだったァァァ。いくらひびさんが魅力的な女性とはいえ、何が悲しゅうて同じアワレみ隊メンバーの異性の裸を見ないといかんのよ。微妙すぎるだろ、そのシチュエーション。

でも、見る事ができるぞ?見たいか?と言われれば・・・うーむ。それは・・・。

・・・しまったァァァァ、眼鏡をかけていなかったァァ。裸眼で0.1以下の視力では、何がどう細工されていても隣の風呂は覗けない!シット!

とまあ、そういう葛藤と絶望とその他諸々があったわけですよ、ええ。

そんなわけで楽しいお風呂です。

そういう下心はとりあえず置いておいて、この温泉の秀逸なところは温泉がついたての下から自噴していることだ。ぼっこんばこんと派手な音を立てて沸いている。結構な勢いだ。こんなすぐ足下で沸いている温泉はあまりない。温泉の効能が空気に触れて劣化することなく、100%味わえるのだからありがたい。

風呂上がり

風呂上がり、さっぱりしまくって風呂からでる一同。

熱めのお湯って風呂上がりがさっぱりするからいいよな。

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