雨降ったり晴れたり
日 時:2008年(平成20年) 09月21日-23日
場 所:無印良品南乗鞍キャンプ場
参 加:おかでん、ばばろあ、しぶちょお(以上3名)
天幕合宿集団だったアワレみ隊だが、年月の経過と共に天幕合宿をあまりやらなくなってしまった。これはひとえに天幕合宿やるとなると非常に準備が面倒臭いということがある。
ただ、せっかくあれこれキャンプ用品を持っているのに使わないのは宝の持ち腐れ。せっかくだから久々にキャンプやるべえ、ということで重い腰を持ち上げたのだった。
場所については一から選定しているのがおっくうだったので、毎度おなじみ無印良品の南乗鞍キャンプ場とした。
ここだったら快適だし、ハズレることはない。
2008年09月21日(日) 1日目
今回も木曽福島で合流。ここで買いだしをしてから現地を目指す事にする。現地および現地周辺では食材をまともに購入できる場所がないので、木曽福島が一番の近場となる。
大人3人、2泊3日ともなると食材の量がハンパではない。特に、頻繁にキャンプをやっていない弊害で、調味料などはすべてその都度買い直しとなるので、案外費用もかかる。
買い物かごに牛乳が2パック載せられているが、このうち1.5本分くらいはしぶちょお用。彼はお酒を飲まない代わりに牛乳をよく飲む。1泊1本見当で2泊で2本、という塩梅。
今回はばばろあが料理を全面的に取り組む事になったので、食材の見繕いはすべて彼にお任せした。この「お任せ」が結構ギャンブルで、彼のむらっ気によってはえらく凝った料理を作る事もあるし、シンプルすぎる料理を作ることもある。「ええじゃん、これで」の一言でその料理はすべて肯定される。もちろん、一任した以上それでエエのだが、こちらにも事前の腹づもりというものがある。「今回は凝ったものが食べたいな」と思っている時に「お手軽料理」が出てくると相当がっかりだし、その逆もまたしかり。だから、買いだしの時点でばばろあの意図と自分の腹づもりをシンクロさせておくのはとても重要な事だ。
今回に関していうと、どうやらばばろあ、やる気満々らしい。あれこれ精力的に食材を買っている。その分お値段も結構行ってしまったが、まあそういう事ならおかでん(およびしぶちょお)も「やる気満々モード」にシンクロだ。
開田高原の「まつば」に行ってすんきそばを食べる。かぶ菜を乳酸菌発酵させた独特の酸味がたまらない。開田高原の名物だ。おかでんはとても美味いと思うのだが、ばばろあもしぶちょおも別のそばを頼んでいた。好みが分かれるのかもしれない。
このときの様子はこちらに詳しい。
ぐいぐいと山を登っていった先に南乗鞍キャンプ場が出現。
さすが標高1,600メートルということもあってか、天気があまりよろしくない。重たい雲に覆われており、ところどころガスが沸いている。
前回ここでのキャンプで、最終日大雨が降ったせいで機材さびまくり、カビ生えまくりで廃棄処分となったものが多数でた。今回そのリベンジマッチという位置づけがあるだけに、雨だけは勘弁願いたいところなのだが・・・。どうなんだろう。
われわれが今回確保したのはFエリアの21番。
99年度の夏からお目見えした新しいエリアですが、その眺望の良さと、センターハウスへのアクセスの良さから多くの方にご好評をいただいております。6月には朱色に染まった天然記念物のレンゲツツジが満開になるのも見ものです。
ということだが、さすがにこの天気では眺望は無理。ただ、センターハウスおよびサニタリー棟の近くということもあり、良い場所を確保したと自負している。
毎回悩むんだ、どこのエリアの何番を予約取ろうかと。
テントとタープを張り、各種荷物を運び込む。
タープは今回、二代目となるものがお目見え。前回よりも一回り大きいものにした。ただ、そのでかさ故に結構場所を食うのが玉に瑕。
テントに関しては、第一回の神島からの功労者であるテント(通称:ファミキャン)は引退。木製のポールが裂けてしまったので修復のしようがなかった。よって、今回からはしぶちょお持参のテントでキャンプを行って行く事にした。
数年ぶりにダッチオーブンご開帳。どうなっているかと見てみたら、なんだか全体的に赤っぽくなっている。
サビだな、こりゃ。
ボロアパートの鉄筋みたいにモロに錆が出ている事はなかったが、もれなくまんべんなく赤い。こりゃ、たわしで磨き上げないといかんな。・・・そうしてまた、油の被膜が取れてしまい、ますますさびやすいダッチオーブンへと進化する。アワレみダッチの宿命だ。諦めろ。
テントサイトをこしらえたところで、早速夕食の準備。
しぶちょおが自家製ベーコンを持ってきてくれたので、その塩抜きのため水に浸けておく。その他あれやこれやと。
料理長のばばろあはいろいろな食材を切っていく。おっと、ゴーヤがあるぞ。ということは今日はゴーヤチャンプルーか。そのくせ、鶏肉もあるのは何だろう。でき上がりが待たれる。
ばばろあの手元にある白いボトルは「環境にやさしい石けん」。なんと神島の時以来ずっと使い続けている。まだ無くならない、というとんでも無い代物。なにしろ石けんだ、なかなか溶けない、崩れないので減りが少ないのだった。しかも、ようやく水に溶けたと思っても、洗剤のように泡立ちが良くない。なんとも「洗い甲斐のない石けん」なのだった。不満に思いつつも、無くならない以上は使い続けるしかない。そんなこんなでもう15年。
ばばろあの食事準備が一段落したところで、お風呂に入りに行く。
センターハウスまで徒歩で移動。徒歩で移動できるというのはやっぱりお得感ある。これがテントサイトによっては車でないとちょっとセンターハウスまでは行けない、という距離と高低差があるからな。
センターハウスで入浴料を払い、「御嶽の湯」へ向かう。温泉ではない、沸かし湯だ。
今まで南乗鞍キャンプ場に泊まったことは何度とあれど、御嶽の湯の内部写真を撮影できたことは一度も無かったので今回あらためて。
全体的に結構ゆったりとした作りがうれしい。ロッカーは鍵付きなのがありがたい。
屋内はカランがあるだけで、浴槽は無条件で露天風呂。だから雨の日はちょっと辛いと思う。今日は幸いガスっているだけなので、大丈夫。
カランから上を見上げると、立派な梁が通されている。もっと雑な作りにすることもできただろうに、結構なこだわりを感じる。
風呂上がり、センターハウスであれこれ物色。
無印良品のグッズや飲食物が売られているだけでなく、いろいろなアウトドアグッズも売られている。ちょっと惹かれてしまうばばろあ。
ただばばろあはここで買うわけにはいかない事情がある。彼はしぶちょおのロードスターに乗ってやってきたわけだが、ロードスターという車の特性上、トランクが非常に小さいのだった。で、そのトランクにはテントをはじめとするキャンプ用品がぎゅうぎゅうに押し込まれており、これ以上物が入る余地なし。おかげでばばろあは自分の荷物を膝に抱えながら現地入りしたくらいだ。そんなわけで、これ以上ものが増えるというのは危険、というか物理的に無理、なのだった。
テントサイトに戻って夕食の準備再開。
しぶちょおの後に銀色に光っているものが浮いているが、これはアルミホイル。タープのポールに巻き付けてある。
タープは自立するためにポ-ルやら紐やらいろいろなものが周囲に張り巡らさないといけないのだが、日没後はそのすべてがトラップになる。うっかりつまずいてしまうことはざらで、運が悪いとタープ倒壊、なんて事になりかねない。そんなわけで、目立つようにアルミホイルを巻いたと言うわけ。これだったらつまづいたり激突したりすることがない。
ばばろあが漬け込んであった鶏肉を串に刺している。タンドリーチキン風の串焼きをこしらえているところ。さすがばばろあ、本気出すと凝った美味そうな料理を作りおるわい。これのためにいろいろスパイスを買い求めており、それは確実に食費に跳ね返っている。何しろ年に1回あるかないかのキャンプだ、スパイス類は「余った分は次回持ち越し」がしづらい。今回買ったコストは次回繰り越しができないので、結構痛い。ならば何もキャンプの時にこんな料理をやらなくてもよかろう、という意見もあろう。でもばばろあ曰く「こういう時でないと作れんけえね、こういう料理は」とのこと。なるほどごもっともだ。
効率的な炭のおこしかたを知らないおかでんは、ガスストーブの上に炭を置いて火がつくまでひたすら我慢。それでも5分やってもほとんどびくともしないんだから、炭ってのは大変だ。
火がついた炭を炭火コンロに並べる。このコンロも今回初登場ツール。おかでんなにげに出費しているんである。タープ買ったり、コンロ買ったり。
ご飯だけは非常につつがなくお日柄もよろしく無事に炊けてしまう。だから、他の料理の準備ができる相当前に完成してしまった。アワレみ隊のキャンプの場合、大抵そう。「ご飯が炊けるのを待って」いただきますを我慢、なんてのはしたことがない。
先ほどの串刺し肉はどうするの、というと、ダッチオーブンにアルミホイルを敷いて、そこに並べるのだった。ダッチオーブンの力を使って、タンドール釜で焼くがごとくじっくりと火を通そうという算段。やるな、ばばろあ。面倒くさがりのおかでんだったら、もういいやとフライパンで炒めちゃうと思う。
ダッチオーブンのふたを閉め、ふたの上にも炭火を並べる。これぞ上から下から火力を与えられるダッチオーブンの威力ぞ。この状態でしばらく放置。
なお、ふたの上には「お楽しみ玉」として野菜を切ったものをホイルでくるみ、炭火と一緒に載せておいた。せっかくの炭火火力を最大限利用しようというわけだ。うまくいけばこの後蒸し焼きができるはず。
安物の炭火コンロなので、ダッチオーブンを載せたらなんだかミシミシ言ってる。大丈夫だろうか。網がダッチオーブンの重さでゆがみそうだ。(実際、この後ゆがんだ)
タンドリー風チキンを待っている間、ぼーっとしているわけにはいかない。何しろキャンプ料理は基本的にスローフード。シングルタスクでやっていると、いつまで経っても作業が終わらない。
ばばろあが次に取りかかったのは、鶏肉の炒め物。塩胡椒でシンプルに。
ひとまずここで乾杯。わーい、夕食だー。
鶏肉炒めをつまみにビールをぐいっと。もちろんビールは「キリン 秋味」だ。秋になったらこれを飲まないと始まらない。
お酒が飲めないしぶちょおは早速ご飯を盛って、ご飯と豚肉のハーモニーを楽しんでいた。
さて、本日のメインディッシュの一つ、ゴーヤチャンプルーの制作に取りかかる。先ほど乾杯したので、気持ちに余裕ができてきた。まあ、のんびりやるべえ。
まず、フライパンでゴーヤを炒める。で、炒めたゴーヤを・・・フライパンから平皿に移した。「おお?」
その次に、空になったフライパンで玉子焼きを作り始めた。「おおお?」
炒めた玉子もゴーヤが一時避難したお皿にダイブ。
「ほう?」
おおよそ今まで見たことがある「ゴーヤチャンプルー」の作り方と違う。ばばろあ流だ。
ばばろあ料理長におそるおそる「これはなんで別に炒めているンスか」と聞いてみたら、「こっちの方がええじゃろ」ということだった。はあ、そうですか。美味ければ何ら問題ないので、この作り方でも全然構わないけど、ちょっとびっくりした。「チャンプルー(混ぜる)」してないから。
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