全国ご当地かき氷食べ比べ

大黒屋別館

かき氷を5杯食べたあと、炎天下の下浅草の街に飛び出した。

今回浅草を訪れたのは、かき氷を食べるだけでなく、「大黒屋」で天丼を食べたかったからだ。

天丼は大好きだが、人生のうち天丼体験のほとんどをファーストフード店「天丼てんや」で味わっている。一方で、今回訪れる予定の「大黒屋」は、昔ながらの天丼を出すということで名高い。

昔ながらの天丼って?と思うが、聞くところによると「天ぷらの衣が真っ黒になるくらいどす黒いたれ」で、丼に蓋がかぶさっていて、衣がしっとりとしているのだという。スナック感覚で、サクッ!とした天ぷらを食べるのが好きな僕としては、「しっとりした天ぷら」というのはあまりワクワクしない。なんだか、スーパーのお惣菜売り場で売っているものみたいで。

でも、そういう先入観をぶち壊してくれるのが、大黒屋の天丼だという。その証拠に、本店はいつも大行列だ。今日も行列ができていた。並んででも食べたい丼。

とはいえ僕は行列はイヤだ。並んでまで「しっとり天丼」をお試しする気概はない。そんなアナタに朗報。大黒屋の本店すぐ近くに、実は「別館」が存在して、こっちの方は空いているのだった。

待ち時間ゼロ、余裕で着席。

大黒屋お品書き

お値段は正直、かなりお高い。

ここの天丼は大きなおエビ様が入っていることで知られているのだけど、それが2匹入ったノーマルの天丼は1,750円。さすがにこのお値段はちょっと、と思うので、一番安いものを頼むことにした。

御飯、270円。

いや、だめだ、それはいくらなんでも卑屈すぎる。一番安いメニューだからって、白米だけを注文するのはやめろ。せめて「新香330円」をつけてやってくれ。

そういう問題じゃなくて。

結局、1,550円のほうの天丼を頼んだ。こちらは海老が一匹になるかわりに、きすが付く。女中さんのkiss、じゃないぞ。鱚のことだぞ。僕はそこまで海老が好きではないので、むしろ鱚がついてお安くなるなら大歓迎だ。

ちらりと、「敢えてここで『さしみ1,750円』を頼むのはどうだろうか?」と思ったが、やめた。天丼屋で刺し身ってどんなものが出るのだろう。海老と鱚は出るとして、それ以外は?

もし僕が酒飲みなら、さしみを肴に酒を飲み、シメに天丼を食べただろうな。お会計が怖いけど。でも実際、周囲を見ると天丼で一献やっているおじさまはあちこちに見受けられた。

隣の人は、天丼をつつきながらマルチ商法の話をしていたけど。

名物の天丼

どうだ、海老が3匹だぞ!という海老天丼は1,950円。壮観だが、そこまで海老を食べたいのだろうか、と不思議になる。

僕なんて、根が貧乏なので、「天ぷら盛り合わせ」に海老が入っているだけで残念に思ってしまう。海老一匹入っているだけで、どれだけ値段が高くなってしまうことか。それよりも、「精進天盛り」のほうが遥かに安くて、ボリューム感が出て好きだ。

天丼

うお。

何か犯行現場を見てしまったかのような、猟奇的な絵面。これが噂の天丼。

お海老様の尻尾が一本、ぴょこんと丼から顔をだしている。まるで、バカ貝のようだ。

たぶん、「蓋がちゃんとしまっていない」というのは、お行儀が悪いことだと思う。しかし、この場合はむしろ粋、というかカッコイイ。

天丼中身

中を開けるとご覧の通り。

なるほど、たしかに天ぷらがしっとりしている。蓋によって溜まった湯気がまた水となり、天ぷらに雨となって注いでいる。そのせいで、天ぷら、御飯、そして天つゆが渾然一体となり、妖しい融合を果たしているのだった。

それぞれの個性を活かしましょう!というのではなく、融和重視型天丼。うん、これはこれでうまいな。ワッサワッサ、と丼を手にとってかきこみたくなる、そんな天丼。こればっかりだとまったりしすぎて物足りないけど、半分はサクサク天丼、半分はまったり天丼と食べ分けがしたい。ハーフ・アンド・ハーフってないかな?そんなの、やっているわけがないけど。

浅草地下街

うむ。さすがに氷を大量に胃袋に入れたあとに揚げ物を食べると、どうも胃が落ち着かないぞ。産んでくれた親に感謝なのだが、これしきで胃もたれはしない。とはいえ、どうもソワソワする。しばらく浅草を散歩しよう。

歩いているうちに、浅草地下街の入り口を発見した。商店街の中にひっそりとある、地下へと通じる秘密のゲート。ここを歩いたことがないので、今回歩いてみようと思う。

地下街看板

東京メトロ銀座線で浅草駅までやってきた人は、この商店街の入り口部分は見たことがあるかもしれない。地下に、赤ちょうちん街のような「狭くて、若干いかがわしい感じがある商店街」があるということにちょっとびっくりさせられる。

普通はそのまま素通りして雷門方面に向かってしまうのだけど、今回は敢えて初潜入。

・・・あれ?看板には「明るい・あたたかい・ともだち感覚」と書いてある。そうだったのか。知らなかった。

地下街地図

地下商店街の地図。お店がぎゅーっと詰まっていることがわかる。

細い階段

地上から地下の商店街に降りてきたところ。路地も、階段も、これだけ狭い。雑居ビルの写真じゃないぞ?れっきとした、地下鉄駅に通じる地下街だぞ?しかも東京・浅草の。どうしてこういう狭い作りになったのだろう。

地下街

歩いて行く。ここを右に曲がると、東京メトロ浅草方面。地下街の中心部になる。

地下街

地下街。いやー味があるわ。

そこまで狭くはないし、薄暗くもない。しかし、こういう「程よい明るさ」というのは今のご時世むしろ暗く感じ、それが風情にもなっている。

この通りにあるタイ料理の店は辛くてうまいことで有名で、つい先日も知人がここで辛い料理を食べて悲鳴を上げたらしい。興味があったけど、狭い店内に客がいっぱいだったので諦めた。

・・・って、まだ何か食べようとしてるのかアンタは。

看板

喫茶店の立て看板。

珈琲・紅茶 400円
寄り道セット 1,000円

喫茶店でも酒が飲めるというのが浅草っぽくて楽しいじゃないか。寄り道してみたくなった。そのかわり酒はいらないから、飲み物は珈琲で。

実はこのあと、浅草の蕎麦屋「尾張屋」に寄ろうか、という考えもあった。こちらも天ぷらが有名で、天もりを食べてみるのもいいかな・・・とおもったからだ。しかし、さすがに食傷気味になってきたので中止。ついでに、「蛇骨湯(浅草にある銭湯)でひとっ風呂浴びて帰る」という計画も、尾張屋によらなかった分時間を持て余してしまい、営業開始時間まで時間を持て余してしまったので断念。そのままおとなしく帰宅となった。

浅草って、あらためて面白い街だと思った。気分が悪くなるまで食べ歩き続ける企画、というのを何かムシャクシャしたときにやってみよう、と思った。

あっ、かき氷。この記事のテーマはかき氷なのだった。

かき氷ね、うん、やっぱり大好きだけど、シロップや具と、氷の食べるバランスをよく考えて食べないと駄目だね、ということで。ついつい具を中心に食べると、あとにはなーんも味がしない、冷たいだけの氷が残ってしまうので。

(2017.07.16)

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