2000年05月05日(金) 3日目
おかでん「だああああっ、どうも眩しいと思ったら、テントの真っ正面から太陽がのぼってきてるじゃないか!しかもほぼ水平線から!」
の5時半。
おかでん「とほほ・・・起きるしかないか」
おかでん「あらためて周りを見ると、すごいな」
兄「オートキャンパーが、か?」
おかでん「テントの中で直立できるようなデカいテント1つに、やっぱりデカいタープ。しかもタープの下には必ず折り畳み式のテーブル椅子が据え付けられていて、その横にはコールマンのツーバーナー。んで食器は大抵青色のホーロー模様ときたもんだ」
兄「借りたんじゃないのか?ここ、テントとかも貸してくれるぞ」
おかでん「うーん、でもこれだけ色とりどりのテントが並んでいる事だし、自前っぽいがなあ。もし自前だったら何か凄まじいよな」
朝は、昨晩の海鮮鍋にご飯を投入したおじや。
おかでん「うむ、朝はおじやだと楽だなあ」
兄「うむ。鍋もご飯も前夜に用意できるからな。後は葱を刻むくらいだ」
朝7時、Weランド出発。まだ起きている人もまばらな時間に退去した。正門横にある風車で記念撮影。
おかでん「この風車、何のためにあるんだろう」
兄「飾りじゃないのか?」
おかでん「風力発電とかやってれば面白いんだけど」
兄「無理無理、こんな重そうな羽根じゃ発電できるほど回転しないって」
兄「穴水名物のボラ待ち櫓、だって」
おかでん「あの櫓の上で一日中ボラが来るの、待ってんの?根気がいるなあ」
兄「で、網にボラが入ったら網を引き上げる」
おかでん「うーん、ボラって臭くてまずい魚という印象を持ってるんだよな、だから、根気よく待って待ってボラをとっつかまえる心境がよくわかんない」
兄「これだけ海がきれいだと、ボラも臭くないんじゃないか?」
おかでん「げっ、これが恋路海岸なのか」
兄「なんだ大したこと無いじゃないか」
恋路の伝説。昔、岩づたいにやってくる恋人のために、娘が目印に篝火を浜辺で焚き、二人は逢瀬を続けていた。しかしこれを妬んだ男がある夜、篝火を深みに移したため恋人は溺死し、娘も海に身を投げた。
おかでん「いくらなんでも、おぼれ死ぬほどの深みにはまるこたぁないと思うぞ」
兄「男は何のためにこんな小さい島に居たんだ?もっと遠くの島かと思っていたら・・・今じゃ、陸地と半分繋がってるじゃないか」
おかでん「臭う!臭うぞ!観光地化を狙った陰謀が!」
兄「さっきからあっちでカンカン鐘の音が鳴ってると思ったら、恋愛成就かなんかの祈願の鐘があるぞ」
おかでん「嗚呼、やっぱりそんなところだろうとは思ったが。どうしよう、とりあえず鐘鳴らしてこようか」
兄「恥ずかしいからやめとけ」
兄「奥能登、というから海岸線には何にもなくて、ほんの時々漁師の番屋があるくらいのイメージだったんだけど。案外さびれていないなあ。残念だなあ」
おかでん「何を期待していたの?」
兄「ほら、青森の六ヶ所村みたいな、ああいう最果ての地っていう感じ。ああいうのを期待していたんだけど、やっぱり日本じゃなかなか難しいんだな」
おかでん「とりあえず、禄剛崎って事で最果ての地ではあるぞ。ガイドブックにだって、『奥能登のイメージは、荒々しい海岸線と小さな浜に寄り添うように立つ僅かな家々・・・、そんな素朴な集落といったところにあるのではないだろうか。能登半島の先端に突き出た禄剛崎あたりは、そのイメージを絵に描いたようなエリアだ』って書いてあるし」
兄「違うんだよなあ、何か」
おかでん「言ってることは分かるけど、期待しすぎじゃありません?」
兄「おい、ここは日本の中心って書いてあるぞ」
おかでん「ありゃりゃ、最果ての地どころか、中心地だったのか」
兄「どこにもあるな、こういうのって」
おかでん「でも、この『日本のへそ』で観光地化著しいのってどこもないような気がする」
白米千枚田到着。
兄「おお、これはすごいな、斜面一面にびっしりと田んぼがあるぞ」
おかでん「もう少し段差を大きくして、一枚あたりの田んぼを大きくすりゃあいいのに。労力ばっかりかかりそうだな」
兄「よっぽど平地がないんだろうな、こうまでしなくちゃ生きていけなかったんだろう」
おかでん「輪島の朝市は9時半がピークで12時頃には終わるらしい」
兄「もう12時じゃないか、終わるぞ」
おかでん「なんとか間に合った!」
兄「でも、なんか魚とかは少ないな、干物やワカメや蒲鉾や・・・」
おかでん「何か同じ商品扱っているお店がおおいな、値段もどこも一緒だし。交渉すれば安くなるんだろうか?」
ここで、蒲鉾3本1000円也を購入。
おかでん「輪島名物、『すいぜん』だってさ」
兄「イカにいしる汁をかけたようなもんか?」
おかでん「いや・・・甘い。なんだろう、これは。イカみたいなのは寒天じゃないか?で、甘い付け汁は・・・謎だ。食べてみる?」
兄「いや、うまそうじゃないしやめにしておく」
おかでん「食前に食べる物じゃなかった!こりゃおやつだ」
おかでん「しかし、アレだな」
兄「何だ」
おかでん「観光地物価はここでも健在だな」
兄「まあな。一番まともそうなお店だと思ったけど、やっぱり高かった」
おかでん「高いなりに凝った料理を出してくれるのはうれしいんだけど、もっと素朴なものが食べたいんだよなあ僕らは」
兄「でも、自ら高い奴を選んだんじゃないか、自業自得だろ」
おかでん「そうなんだけどさ、安い奴になるとカレーとかそばとか、そんなのどこでも食べられるだろー、ってメニューになってしまうし。それは悔しい」
総持寺祖院。ここは曹洞宗の大本山だ。
兄「交通整理の坊さん、大変だな」
おかでん「まさかこのお寺に来て、交通整理をせにゃならんとは思っていなかっただろうな」
兄「でも、あれも修行のうち」
おかでん「そうかなあ、あれでサトリが開ければ道路工事で交通整理やっているオッチャンでもサトリが開けると思うぞ」
兄「志が違うんだよ、志が」
おかでん「うーん!能登金剛には断崖絶壁を期待していたんだけど、なんじゃあ、こりゃあ」
兄「眺めはいいけど、断崖絶壁じゃないな」
おかでん「やっぱり、遊覧船に乗って海から見ないとダメなのか」
兄「今朝、九十九湾に行ったのと同じだな。地上からじゃなーんもわからない」
おかでん「ちくしょう、何かすっごく損した気分がするぞ」
千里浜なぎさドライブウェイ。
おかでん「へえぇ、本当に波打ち際から数メートルのところを車が走ってら」
兄「砂が硬いんだな、普通の砂浜だったら車がめり込む」
おかでん「しかし、あちこちに海の家があるぞ。夏は海水浴場になるのか」
兄「あぶないなあ、海水浴客が車に轢かれたらどうするんだ」
おかでん「でも、車で到着して10秒でもう水の中に。帰るときは出発10秒前まで泳いでいられる」
兄「準備体操してから泳がないと体が攣るぞ」
おかでん「白山スーパー林道がまだ開通していなくて大回りしたのは大誤算だったけど、道の駅白川郷でテントを張るというのは予定通りだったな」
兄「ちょっと照明で明るいけど、まあ比較的良いんじゃないかな」
おかでん「駐車場の隅だからちょっと車の音がするのはうっとおしいけど・・・」
兄「いや、それよりも高圧電流の音が気にならないか?」
おかでん「ん?聞こえないけど」
兄「耳が悪いな、頭上に通っている高圧電線からぶんぶんと音がしてるんだ、気味が悪いな」
おかでん「今日は焼き肉だ」
兄「バーベキューではなく、焼き肉というところにこだわりがあるな」
おかでん「アウトドアーな人たちって、どうして鉄板焼きなのに バーベキューって言うんだろうね?不思議だ」
兄「やっぱりあまり焼けないなあ」
おかでん「フライパンを安定させるために台を使うか、それとも火力を強くさせるために台を外すか。悩ましいところだな」
兄「悩んでないで早く肉を投入しろ」
おかでん「へーい」
コメント