そば 176

2013年01月06日
【店舗数:339】【そば食:569】
東京都練馬区練馬

鴨わさ、せいろ、白たか

甲子は閉店していた
正月休み中

「じゆうさん」で食事を済ませたあと、蕎麦屋ハシゴの旅路に就く。今日目指すもう一軒は練馬にある「176」だ。「じゆうさん」がある東長崎から「176」がある練馬まで歩いていくことにする。

そこで思いついたのが、そういえば道中通過する江古田駅の近くに「甲子(きのえね)」という蕎麦屋があったな、ということ。蔵作りの建物の中で一献傾けるのは非常に心地よく、蕎麦喰い人種の連載を始めた直後は自転車かっ飛ばして何度かここを訪れたものだ。お気に入りのお店ではあったが、月日の流れは残酷なものだ、あっという間に最後の訪問から13年が経過しようとしていた。今回、久しぶりに訪問するのもよろしかろう。

というわけで、江古田の商店街を通り、大変久しぶりの甲子に到着。・・・あれれ、暖簾が下がっていないぞ。今日は閉店か?やられた!

入口には、

1月12日(土)よりご予約にて営業致します

と書かれていた。うわあ、凄い長い正月休みを取るんだな、このお店は。まずはそこにびっくりしたのだが、よく読むと気になる文言が。「ご予約にて営業」とな?これはどういう意味だろう。この店、完全予約制になってしまったのだろうか?それとも、1月12日に限って言えば予約を取ってね、という意味なのか?わからん。

家に帰って「甲子 予約」で検索をかけてみたが、その詳細は一切分からなかった。うーん、気になる。そもそもこのお店が「甲子」なのかどうかもよく分からない。看板がないからだ。どこかに移転して、その後に別の店が入ったという可能性も否定できない。気になる。

まあいいや、どっちにせよ今日はオープンしていないってこった。次行くぞ、次。

※後注:読者の方から情報提供あり。甲子は通常通り営業をしているそうです。予約制でもない模様。

176外観
176看板

「176」というお店は、練馬駅から徒歩2~3分のところにある蕎麦屋。奇っ怪なネーミングだが、住所が「練馬区1-7-6」だからという単純な理由らしい。ちなみに郵便番号も「176-0001」だったりするから偶然の一致だ。

新幹線に乗っていたら、野立て看板で「727COSMETICS」というのをよく見かけたが、あれとは全く関係ない。言うまでもないことだけど。

176店内

店に入って左手がカウンター席、そして奥に入って右側がテーブル席になっている。おかでんは一人客なので、カウンター席に陣取る。

カウンター席の奥には、蕎麦打ちの機材がそろっている。インテリアとしての蕎麦打ち道具かと思ったら、本当にそこでご主人が蕎麦打ちを始めたからうれしいびっくり。

今までも、「カウンター席に座っていたら蕎麦LIVEが楽しめる」お店には訪れた事がある。「眠庵」とか「成冨」とか。でもそれは、調理をしている風景を愛でる事ができるお店であって、蕎麦打ちをそのまんま見せてくれるわけではない。その点このお店、究極の蕎麦LIVEを展開しているから凄い。ガラスなどの仕切りも一切無しだ。店主の「どうだ、俺の蕎麦打ち、イカすだろう?」という自信がうかがえる。ええ、とってもイカしてます。

さすがプロだけあって、あっという間に蕎麦打ちの行程が進んでいく。ちょっと目を離しただけでも、あれっ、もうこんな行程に?と思ってしまうくらいだ。おかでんが毎年年末に四苦八苦して蕎麦打ちをやっているのとは次元が違う。当たり前だけど。

白たか


何を頼むかしばらく悩んだけど、まずはお酒を熱燗で。「白たか」(700円)を注文。

お通しは揚げ蕎麦。

白たか、あまりおかでんの口には合わなかった。本醸造だと思われるが、アルコール臭さが強くてちょっとインパクトがありすぎた。先ほどの「じゆうさん」で喜久酔特別純米を冷やで飲んだ後だから、特にそう感じたのだろう。

鴨わさ

酒肴は「鴨わさ」(650円)を頼んでみた。鴨肉といえば蕎麦屋における高級食材の一つだが、このお店の鴨わさは安い。これは頼むしかないでしょう。そもそも、「鳥わさ」を扱う蕎麦屋は多くても、「鴨わさ」ってのはあまり見かけないし。

出てきた鴨わさは、ささみ肉を使っているのだろう、癖が無く非常に淡白な味だった。別添のわさびとよく和えて食べるのが正解なのだろうが、鴨に気を取られてしまい鴨肉だけを食べてしまった。これが鴨わさなのかな、物足りないなと思ってよく考えてみたら、そうだ、わさびと混然一体化しないと「鴨わさ」として成立していないわな、と今更ながら気がついた次第。よくかき混ぜて食べるのが正解だな、これは。

せいろ
せいろアップ

蕎麦は何を頼むか悩んだ。

「ごぼうかき揚げそば」(1,200円)が気になるし、「本日の天ぷらせいろ」(1,050円)も捨てがたい。ちなみにこの日の「本日の天ぷら」はハゼだそうだ。ハゼ、いいなあ。

でもちょっと待って欲しい、そういえば昨日、「天丼てんや」でしこたま天ぷらを食べたばかりだということを忘れてはいませんか。今日もまた天ぷら、というのはちょっとやり過ぎ感ありませんか。

ああ、いいよもう。普通のせいろ(740円)にしときますよ。

出てきたせいろをさっそく手繰る。よく冷水で締められているため、口の中に入れると体が冷える。うう、この時期は温かい蕎麦の方が正解かなあ、寒い。

この蕎麦は、今目の前で蕎麦打ちしているご主人によって作られたものなんだな、と思うと感慨深いものがある。蕎麦LIVEを生で見て、それを頂くというのはちょっとしたショーだ。おいしくいただいていますよ、ご主人!

つゆは甘めが若干つよいが、後を引かないので心地よい味わい。

このお店はBGMが流れていないので、静かな空間の中で蕎麦をずずずっ、とすすり上げる。うん、BGMなしのお店の方が何だか楽しいや。お酒のせいでぽんわかした頭に、店内のノイズが共鳴するような感じがする。

蕎麦湯をいただきながら、目の前に積まれているアボカドは一体何に使うのだろうと思案する。アボカドを使った料理ってあったっけ。蕎麦屋でアボカドを見かけるというのはちょっとした驚きだった。

お会計2,090円。1酒肴、1酒、1蕎麦の合算値と考えれば妥当な価格。練馬駅の近くということで便利が良いし、いいお店だと思う。

スナックイン

西武池袋線で池袋まで戻ってきた。

西武池袋駅の地下構内に、「スナックイン」という軽食コーナーがあり、そこではどんぶり、焼きそば、そば、うどん、カレー・・・といった料理を扱っていた。天ぷらそば、350円・・・うーん、惹かれる。しばらくその場で立ち尽くすおかでん。結局食べはしなかったが、油断も隙もあったもんじゃない。お酒飲むと満腹中枢が壊れちゃうんだよなあ。

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