牡蠣づくし2014

短期集中食べ歩きマニアックス(その4)

広島出身ということもあってか、牡蠣が大好きだ。僕の父親は牡蠣が苦手で食べないのだが、それでも実家住まいの時は父親不在の隙を突いて食卓に牡蠣が上がったものだ。いや、父親がいる時でも出ていたな。そのときは父親だけ別メニューだった。それくらい、牡蠣は好きだし、広島という土地柄、親しまれている食材だった。

とはいっても、もっぱら食べるのは牡蠣フライだった。土手鍋なんてやらなかったし、ましてや生牡蠣なんて家では食べたことがない。だから、生牡蠣を初めて食べたのはむしろ上京してから、という有様だった。そこで、「牡蠣って食べ物はスゲえじゃん」と開眼した。

以前、職場の新年会を部長宅でやるよ!という話になったので、広島に帰省した際に生牡蠣を発注しておいた。で、当日、チルド便で宅配された牡蠣はやんやの歓声で出迎えられたのだが・・・参加した10人中9人がノロウイルスにやられ、うち1名は入院するというとんでもない惨事になってしまったのだった。それからの一週間は、高熱と痛みで苦しむ人だらけで、職場は開店休業になってしまった。で、バツが悪いことに唯一ノロウイルスにやられなかったのは牡蠣を提供した僕だったという。

牡蠣は、信用できるところで購入してもリスクがある。生食用だからといって確実に安全ではないし、加熱しても扱いが悪けりゃあたる。そんな危険な食べ物であっても、人々を魅了してやまないのが、味の良さだ。正直、みてくれはグロいのだが、それを補ってあまりある濃厚な味。冬しか食べられない、というのも季節感を強く打ち出していていい。これが年中食べられるなら、もっと商品価値は低かったはずだ。

そして今年も牡蠣のシーズンになった。牡蠣を食べないと。

今回は、おかでんが2014年冬に食べた牡蠣料理についてまとめてみた。当初はそんなことやる気は無かったのだけど、なんか牡蠣っていろいろ面白いよな、と食べているうちに気がついたので。

1軒目:やじ満@築地市場場内

やじ満外観

新橋駅から、「日本で一番走行距離が短い」路線バスに乗って築地市場へ。朝8時半、お店。

築地はすっかり観光地となっており、国内外からお客さんが多数訪れている。そんな人たちのお目当てはもちろん寿司や海鮮丼。でも僕は観光客ではなく、単なる「通勤途中にあさごはんを食べに来た人」。長蛇の列となっている有名店を尻目に、中華料理の「やじ満」へ。

冬季限定のカキらーめん

ラーメン中心のお店だが、麻婆豆腐や肉野菜炒めといった中華料理も少しある。あと、焼売がお店の名物らしく、サイドメニューとして注文している人が結構いた。

朝っぱらからサイドメニューで焼売なんて、と思うが、何せ「仕事終わり」で食べに来る人が多い場所柄。僕にとって「朝ご飯」であっても、お客さんの多くは「夕飯」感覚なのかもしれない。

さすがに顔なじみの常連さんが多いので、接客担当の店員さんはお客が座るだけで「上下やわらかめで」とか「麺少なめで」と厨房に個別カスタマイズを指示していた。僕が座ったら自動的にヤサイマシマシに・・・なるわけないか。ここはラーメン二郎ではない。

これがカキらーめん
カキが入ってるぜ

カキらーめん、出てくるまで15分くらいかかった。これから仕事、というサラリーマンにとってはひやひやもんの所要時間。

特大のカキが4個。スープは塩味で、にらとたまねぎが具だ。麺は細い。

カキがラーメンにあうかというと、あんまりぴったり感はないと思う。
スープ、麺ともにレトロな感じであり、今はやりのガツンとした味わいとは違う。「築地場内のお店は食にうるさいプロの客ばっかりが訪れるので、美味が揃っている」という噂は本当だろうか?

でも、食べ進めるうちに、このラーメンに対する疑問は薄れていき、食べ終わるときには「なかなかうまかったんじゃないか」とにっこりしていた。おそらく、ラーメン二郎みたいなコッテコテラーメンにこれまでは味覚が慣らされていたので、その脳と舌を今回リセットするのに少々時間がかかったようだ。「滋味」なんてすっかり忘れてたけど、今回ようやく思い出したよ。

次訪れる機会があれば、その大きさが素敵な惹く焼売を食べてみたいものだ。張り紙には、「これを食べずしてやじ満を語るなかれ」と書いてあったし。

あっやべえ、食べずしてやじ満を語っちゃったよ。

2軒目:GRAND CENTRAL OYSTER BAR&RESTAURANT丸の内店

品川のオイスターバーが実は丸の内にもある

牡蠣ィィィ、とひとたび思ったら、やっぱり生牡蠣が食べたくなる。生牡蠣って、酒を飲まなくなった僕にとっては興味が大幅減となった料理の一つだが、それでも生牡蠣を食べた際のスペシャル感というか、小躍りしたくなる感は他の何者にも代えがたい。

生牡蠣を一言で形容するならば、「お値段が高い」、これに尽きる。おいしいとかそんな味の話以前のレベルだ。悲しいけど庶民にとってはこれが現実なのよね。東京界隈で生牡蠣を食べるなら、特にそれを感じる。なので、食べるときは一気呵成にガツンと食べることにしたい。そういうときに選択肢となるのが、オイスターバーだ。

品川駅にあることで有名な「グランドセントラルオイスター&バー」は、実は丸の内にもある。今日はその店に突撃。

生牡蠣はスゲー高いのです

このお店は世界各地から生の牡蠣を集めてきて取り扱っているのが素敵だ。国産牡蠣の方が美味しいと僕は思っているので、わざわざ大枚はたいて外国産を食べる必然性はない。しかし、食べ比べをして、その味の違いを楽しむのがこのお店の醍醐味だ。

とはいっても、値段はしびれ上がる。メニューに書かれているお値段は、あくまでも「1個あたり」のもの。これを人数分頼んで、なおかつ何種類か食べ比べるとなると・・・。お会計のことはあまり考えたくないものだな。ましてや今日は僕がおごる、という腹づもりだし。

食べ比べがオイスターバーの醍醐味

店員さんと入念に相談し、それぞれ特徴のある3種類の生牡蠣を選んでみた。

牡蠣も産地によって形、大きさ、そして味が全然違う。こうやって並べてみるとそれがよくわかる。牡蠣フライなんぞにしてしまうと、何が何だかわからなくなってしまうけど。

それにしても、見慣れているからこそこれが普通に見えるが、しらない人が見たら相当グロい姿だ。「ちゃんと処理できていないと、食中毒のリスクがある食べ物だ」と聞いたら、「そりゃそうだ、こんな外見の食べ物だし」と一刀両断されそうだ。

牡蠣のグラタン

他にもいくつか料理を頼んだけど、牡蠣に関係あるものだけ紹介。

写真は、牡蠣のグラタンみたいなものである「オイスターロックフェラー」。お店のメニューには「当店人気No.1」と記されている看板料理だ。6ピースで1,450円。これも高いっちゃあ高いが、先ほどの生牡蠣と比べるとびっくりするくらいお安い。こっちの方が手間暇かかっているのに。生牡蠣を提供するために、見えないところでどれだけ大変なのかということがうかがえる。

生牡蠣!わーい

とはいってもやっぱり生牡蠣うまいよな生牡蠣。折角なので追加で、メニューには載っていない牡蠣を追加注文。

しみじみ食べたいのに、ちゅるんと食べてしまうこの切なさよ。もったいないから、といって何口にもわけて食べると、それこそグロいので。食べるときはぐいっと食べようオイスターバー。

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