激辛グルメ祭り2013

麻婆豆腐とライス、そして麻辣ピーナツ

「麻辣ピーナッツ、つけてもよろしいですか?」

と店員さんに聞かれ、不意をつかれた。えっ?何、どういうこと?店員さんはネイティブの日本人ではないので、若干聞き取りにくかったというのもあった。何を言っているのか、理解できない。こういうとき、僕は「はい」ととっさに答えてしまう癖がある。悪い癖だ。今回も、何だかよく分からないまま「はい」と答えちゃった。

料理は二つの皿に分かれて出てきた。片方には、麻婆豆腐。片方には、ご飯と・・・あ、これが麻辣ピーナッツか。これ、単品で売り物になっているが(600円)、麻婆豆腐を頼んだ人には少量サービスされるらしい。

よかった、「はい」と答えておいて。

お皿が二つもあるので、なんだかとってもゴージャスな気分になる。思わず笑顔になりながら、戦利品を手に席に戻る。

麻婆豆腐アップ

「本場の四川麻婆豆腐」Sサイズご飯付き<激辛>。

僕は「本場の」「四川」麻婆豆腐が好きだ。いわゆるジャパニーズ麻婆豆腐よりも、辛くてシビレるやつを愛している。最近でこそ、花椒のシビレについては少しずつ市民権が得られてきて、本格的な麻婆豆腐はあちこちで見られるようになってきた。でも、ちょっと前までは本格的なものにはほとんどお目に掛かることができず、僕は何度「ちぇっ、これは日本風の麻婆だ」と舌打ちしたことか。

そんなわけで、今回の麻婆豆腐に関しては、ネーミングからして多分大丈夫だろうと思いつつ、安心して食べる。おっといけない、油断していたら辛さにガツンとやられるぞ。何しろ、激辛で頼んであるんだから。

食べて見たところ、さほどシビレは感じない。肉から出るうま味、甘みを強く感じさせ、辛さも強いという印象はない。いわゆる、美味い麻婆豆腐だと思った。シビレる麻婆は確かに僕は好きだが、そういう物を食べる時は無意識のうちに緊張感を強いられるので、砂追い美味いとは言い切れない側面もある。その点このお店の麻婆豆腐は、にっこりおいしいものだった。良い意味でも、悪い意味でも。

あれー、おかしいなあ、<激辛>頼んだのに。

この唐辛子の量でコントロールされてるっぽい?

怪しいのが、麻婆豆腐にかけられている唐辛子。おい、ひょっとして辛さ調整ってこの唐辛子の量で決まってるんじゃあるまいな?・・・まあ、それでもいいけど、そういう辛さ調整って安直だし、うまいこと辛く仕上がらないので良いとは思えないんだが。道理で、商品を手渡しされた際に、「よくかき混ぜてお召し上がりください」って言われたわけだ。唐辛子がふりかかっていたからだ。

【6軒目:ダクシン(南インド料理)】

ダクシン

本日最後の料理は、今日もカレーとなる。南インド料理を標榜する、「ダクシン」というお店。

巨大な国土を持つインドなので、南北で料理だって当然違う。というか、そもそも「南」と「北」で分けるってのも強引っちゃあ強引なんだろう。狭い日本でさえ、「東日本料理」「西日本料理」って分けたら「おいちょと待てそれは乱暴だ」という意見が多発するだろう。

一般的なインド料理店は北インド方面の食文化を反映したものが多いそうだが、このお店は南インドを明確に標榜している。南の方が辛さが強い、という話を聞いたことがあるので、ちょっと期待したい。

ダクシンのメニュー

・シーフードカレー+ナン 900円
・シーフードカレー+ナン+タンドリーチキン 1,200円
 辛さ→普通、辛口、激辛
・タンドリーチキン(大) 600円

激辛で、とお店の人に注文する。激辛って、「激しく辛い」って書くんだよな、今更ながら思ったけど。一体この言葉、いつ頃から登場したのだろうか?たとえば江戸時代にこんな言葉は絶対なかっただろうから、近現代、しかもつい最近になって登場したのではないか。

他にも食べもの系って、新しい造語って多いと思う。「完食」なんて言葉も、大食いがテレビをにぎわせだしてから出てきた言葉のはずだ。

3種類のソースを御利用ください

店頭に置いてあったソース3種類。

「辛くしたい時はこちらの自家製ソースをお使いください。」

と書かれている。

「激辛ッ」「辛口」、そして緑色の「ミントソース」があった。これは一体どういうことか。メニューには「普通」「辛口」「激辛」の3種類の辛さが調整できるとされているが、それはセルフサービスでやれ、ということだろうか。一応注文時には店員さんに「激辛で」と伝えてあるんだが。とりあえず、最初はデフォルトで出てきたものを食べてみようと思う。ソースを使うのは、そのあとで。

シーフードカレー+ナン

シーフードカレー+ナン <激辛> 900円。

ナンがやたらでかい。「板前さんがついつい手の力が入りすぎて、ナン生地を大きく延ばしちゃいました。でもグラム数は他のと一緒ですのでご安心ください」とか店員さんが言ってきそうだ。でも何も言ってこないところをみると、これが標準サイズらしい。でかいな、オイ。

あまりにナンがでかいので、肝心のカレーがふさがってしまっている。ナンがメイン料理なんだか、カレーがメイン料理だかわからなくなってしまいそうな外観。

巨大なナンと記念撮影

せっかくなので自分の顔とナンのサイズ比較してみた。

うん、このナンでお面を作ることができるぞ。ナンと立派な平城京。

シーフードカレーのアップ

シーフードカレー、確かに赤いのだが、それほど辛いとは思わなかった。

というか、どんな味だったか、これを書いている今(2013/09/02)ではもう忘れてしまった。

激辛ッソースが一気に噴き出し、手が汚れた

というわけで、どうも「激辛ッ」ソースをかけないと、真の激辛にはならないっぽい。

もともとの味は十分わかったので、半分まで食べ進んだところで激辛ッソースをかけてみることにした。味のバランスが悪くなるのは残念だが、やはり今回は激辛目当てで訪れているんだから、その意向に従わなくちゃ。

激辛ッソースのボトルを取り、我が手元のカレーにかけようとする。・・・出てこない。口の部分が詰まってしまっているようだ。何度かパフパフとボトルを押していたら、いきなりバフッという音とともに激辛ッソースがさく裂。カレーを持っていた手にべったりついてしまった。激辛の返り血。やられた。

この一件のせいで、激辛にする気がうせてしまった。手だけじゃなくて、服も汚れたし。結局、「そこそこの辛さ」のままここのカレーを食べ終え、フィニッシュとなった。

今日も甘い物をしめに食べるのであった

今日は「辛い物を食べたーッ」という感じはあまりしない一日だった。おかげで、昨日のように帰宅途中に腹痛で悩まされたりしなかったし、この調子だとトイレで困惑することもないだろう。

おそらく、この程度の辛さ感覚が、「美味くて、辛い」ちょうどよいバランスと思われる。よく考えろ、「痛い」とか「つらい」状態になる辛さなんて、何の意味がある?楽しくて美味いにこしたことはないじゃないか。

なるほど、ごもっともだ。実はそういう事、今まで一度も考えたことなかった。今までの人生考え直せ。

さて、本日の甘味処。昨日のマンゴーアイスに引き続いて、今日もアイスを選んでみた。夏だし。

僕を担当している生保レディの若い子が、「おかでんさん!甘いのを食べるんでしたら、私のおすすめがありますよ!ピノのレアチーズ味がいいです」と今日のお昼に言っていたので、それを買った。正確には、「レアチーズ味&木苺チョコ」という商品名らしい。ほー、最近はこういうものもあるのか。甘いものは本当に疎いからなぁ、全く知らなかった。

甘いアイスを食べて、ひと段落。ほっと一息ついて、激辛2日目これにて終わり。

明日は所要があるのでお休みとし、明後日に残り3軒にお邪魔して、この企画を終わりにしようと思う。

2013年08月24日(開催3日目)

開催3日目のこの日は、所要を済ませた後高円寺の阿波踊りを見に行くつもりだった。しかし、ここ最近の多忙で疲弊していた僕は、人ごみに突撃する気力を喪失。予定を変更して、おとなしく今日は家に帰ることに決めた。

「じゃあ、夕食は何を食べようかな?」→「えーと、家にはこれといった食べるものがないなあ」→「外食するか。でも何を?」→「ええい、激辛グルメ祭りに行っちゃえ」

という考えで、結局急きょ激辛グルメ祭りに行くことになった。「疲弊してるから家に帰る」はずなのに、結局ますます疲弊するという選択をしてしまっているけど大丈夫か?

激辛料理を食べるのって、なにげに体力を使う行為なので、基本的に疲れている時にやることじゃあない。でも時すでに遅し。

セブン・イレブンに立ち寄って、不足しているチケットを購入した。900円券を3枚。

会場は本日はそこそこ混んでます

土曜日の夜、ということでさすがにこれまでの二日間以上にお客さんがやってきていた。とはいえ、ぎゅうぎゅう詰めになるほどの数ではなく、立ち席でよければ席には十分余裕があった。来場者の顔ぶれをみていると、若い人ばっかりだ。中高年はとても少なかった。歳とともに、激辛には親しみがなくなるのだろう。確かに、ご年配の人たちが若かりし頃には激辛料理なんてなかっただろうし、そもそも激辛なんてのは歳とってからじゃ体に負担がかかりすぎる料理だ。会場内に若い人が多いのは当然か。

7軒目:エチオピア(カリーライス専門店)

エチオピア

本日1軒目はエチオピアを選んだ。これまで2日間、カレーはその日のトリを務めてきたのだが、今日は先陣。なにせこの店、既に結構行列ができていたからだ。これから本格的な夕食時になろうかというときに、早くも行列とは困った話だ。今のうちに行列に並んでおかないと、この後どれだけ列が長くなるかわかったものじゃない。というわけで、このお店が本日のトップバッターとなった。

エチオピアといえば神保町にあるカレーの超有名店。カレー屋には疎い僕でさえ知っているお店だ。その知名度を高くしているのは、味もさることながら辛さを激しく調整可能というシステムにある。なんと、「70倍」まで辛くできる仕組みは、数多くの激辛好きが挑み、そして激辛を堪能していった。

エチオピアのメニュー

・野菜カリー M900円
・チキンカリー S600円、M900円
 辛さ→0倍:中辛、3倍:辛口、(調整可能)、70倍:激辛
 ※0-70倍まで辛さの調整が可能です。
・タンドリー風からあげ 600円

昨日までは、このお店で「チキンカリーS」を食べるつもりだったんだが、1日目に「チキンバターマサラ」を食べていて内容がかぶることに気がついた。というわけで、値段は300円あがってちょっと悔しいけど、野菜カリーを選んでみた。注文は、もちろん70倍で。

これまでのお店で、「えー?これが激辛ァ?」という料理にたびたび出会ってきたわけだが、多分ここは本当に辛いと思う。なんせ、70倍まで調整可能と謳っているんだ、辛くならないわけがない。30倍よりも、50倍よりも辛くしようとすると、当然70倍って積み上げ方式でしゃれにならない辛さになるよな。

雪平鍋で一人前ずつ調理中

なんでカレー屋なのに行列ができてるの?と思ったら、細かい辛さ調整に応じるため、一人前ずつ雪平鍋で加熱調理をしているからだった。これで、同時に二人前しか作れない制約が生じる。大きな寸胴からカレーを鍋に移し、そこで味の調整をして、ある程度味がなじんだらお皿に移す。人によって辛さ指定がバラバラなので、作る方は大変だ。でも、僕の前後のお客さんは、「70倍!」を頼む元気な人が多かった。

8軒目:幸永(韓国料理)

幸永

幸永も行列が伸びていたので、今後どうなるかちょっと心配。エチオピアのカレーを食べる前に、幸永でも料理を入手しておくことにした。片手にカレーを持ったまま、行列に並ぶ。

幸永メニュー

・激辛冷麺 S600円、M900円
 辛さ→一辛、二辛
・旨辛ホルモンMIX M900円
 辛さ→一辛、二辛

このお店は、冷麺とホルモンという二本柱で営業している。どちらにするかちょっと考えてしまったが、旨辛ホルモンMIXを選ぶことにした。肉、というジャンルで辛いのを食べるのは、このお店以外に機会がないからだ。

ホルモンを鉄板で調理中

鉄板でホルモンを炒めている。作り置きをしたり、一度に大量に作ったりはしないようで、この炒めが終わるまで行列はじっと動かない。

一人前ずつ分けて炒め、それぞれにオーダーに応じた辛みづけをしていた。

店頭の調味料三種類

このお店の店頭にも、調味料が置いてあった。お酢、からし、辛!119ソースの3種類。もっぱら冷麺用のアドオンツールなんだろうな、これらは。

激辛料理を二つ並べて。

料理を受け取り、両手に激辛を携えて席へ移動。「一人で二つも食べるのかよ」って隣のカップルから冷やかに見られるんじゃないかと、ちょっと心配する。何しろ、そのカップルは一皿の激辛料理を仲睦まじく分け合いっこしてたから。なんなんだこのあっちとこっちのギャップは。

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