第一回目の羊肉の会を順調に滑り出した御一行様は、早速次なる「羊肉の会」を模索しはじめた。

というのも、うかうかしていると8月下旬から「激辛グルメ祭り」に便乗した毎週開催オフ企画「激辛グルメ駅伝」が始まってしまうからだ。

毎週激辛料理を食べている間隙を縫って、さらに羊肉オフ会をやるのは大変だ。分身の術でも使わなくては。
ということで、8月頭に第二回目を開催することとなった。


第二回目も、この会の発案者であるのっちょさんから場所の提案があった。恵比寿にある「中国茶房8(エイト)」というお店で、「羊肉の会」なるイベントがあるのだという。
詳細をネットで調べようとしたけど、見つからなかった。というのもこのお店、火災のためお店を閉店しており、最近になって復活リニューアルオープンしたからだ。
のっちょさんから見せてもらった「羊肉の会」のメニュー写真は、これでもかというくらいに料理が盛り込まれていた。しかしお値段が3,500円だという。にわかには信じがたい。いくらリニューアル記念とはいえ、ちょっと警戒感を抱かせるような、不釣り合いなメニューの豪華さだ。
するとのっちょさんは言う。
「オーナーの方が、もう十分にお金は儲けたから、あとは皆さんに還元したいらしいんですよ。だからこういうイベントが、系列店の六本木とかでも開催されてるんですが、どれも安くていいですよ」
まじですか。そんな漫画の世界みたいなことが、現実にあるのだろうか。「十分儲けたから」だなんて、僕も言ってみたい。「年金で十分に暮らせていけるから」とご高齢のおばあちゃまが激安のお店を営んでらっしゃるのは見たことがあるけれど、恵比寿や六本木にお店を構えるような現役バリバリが「十分儲けた」だなんて。

あたらしいビルの2階が「中国茶房8」だった。トロピカルな光に包まれた建物で、何やらリゾート感があるような雰囲気。
看板には「北京ダック専門店」と書いてあるけれど、今回は羊肉だ。この手の「◯◯専門店」というのは、なぜか本当に専門店であることが少ないのはずっと昔から不思議に思っている。

24時間営業、というのがすごい。ものすごい深夜でも食事にありつけるのだからありがたい。
プロのミュージシャンが打ち上げでこのお店を使うことがある、というのはラジオで聞いたことがあるが、なるほど確かに使い勝手が良い。しかも安いし、お店は広いし。
立て看板のメニューを見ると、3,500円のコースが表示されていた。食べ物だけで10品。ちょこっとしたデザートとかサイドメニューで品数を多く見せているインチキ居酒屋と違い、ここのは「よだれ鶏」からスタートして「海鮮五目炒飯」でシメるというガッツリ問答無用なメニュー構成で胸アツだ。しかもこれは飲み放題付きだぞ。ありえんだろ、恵比寿駅から徒歩5分程度のところなのに。
今回僕らの「羊肉の会」がスペシャルなのではなく、通常運転の段階でこのお店はスペシャルだった、というわけだ。とはいえ、羊肉を使う今回のイベントは原価がもっと高くなるはず。ますますすごい。

お店に入ると、急ごしらえではない、しっかりと作られた「羊肉の会 開催中」というプラカードがテーブルにおいてあった。どういうことだろう?
このお店をアサインしてくれたのっちょさんに聞いてみると、今日は「羊肉の会」という大きな集まりなのだという。定期的にこのお店はこういう「◯◯の会」というのが開催されていて、時には激辛料理の会、時には中国語の会といった感じで広く参加者を募っているそうだ。
かといって、見ず知らずの人たちと「ああ、どうもはじめまして。どこからいらっしゃったんですか?」なんていうぎこちない会話を求められることはなく、各グループ単位で勝手にどうぞ、という仕組みなのだという。我々が参加したのも、まさにそう。へー。
しかし、羊の丸焼きが出てくるので、それは参加者全員でシェアすることになるという。丸焼き!それは楽しみだ。

のっちょさんは集合時間よりもかなり早くお店に入り、席の予約をしてくれていた。席がバラバラにならないように、という配慮からで、驚いたことに「アワレみ隊OnTheWeb」のロゴ入りの紙をテーブルに置き、自分の陣地をしっかりと確保してくれていた。芸が細かい。
なお、お会計は入場した時点でスタッフの方に一人ひとり、お支払いとなる。前金制、というのは面白い仕組みだ。でも、たしかにこれだと楽でいい。宴会で、せっかく「宴もたけなわですが、そろそろお時間となりまして・・・」と締めたのに、その後お会計に手間取って思いっきり「たけなわ」から「しらける」ことがある。もっと世の飲食店は前金制を増やすと良いと思う。特にコース料理で飲み放題のお店なんて。

その飲み放題だけど、生ビールをはじめとして紹興酒、サワー類、ソフトドリンクという構成だった。プラス300円にすると、カシス系のお酒やマッコリ、ワインなどが頼めるようになる。
でもこの品揃えだったら、+300円はいらないと思う。

この会の主催者と思しき男性が、テーブルに挨拶にやってきた。
「足りなかったらおっしゃってください、どんどん持ってきますから」
なんて頼もしいことを言うけど、この方と馴染みがあるのっちょさんは
「いやいや、ああは言ってますけどね、食べきれないくらいの量が出てきますから」
という。そうなのか。
でもこっちだって負けられない。なにせこのサイトのオフ会としては過去最大規模じゃないか、という8名体制でこのお店に来てるんだ。「食べきれなかった」というのは恥ずかしい。残さず食べて、それでも足りなくて周囲のテーブルを物欲しげにチラ見するくらいでありたいものだ。
いや、そんな物欲しそうな顔をしなくたって、主催者さんが「どんどん持ってくる」と仰ってるんだ。じゃあどんどん持ってきてください。

ピッチャーでビールを注ぐ仲間たち。
ここまで泡オンリーなビールは初めて見た。ピッチャーの一発目は難しい。
ちなみにこの日の参加者は、
いかんなんやろ、いし、おかでん、とんばら、のっちょ、ばばろあ、もぐ、ゆうどん
(敬称略)
の8名。女性1名、男性7名の布陣。いし(前回羊肉の会シリンゴル編では、イシと名乗っていた)は女性とはいえ、健啖家なので戦力の弱体化ということは一切ない。さあ、羊肉の会一体どうなることか。

まずは全員で乾杯。
なるほど、自分らの周囲の人たちも、それぞれのグループで「羊肉の会」を開催してるんだな。
お店全部が羊肉の会というわけではなく、通常の飯を食べているお客さんは別のゾーンにいる。この界隈は「羊だ、羊だ」とみんな鼻息が荒い。
(つづく)
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