1歳児がいたら心配?いや、むしろ今こそ行こう、上高地・小梨平で2泊したら最高すぎた【上高地2022】

1年前の2021年、まだ生後8ヶ月弱の弊息子タケを伴って家族で上高地を訪れた。0歳児でも上高地には行けるんだな、と思ったひとときだった。

あわせて読みたい
0歳児、晩秋の上高地に突入す【中の湯・明神】 2020年、新型コロナウイルスの流行が始まり、まだ感染者数が増えたり減ったりを繰り返していた2021年。 感染者数が減ると、「GoToトラベル」のような旅行観光業支援のた...

僕の思惑としては、このまま毎月のようにキャンプや登山に出かける家族になりたいと思っている。でもその作戦を決行するにはまだ早い。もう少し助走期間が必要だ。

とはいえ、助走しているうちにこの計画が頓挫する予感がする。

いしは今、子育て期間中ということで勤務シフトを絞っているものの、「明日から本気出す!」と宣言すれば土日関係なく働く職業だ。土日祝日を使ってみんなで旅行に行こうねー、なんて呑気なことを言ってられるのは今だけなのかもしれない。

また、一番時間の融通がききそうな子どもだが、この子もいずれは習い事だの、学校行事だので融通がきかなくなる。学校行事というのはまだ結構先の話だが、「習い事」というのはそう遠くない未来な気がする。

というのも、夫婦共働きで子どもは朝から晩まで保育園、という生活だと、ほんとうに弊息子タケが「オプションがまったく付いていないクルマ」みたいな状態で育ってしまうことを僕は懸念している。

保育園はいろいろ子どものためにやってくれてはいるけど、教育機関ではないことを日々実感する。「託児所」の延長だ。保育園に感謝はすれど、もうちょっと息子をチューンしたいと思ったら、週末に習い事に行かせることになる。

子どもがまだ1歳半なのにこんなことを考えているのは、僕らが住んでいるのが人口過密都市東京ならではなのかもしれない。

いずれにせよ、僕ら夫婦が愛してやまない上高地は、いつまで行けるかわからない。行けるうちに家族で行っておきたい場所だ。なにせ、片道で最低半日以上を要するので、1泊2日というわけにはいかない。2泊3日、もし許されるなら3泊4日したいなあ・・・と僕は思っている。もっとも、いしからは「3泊は長い」と速攻で却下されたけれど。

2泊や3泊というまとまった時間があるなら、いっそのこと北海道や沖縄に行ったほうが良いのかもしれない。でも、あれこれ手広く「行きつけの場所」を拡大してもあたふたするので、今のところは「毎度おなじみ、上高地」を愚直に訪れようと思う。

2022年のおかでん家上高地行きは、小梨平のケビンで2泊とした。本当は徳沢園に1泊したかったのだけど、ここは人気の宿であり希望する日程のうち空きがある日がまったくなかった。

本当は小梨平でテント泊を画策していたのだが、夫婦で相談のうえ諦めた。1歳児とはいえ1名増えるので、これまで使ってきたテントでは家族全員が入り切らない。新しいテントを買う必要がでてくる。そのコスト負担をどうするんだ問題と、今後キャンプをやるならオートキャンプ的なものなのか、そうでないのかという方向感を決めきれなかったので具体的なテントの提案が僕から出せなかったからだ。

また、テント泊だと夜は冷えることが考えられる。テントの壁に体が密着すると、結露で体が濡れることもあり得る。そのせいで1歳児が風邪をひく、というのは十分に考えられ、やっぱり時期尚早と言わざるをえなかった。

2022年10月01日(土) 1日目

荷造り。

10月頭ということで気候が良いので、荷物は少なめ。

ケビン泊なので寝具も調理器具も備わっているし、食材はすべて現地調達できる。ホテル泊と違ってアメニティがないので、それらは持参しなければならないのと、朝晩が冷えるのでその分の衣料持参がある程度だ。

1歳半のタケについては、まだ離乳食を食べている年頃だ。離乳食は全部東京から持参ということになるが、量としてはしれている。体積としてもっともかさばるのはオムツだ。現地に捨てて帰るわけにはいかないので、帰宅するまで持ち歩くことになる。しかも帰宅する時点では、オムツがかさばって重たくなって、臭くなっている。

あんまりオムツをカバンにぎゅうぎゅうに押し込むと破裂するかもしれない。使用済みオムツが破裂、というのは困るので、取り扱い注意。

今回わざわざ上高地に持参したのは、COVID-19のテスターだ。

この時代、やたらと出回っていた、信憑性不明な「研究用」と名乗るテスターと違い、第一類医薬品のれっきとした検査キットとなる。

上高地に出発する前にこれで家族全員の陰性を確認したし、上高地にも持参し、誰かが発熱したらこの検査キットでまずは簡易検査を行うことにした。

旅行先、特に上高地という閉鎖空間でコロナ発生!となると周囲に多大な迷惑がかかる。もし陽性と判定されたなら、陽性なりの立ち居振る舞いをしないとまずい。

あと、今回の旅で本を持参した。

小さな子どもを同伴しているので、昔ほど自由がきかない旅になるだろう。そういうときはこの本でも読んでゆっくりした時間を過ごそう、と思っている。

用意したのは「ポストモーテム みずほ銀行システム障害 事後検証報告(日経コンピュータ著)」。

著:日経コンピュータ
¥1,078 (2025/04/18 13:10時点 | Amazon調べ)

基幹システムの更改がうまくいかず、頻繁に大規模なシステム障害を起こしていたみずほ銀行。なぜそのような状態になってしまったのかを書いたルポルタージュ。

読み応えがある内容だったが、内容が内容だけに気分が重たくなる本だった。上高地に行ってご機嫌になりたかったのに、憂鬱になってしまったのは予定外だった。本そのものは良いのでおすすめなのだけど。

08:54
新宿駅。

9時出発の特急あずさで松本を目指す。

今日は上高地バスターミナルすぐ近くの小梨平にたどり着けば良い行程。なので、上高地に行くにしてはややゆっくりめの出発だ。

1歳児がいるので、あんまり早朝から活動したり、彼を刺激しないようにしたい。ご機嫌が損なわれないように。

特急列車のシートが珍しいし、楽しいタケ。

親の膝の上に立ち上がり、座席の後方を覗き込んでいた。後ろに座っている人は、眼の前の席から幼児が顔を出して「お前誰だ?」という顔をするので、愛想笑いをするしかなかっただろう。

11:53
松本到着後、お昼ごはんを食べることにする。

お店選びはいしに任せた。僕はこれまでの人生であっちこっち行ってきた。お店もあれこれ行ってきた。それよりも、まだ旅行の経験が浅く、お店選びもあまりやっていないいしのセンスにお任せしよう、というわけだ。

選ばれたのは、駅からしばらく歩いたところにある「レストランどんぐり」。

洋食のお店らしい。鉄板の上に乗った料理の数々がメニューにある。

レストランどんぐりの店内。良い雰囲気。

ハンバーグステーキ、1,450円。

手間がかかっているからか、お値段はそれなりにする。

こちらは「変わらぬ人気!当店不変の定番」と銘打たれた、スパカツ。1,350円。

弊息子タケは、スパカツのスパとハンバーグをちょっとずつ親から分けてもらい、それを食べていた。

いつもいつも離乳食というわけではなく、だんだん親と同じものを食べるようになってきている。しかし、まだ歯が生え揃っていないので、ハサミを持参していつでも食材を一口サイズにカットできるように準備しておく必要がある。

100円ショップで買った、ありがちな調理バサミを持参していたのだが、今考えると刃渡り6cm以上あるので銃刀法違反に問われる可能性がある。取り扱いには気をつけないと。

食後、噴水がある広場でタケが遊ぶ。

ようやくテケテケと歩くようになってきて、こういう広場はとてもうれしそうだ。

ただ、基本的に彼は横着者で、「公園や広場までの移動は親の抱っこ。公園に到着したら自力で歩く」というスタンスだ。なので、公園までは「抱っこ!抱っこ!」と叫ぶ。

松本駅にある気温計によると、現在は30度。

10月でもかなり暑い。

アルピコ交通上高地線のチケットを買う。

JRの券売機で、私鉄のきっぷを買うという不思議な売り場。しかも、Suicaでチケットを買うことはできない。

1年前は橋が壊れた、ということで一部区間が不通になり、バスによる振替輸送が行われていた。しかし今は無事全線開通し、新島々まで乗換なしで行ける。

1年前に松本駅に来た時も、「あれ?なんか古い車両があるな」と思ったものだが、100周年記念ということで特別のカラーリングをほどこした車両だったらしい。

13:33
新島々に到着し、バスに乗り換える。

僕は上高地に思い入れがあるので、「ほら!稲核ダムだよ!」「沢渡だよ!」などと車窓の光景にいちいち反応する。しかし、肝心のタケは風景を見ることにすぐ飽きてしまい、いしの膝の上でジタバタした挙げ句お昼寝を始めた。

1歳児だと、まだ風景を楽しむということは難しいのかもしれない。そもそも、動体視力がそこまで発達していないので、流れ行く景色をなかなか認識できないだろうし、脳も処理できないのだろう。

14:30
上高地バスターミナルまで行かずに、その手前の大正池でバスを降りる。

大正池はタケに見せたい場所だからだ。

とはいえ、上高地から大正池まで歩いて、その後また上高地まで戻るのは正直かったるい。だから、初日に大正池で下車し、そこから上高地まで歩いていけばいいや、と考えた。

大正池と、焼岳。

思った通り、とても美しい。

コロナ期間中ということもあって団体観光客、特にインバウンド客が少なく、1歳児が人混みに飲まれることがないのはとても良い環境だった。

こういう環境にまったく馴染みがないタケ、水を珍しがる。

手元の小石を拾い、ポチャンと落として何やら考え込んでいた。

それにしても、上高地のおだやかな自然と、1歳半の我が子の組み合わせというのはほんとうにフォトジェニックだ。

天気が良かったこともあって、今回の旅では家族の写真をとても沢山撮った。

子どもをレストランにつれていきました、公園に行きました、テーマパークに行きました、という記念写真も素晴らしいと思うが、大自然と子どもというのはほんとうにすばらしい写真を撮らせてくれる。

まだ胴長短足で頭でっかちな、よちよち歩きの1歳児さんだからこそ、大自然との対比が際立つ。今この時期に上高地に子どもを連れてきてほんとうに良かった、と思う。

(つづく)

1 2 3 4 5 6 7 8 9

コメント

コメントする

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.