日帰りで行くアメリカ旅行7【ヨコスカフレンドシップデー2022】

12:16
ボウリング場の前にピザを売る屋台が出ていた。

そうだった、いつもここに屋台があったっけ。ボウリング場内にあるハンバーガー屋が出店していたのを思い出した。

ほほう、なかなかいいサイズだ。日本の宅配ピザにおけるLサイズよりも、明らかにデカい。

昔っからこんなに大きかったっけ?数年前の記憶をたどると、たしかにここでもピザは売っていたはずだけど、「サイズが小さいな、せっかく基地に来たんだから、一番デケェ奴を買って帰りたいよな」と思ってパスしていたはずだ。

この数年の間にサイズアップしたのだろうか。良いことだ。ここも今回ピザを買う場所の候補にしておこう。

「あっちのピザ屋は具が豊富」とか「こっちのほうがうまそう」なんて比較は無意味だ。はっきりいって、この基地内のピザは「でかい」ということでしか語れない。大してうまくないし、具はいたってシンプルで比較のしようがない。

ピザのほかには大きなクッキーが売られていた。

一昔前、ボウリング場の前には屋台が何店舗もあって、色のセンスがおかしい謎のトロピカルドリンクが売られていたり賑やかだったものだ。それが今年は非常に地味。ここに限った話ではなく、基地全体がスカスカしている。出店数も、お店の勢いも、過去から比べると物足りない。

「やべえ、どれから手をつけよう!?」と目移りしてソワソワする、そんな楽しさが今年のイベントには全然ないのには驚いた。

12:17
さっきナチョスを買ったばかりだけど、ああそうだ、ここでもナチョスを売ってたっけな。タコベルが屋台を出していて、そこがチーズナチョスを箱で売っているのだった。700円。

箱はデカい。お得感を感じるが、中に入っているのはかさばるトルティーヤチップスだ。実際は大した量じゃないだろう。

ドリンク屋台。

ゲータレード300円、ジュース300円、水150円、缶ビール450円、缶ソーダ150円。

「一物一価の法則」はこの基地内では通用しない。お店によって値段は違うし、微妙にサイズや種類が異なっている。

先程、100円でミネラルウォーターを売っているお店があった。単純に水を飲みたいなら、そこで買うのが一番安い。ただ、銘柄にこだわるならここで150円の水を買ってもいい。それぞれのお店で何の水を売っているのかは、不明。

いずれにせよ、基地は広大だ。しかも人で溢れていて、行列だらけだ。

飲み物に限った話ではなく、食べ物でもグッズでも、「あ、これいいな」と思ったら即購入するのがおすすめだ。他と見比べて決めよう、なんて思っていたら、面倒になる。しかも時間が遅くなればなるほど、どんどん人が基地内に押し寄せてくる。これでも早く基地に入れたほうなんだから、お目当てのものは早く買ってしまったほうがいい。

そうだった。シナボンもお店を構えてるな。

2パック1,120円から9パック2,300円まで。

シナボンのシナモンロールは、1個で900kcal近くもある殺人兵器だ。平和裏に人を殺せる、やべえ奴なので購入には要注意。ただ、ガツンと強烈なシナモンの香りはそんじょそこらのシナモンロールと訳が違う。買うなら今しかない。

メニューにはドルと円が併記されている。ここから為替レートを計算できるのだが、1ドル=144.5円で計算していることがわかった。高いなあ、もう。

「シナモンロールたかが2個で1,120円!(1個=560円)」と驚いてしまうが、これが1ドル=110円だったら1個426円だ。笑ってしまうくらい、値段が違う。

もうこうなると、「つい調子に乗って買っちゃいました」というノリが全然できない。なにしろ、前回僕がこの基地に訪れたときはまだ円高だったし、独身だった。散財し放題の無礼講状態だったんだが・・・今や結婚して子どもがいて、さらに円安だ。ニヤニヤしながら「せっかくだから!」と買うわけにはいかなかった。

シナボンの隣はダンキンドーナツ。

日本国内からははるか昔に撤退しているので、今やこのお店のドーナツを食べられるのは米軍基地だけとなる。ある意味、ピザなんかより貴重な存在。

ダンキンドーナツはミスタードーナツに押されて業績不振のため日本撤退を余儀なくされた(当時、吉野家が日本国内の事業を担っていた)が、今やそのミスタードーナツも店舗規模縮小に追いやられている。おかしいな、日本人ってドーナツ好きじゃないのか。僕は好きなんだがなぁ。

コンビニのレジ横でドーナツが売れる!コーヒーと相乗効果で売上げアップや!とコンビニ業界が息巻いていた時期が2010年代前半にあったような気がするけど、あれも気がついたら流行りが沈静化しちゃったな。

そんなことを思いながら、横を素通り。

今思えば、買っておけばよかった。アメリカンテイストで甘いに決まっているけど、だからこそ基地に来た実感が得られただろう。1ダースで1,400円。決して高い買い物ではない。

基地から帰ろうとしたときに横を通ったら、もう完売していた。えっ、早い。

14時過ぎには、あちこちの屋台で売り切れが続出していた。お店側が単にやる気がなかったのか、客の出足を読み間違えたのか、よくわからない。というか、来場者が多すぎだ。うんざりするレベルで人がいる。

「これだったら、猛暑でぶっ倒れそうになりながらの基地イベントのほうがいいな」

とぼやく。暑いと来場者が減るからだ。気候が良い日程だと、客が大勢来すぎる。やっぱり8月第一週、最高気温が35度を超えるかも?という時期のほうがいい。

そもそも、「あまりに暑いから肉を焼く屋台が減少したんだ。涼しい時期なら、昔のように盛大なBBQパーティーみたいになるかも?」と期待していたけど、今年を見る限りその気配はない。もう肉は面倒だからやめたんだろう。もったいない。惜しい。

あれっ、と驚いたのが、「メインストリートフードコート」横に毎年定番で陣取っている「アンソニーピザ」がなかったことだ。ここで売られているピザはフレンドシップデーの象徴ともいえる存在で、巨大なピザ箱をタコ糸で縛って、ぶら下げて家に持ち帰る人を多数見かけたものだ。

象徴たる理由は、「持ち帰る人の箱がデカいので目立つ」だけではない。数多くの人が持ち帰るからだ。だから目立つったらありゃしない。

その数を供給すべく、屋台のバックヤードには巨大なピザオーブンが何台も連なり、まるで工業製品のようにピザがどんどん焼かれていく。その様子を眺めているだけでも圧倒される。見ろ、僕らの先祖はこの圧倒的物量作戦で戦争に負けたんだ、というのが本当によくわかる。

日本は相変わらず「家内制手工業」的な小規模なものが職人技でありすばらしい、という価値観が残っている。しかし、こういう「需要を満たすために供給を自動化しまくる」という容赦ないテクを目の当たりにすると、考えが改まる。

・・・はずだったのだけど、今日はその屋台がない。なんで?もったいない。

一緒にやってきた基地初体験の仲間たちには、この連なる自動ピザオーブンを見せたかったんだけどなぁ。

12:19
フードコート入り口。行列ができていて、入場制限がかかっている。えー。

8月開催のときは、涼を求めてフードコートに逃げ込む人が多く、そのために入場制限がかけられていた。しかし今年は違う。なんでこんなにフードコートに入ろうとしているんだ?何が目的だ、この人ら。

僕らはざっと中を見学だけしたかったんだけど、この行列を前に諦めた。流れが悪く、どれだけ待てば中に入れるのか予想がつかなかったからだ。A&Wのルートビアをちょっと期待していたんだけど、断念。

12:25
フードコートがある建物の奥は、毎年スナックやラーメンといった食べ物、そしてグッズ類が売られている屋台になっている。

段ボールをショーケース代わりにしてズラッと長机に並べていて、まるでバザーの雰囲気で、何か掘り出し物があるかも?とつい探してしまう雰囲気がある。

だけど今年は、この屋台も規模がショボくてがっかりした。えー、もっと種類が多くて雑多な感じで売っていたはずなのに。ぜんぜんワクワクしない。

何か買うつもりだったので、一応ハラペーニョ味のポテトチップ(レイズ)を買った。330円。おう、思ったより高いな。

12:26
ヨコスカグリル、という屋台式のお店。ホットドッグを売っていた。

昔はホットドッグ屋台があちこちにあったのに、今や探し当てるのさえ困難なくらいだ。グリルで盛大に肉を焼いてくれ、とまでは言わないので、せめてホットドッグ屋台くらいあっちこっちにあって欲しいな、というのが1来場者の身勝手な希望だ。ボイルソーセージなら比較的ラクだろうし。

ちなみにこのお店のホットドッグは、430円。チリチーズホットドッグ+チップス+ソーダのセットで940円。

はっきりいってとても高い。これだったら国内のマクドナルドで何かのバーガーのセットを買ったほうがマシ、というレベルだ。アメリカは日本以上に物価高だから、なんでも高い。

「ちょっと試してみよう」という気がまったく起きないのは困ったものだ。

このままだと、さっき買ったナチョスで終わりになってしまいそうだ。どうにも、こちらの食欲と、茶目っ気と、チャレンジ精神と、お店の値段とのバランスがとれない。どれも買う気になれないプライシングばっかりで困ってしまう。

しょうがないので、えいやっとゲータレードを買った。ブルーハワイ色をしたやつ。これで300円。

昔は、探せば1リットル近い巨大ボトルや、もっと気色悪いカラーリングのゲータレードを発見することができた。でも今年はそれすらもない。探すだけ無駄、というレベルでお店が少ないのは本当に残念だ。

数年前、「エナジードリンク屋ばっかりになっちゃった」と嘆いたものだが、それでも見慣れないエナジードリンクや日本では売られていないフレーバーのものが売られていて、面白かった。一方今年は、そんなワクワクさえない。

なんだろう、過去を知っているが故に、今年のフレンドシップデーがぜんぜん面白くないぞ。

「2時間以上待たされてようやく入場出来たのに・・・」という期待値の高さもあって、ガッカリしたときの落差が大きい。

(つづく)

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