ついに珈琲豆の自家焙煎に手を染める

コーヒーの世界は奥が深い。

変なところにこだわりを持つ性格の僕にとって、むしろコーヒーは危険だ。奥が深すぎるからだ。凝りだすと、際限がない。

豆の産地だけで味が決まるわけではない。焙煎度合いによって味は全く変わるし、焙煎後の豆は鮮度が命なので、時間の経過とともにどんどん味が変化していく。「いつ飲むのか」で味がまるきり変わってしまう。

そのほか、どうやってコーヒーを抽出するのかによっても全然違う。我が家には、

フレンチプレス、ハリオV60、Noiクリスタル、カリタ、スターバックスのグラスドリッパー、ハリオカフェオール(金属メッシュドリッパー)

の6種類が現在あるけれど、同じ豆でもドリッパーを変えるとがらりと味が変わる。それが、正直、悔しい。

「味に変化をつけられるんだから、素晴らしいじゃないか」

と思うのだけど、変化が付き過ぎちゃって、訳がわからんのよ。パラメーター多過ぎ。「この味が基本となる味」というのがわからないまま、いろんなパラメーターをいじっている状態。

他にも、お湯の温度とか、注ぐ高さとか、抽出時間とか、抽出後に飲むまでの時間とか、パラメーターは本当にきりがない。

だからこそ、凝りがいがあると言えるんだけど、凝るからには「落としどころ」が欲しい。「ああ、なんとなくわかったぞ!」みたいな何か。

でも、コーヒーに関しては、まるで「沼」。きりがない。

スタンプラリーストでもある僕にとって、ゴールのないゲームは好きではない。「沼」よりも「プール」くらいがいい。

・・・という前振りをしていることからもわかるだろう。僕が次に何をやろうとしているのか。

「ネスプレッソみたいに、いつ飲んでも同じ味が楽しめるものを買いました!」という前振りではないぞ、このパターン。

そう、沼に足を突っ込んでしまったのだった。しかも豪快に。

おめでとう、オレ。そう易々と棺桶には足を突っ込めないけれど、沼には足を突っ込んじゃった。

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2018年12月08日 第1回目

珈琲豆買った

独身を45年もこじらせるとこうなる、という好例をこれからお見せする。「こじらせる」というとネガティブな表現だけど、言い方を変えると「フリーダム」とも言える。

取りい出したるは、コーヒー豆5種類。

おいちょっと待てよ、黒くないじゃないか。緑じゃないか。

そう、この緑豆をこれから「茶色ないし黒色」にしよう、というのだ。

つまり、「自分で焙煎したるわ!」ということだよ!

これまで、「自家焙煎の豆」を「お店」で購入することは多かった。しかし、いよいよ自分自身で珈琲豆の焙煎を始めようというのだから、ちょっとやばい。我ながら、やっちゃいかん世界に片足を突っ込んだ感は、ある。

なにせ、自家焙煎はハードルが低い。えっ、高いんじゃなくて、低いの?と思うだろうが、実際に、低い。

「全自動自家焙煎機」というのは世の中に存在し、設定をしてスイッチオンすれば、珈琲豆の焙煎をしてくれるものがある。しかし、お値段はかなり高い。10万円はしなかったと思うけど、それくらいの出費を覚悟しないといけない。しかし、「ガスでやる」となった瞬間に、出費は一気に下がる。

銀杏を煎る金網とカセットコンロ

なにせ、銀杏を炒るために使う金網さえ買えばいい。値段は2,000円もしない。

 

「銀杏を炒る金網」なるものの存在すら、これまで知らなかった。銀杏って、封筒に入れて電子レンジに入れておけばポン!と音を立てて破裂するものだと思っていたからだ。

金網をいざ買ってみると、見慣れない形をしている。

フタが開け閉めできる

特徴は、金網にフタがついているということ。ガサガサと揺すって炒る際に、中身がこぼれない工夫だろう。

「ホットプレートや、中華鍋で珈琲豆を焙煎できないのか?」

と思って調べてみたけど、どうも無理らしい。豆にまんべんなく火が通らず、焼きムラができてしまうのだという。そりゃそうか。珈琲豆の形だと、コロコロとまんべんなく転がってくれはしない。

本当は、このメカさえあれば自家焙煎は可能だ。でも、今回は追加出費をしていた。それは、この金網の下に写りこんでいる箱、つまりカセットコンロだ。

コーヒーの生豆を炒ると、大量の薄皮(「チャフ」、という)が周囲に飛び散るのだという。何かと物が置いてあったり、凹凸が多いキッチンのガスコンロにおいて、ゴミが散らばるというのは大変にウザい。なので、カセットコンロを使って屋外でやるのが家庭円満の秘訣なのだそうな。

金網よりもカセットコンロの方が高く付いた。

豆を観察

珈琲豆。さて、どこでどのように仕入れればよいのか、全然わからない。

自家焙煎をやっている珈琲豆店では、「生のままで売って欲しい」と言えば店頭価格の何割引かで売ってくれることもあるらしい。でも、どこのお店でもやってくれるわけではないので、今回は無難にAmazonで発注してみた。

生豆は、思った以上に安い。これぞ、自家焙煎のハードルが低い最大のメリットだ。

一般的に、自家焙煎珈琲豆を売っているお店というのは、100グラムあたり600円からスタート、といった値付けをしていると思う。(僕が愛用している亀戸の「珈琲ビーンズアスカル」だと、200グラム400円台から取りそろえているのでありがたい)

しかし、生豆だと、値段がぐっと下がる。安いものだと、1kgで1,200円くらいのものがAmazonで見つかる。もっと安いのもあったかもしれない。

贅沢をしてキロ2,000円くらいのものを選ぶと、なにやらグレードが高そうな豆が見つかる。高級豆でも、所詮その程度だ。

ちなみに、今回200グラムの珈琲生豆が5種類入ったセットを買ったけど、タイムセールで買ったこともあって、確か合計1キロで1,900円程度だったと思う。送料込みだ。

基準がよくわからない

生産された農園の名前までちゃんと書かれている珈琲豆なので、変なブレンドはされていないのだろう。スペシャリティコーヒーなのかどうかはわからないけど、質は良さそうだ。

で、それがなんで安いのか?というと、焙煎をお客さん自身がやる、ということと、「欠点豆は自分で取り除いてね」という手間賃も省かれているからだ。

欠点豆。

珈琲豆には、これが多い。

虫に食われたもの、生育不良のもの、カビが生えたもの。などなど。

そんなものが取り除かれていないまま焙煎をすると、味が落ちるのは当然だ。焙煎前に一回、焙煎後にもう一回。合計2回、目視で欠点豆を見つけて、除去(「ハンドピック」という)しなくちゃいけない。これが地味に面倒だ。

僕は以前、札幌の「菊地珈琲」の焙煎工場で、ハンドピックで取り除かれたゴミを見せてもらったことがある。呆れたことに、髪の毛みたいなゴミだけでなく、ボルトとか、場合によっては銃弾(!)も混じっていることがあるのだという。

おい、品質管理をちゃんとやれよ、と思うけど、なにせコーヒーの産地はそこまでの技術やインフラが整っていない。品質管理は、豆を引き取った焙煎工場側の責任、ということになる。

僕のような好事家向けに売られている珈琲生豆も、欠点豆が多く含まれているものや少ないもの、いろいろあるらしい。安さに釣られて買うと、後のハンドピックに苦労する場合があるようなので、安けりゃラッキーとも言い切れない。

あと、欠点豆が多い産地・少ない産地というのもあるという。自家焙煎向けの豆はどれか、こういうのも徐々に学んでいくと奥が深い。

とりあず、最初は品質的に安定していそうなブラジルの、「ニキーニョ農園」産の豆を焙煎してみることにする。

ひとまず100gで

トレイに生豆をざっと出し、ハンドピックを試みる。

・・・しかし、何が欠点豆なのか、さっぱりわからない。たぶんこのパック詰めの豆は、販売元のほうでハンドピック済みなんだと思う。比較的粒が揃っているし、見るからに虫に食われた!感がある残念な豆が見当たらない。

それでも、何一つハンドピックしないとかっこ悪いので、「うーん、これはイマイチ」という豆を何粒かいけにえにしてみた。

一度にたくさんの豆を焙煎すると、焼きムラができるそうだ。まずは100グラムで焙煎をしてみよう。

(つづく)



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