国道走破サイコロの旅

精神メルトダウン編

日 時:2003年(平成15年) 07月19日~21日
場 所:サイコロ任せ
参 加:おかでん、しぶちょお、ばばろあ、ひび(以上4名)

「へべれけ紀行」コーナーの企画として、「越後湯沢→東京 国道走破サイコロの旅」を開催したのが、3月。本来ドライバーは、自分の判断でハンドルを切り、アクセルを踏む。行きたいところに、行くことができる。しかし、その行き先を決める事ができるのは、なんとも脳天気なサイコロの出目だけ。そのあまりに運任せ旅に軽くめまいを覚えつつ、車のハンドルを握ったものだ。

あまりに不毛な、生産性のない旅であったのだが、終了した時点ではちょっとした充実感があったのは事実だった。誰かに行動を拘束される、ドキドキ感。妙な疲労感を覚えたが、同時に「これはやめられない快楽だ」とも感じた。

そんなこんなで7月の海の日連休がやってきた。アワレみ隊BBSでは、3連休を使ってキャンプを張る事を計画していた。しかし、今年は異常気象だったため梅雨明けがずれ込み、海の日前後は雨の予報が出ていた。雨の中ではキャンプはできないなあ・・・と考えたおかでんは、「では(一人で)サイコロ2でも楽しんでこようかな」とメンバーに宣告。すると、興味を持ったしぶちょおがこの企画に合流、それにひきずられる形でひび、ばばろあと「本来キャンプやるはずだった」メンバーがそのままサイコロ企画に合流する形になった。最後まで、ばばろあはこの企画の不毛さに疑問を投げかけていたが、「さあこれから運任せな旅に出るぞ」という一部メンバーのテンションの前では、黙殺されてしまった。

決戦は、7月19日。名古屋城スタートとなった。さあ、運命はどっちに転がる。

国道走破サイコロの旅2-レギュレーション(Ver1.1c/確定版)

1.ただ単に車で「国道」をひた走る企画である。

2.国道が分岐する/交差する地点に到着したら、その道筋一つ一つにサイコロの目を割り当て、サイコロをふる。出た目の国道が次の進路となる。これを、ひたすら繰り返す。

3.土曜日午前に金のシャチホコでおなじみ:名古屋城を出発し、月曜日正午までに参加者各位の所属する市(名古屋市、神戸市、東京23区)のいずれかに駆け込むことができればこの企画はクリア。見事サイコロ運に勝利したこととなる。ただし、出発地が名古屋となるため、名古屋ゴールは2つの県を通過した後でないと認められない。(たとえば、愛知→岐阜→三重まで進んで、ようやく名古屋ゴールの権利が与えられる)

4.地元にゴールした人間は、それまでのガソリン代をはじめとする、車移動に関わった費用の一切を免除されるという優遇措置が与えられる。

5.敗北条件としては、
(1)「これ以上明後日の方向に行くと、明日の仕事に間に合わない」などの理由によりリタイアする場合
(2)月曜日正午で、タイムアップを迎えた場合
のいずれかとなる。なお、(1)の場合は参加者全員による合議の結果、その妥当性が認められた場合にのみリタイアが許される。また、リタイア宣告をしてから、実際にリタイアできるのはリタイア宣告後次のサイコロを振って、その目的地に到着した時点とする。(サイコロの目が出た→ああこりゃ駄目だ、リタイアだという流れは認めない)

なお、車所有者がリタイアを宣告することも可能。リタイア宣告者は、交通費割り勘の金額が25%増しとなる。

6.「今来た道を逆戻り」というサイコロの選択肢は今回は設定しない。

7.サイコロ1と異なり、行き止まりの盲腸国道に突入してしまった場合はそこでゲームオーバーとならず、行き止まり地点まで行ってから折り返しすることで対処とする。

8.国道から脇道に逸れることは原則禁止とする。ただし、下記の条件については、国道からの離脱も認められる。
(1)「車を国道脇の駐車場に停めて、徒歩で移動」し、国道から離れた場所にあるお店や名所に行く場合。
(2)宿泊場所を探す場合。ただし、通過中の国道から半径5km圏内であること。
(3)そのほか、1日1回に限り、通過中の国道から半径5km圏内の離脱を認める。

9.この企画は敢えて自虐的な事をすることに意味があるため、上記ルールの運用は厳格に行う。初日朝にルールミーティングを行うので、そこでの質疑応答をもって最終ルールとする。以降、企画進行に致命的な困難を与えない限りは、ルールの変更は行わない。

名古屋駅きしめん

きしめんを食べる

午前8時前。決戦当日の朝、名古屋駅新幹線ホーム。

朝食として、きしめんを食べることにした。・・・お昼は一体、どこで食べることになるのだろう。伊勢で赤福?長野で蕎麦?それとも、浜松でうなぎ?全く想像がつかない。いや、それどころか、 昼飯抜きの異常事態にならないとも限らない。まずは、「確実に栄養補充ができる場所」で、きっちりと食事をしておかなければ。

ずるずる。相変わらず、美味い。東京都内の駅に跋扈する立ち食い蕎麦屋とは違う。

名古屋駅前で全員集合したところで、この旅のスタート地点となる名古屋城へと向かった。

名古屋の場合、駅前に国道が走っていないためにどこか手頃な場所を探す必要があった。ならば、金のシャチホコでおなじみの名古屋城からスタートすれば、景気がいいじゃぁないか、というわけだ。

車中、女性隊員のひびさんに聞いてみる。

「よく参加したねぇ、こんな企画に」
「いやー、なんだかしらないうちに参加になっちゃったんですよー。今でもここにいることに疑問を感じているんですけどね」

やっぱりそうか。こういうバカバカしさは、なかなか女性には理解されないだろう。そして、最初から疑問を呈していたばばろあは

「わしねぇ、掲示板でも別の企画にしてくれんかのぉ思ってあれこれ書いとったんじゃけど、やっぱりサイコロやるんか。えー、サイコロやめよぅやぁ」

と早くも愚痴モード全開だ。

出発前の最終ミーティング

名古屋城の前で、最終的なルールミーティングを行う。サイコロが一回振られた時点で、ルールは確定となるので異議申し立てはここで行わなければならない。

あれこれ意見が出た中で、結局

・高速道路の利用は認めない

という事がこの場で決定された。名古屋には東名阪自動車道など、国道と併走している高速道路があるために「ランプを上がったり下がったり、今来た道をUターンしたり」が頻発するおそれがあったからだ。

しかし、この選択は「一度ドツボにはまっても、高速道路でその地区から高飛びして逃げることはできない」という事でもある。どこかの地で同じ土地を延々とぐるぐる回る、「無限ループ」に入らなければいいが・・・。

ルールが確定したところで、これからどのように進むか、地図をみながらおさらいすることにした。ばばろは「今回のために全国地図買いました」と意気込んでいるし、おかでんはおかでんで分厚い「東日本地図」「関東甲信越地図」「西日本地図」の3冊を持ち込んでいる。しかも、「長野味本」や「関東甲信越日帰り温泉1300」という本まで持ち込んでいるからやる気満々だ。

「でもね、北海道の地図は持ってきていないんだよなぁ。大丈夫かなあ」

余計な心配かもしれない。でも、一体どこに連れて行かれるかわからないのがサイコロの旅。用意するに越したことはない。

ちなみにおかでんは、最悪テント泊も想定して寝袋を持参していた。しかし、他の3名は何も持ってきていなかった。「えー、どこかで一泊しようぜ、テント泊は、ちょっと」・・・しまった、一人だけ過剰装備だったか!

地図を見ながら、あれこれ議論する。

しぶちょお 「紀伊半島に行きたい」

おかでん 「僕はねぇ、長野県にはもう行きたくない、って思ってるんだよな。アワレみ隊の企画で年に何度も訪れているからな、もういいやって」

しぶちょお 「あのねぇ、そういう時に限って行っちゃうんだよコレが。俺だって、事前に机上シミュレーションやってみたとき、国道153号だけは走りたくないなぁ、って思っていたらそのまんま153号走っちゃったからね?」

おかでん 「東京方面は見慣れた光景なので、できれば・・・うわぁ、どこに行ってもドツボっぽいけど・・・岐阜方面に行くってのが一番面白いかな」

いずれにせよ、まずは国道22号線を南に行くか、北に行くかの2者択一になる。

おかでん 「南へ行くと・・・1号線か。うわ、この辺りは国道が入り乱れているな。あまり行きたくないゾーンだなあ」

ばばろあ 「で、北に行くと、環状線の302号にぶつかるわけよ、そしてハマる。ぐるぐる回っちゃって延々と名古屋市街から抜けられなくなる」

おかでん 「うわぁ・・・どっちも地獄」

しぶちょお 「302号、名古屋市を取り囲むようにはできているんだけど、実はまだ開通していない場所もあるのよ、これが。だから、ぐるぐるとは回らない。しかし、行き止まりで今来た道を折り返すなんて事になって精神的ダメージが」

おかでん 「302号の突破が、今回まず一つの大きなテーマになるのかなあ?」

いざ出発

まずは、出発前の記念撮影を行うことにした。三脚が低かったために、肝心の名古屋城は写らなかった。

「じゃ、記念撮影いくよ。10、9、8・・・・サイコロ国道の旅、ゴール目指して頑張るぞ!おー

・・・おい、何だよもっと気合いを入れてくれよぉ」

写真右端のばばろあ、相変わらずこの企画に対しての「?」が頭に渦巻いていて、あまり乗り気ではない顔つきになっていた。

最初の第一投目は非常に重要だ。北に行くか、南に行くのか。この旅の流れを決めると言っても過言ではない。

国道22号線伏見通りを、北に向かえば岐阜方面。しかし、環状線である302号線が行く手を阻む。

南に向かえば、1号線方面に向かうのだが、途中の分岐であらぬ方向にすっ飛ばされる可能性がある。

どちらに向かってもあまり気持ちの良くはないが、あえて選ぶならばここは、北に向かっておきたいところだ。

おかでんがサイコロを振る

サイコロ誰が振るの?って話になったのだが、最初の一投目は誰も責任をとりたくないので尻込み。結局発案者であるおかでんが振ることになった。

何やら合体ロボにでもなるんじゃないかと思わせるくらい立派な、名城病院前でサイコロを振ることにした。

名城病院にお手洗いを借りに行っていたひびさんが、困惑して戻ってきた。「外来受付、まだ始まっていないので門が開いていないですー」

むむ。そういえば、車に乗りっぱなしと言うことはお手洗いも要注意だって事をすっかり忘れていた。これから先、大丈夫かなあ。

おかでん 「ええ、それでは注目の第一投目ですが、国道22号線を北に行くか/南に行くかで決めたいと思います。偶数が、北!奇数が南!で・・・」

ばばろあ 「いや、1,2,3が北で、4,5,6が南でええんじゃないん?」

No.1

おかでん 「わかった。では、ばばろあの意見を採用して、3までが北、4以上が南、ってことで。それでは、いつものアレ行ってみましょう!」

何がでるかな、何がでるかな(全員その場で踊る)、それはサイコロ任せよ♪

おりゃっ。

6

だだだだっ、全員、猛ダッシュで転がっていったサイコロのところへ駆け寄った。

・・・

おかでん 「6!偶数!ははは、ってことは、南!ははははは」

早速の出目に、一同腹を抱えて笑い転げる。

ばばろあ 「はい、はまるぞぉ。南ははまるぞぉ~。」

一同 「南かよ!」

全員、あんまりな出目に、第一投目とは思えない状態で腰が抜けてしまっていた。

しばらく経ったところで、気を取り直したおかでん、

「はい、ということで6が出たので南に向かいま~す」

と脳天気な声を出して、嫌がるメンバーを車に押し込んだ。さあ、過酷な旅のはじまりだ。

さっそく分岐点

車中。早速愚痴大会が始まる。

おかでん 「くそー。いきなり暗雲たれ込めているじゃねーかよ。ばばろあの言うとおりにしなければよかった。当初こっちの予定どおりだったら、ちゃんと北に向かっていたのに」

ばばろあ 「いやよ、だっておかしいじゃん。(本家:北海道テレビ「水曜どうでしょう」のサイコロの旅のように)行き先をボードに書き並べたとき、偶数と奇数で行き先が違うって、書けないじゃん。1,2,3はこっち、4,5,6がこっち、って書き方しなければボードに」

おかでん 「今回ボードないじゃん!・・・ああ、国道22号の分岐がやってきた!」

しぶちょお 「南に向かっちゃうけど、いいね?誰も後悔しないね?曲がるよ?おりゃ」

一同 「あああー」「南に向かっちゃうよぉぉ」

サイコロの出た目は絶対だ。われわれは国道に足を踏み入れたと同時に、進路を南にとった。

進路を南にとると、すぐそこには名古屋都心環状線のランプがあった。

しぶちょお 「都市高は越えていく、ってことで・・・と」

しぶちょおがアクセルを踏み込む。

おかでん 「よかったねぇ、高速は無しってルールに変更しておいて。ここでまたすぐ『高速に乗るか・乗らないかサイコロ』なんて振ってたら、キリが無かったよ」

ばばろあ 「いやおかでん、ここはすぐ降りてサイコロ振ってこい。ばっと降りて振って、ざっと戻ってこい」

おかでん 「この車の流れの中で?他の車にひかれるわい、これだと。サイコロの出目の責任取って死ね、ってか。ひっどいなぁ・・・、まだ序盤だし、 致命的な目を出したわけじゃないんだから勘弁してくれ」

ばばろあ 「いやだってよ、どーせこのまままた次も南の目を出すんじゃろ?わしらどんどん南に行っちゃうんじゃろ?」

分岐点

しぶちょお 「とか言っているうちに、分岐が近づいて来ました」

おかでん 「はやっ!もう分岐か!」

ばばろあ 「だから最初から言っとったじゃろうが。一発目は名古屋から遠く離れるようにルール設定しないと、名古屋市街でぐちゃぐちゃ堂々巡りを始めてしまうんじゃって」

おかでん 「始まった以上しょうがないだろー。とにかくサイコロをふるまでのことよ」

No.2

ということで第2投目。

1,2,3の目で左に曲がり、国道153号線方面へ。

4,5,6の目でまっすぐ南下し、国道1号線方面へ。

今のところ、どちらを選んでも大差はない。ただ、気分的には長野方面には向かいたくないので、できれば直進して紀伊半島への可能性を繋いでおきたいところだ。

サイコロを振る

おかでん 「通行人がいっぱいいるんだけど・・・ここで振るのか?」

ばばろあ 「いいぞ、なんだったら道路の真ん中で振っても。通行人から離れるだろ?」

おかでん 「また僕をひき殺そうとしてるな?大体、サイコロが潰されちゃって、ゲーム続行不可になるわい」

ばばろあ 「ええじゃん、企画終了で」

おかでん 「おいおい、ここまできてそれはないだろう?・・・じゃ、いくぞ。♪何がでるかな、何が出るかな・・・ああ、俺は情けない!人が見てる!・・・それはサイコロまかせよ、っ、と、そりゃ!」

3

だだだっ。

・・・3!

ってことは・・・左折だ!進路は、東へ!

えー?

おかでん 「あ、おい、またイマイチな目を出したな、って顔をするのはやめれお前ら。僕の出す目はみんなが出す目。あくまでもみんなの代表なんだからな。な?な?」

ばばろあ 「サイコロが呆れて口が開いてしまってるぞ」

おかでん 「なーに、まだ今日は始まったばかりよ!次行くぞ、次ぃ!」

次の分岐

車中。次の分岐に向かう途中。

おかでん 「いやぁ・・・さっき、通行人笑ってたなぁ」

しぶちょお 「通行人のあきれ顔をバックにサイコロをふるおかでん、という写真を撮っておきたいんだけど、次もよろしく」

おかでん 「やめい。汚れ芸人じゃないか、それだと。・・・でも、この旅が終わる頃には平然と人前で踊って、サイコロを振っているようになるんだろうなあ。逆に、サイコロを振った後に、みんなに『どうだった?通行人、ウケてた?』ってでき栄えを確認したりなんかして」

しぶちょお 「それはそれで悲しいモノがあるぞ・・・」

ばばろあ 「今のイマイチじゃったけぇ、もう一度やって来い!って言うで、それだったら」

おかでん 「ああ、それだけは勘弁してください」

車は、国道19号を東に向かって走る。車内での馬鹿話もそこそこに、次の分岐点・国道41号北上の分岐がやってきた。

おかでん 「また分岐か!相変わらず早っ!先ほどの出目の精神的ダメージを引きずったまま、次のサイコロってのは、正直立ち直れんぞ」

しぶちょお 「これは・・・三叉路、か?41号、南にも向かっているような・・・?都市高の下に国道が走っているから、よくわからないなあ、これだと・・・」

おかでん 「えっ?あ、このカーナビの青い線、そこで分岐なの?もう一つ先のところかと思ったのに。名古屋、何でこんなに国道がごちゃごちゃしてんだよ!」

ばばろあ 「そんなの、企画立てた時点で気づいておけよ!分かっとったじゃろうが」

おかでん 「いや、事前に地図を眺めてシミュレーションすると、本番の時の面白みがなくなるかなあ、って思って殆ど地図は見なかったんだ」

ばばろあ 「おい!ゲームバランスを考えろ!一生名古屋から脱出できんでも知らんぞ」

おかでん 「へっへっへ、その時は狭い車中、一蓮托生って事で」

ばばろあ 「知るか!そんときは降りて帰るで、わし」

No.3

おかでん 「次、ここで北の目(国道41号左折)を出せば、今までの2投分はチャラにできるよな。まあ、見てなって。きっちりと今度こそは北に向かうから。今日は下呂温泉だな、宿泊場所は。温泉浸かろうぜ」

ばばろあ 「でも、既にもうあまり信用できつつなりつつあるんだけど」

おかでん 「だまらっしゃい。ええと、次は1,2,3で左折!北上、国道41号へGO。4,5,6で何事もなかったかのようにまっすぐ直進!。。。で、いいね?」

一同 「いいよ」

踊るおかでん

おかでん 「では、第3投目いきまーす。・・・おい、何だ僕だけ車外かよ、君らはどうした」

ばばろあ 「頑張ってこいよー」

おかでん 「第3投目にして、このだらけっぷり。けしからん、非常に怪しからん」

車中からニヤニヤしてこちらを眺めている連中を眼前に、いつもの歌と踊りをする。

♪それはサイコロまかせよっ♪ おりゃっ。

4

4!

ということで、国道19号、まっすぐ!

一同 「うわーぁ」

おかでん 「ご、御免ねぇ?うっかりして4、出しちゃったよぉ」

一同 「・・・」

沈黙が流れる。

おかでん 「ちょっと風が吹いちゃって、こっちの思惑とハズレだ出目になっちゃったかもしれないけど、まだ・・・致命傷じゃないよね?」

一同 「・・・はぁ」

しぶちょお 「言っとくけどねえ、次の19号-153号分岐で19号を出しちゃうと、大分北の目・・・一番行きたくなかった長野の目が固まってきちゃうんだけど」

ばばろあ 「いや、その前に環状302号がある」

しぶちょお 「そこで救われるのか、それともドツボにはまるのか」

おかでん 「302号でぐるぐる名古屋周辺を回るっていうのも、救われない選択肢だよなあ。ま、いずれにせよ次の一投で本格的に行き先が別れてくるって事だな」

しぶちょお 「でも、153号を出しても、どっちにせよ長野が近づくことには変わりないんだけどな」

おかでん 「うわ、やっぱり長野行きか。どうもアワレみ隊は長野に縁が深い。やっぱりしなやか県知事が・・・」

しぶちょお 「おい、もうそろそろだぞ」

おかでん 「!もう、か!?車に乗って1分も経ってないぞ、おい」

おかでん 「じゃあ、じゃあ、国道19号を1,2,3の目・・・うーん?」

ばばろあ 「考えるな、直感で決めとけ。考えれば考えるだけ、後でミスった目を出したときに後悔するぞ」

No.4

おかでん 「よし、では国道19号、北上!を1,2,3で。国道153号で東へ行くのが、4,5,6で。いいね?」

一同 「いいぞ」

おかでん 「よし、降りてサイコロを振るぞ」

踊るおかでん

おかでん 「どぅわっ。人が多いぞ、やけに。こんなところでサイコロ振れってか?・・・何かの罰ゲームなのデスカこれは」

ひび 「地下鉄の駅がある・・・」

おかでん 「わ。よりによって地下鉄の入口の前じゃないか。人が多いわけだ。ええい、構うか、いくぞ。それでは第4投目、高岳駅の前で、通行人の冷めた目を尻目にサイコロを振りまーす。それっ」

♪何がでるかな、何が出るかな♪

がばっ。

・・・5!

おかでん 「ということは、国道153号行き!いいのか悪いのかよくわからんが、とりあえず東!」

あまりの通行人の冷たい視線に耐えかねて、サイコロの写真を撮るのも忘れてあわてて車に駆け込んだおかでん。

おかでん 「ひゃー、視線が冷たいよー。この歳にしてこんなに恥ずかしい思いをするとは思わなかったー」

ひび 「でも、名古屋圏では『水曜どうでしょう』は放送されていないから」

おかでん 「だったら余計、僕って変な奴に見られるじゃないの。いきなり車から出てきて、車道で踊ってるんだから」

ばばろあ 「安心しろ、何もしてなかったとしても変な奴だから」

おかでん 「ぐは」

しぶちょお 「案の定、だな。やっぱり153号は外せないのよ」

しぶちょおがニヤニヤしながら言う。アワレみカーと称されるしぶちょおの車は、長野でアワレみ隊イベントがあるときは必ず153号を使う。だから、今回もアワレみ隊企画ということで、153号は外せない、というわけだ。

しぶちょお 「もうこうなったら、何がどうなっても153号をひた走りそうな気がする。それがこの車の望み、のような気がしてきた」

ひび 「けなげだなー」

おかでん 「おいおい、そうなったらサイコロ運とか関係なく、車が望む方向に向かう企画になってしまうぞ。一体どうした、サイコロの神さま。車の情念に負けてしまっているではないか」

ばばろあ 「まだわかんないよ?」

しぶちょお 「まだわかんないな、でも、このまま2回連続で153号直進の目がでたら、もう間違いない。絶対このアワレみカーがサイコロの目をコントロールしてる、って。」

おかでん 「それにしても、僕が出す目って全く迷走していないでしょ?すぱーんと、気持ちよく前へ前へ進む」

しぶちょお 「ん・・・だけど、153号、ここに分岐があるんだけど、どう?」

おかでん 「へ?」

ばばろあ 「どきっ」

カーナビを見ると、153号が分岐となっている。そして、1キロほど先でまた合流している。旧道と新道なのだろう。

※現在は旧道は国道ではなくなり、「県道56号線」となっている。

おかでん 「でも、結局行き先は一緒だろ?結論として」

しぶちょお 「まあ、合流するんだけどさぁ・・・」

しぶちょお 「合流したあと、ここでサイコロ振り直してUターンして、っていう可能性もあるんだけど」

おかでん 「ああ!そうだ!」

ひび 「ひゃー」

ばばろあ 「ぬぉぉゎわああ、そういう手があったのか!」

しぶちょお 「次の分岐は、だからどっちでもいいんだよ、でもその次、合流するところで一歩間違えると」

おかでん 「サーキットコースになってしまうわけだな」

思わず、うめき声をあげてしまう。

カーナビと手元のロードマップを見比べていたばばろあが、疑問を投げかけた。

ばばろあ 「この合流地点って、Uターンできるん?なんとなく、できなさそうな角度で合流してるけど」

しぶちょお 「さぁ、この交差点よく覚えてないんよ。戻れたような気がするんだけど・・・。ひょっとしたら、右回りと左回りでサーキット可能かどうか変わってくるかもしれない」

おかでん 「ぬおお、香ばしいな」

運転の傍ら、カーナビの尺度をいじりながら分岐点を確認していたしぶちょおが叫んだ。

しぶちょお 「ああ、こりゃ南側の153号には入れないわ」

おかでん 「なに?それは喜ばしい報告だが、なぜに?」

しぶちょお 「反対側レーンしか入れないっぽいんだ、この道」

ばばろあ 「でも、中央分離帯が道路の真ん中にあるだけで、別に国道としては繋がっているわけだから、サイコロ振る対象なのでは?」

おかでん 「この車、戦車じゃないんだから中央分離帯を乗り越えていくわけにはいかんだろ?逆送するっていうのもおかしいし、やっぱここはスルーだろ」

しぶちょお 「と、いうことはだ。次の交差点は駄目だとしたら、その次の交差点では確実に曲がれる、というわけだな。Uターンはやっぱり確実にできるってわけだ」

おかでん 「うーむ。ぐるぐる一人ロータリー始まったらどうする?ちびくろサンボみたいに溶けてバターになりそうだぞ」

ばばろあ 「じゃこうしようやぁ。1,2,3が出たら直進にして、4,5,6がでたら1回ぐるっと回るってのは」

おかでん 「おい!そうなるとサイコロ運じゃないよ、人的要素が多分に入っているじゃないか!」

しぶちょお 「そんなんやりだしたら・・・もう、駄目。そんなんだったら、俺、降りるわ」

おかでん 「ははは・・・名古屋市内にて企画終了。車オーナーのリタイア宣告により、4投目にして終了・・・早い!」

しぶちょお 「ルールはもう最初で確定してしまったんだから、意地でも押し通さなくちゃ。・・・でも、一つ確実に言えることは、次の一投はおかでん、ミスるんじゃないぞと」

おかでん 「うわ、そうだった。投げるのは僕だったか。でもねぇ、でもねぇ。僕、いい目はなかなか出さないかもしれないけど、手戻りは極力出さないようにしますんで」

ばばろあ 「わからんぞ、このダメ人間は。わしには見えるで、ここをグルグル回る姿が」

おかでん 「縁起の悪いことを言うなぁ・・・いやぁ・・・回りたいなあ。一回くらいは回ってみたいなあ。えっへっへ」

しぶちょお 「まだ余裕があるね?」

ばばろあ 「これが午後5時くらいになって同じ場所に居てみ?それどころじゃなくなるぞ」

No.5

しばらく走って、旧道との分岐点手前に到着した。見ると、微妙ではあるがUターンは可能な道になっていた。一同、「うーん」とうなる。

おかでん 「さあ、ということで!ええと、ニコサロンでんげんの前でサイコロを振ります。さっきから4,5,6の目が出やすいような気がするので、ここは偶数・奇数で行きます!」

一同 「おう」

みんな、今回ばかりは車から出てきて固唾を飲む。

おかでん 「偶数246で真っ直ぐ153号の旅。奇数135でちょっと回ってみようかな、と」

ひび 「ひひひ」

ちょっと引きつった笑いが出る。

おかでん 「奇数でないように。では、行ってみましょうか!・・・おお、この辺りは歩道に人が居ないぞ、これはラッキーだ。では!」

♪何がでるかな、何がでるかな♪

おかでん 「うわ!でも今回は車からめっちゃ見られてる!それはサイコロまかせよ♪」

そりゃっ。

偶数でした

偶数!

真っ直ぐ!

わははははは!153号、直進!!

おかでん 「危ない危ない危ないっ!真っ直ぐ!」

しぶちょお 「良かったねぇ、いつもの僕らのパターンだと、大抵ここでハマるもんだけど」

おかでん 「いや、ホント。ぐるぐる回るかと思ったよ。『居候、三周目にパッと出し』って。3周くらいは確実かと思ってた・・・いや、でも言っただろー?僕ぁ手戻り出さないんだよぉ。ビシッと真っ直ぐ、行くんだよぉ」

ばばろあ 「じゃ、今日はこのまま153号直進で長野まっしぐらって事で?」

おかでん 「うわ、それはそれでちょっとイマイチかも」

車に再び乗り込んで、次の分岐へ進む。途中、Uターンとなる153号分岐を通り過ぎる。

しぶちょお 「ほら、この交差点は入り組んでいて・・・あれが行かなかった道」

見ると、単なる住宅地に入る為の道か?という細街路があった。

おかでん 「は?あれが?」

しぶちょお 「そうなのよ。ほら、飯田街道、ってアーケードに書いてあるでしょ」

おかでん 「えええ?仮にも百番台のナンバーを持つ国道だぞ、ありゃ一体何だい?・・・良かったぁ、回らなくて」

最初の冷や汗モン分岐をやり過ごすことができ、ほっとしつつ車は先へと進む。しかし、われわれはこのアワレみカーが153号に魅入られてしまっているのではないかという事が気になってきた。

ばばろあ 「結構イヤな予感なんじゃけど、このまま153号でするすると進んで、三河あたりで見放されて、三河をぐるぐる延々と、って。三河、抜けれんのじゃないんか?」

しぶちょお 「三河、ごちゃごちゃしているから。『何でこんなに国道、あるの?』ってくらい、あるから」

ばばろあ 「三河、行きたくないのー。やっぱり、北に行かないと。長野、いろいろ意見出てるけどさ、やっぱ長野って国道が少ないわけでスルスル進めるんよ。こんなところにおったらキリないで、さっさと田舎に行こうや」

おかでん 「北、かぁ。さっき19号の目を潰してしまったからなぁ・・・」

そんな会話をしているうちに、名古屋環状国道302号線の分岐にやってきた。

302号線分岐

しぶちょお 「気を付けろ?この国道、まだ開通してないんだからな。右に向かうと、すぐに行き止まりになるぞ」

おかでん 「行き止まりだと、折り返してもとの場所に戻る、わけだな。まあ、プラマイゼロではあるな」

ばばろあ 「精神的ダメージは被るぞ」

おかでん 「まかせろ、手戻りは出さないと宣言したこの俺様だ、こんな無駄なピストン往復はするまでもない。ええと、この場合どっちに行けばいいんだ?」

ばばろあ 「・・・302号を北上、かのぅ?三河で延々、はイヤだ」

しぶちょお 「真っ直ぐ何事も無かったかのように153号を進みそうな気がするけどな」

おかでん 「そうだよな、長野方面に逃げるんだったら、19号に向かったほうがいいもんな」

しぶちょお 「うっ!19号はオービスがあるんだ・・・」

おかでん 「おい、このサイコロの旅でオービスひっかかるくらいのスピード出す気だったのか?・・・それにしても、北上しても相変わらずダメだな、美濃太田あたりも国道ぐっちゃぐちゃ。どうなってるんだ、この辺りの国道は」

ばばろあ 「だからー、あらかじめちゃんとシミュレーションしとけって・・・」

No.6

おかでん 「じゃー行くぞ?停める場所がイマイチ見あたらないようなので、車中で振りますー。1,2が出れば無意味な往復になる、国道302号右折。3,4が出ればやっぱりお前を愛してるぜ、153号を真っ直ぐ。そして、これが本命、5,6が出れば302号左折で北上、と。」

♪何がでるかな、何がでるかな・・・

それっ。
おかでん 「1!ってことで、右折だっ」

・・・

おかでん 「えーと、まあ、そういうことだ。何となくこういう無意味な事もやっていいかなー、なんて思っちゃってさアハハ」

ひび 「手戻り出さないんじゃなかったんですかー」

しぶちょお 「まあでも、153号ばっかりじゃないぞ、ということで、まぁ」

おかでん 「気になるじゃん!国道の行き止まりって。せっかくだから見てこようよ、それくらいココロの余裕があってもいいじゃないの」

言い訳に必死である。

意図せぬ南下

おかでん 「あー、この道を数分後にはUターンしてこなきゃならんと思うとやっとれんなあ」

ばばろあ 「てめぇで出した目なのに何を言うか」

おかでん 「ねぇしぶちょお?この道、実はもう開通してます、ってことないかねえ、手持ちの地図は既に古くて、とっくの昔に開通してたんどぅえす!っていうオチは?」

しぶちょお 「ないね、それは。だってこの辺り僕詳しいから」

おかでん 「わ、即答。行き先の看板に『岡崎』って書いてあったからひょっとして、と思ったんだけど・・・がっくり」

右折して数分で、何やら標識が見えてきた。

悲しい行き止まり

しぶちょお 「見ろ、真っ直ぐの道が点線になっているぞ!」

おかでん 「銀河鉄道999みたいに、空高く延びていく国道、って事はないよなやっぱり。行き止まりなんだよなやっぱり」

周囲の車は、その行き止まり表示に対して、驚いたり動揺したりがっかりしている気配がない。当たり前のようにその現実を受け止めている。

おまえら、そんなに国道に愛着がないのかぁぁぁ。国道が途切れれば県道でもなんでも走ればいいや、って思っているだろう。この非国民めがぁぁぁ。

終点、の文字

しぶちょお 「で、終点、の文字」

指さす方向をみると、20トン超トラック用の表示とはいえ、きっちりと「終点」の文字が。

ばばろあ 「あー、終点に来てしもおたのぉ」

おかでん 「しみじみと、情けない・・・」

しぶちょお 「じゃ、ぐるりとここで回るよ。それ」

ぐいーんと、中央分離帯を回り込んでUターン。

しぶちょお 「見ろ!わしらだけだぞ、こうやってUターンしている車って!」

ばばろあ 「恥ずかしいけぇ、さっさと先に行こうや!」

おかでん 「ばかもん、何を恥ずかしがる事があろうか。これも立派な旅の一つであって」

ばばろあ 「こんな目を出したお前が言うな!」

また153号分岐に戻る

タイムロスすること10分程度。全く持って意味のない往復をした後、153号との分岐点に戻ってきた。

おかでん 「うーん、次の選択肢に新鮮味が全くないというのは初めてのパターンだな。これからもこういう事が増えてくるのだろうか」

No.7

おかでん 「じゃあ、1,2で国道153号線復帰・・・」

しぶちょお 「おい、右も左も153号だぞ」

おかでん 「あっ、そうか。じゃ、1,2で右折、豊田方面国道153号線。で、3,4で国道302号線直進。5,6で今まで進んできた道を戻りましょう」

ひび 「ぎゃははは」

ばばろあ 「じゃ、5,6でいきましょうかぁ?」

おかでん 「ぬぅおぅわぁ!そうか、行き止まりに行って戻ってくると、『今来た道をひたすら戻る』という選択肢も出てくるのか!恐るべし、サイコロ!ダメだ!それだけはダメだ!」

ばばろあ 「でもこの男、多分5,6出すと思うぞ。ダメだダメだと前振りすればするほど、出やすくなるんじゃけぇこういうのって」

おかでん 「いや!言い訳させてくれ!さっき車内でサイコロ振ったとき、このシートって滑りやすかったんよ。だから、サイコロが余計に転がってしまって変な目がでたんだよぉ。今度は傾向と対策をわきまえたから、ビシっといい目を出すからさ」

ばばろあ 「5,6で頼む」

おかでん 「ああ、うるさい!3,4出して直進すれば文句ないだろ!」

おかでん 「じゃ、注目の7投目、いきます!・・・って、何度も『注目の』って言ってるような気がするけど・・・国道153号はわれわれを誘うのか?いざ!」

♪何が出るかな、何が出るかな・・・それっ狭い車内を転がっていくサイコロ。その結果は・・・

おかでん 「3!真っ直ぐ!そのまま真っ直ぐ302を進め!」

しぶちょお 「オーイ」

おかでん 「オーイ、来たぞぉ!俄然、これでまた流れが変わってきた!」

しぶちょお 「これで、363号分岐までしばらくサイコロはお休みだ。進むぞぉ。・・・302号はバイパスなので、降りられる場所ないんだよな。ひたすら車内でサイコロを振らないといけない。多分次もそうなるぞ」

おかでん 「そういえば、ひびさんお手洗い大丈夫なん?」

ひび 「うー(汗)」

おかでん 「サイコロの目をうまく出さないと、お手洗いにさえ不自由する。恐ろしい・・・と人ごとのように総評するおかでんであった」

ひび 「うぅ」

おかでん 「302号に入ったことで、俄然流れが変わってきたぞ!?」

ばばろあ 「このまま真っ直ぐ行けるとええねぇ」

おかでん 「次は、363号線との決戦だな?」

しぶちょお 「瀬戸方面に向かうのか、ということだな。でも、363を出してしまうと、153号線直進と同様にやっぱり北に向かう事になってしまう」

ばばろあ 「363号に入らずに、302号を直進すると・・・19号にぶつかるのか。で、ここで左折してしもぉて、名古屋中心部に逆戻り」

しぶちょお 「いや待て、302号って、19号合流の手前で切れとらんか?」

おかでん 「ん?ああ、切れとるな。地図上では工事中になってる」

しぶちょお 「だから、このまま真っ直ぐ行くと・・・」

ひび 「ひぃっ」

おかでん 「えっ?ゆーたーーーん、ってわけ?」

しぶちょお 「そうなんよ、ゆーーたーーーーんになってしまうわけよ、多分」

ばばろあ 「うわぁ、勘弁してくれやそれだけは。さっきのUターンと違って今度は距離が長いぞ」

おかでん 「何としても次は瀬戸方面にサイコロの目を出さないと。よし、瀬戸に行って、瀬戸物のお茶碗をお土産に買ってかえろ?ね?」

No.8

おかでん 「えー、第8投目、になります。363の分岐に入ります。09:26、1,2,3で363号線、4,5,・・・いや、やっぱり怖いな、変更。偶数で363号線右折、奇数でそのまま直進!で行きましょう」

一同 「おう」

おかでん 「302進んじゃうとまたUターンだぞ、それだけは避けたいぞ、と」

♪何が出るかな、何が出るかな♪

そりゃっ

5

おかでん 「5!奇数!」

・・・?

おかでん 「え?奇数?真っ直ぐ?・・・ええと、(地図を指さしながら)偶数・・・奇数・・・ああああっ!真っ直ぐだ!Uターンだ!」

一同 「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

ひび 「た、隊長!」

しぶちょお 「うわあああ。でもおかでん、ひょっとしたら僕が知らない間に302号、開通しているかもしれないし」

ひび 「ありえねぇー。川に橋が急にかかるなんて事はさすがに・・・隊長~!!」

おかでん 「これは今までで最凶最悪な目を出してしまったなあ・・・うわぁぁぁ。」

ばばろあ 「これから15キロをねぇ、30分かけて往復してこにゃならんのよ」

しぶちょお 「あああ。何なんだこれは。車の中でサイコロ振り始めて、ロクな事がないな」

おかでん 「!そうだよ。言われてみれば、そうだよ。やっぱ、サイコロの神様が宿るためには、お天道様の下で踊らないと。気付かないんだもん、こんな車の中でサイコロ振っても神様は!」

しぶちょお 「アカンな」

おかでん 「アカンよ。今晩あたり御神酒をお供えしておかなくちゃな・・・ああ、今晩じゃもう遅いか」

一同 「はぁーっ・・・いやぁ・・・」

車内を重い空気が漂う。初めて直面した、サイコロの怖さだった。ぐるりと回って同じ所に戻ってきてしまうのならまだ救われる。今回のように、行き止まりまで進んでから、また折り返す・・・というは想像以上に精神的に参る。ましてや、さっき302号で無意味な往復をしてきたばかりだ。「またか!」ということで、全員げっそりしてしまったわけだ。しかも、往復30分。何でこんな不毛な事をせにゃならんのだ、と誰しもが頭の中で毒づいたはずだ。

しかも、追い打ちをかけるようにしぶちょおが言う。

しぶちょお 「こっから先、しかも渋滞するのよ。この先名鉄の踏切を越えていくんだけど、そこで混む上に一車線になるんよ」

ひび 「にゃー」

この後、ICレコーダーには1分以上、「ああー」とか「ふぅー」という声ばかりが録音されていた。

行き止まりに向けて行進

しぶちょおの予言どおり、まんまと渋滞に巻き込まれてしまいながらも道を進む。

しぶちょお 「この先、地蔵川という小さな川があるんだけど、そこでちょうど国道が切れとるはずなんよ。何でこんな小さな川なのに橋ができんの?っていう感じなんだけど」

おかでん 「実は急に橋ができて開通しました、という可能性は?」

しぶちょお 「さあ・・・多分ないと思うけど、ひょっとしたらできとったりして」

そん名事を言っているうちに、青看板で「国道19号・右折」の標識があった。

おかでん 「おい、右折で国道19号だぞ?」

しぶちょお 「ってことは、やっぱり真っ直ぐで19号に合流できんって訳だな?」

ばばろあ 「ここは、未開通だけど国道予定地って事で・・・そのまま19号に向かう、というのは?」

おかでん 「国道以外を走っている段階でアウト。企画タイトル、『国道走破』って事を忘れるなよ?」

ばばろあ 「だってよ、国道ったって・・・」(以下延々と続くので略)

そうこうしているうちに、ついに青看板でこの先が点線にて表示されているものを発見した。

しぶちょお 「うわー、まさに!開通していません状態だなこの看板は」

おかでん 「われわれを絶望にたたき落とす看板だぜ、畜生。じゃあ、Uターンしようか」

しぶちょお 「待て。ここで国道が終点とは何も書かれていない。突き当たりまで行くぞ」

一同 「ええー」

高架橋下の狭い道をそのまま突き進んでいく。ここまでやって一体何がある?・・・何度目かの自問をする。どうせ行き止まりなんだ、この先は。行くだけ無駄だ。

と、思いながらも、「ひょっとしたら橋が開通しているかも?」という淡い期待があったのも事実だ。それは、地図上では「工事中」で点線扱いになっている場所も、こうしてスイスイと走ることができているからだ。ひょっとしたら橋ができているかも知れない。いや、完成はしていないかもしれないけど、こっそりと渡ったりすることができるかもしれない。そんな期待が、確実にあった。

だが。

302号行き止まり

しぶちょお 「やっぱり。行き止まり。ここで国道は終点」

見てみると、確かに目の前に土手があって、そこで道が終了してしまっている。対岸のビルがすぐそこに見えることから、川幅は30mもないくらいか。

ばばろあが激しく憤慨する。

ばばろあ 「なんでたったこれだけのところなのに橋を造ろうとせんのや!作る気配すら見せないとはどういうことよ。ちょっと待っとってや、これからわし対岸にいって、ロープか何か探してくるわ。それで渡ろうで」

おかでん 「うーん、でも川の上は国道じゃないから・・・」

ばばろあ 「だー、腹立つのぉ、これくらい橋作れや国土交通省!」

ついに、怒りの矛先が国土交通省に向かってしまった。

Uターン

しぶちょお 「じゃ、戻るからね」

必要以上に勢いをつけてターンをし、今来た道を戻り始めた。

おかでん 「もう二度とこねーよバーカバーカ」

後部座席から外に顔を突きだし、振り向きざまに行き止まりの悪口を言う。少しはこれですっきりした。

またここから20分近くかけて、363分岐に戻る。ふ、不毛だ。車窓に流れていく景色が、必要以上に「見慣れた光景」に見えるのはなぜだろう・・・。

ようやく分岐

おかでん 「只今の時刻は10時ちょうど。うわぁ、出発してから既に1時間半が経過しているのか・・・ええと、分岐までもうしばらく距離がありますが、第9投目を行いたいと思います」

一同 「いえーぃ」(やる気のない拍手)

おかでん 「おいこら、もう少し気合い入れてくれよ」

No.9

おかでん 「目としては、偶数で、363号を左折。奇数で、真っ直ぐ。さらに来た道を戻りやがれコノヤロー、という事で」

ばばろあ 「で、そのまま真っ直ぐ行って、また向こうの行き止まりまで行って戻ってくるんじゃろ?いやじゃ、そんなの」

おかでん 「永久機関だな。で!さすがに僕もこれ以上ピストンするのはイヤなので、ここでサイコロシャーマンの座を交替します。(急にウグイス嬢の声で)選手の交代をお知らせいたします。サイコロシャーマン、おかでんに変わりまして・・・ひびさん。ひびさん」

ひび 「えー?」

おかでん 「古来、お告げを聞くのは女性だったんよ。女性代表として、ここは頑張れ!踏ん張れ!おい、間違っても奇数出すなよ!(脅し)」

ひび 「はい・・・」

大役を急に背負わされて、緊張気味のひびであった。

おかでん 「いいか、偶数だけ念じろ?偶数偶数偶数!」

♪何がでるかな、何がでるかな、それはサイコロまかせよ♪

おりゃっ!

2が出る

おかでん 「偶数!やったぁーーーーっ!」

ばばろあ 「うわーい、2が出たー」

しぶちょお 「うわぁははははははははははは」

おかでん 「名古屋市脱出!名古屋市、これにて脱出!さらば名古屋市!」

俄然盛り上がる車内。

おかでん 「これでお手洗いの可能性が出てきたんじゃないの?」

ひび 「助かりますです・・・」

おかでん 「302号線走っている限り、お手洗いは絶対に無いからな?良かったねぇ、ひびさん。やっぱり追いつめられた人間はいい目を出すよ」

ばばろあ 「さらばだ302号。もう逢うことは無いだろう!」

おかでん 「さすがにもう一回ピストン、なんて事になったら気が狂いそうだもんな、これで旅が流れるぞ!」

我々は一路尾張旭市に向かう。302号線のピストンを大小併せて2回やってしまったわけだが、決して悪くはない流れだ。しかし、既にわれわれは疲弊していた。国道ピストンは、たとえ距離が短くても、激しく疲れるイベントであるということだ。

車内では、302号ピストンから脱出を成し遂げたひびへの賛辞の声が続いていた。その話題の中で、「やっぱり窮鼠猫を噛む、だな。お手洗いを我慢させた方がいい目が出る」という結論に達しつつあった。

おかでん 「・・・と、いうわけで。頼む!俺たちのためにお手洗いは我慢してくれんかぁぁ?」

ひび 「いーやーでーすー、許してくださいー」

ばばろあ 「わかった、こうしよう。われわれはコンビニに立ち寄って用を済ませるけど、ひびさんだけは車内に居残りにしとこうや。そのかわり、簡易式トイレを買ってきてあげるというのは?」

ひび 「ひー」

結局、10時7分、363号線沿いのサークルKに立ち寄ることになった。もちろん、ひびも一緒に車から降りて。そこで全員お手洗いに行き、飲み物などの買い出しを行い、10時17分再出発。

しばらく分岐点がないので、車内で馬鹿話が続く。

おかでん 「いやー、行きの新幹線でビール飲んでなくて良かったよ。飲んでたら今頃、『やってらんねーやぁ、もう俺寝るぅ』ってなってたかもしれない」

ばばろあ 「さっきのコンビニでもお酒売っとったじゃん」

おかでん 「そう!ちょっとココロが動いたのは事実」

ばばろあ 「でもビール飲むとトイレが近くなるで」

おかでん 「そうなんだよなぁ、だから、さすがに買うのは控えたよ。ビールを飲むとトイレが近くなる、これは宿命。車での旅では致命的な問題となるわけで」

ばばろあ 「我慢して、サイコロ振ったらいい目が出るんじゃないのか?」

おかでん 「あ、そうか。その手もあったか。でも、切ない旅になりそうだなー、国道走破!というより、何軒コンビニのお手洗いを借りることができるか?みたいな企画になりそうだぞ。でも、面白そうだよな。後部座席でビール飲みながら柿の種か何かをつまんでいて、『おい、そこ右だ!右!バーロー、そっちじゃねーって言ってるだろうが』ってくだを巻くの」

しぶちょお 「やめてくれ、この車でそんなことするのは」

次の分岐が近くなってきた。引き続きひびにサイコロを振って貰おうとしたが、「もう神通力が切れました」とか何とかいって、サイコロを振るのを嫌がった。このため、結局またおかでんにサイコロが戻ってくることになった。302号でピストンを2連発してしまった男に、運気は戻ってきているのだろうか。

No.10

おかでん 「今、尾張瀬戸の駅近くにまで来ています。国道155号線との分岐が近づいてきました。ここで、記念すべき第10投目、ということで何とかいい流れを持続させていきたいところです」

ここで、「偶数は直進363号線、奇数は左折155号線」という目を設定してみた。

おかでん 「どっちに向かうのが正解なんだろう?」

ばばろあ 「真っ直ぐの目を出すと、すぐにまたサイコロ振らんといけんで。でも、今回はどっちでもいいんじゃないか?真っ直ぐの方が、名古屋市からさらに離れるのでええかもしれんが」

おかでん 「おっ!?外には誰もいないぞ。これはラッキーとしか言いようがない。では、高らかに行きましょうか。それっ」

♪何がでるかな、何がでるかな・・・

おりゃっ。
おかでん 「・・・6!偶数!偶数って事は・・・真っ直ぐ!そのまま363号を直進してください!」