ますゐ詣で2019迎春-フォーエバー・サービストンカツ-

肉のますゐ

三人で、東急ハンズを上から下まで舐めるように見て回ること1時間強。ようやく夕食時になってきたので、ますゐに向かう。

なんか、気恥ずかしさがある。毎度、そうだ。

広島市民だったら、普段使いのメシ屋にすぎないだろう。でも、僕なんか、わざわざ大金を使ってこのお店のためだけにやってきている。えーと、新幹線代とホテル代をあわせると・・・軽く1万円は超えている。何をやってるんだ、と思うけど、そういうお店なのが「ますゐ」なのだから仕方がない。

外観は特に変わっていないようだ。ほんと、昔っから変わっていない。

昔、「ますゐ全メニュー制覇プロジェクト」を中国新聞紙上で十週にわたって連載した際、ばばろあが書いたお店の外観の絵がある。それと今のお店を見比べて、殆ど差がない。差がない、ということはお店の人も太鼓判を押すくらいだ。

じゃあ、安直に「昭和レトロが未だに息づくお店」みたいな呼び方がふさわしいか、というとそうは思わない。確かに古いお店だし、店員さんの服装もオールドスタイルだし、メニューも古い。しかし、僕は毎回ここに来る度に新鮮な驚きを感じるし、ワクワクがある。いつも、新しいとさえ思っている。

ますゐサンプル

初対面の方もいらっしゃるし、集合時間になるまで外で待つ。

いい大人なんだし、二階のお座敷に上がって待っておくのが普通だろう。でも、オフ会初参加のひでくご夫婦は、当然僕の本名はご存じない。まさか「おかでん」で予約なんて取ってないから、外で待っておいた方がよかろう。

・・・あ、思い出した。昔、「アワレみ隊」という名前でお座敷の予約を取ったことがあったっけ。

予約と言えば、12月中にお店に電話をかけ、この1月4日の予約を入れたときのことを思い出した。電話口の店員さんは、

「コースですか、それとも鍋をお召し上がりになりますか」

と聞いてきた。お座敷宴会なら当然すき焼きを食べるだろう?という意味らしい。

「いえ、その場でいろいろ頼もうと思ってます」

と答えたら、

「単品の場合は、ご予約料としてご飲食代の10%を頂戴いたしますが、よろしいですか?」

と念を押された。マジか。そんな制度、以前からあったっけ?あったかもしれないけど、覚えていない。

「きっとアレだな、座敷を予約したくせに、食べるのはサービストンカツだけで、2時間とかずっとダラダラ過ごす客がたくさんいたんだよ。だから10%の予約料をとるんだよ」

なんて勝手な推測をする。本当かどうかは知らないけれど。

ますゐサンプル

それにしても、最近みかけなくなった食品サンプルが愛おしい。

古くからあるお店だけど、埃が積もってどす黒くなっていたり、紫外線で色あせていることがない。どれもツヤツヤで、うまそうだ。定期的にお手入れをしたり、作り直したりしているのだろう。

それにしても・・・やっぱり、値段が上がっているな。

今回、地元のニュースにも取り上げられるくらい大騒動になったのは「サービストンカツが30円値上げ!」なのだが、それ以外はこれまでに順調に値上がりしている。

このお店の最高峰、もっともお高いメニューは「スペシャルステーキ」なのだけど、2019年1月価格は5,500円となっていた。僕らが「全メニュー制覇!」を言いだした21世紀初頭は、4,000円だったのだから、4サービストンカツ分くらいの値上がりをしていることになる。

適切なインフレは良いことだと思う。経済発展にとって重要なことだ。食べ物の値段があがるけど、給料も一緒にあがる。それだと最高だ。

張り紙

おや。店頭に、張り紙が貼ってあった。

「価格改定(値上げ)のお知らせ」

と書いてある。

今回のサービストンカツの値上げの話かと思ったら違っていて、2018年10月1日より「やむを得ず一部の商品の価格を改定させていただく」と書いてあった。

あらら。

ということは、昨年10月の値上げにはなんとか持ちこたえたサービストンカツだったけど、耐えられたのはわずか数ヶ月で、結局遅ればせながらサービストンカツも値上げ、ということになったらしい。

苦渋の決断だったに違いない。

なんとかサービストンカツだけは値上げせずに頑張ろう、としていたに違いない。

本当になんて人がいいんだ、ますゐは。

もっと稼ぎなさいよ、もっと儲けなさいよ。ますゐ御殿を建てたってバチはあたらないし、「ポテトチップスますゐソース味」みたいなタイアップがあったって誰も怒らないって。

張り紙

で、もう一枚張り紙があった。こちらが本日の本題、サービストンカツの値上げに関する告知だ。

折角なので、全文書き起こす。

サービストンカツ価格改定(値上げ)のお知らせ

いつも肉のますゐをご利用いただいまして、誠にありがとうございます。
当社はお客様にご満足いただけるよう努めてまいりましたが、
物価の高騰が相次いでおり、飲食店を取り巻く環境は年々
厳しい状況となっており、2019年2月1日より、やむを得ず
サービストンカツの価格を\350→\380に改定させて
いただくこととなりました。
何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

今後もより良い商品を皆様にご提供できますよう努めてまいりますので、
これからもご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

もうこれ、ドキュメント番組にしようや。テレビ東京の「ガイアの夜明け」あたりで取り上げて貰えないものかね。そうでなければ「カンブリア宮殿」でもいいぞ。あっ、でも広島ではテレビ東京系列の放送局がないんだった。惜しい。

涙無くては語れない、苦渋の決断。いやまじで。だって、昨年10月の一斉値上げの時期でもなく、「2019年の営業開始日から」でもなく、「2月1日」だぞ?ギリギリまで頑張りました感がビシビシ伝わってくるじゃないか。

営業時間と定休日

集合時間になっても、誰も現れない。どうやら、僕らは待ちぼうけを食らっているらしい。気が早い皆さんは、お座敷に既に上がっている模様。なんだ、そうなのか。じゃあ、僕らも上へ。

店に入る前、ちらっと営業時間と定休日を確認しておく。

このお店は、「午後8時45分まで」というトリッキーな営業時間なので注意が必要だ。飲食店、しかもすき焼きのようにガッツリと飲み食いする料理を出すお店にしてはやたらと閉店が早い。

「なんでだ?宴会は2時間やるとすると、6時45分には遅くとも開始していないと間に合わないぞ。早すぎないか?」

と疑問を口にしたら、ばばろあが

「広島って案外狭いけえ、仕事終わりでここまでやってきてもすぐなんじゃろ」

と言う。さらに、

「結構このあたりって、5時半終わりの会社ってあるで?それだったら十分間に合うじゃろ」

ともいう。なるほど、そうか。

東京感覚だと、仕事が終わってからお店に移動して懇親会開始まで、1時間以上は余裕を見ておきたいところだ。でもむしろそれが異常な感覚なんだろう。

ますゐ2階

2階に上がる。

下駄箱に靴を入れて素足で上がるのだけど、下駄箱が一杯でもう入らない。今日は新年一発目の営業ということもあってか、大盛況のようだ。

お座敷で待つ仲間のもとに向かう気持ちがはやるけど、カメラをとりだして壁の短冊メニューを撮っておく。

ますゐの場合、こういうところに貼ってあるメニューは、卓上のお品書きに記載がないことがよくある。しっかりとチェックしておかないと。

えーと、ポテトフライって昔っからあったっけ?メンチカツカレーなんてあったっけ?

記憶が曖昧だ。

昔、「全メニュー制覇プロジェクト」をやっていたときは、目を皿のようにして「まだ食べていない料理はないか!?」と調べまくっていたものだ。お酒も含めて、全メニュー制覇だったし。しかし、今回はそういうガツガツしたところはなく、気軽に食事を楽しみたい。

張り紙

冬だからかきのすき焼きがある、というのはますゐの定番だよね、いいよね。

あと、「いちご(アイス入り)」というのはこれは確実に見たことがない新メニュー。ちょっと気になる。

「アイス(いちご入り)」ではなく、「いちご(アイス入り)」というのが面白い。

(つづく)

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