長崎の過去と今【軍艦島・池島】

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「はよぅメシにしようで、のんびりしとるとどんどん夕食難民になるで」

ばばろあがあおる。

「何かどうしても食いたいもんがあるってわけでもないじゃろ?」

言われてみれば確かにそうだ。ぱっと思いつかない。

「あれなんかどうよ。たぶんまだ空いとるで」

ばばろあが指差す先には、韓国料理店の看板があった。

韓国料理に罪はないのだが、頭がぜんぜん切り替わらない。「湯とうふ」という和のテイストで頭の中が満たされていたので、急にあの赤くて辛いヤツを想像しろというのが難しい。確かにスンドゥブという豆腐料理があるけれど、それは最終手段だ。

もう少し、街を歩いて湯どうふを探したい。

寿司屋

ばばろあはどんどん進んでいく。

嬉野温泉の温泉街をくまなく歩き回ったわけではないけど、これといった中心地という雰囲気の場所がないため、宿だけでなくお店も散らばっている。なので、東西南北、どっちに向かっていけばお店があるのか部外者からはイメージしづらい。

ばばろあがとあるビルの中へと入っていった。

中に入るがNG

お店の人と交渉中のばばろあ。

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このお店、いろいろやってるんだな。

「ステーキ」の次に「トンテキ」まではまだわかるが、「タコス」ときて、その次に「湯どうふ」だ。なんでもありだ。しかも湯どうふの次が刺身盛り合わせだからな。おまけに人気メニューはお好み焼きだぞ?

ここだったらあれこれ好きなものが食べられてよさそうだ。空いていればよいのだけど。

・・・と思ったが、ばばろあが首を振りながら店から出てきた。

「ダメじゃった。もう予約で一杯じゃって」
「マジで?なんでみんな外食するん?宿メシ食わないんか?」
「日帰り客がここでメシ食って帰るんじゃないか?」

なんてこった。

宿泊客である我々が途方にくれる羽目に。

寿司屋

すぐ近くにあった寿司屋にも、果敢にチャレンジするばばろあ。のれんも出ていないが大丈夫だろうか?

「寿司屋で湯どうふ?」

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「いや、ほら、昼食メニューで湯どうふ定食って書いてあるで。夜もやっとるんじゃないんか?」

ほー、さすが嬉野温泉。寿司屋であっても湯どうふをやるのか。

ばばろあがお店のカウンターで仕込み中の大将に声をかけ、了解を取り付けた。

「大丈夫、いけるってさ」
「よっしゃあああああああ」

湯どうふの宴、開幕。

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とはいってもここは寿司屋だ。お品書きが潔いくらいに寿司だらけ。せいぜい茶碗蒸しとかちゃんこ鍋がある程度だ。ここには湯どうふの文字は書かれていない。本来はお昼だけのメニューだったものを、無理いっちゃったのかもしれない。

乾杯

とりあえず乾杯。長崎、池島、そして今日は嬉野温泉。よくもまあ、こうやってウロチョロしているものだな。本当にめまぐるしく動き回っている。

ばばろあは僕の横でビールを煽り、「うはぁぁぁぁ」と悶絶している。池島の島歩き、長時間ドライブ、そして温泉。これでビールがまずくなるわけがない。最高の一杯だっただろう。

湯豆腐

嬉野湯どうふ。

嬉野温泉といえば美肌の湯として知られる名湯だけど、ひょっとするとそれを上回る知名度なのが「温泉を使って煮た、湯どうふ」だ。

温泉成分の影響で、豆腐の蛋白質がほぐれ、とろっとした独特の湯どうふになる。その独特の風貌は、いかにもうまそうだ。ぜひ食べたい、地方の銘品として僕はずっと気になっていた。

実際に食べるのは今回が初めてだ。

「それっぽいもの」は食べたことがある。自宅で。成城石井だったかどこだったか、その手の「若干高級食材を扱ってます」スーパーで「嬉野湯どうふ」が売られていたので、「まさか自宅で食べられるなんて!」とびっくりして購入したのが、それだ。

パッケージを開封してみると、豆腐と、嬉野温泉をパック詰めした水が入っていた。コンビニで蕎麦を買ったときに、「ほぐし水」が入っているような組み合わせに、若干面食らった。

この嬉野温泉水を鍋にあけ、豆腐をゆでるとアラ不思議、嬉野湯どうふがご自宅でも!という仕組み。実際に作ってみたけど、自宅で食べる「それっぽい豆腐」は大しておいしくなかった。風情もへったくれもなかったからだ。

そして本日、ホンモノの湯どうふとのご対面ですよ。どうですこのオーラ。固形燃料でぐつぐつ煮立てているという演出もにくい。豆乳で煮たのですか?というくらい、本来透明のはずの温泉水が白濁している。いいねえ。

食べてみたが、舌触りなめらかでとてもおいしゅうございました。ほんわり旅情でございました。

海鮮丼

考えてみれば、一昨日の長崎でも魚、昨日の池島も魚だった。そして今日、内陸地である嬉野温泉であってもやっぱり魚だ。

「ええじゃん、広い意味で言ったら島国日本はどこでも海に近いんじゃけえ」

まあそのとおりだ。

というわけで海鮮丼。

寿司

蛋白質はにぎりの並。

ばばろあは「上にぎり」にしようか「松にぎり」にしようか、お品書きを前にさんざん悩んでいた。どっちを頼んだかは、覚えていない。

こうしてアワレみ隊長崎紀行の、3泊目の夕食は終わった。明日の夜のいまごろは、解散してめいめい帰宅の途についているはずだ。長い旅も終盤戦。

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