
12:33
ガーリックシュリンプと樽詰オールフリーの食事を楽しんだあと、下山を開始する。
急ぐ用事はないので湘南平でダラッと2~3時間を過ごしてもよかった。でも、そういう習慣がないので、つい先を急いでしまう。
僕にとっては登山さえも「タスク」であり、登山というタスクが帰宅をもって完了するまではストレッサーだ。早く家に帰りたい。
あと、ヤマレコとYAMAPをスマホ上で同時起動して動作検証をしているのも、楽しい半面気持ちが落ち着かない。ゴール地点、そして次の経由地点の到着予定時刻が刻一刻と変化していき、また、標準コースタイムと比べて自分が何%のペースで歩いているかがリアルタイムで表示される。
休めば休んだ分だけ、どんどん到着予定時刻が後ろ倒しで表示される。写真を撮ったり、景色の良いところで風景を愛でていると、ジリジリと計画と実績がズレていく。
当たり前のことなのだけど、可視化されてリアルタイムでスマホ画面に表示されると、まったく落ち着かない。安全装備としてこの手のサービスは必須だと思うが、山を純粋に楽しめなくなった要素も、一方ではある。
こういう画面をガン見しながら登山をやり続けていたら、駆け足で山に登ろう!という気になってくるだろう。トレラン勢がここ最近めっきり増えたのは、ひょっとしたらこういう登山アプリで分刻みの記録が取れるようになったからかもしれない。

せっかくだから、さっきは通り過ぎた「曽我十郎の硯水」を見に脇道に逸れる。
ちっこい泉なのだが、こんなところから水が湧き出ていることに驚く。山頂からほど近いところなのに。

階段を下っていく。

12:36
さっき見た分岐。
ここから右手に曲がって、尾根筋を歩きながら大磯駅を目指す。

そういえば、こっち方面に歩いていくと「楊谷寺谷戸横穴群」なるものがある、と案内には書いてあった。
今回は行きそびれたが、吉見百穴のような、昔のお墓として掘られた横穴が並ぶ場所らしい。

補修してくださっている道を歩く。

おっと、こっちは倒木。
こういうのは、くぐり抜けようか、それともまたごうか、ちょっと悩む。

小さな山だし、標高は低い。
それでも、海沿いの街で海抜が低いところからのスタート&ゴールなので、思った以上に斜面は急だ。
これ、己のスピードコントロール次第で足腰への負荷を変えられる、良いトレーニングコースになりそうだ。ゆっくり歩けば楽勝、早く歩けばちょっと疲れる。

左に曲がれば「楊谷寺谷戸横穴群」。
わずか200メートル先にある。しかし、尾根から外れて山を下っていく方向だ。一旦この横穴を見てから、またここに戻ってくるのは、たとえ往復400メートルといえどもダルい。かといって、そのまま山を下りてしまうのも悔しい。
案内看板は、楊谷寺谷戸横穴群方面に向かって矢印が記され、「大磯駅(楊谷寺谷戸横穴群経由) 1.6km」と書いてあった。一方で、僕がこれから行こうとする道は、同じく「大磯駅(高田公園経由)」と記され、1.9kmと書いてあった。
敢えて距離が長い方に向かう、というのがちょっと燃える。いいじゃないか、尾根道をそのまま進もう。
いや、距離が長けりゃ燃えるんなら、横穴を見て戻ってきて、そして尾根道を進むっていうのが一番良いはずだ。でもそれは面倒。

それから先も、意外と分岐があるものだなと思いながら先へ進む。
1/25,000の地図に書いてあるもの、ないものと様々だ。
登山アプリはカーナビのようなナビゲーション機能を持っていない。そのため、「10メートル先、分岐を右に曲がってください」などとは言ってくれない。だから道が枝分かれしている都度、「あれっ?」と地図を見返す必要がある。
(つづく)

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