地球上でもっとも緑茶を愛する街

静岡県の島田市が、東京駅構内でお茶のイベントをやるということを聞きつけたので行ってみた。

僕のパートナーであるいしが静岡県出身なので、「島田ってお茶の産地として有名なの?」と聞いてみたら、「どうなんだろう?ブランドとしては川根茶が有名だけど」と言う。

川根というのは大井川上流にある地名で、川根本町という自治体が存在する。じゃあ大井川下流の自治体である島田市とは関係ないじゃん、と思ったが、地図でよく見ると島田市の中に「川根町」という地名があることに気がついた。

つまり、「川根本町」という独立した自治体があるし、「島田市川根町」という住所もある。ややこしい。

いずれにせよ、大井川流域はブランド茶の産地、ということだ。そんなわけで「地球上でもっとも緑茶を愛する街」を標榜しているのだろう。

なお、どうでもいいが川根本町は「日本でもっとも美しい村連合」に加盟しており、偶然にも「もっとも」を連呼するエリアになっている。

僕はテイスティングのような、微細な違いを食べ飲み比べをするのが好きだ。味覚が鋭いわけではないが、ゲーム感覚で「ふむふむ、言われてみるとたしかに違うな」と感じるのが楽しい。

本当ならお酒でテイスティングができれば一番良いのだけど、僕は一切お酒を飲まないのでそれができない。

今回、島田のお茶が7種類、用意されていると聞いてそれに大変興味を持った。

静岡には「ななや」というお茶屋さんがあり、そこでは7種類の抹茶ジェラートを食べることができる。薄い黄緑色のものから、濃い緑色まで、甘さや苦みが異なる抹茶ジェラートがチョイスできてとても楽しい。それと同じようにお茶が飲めるのは楽しみだ。

冷蔵ケースには、ペットボトルに入った各種濃さのお茶がストックされていた。

さすがに夏ということもあり、急須で入れた熱いお茶をどうぞ、というのはだめだと思ったのだろう。冷たいお茶での提供だ。

緑茶と、ソフトクリームを買った。

「あさよわ」とか「あさつよ」とか7種類のお茶にそれぞれ名前がついているのだけど、どれがどれだったか忘れた。

確か「あさよわ」のお茶と、「ふかつよ」のソフトクリームだったような気がするが、違ったかもしれない。

立派な看板とイラストを作って、やる気満々の島田市。

お茶もソフトクリームも美味しかった。でも「東京駅であなたの推し緑茶と出逢う」と言われても、いまいちピンとこなかった。「おいしいお茶をいただきました。まる。」で終わりだったからだ。

やっぱり、せっかくこれだけの種類が用意されているのだから、全種類をちびちびと飲み比べしてみないと「推し」を決められないと思った。一種類のお茶、しかも冷たいお茶を飲んだくらいじゃ、「喉の乾きが潤ったぜ!」という程度にしかならない。

そして、ちびちび飲み比べをするためには一人じゃ勿体なくて、二人ないし三人くらいであーだこーだ言いながら「こっちの方が口に合う」「これはちょっと物足りない」などと議論するほうが楽しい。僕は作戦を間違えたらしい。

後日、会期中にもう一度この地を訪れた。今度はいしを連れて。

しかし、会期最終日ということもあってか、飲食物はすべて売り切れじまいとなっており、会場は単なる島田の物産展と化していた。残念。推し活をしたかったのだけど。

会場で、「抹茶ソフトクリーム無料券(500円相当)」をもらった。すげえ太っ腹だな、と思ったら、島田市のお店にやってきたら食べられますよ、というものだった。なるほど、券を提供する側も、「いくらなんでも東京の人間が大挙して島田にソフトクリーム目当てでやってこないだろう」と踏んでいるのだろう。

僕らは「島田でキャンプをやるのはどうか」と真剣に考えたのだが、日程が合わず今年は見送った。来年は弊息子が大井川鐵道に乗りたいと言っているので、その願いを叶えることも兼ねて島田に行くかもしれない。

いずれにせよ、せっかくこれだけの種類のお茶があるのなら、東京で気軽にお茶が飲める・お茶菓子が食べられる常設店があると良いのになあ、と思う。だって、こういうイベントで「緑茶はうまい!」と思っても、わざわざ家で急須を使ってお茶を飲むという生活にはならないから。

(2024.07.03)

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 市町村合併にあたり、島田市に合併するまでは、榛原郡川根町であり、その当時からお茶の産地であった。
    記事を書く前に調べてみては如何か。

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