僕の出身地、広島を離れて早20年以上。もはや、広島に住んでいた期間よりも、それ以外の地で暮らしている期間の方が長くなっている。それを思うと、一抹の寂しさを感じることがある。
そんな広島の良心、「肉のますゐ」の看板メニュー「サービストンカツ(ライス付)」が38年ぶりに値上げ、という一報を広島の旧友から教えてもらった。これまで350円という破格値でトンカツを提供してきたが、いよいよ値上げをせざるをえなくなったのだという。
新価格、380円。
うお、高い!・・・あれ?・・・全然高くない。なにやっとんねんますゐ。もうこの際だから400円でも500円でも上げちゃえよ。人間の胃袋なんて有限なんだから、350円のトンカツを食べたついでにすき焼きを注文してくれる、なんてことはない。350円のトンカツで腹を膨らませて、ごちそうさまだぞ?「客寄せパンダ」にもなっちゃいない。客はそれしか食べないんだから。
そんなますゐの人の善さに驚き呆れつつも、オフ会を急遽開催することにした。
「オレたちはますゐをこれまでも、そしてこれからも応援し続けるぞ!」
という気持ちの表れで、だ。

僕は1月4日から仕事はじめの予定だったけど、このオフ会を開催するために有給を取得。
平日夜の開催で申し訳ない、と思いつつも、1月4日に久し振りのますゐ詣でオフ会を開催することにした。
2019年01月04日(土)

前回のますゐ詣では2017年11月。
そのときは、一旦オフ会で募集をかけておきながら途中で撤回し、高校時代の同級生たちとだけでクローズドなお食事会となった。
今回は、久し振りの参加者一般公募だ。まあ、平日夜だし、結構間際の募集だったし、人が集まらないだろう・・・と思っていたら、案外集まる目処が立った。
10年以上昔にやってた「ますゐ全メニュー制覇プロジェクト」に参加していた、鳥取在住の一平さんもわざわざ駆けつけるという。昔懐かしいメンツがますゐを機会に集まる、というのは嬉しいことだ。
それだけではない、初参加となるご夫婦、ひでくさん&奥さんも参加するという。これまで全く面識がなかった方が、わざわざオフ会に参加して頂けるのは、僕にとって本当に嬉しいことだし、身が引き締まる思いがする。特に広島という、普段の僕のホームグラウンド(東京)ではないところでなら、なおさらだ。
ますゐ詣で当日、僕は岡山から広島に新幹線でやってきた。
広島出身とはいえ、既に広島に家族親戚が1名もいないため、ますゐ詣では泊まりがけのイベントとなる。
ずいぶん様変わりしてしまった広島駅前のホテルに予約を取ってあるので、そこに一旦荷物を預ける。
鳥取からやってくる一平ちゃんも同じ宿。さすがに、21時頃にますゐ詣でが終わって、そのまま鳥取にクルマで帰る・・・というのは厳しい。彼はいつも、ますゐ詣でのたびに広島お泊まりをやってきていて、今回もまた同じ展開だった。
一平ちゃんと、この日有給休暇を取ってくれた、現在は広島在住のアワレみ隊・ばばろあと合流。
夕方19時開催開始が高らかに宣告されているますゐ詣でまでの間に、
- とりあえずコストコに行ってみようぜ
- マツダスタジアムに入ってみようぜ
- あとは適当に
といった話の流れになっていた。

コストコホールセール広島倉庫店。
コストコといえば、郊外にあるイメージが強いけど、広島のお店は広島駅から徒歩で行けるほどの距離にある。マツダスタジアムにめり込みそうなほど隣接して、建てられている。
マツダスタジアムでカープの試合があるときは、クルマで観戦にやってきた人がコストコの駐車場を使う、という展開があった。そのため、このお店の駐車場は有料だ。コストコといえば、大量・巨大な食材や日用品を買うためのお店だ。だから、クルマ利用が半ば前提となる。にもかかわらず、有料というのは非常に珍しい。
その値段は「えっ、嘘!?」と驚くレベルだ。
1時間3,000円。
ひょっとしたら、日本でもっとも高額な駐車場かもしれない。東京の銀座にあるコインパーキングでさえ、ここまで高い料金は取らないと思う。
もちろん、「お買いもので駐車場無料」などと救済措置はあるものの、とにかく気が気ではない。フードコートでゆっくりご飯でも、なんてやってる暇はないお店。
僕はコストコの会員なのだけど、ばばろあも一平ちゃんもコストコは初めてだという。いいねえ、コストコ会員冥利っていうのは、「コストコ初体験!」という人の驚く様子を眺めることにある。

夕方のますゐ詣で時点で空腹になっていないと、まずい。
なので、とにかく早くお昼ご飯を食べないと。フードコートへ直行。
・・・と思ったら、あれ?フードコートって、お店の外にあるんですかい。
コストコのフードコートは激安で知られている。客寄せのための一要素でもあるので、会員しか入れない店内エリアにフードコートが設けられていることが多い。
日本で一番最初に出来た、幕張新都心のコストコは店の外にフードコートがあって、誰でも利用は可能。でもそれは特殊事例だと思っていた。まさか比較的新しい広島店でもそうだったとは。
そんなわけで、一旦店の外に出て、フードコートへ。
メニューはもちろん、お店ごとに違うということはない。会員である僕にとっては「毎度お馴染み」の光景だ。しかし、コストコ初の人にとっては、驚きと興奮のメニューに違いない。

ばばろあが言う。
「とりあえず全員ホットドッグ頼むじゃろ?」
あ、マジでそうするか。えっと、ピザも頼みたいって言ってたよな?
「それと、折角じゃけえプルコギベイクとクラムチャウダーも」
その結果、男3人とはいえ昼間っからえらく大量のお昼ご飯になってしまった。

コストコのホットドッグは、買ったばかりだと「パンにボイルしたソーセージが挟んであるだけ」のものが出てくる。これではもちろん味気ないので、セルフでオニオン、レリッシュ、マスタード、ケチャップを追加することになる。
ここで冷静になれないのが人情ってやつで、ついついオニオンをはみ出るまで入れてしまったりする。
僕が以前、別の店で見かけたのは、オニオンがよっぽど欲しかったらしい人だ。その人はオニオンをホットドッグの上に載せる気が最初っからなく、包み紙を大きく広げて、その包み紙上にガンガンオニオンを注ぎ込んでいた。
どうするんだよ、それ。
「玉葱で血液サラサラ!これで健康!」
というつもりなのかもしれない。

鳥取を早朝発で、クルマで広島にやってきた一平ちゃん。会うのは一体何年ぶりやら。
雪が多い日本海側に住んでいるというのに、FRのクルマ、しかも走り屋が好みそうなクルマに乗っている。以前から走り屋系のクルマに乗っていたけど、ついにFFからFRになってしまった。雪の時に通勤はどうするの?と聞いたら、「親の4WDのクルマを借りる」という。その発想はすごい。
そんなわけで、今回彼と個別に日程調整をしていた時、「ひょっとしたら鳥取から出られないかもしれません」と言っていた。雪が降ったら、FRだと身動きがつかないからだ。さすがに1泊2日で親の車を借りるわけにはいかないらしい。
「正月は最強寒波が到来する」という天気予報があったものの、無事彼は広島にやってきた。
そして、ホットドッグにむしゃぶりついている。
この瞬間ばかりは、近況報告とかやってる場合じゃない。とにかく、必死になって食べるしかない。それがコストコのホットドッグ。気を許すと、オニオンやらなんやらがボロボロこぼれるから。
(つづく)
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