羊肉の会#02 その名もずばり、「羊肉の会」に潜入する

飲み放題込みで羊肉三昧という信じられない宴、「羊肉の会」。それに潜入した我々一同、乾杯のあとこれからやってくる料理に身構える。

発案者ののっちょさんからあらかじめ聞いていたメニューは次の通り。

  • 丸ごと羊の本窯焼き
  • 白菜の甘ずっぱいあえ
  • 八宝ほうれんそう
  • 骨付き羊のスペアリブ揚げ
  • 羊肉の薬膳スープ
  • 羊ハチノスのスパイシー炒め
  • 焼き羊肉
  • 羊の中落ちカリカリ揚げ
  • 羊の背骨煮込み(薬膳)
  • 青菜炒め
  • デザート

冗談でしょう?というくらい羊肉三昧だ。これで「物足りない」とほざく人がいれば、それはもう病気だと思う。現状にもっと満足しなくちゃ、生きててツラいぞ。僕はこのメニューを見ただけで満たされた。極楽浄土が約束されたとまで思った。

本日の料理の本丸は「丸ごと羊の本窯焼き」らしい。まるごとって、まさか一匹?それはすごい。そんなのは見たことがない。

料理

とはいっても、料理の全貌を参加者8名、殆ど誰も理解していなかった。卓上に本日のメニューは置いていなかったし、日程調整やら参加者調整やらでメニューにワクワクする余裕がなかったからだ。なので、闇鍋を食べる気持ちで料理の到着を待つ。

ただ、みんなで最初に話していたのは、「飲み放題で3,500円なんだから、ドカーン、ガツーン!というざっくばらんな大皿料理だよね」ということだ。羊肉を使っているだけでも大変なことなんだから、後はもう雑な作りでも何ら不満はない。

ビュッフェ形式になっていて、「自分で料理は取りに行ってください」と言われても全然オッケーだ。

しかしそれがどうだ、届けられた料理はキュウリの装飾が施されているではないか。明らかに、食べる用ではなく「魅せる用」のキュウリ。すげえ!3,500円コースなのにこんな手間暇までかけるのか!

一同、戦慄した。色を添えるためにサクランボが一個コロンと置いてあるのも、憎い。

当日はもう、誰もメニューなんて確認していないのでこれがなんの料理なのか全然わかっていない。前菜である、ということをわかっているだけだ。

後でメニューを確認してみたら、これは「八宝ほうれんそう」という料理であることがわかった。

さすがに前菜からは羊肉は出てこない。

料理

次もまた見慣れない料理が出てきた。しかも、この皿も過大なる装飾付きで。キュウリ薄切りの堤防、大根のツマやパセリ、さらには生姜の塊で作られた謎の茂み。そしてお約束のさくらんぼ。

さくらんぼのサイズから、この皿がいかに大きいか、そして装飾が大きいかがわかると思う。

で、これ、何?

黄色いソースは、何やら酸っぱかった。そして白いのは大根かと思ったけど、そうでもない。一同、首を捻りながら「何だこれ?」といいつつ箸を進めたが、やっぱりわからない。「玉ねぎ?」「いや、玉ねぎではない」

しばらく議論した結果、これは白菜の芯の部分ではないのか?という話になった。後でメニューを確認してみたら、たしかに「白菜の甘ずっぱいあえ」と書いてある。へえええ、白菜の芯の部分だけで料理が成り立つのか。これは初体験だった。

今回に限らず毎回そうなのだけど、この手の食べるオフ会での一番の楽しさは、グダグダに話をすることだ。何かわからないことがあっても、すぐにスマホに手を伸ばすのはしちゃいけない。答えの最短距離を目指さず、悩んだり仲間と相談することにこそ、面白みがある。真面目な大喜利をやっているようなものだ。

料理

キュウリの堤防は堤防の役割を果たさずに決壊しているわけだけど、それでもこの手間のかけっぷりたるや恐れ入る。多分僕、人生でこういう飾りがついた中華料理って初めて食べるかもしれない。

堤防右奥の「茂み」のベースとなっているのは根生姜の塊だ。これはもちろん単なる飾りなので、食後は廃棄されることになるのだろう。でも、この生姜だけでも決して馬鹿にならない値段になるはずだ。

「生姜、持って帰ろうかな」

という声が上がるほど、立派な生姜の塊だった。

料理

思わず全員がお皿到着とともに「ウエーイ!」と声を上げてしまった料理。

さあここからが羊肉オンパレードだ。

骨付き羊のスペアリブ揚げ。

骨付きの羊肉といえばラムチョップのイメージしかない皆様。骨付きのまま揚げることもあるのですよ。僕も初めて見るけれど。

骨2本につき1人前だ。通常のラムチョップが「骨1本ずつ」なのに対し、二倍食べられる。やったね父ちゃん!

ここにも装飾が。今度は人参を使った、花のようなもの。いやあ相変わらず手間がかかってる。

料理

羊ハチノスのスパイシー炒め。

今メニューを見ているからこれが「ハチノスだ」とわかるけれど、何もわかっていない現場においてどん、とこのお皿が届けられると「何だ何だ?」となる。豆腐を乾燥させて麺状態にした料理だろうか、とかいろいろ考えてしまう。

で、食べてみて、「ああこれは内蔵肉だね」とわかるわけで。

それでも、この内臓が一体どこの部位なのか、やっぱりわからない。それもそのはず、これまで羊肉の内蔵肉というのは食べる機会がなかったからだ。

我々が普段ホルモンだのモツだのセンマイだのと食べているのは、牛肉が主体でときに豚肉だ。でも、羊の内蔵肉なんてお目にかかる機会はほぼない。へええ、羊にもハチノスってあるんだ。

料理

紹興酒の瓶がやってきた。飲み放題メニューだと、これはプラス300円追加で飲めるお酒だったはずだ。

「いやあ、なんか差し入れらしいですよ、好きに飲んでいいらしいです」

のっちょさんがしれっと言う。まじか。

紹興酒のラベルには「8」の数字が描かれている。どうやらこのお店オリジナルの紹興酒らしい。

太っ腹すぎる。

料理

1名遅刻のいしさんの分は残しておく必要がある、ということで取り皿に料理を盛っておく。過剰な装飾とともに。

なんか追悼の意を表しているような見栄えになってしまった。

実際、いしさんがお店に到着したとき、「なんですかこれは?」と困惑していた。そりゃそうだ、大皿あってこその装飾が、取り皿の上で再現されているんだから。

料理

とはいっても次から次へと料理がやってくるのだから、速やかに大皿上の料理を片付け、お皿を下げてもらわないと。とにかく全員忙しい。

中華の円卓というのが、本当に羨ましい。ぐるぐるテーブルが回転すると大皿をシェアしやすいのだけど、一般的なお店はそうなっていないので、面倒なこと限りない。お皿を常に人力ローテーションだ。一皿ずつ、ドミノ倒し式に横にずらしていく手間がかかる。

いっそのこと、「もう各自、1/8ずつ一度に取ってくれ(今回は8名参加だから)」として、一気に大皿をカラにしてしまった方が良い。しかしすでに取り皿が大渋滞を起こしているし、味が混ざりそうなのでそういうわけにはいかない。悩ましい。

■飲食店の方への希望■

①回転寿司のレーンみたいに、ベルトコンベアで少しずつモノが動くようなテーブルが欲しい。大皿だけ、移動する仕組み。
②または、取り皿が島根の割子そばみたいに、積み重ねることができるようにして欲しい。何皿も高く積み上げて、それぞれに別の料理を取り分けることができるとありがたい。

それはともかく、これはなんだっけ。羊の中落ちカリカリ揚げ、かな?

料理

もう何がなんだかわからねぇ。これは焼き羊肉だろうか。

唐辛子と羊肉を炒めたものだが、ご丁寧に爪楊枝が刺してある。こういうところも手間暇がものすごくかかっていて恐れ入る。

料理

大げさな装飾がないかわりに、うず高く盛り上げられたキャベツの千切り・・・と思いきや、これはキャベツではなかった。じゃがいもだったっけ?(記憶が曖昧)

これ単体で食べても、とてもおいしい。

(つづく)

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