2020年7月/コロナ時代の甲府で療養する

甲府駅南側の商店街を歩く。山梨県庁から甲府市役所、そして岡島百貨店あたりにお店が並んでいる。ゆるい感じが出ていて、観光客としては歩いていて楽しい場所だ。

地方都市の宿命として、シャッターが閉まっているお店やお店があったであろう場所が駐車場になっていたりするけれど、ひどく寂れている感じはない。

甲府のすぐ駅前に、山交百貨店があったけれど閉店してしまった。地域に根ざした百貨店が厳しいご時世だけど、岡島百貨店は賑わいが残っているようだった。

駅前一等地の立地で百貨店が閉店してしまうのか!と驚いてしまうが、なにせ甲府駅には駅ビル「セレオ甲府」がある。あと、車を持っている人が多い土地柄だろうから、「駅に近い百貨店」というのはそれほどアドバンテージがないのかもしれない。2019年9月に閉店。

で、有力なテナントは郊外のイオンモールにお引越ししてしまったというのだから、時代だなあと感じさせる。

それはともかく、甲府の商店街はレトロ過ぎず、寂れすぎず、かといって大都市の商業主義に染まりまくったチェーン店だらけということもなく、探検しがいがある場所だ。大都市なら、ドラッグストアだらけ、携帯ショップだらけ、ファーストフードだらけで単調だ。あと、安いメガネ屋さんとかもあるな。プラスチック感満載の看板が並んで、強い証明を受けてテラテラしているので目が疲れる。一方、ここの商店街は目に優しい気がする。

「特殊浴場」を謳うお店が商店街の外れのエリアにぎゅっと密集していたけど、そこも派手さはなかった。地に足が付いているという印象。

それにしても、パブやスナック、クラブと言われるサイズが小さな飲み屋さんというのは小路を好むものだな。細い路地があちこちにあり、そこにお店がこっそりと営まれている。時間があればこういう路地も隅々まで探検してみたいけど、ご時世柄あまりウロチョロするのはやめておく。

お昼ごはんを食べるほどの食欲はなかったけれど、地元に愛されているお店「蓬莱軒」で餃子でも食べて帰ろう、と歩いてお店に行ってみた。すると、案の定ではあったけどお店の外までお客さんが溢れていた。

そりゃそうだ、ただでさえ人気店。そして三密対策をお店が真面目にするとなると、客席数が減ってしまう。余計に行列が出来てしまうだろう。これからは、「繁盛店はますます混む」ことになるのだろう。で、行列が適切にソーシャルディスタンスを確保できていなけりゃ、並んでいること自体が感染リスクになる。

そんなわけで、蓬莱軒は諦めた。今回の旅は、ひたすら密を避けて行動している。振り返ってみると、一番密っていたのが、ホテルのエレベーターだった。

ホテルのエレベーターは、僕自身も他のお客さんも、鉢合わせになったときに「あっ、しまった」という顔をするのが印象的だった。狭い空間で一緒になることはともかく、館内の大浴場とか食堂に行く時、「屋内だから」とついうっかりマスクを部屋に忘れてしまっているからだ。館内は自分の家みたいに、「屋内」と油断してしまう。で、人と出会って、気がつく。

甲府の繁華街から蓬莱軒に向かう途中に、「甲府風月堂」という和菓子店がある。ここでは、秋になると甲州産ぶどうを砂糖でコーティングした「月の雫」というお菓子が発売されるそうで、それはとても美味しいと聞く。秋から春の限定販売だということだけど、店員さんに聞いたら「年によっては年末で売り切れることもある」のだそうだ。

今回は7月なので、当然月の雫は置いていない。

そのかわりといっちゃなんだが、水まんじゅうがツヤツヤと光っていて「おいでおいで」をしていたので、買った。140円だったかな。

お昼ごはんはこれで終わり。二人で一個でも、お腹いっぱいになった。それなりに甘いということもあるけれど、よく考えるとさっきジェラートとレーズンサンドを食べていたんだった。

繁華街を歩いていたら、クラフトビールの醸造所を見つけた。へえ、こんな商店街の中で醸造しているのか。

OUTSIDER BEER、という名前。あ、これ自宅近所のビアパブで扱っているのを見たことがある。へー。

4種類の飲み比べで800円、6種類コンプリートで1,200円。

量がどの程度かはわからないけれど、手頃なお値段で色々飲めるのは素敵。

窓を覗き込んだら、ビールの醸造タンクが並んでいるのが見えた。

あのタンクの一つで、ノンアルコールクラフトビールを醸造してくれないものかなあ・・・と思うけれど、たぶん商売にならないから駄目だろうな。クラフトビール系でノンアルコールを作っているのは、僕が知っている範囲だと「常陸野ネスト」だけだ。

さて、そろそろ東京に戻ろう。

「せっかく甲府に来たのだから」ともっと街歩きをしたり、ここから車を借りて昇仙峡や周辺の施設をめぐるということもできた。でも、今はそんな時期じゃない。今回はあくまでもドーミーインにお安く一泊して、くつろぐというのが主目的だ。「せっかくだから」というマジックワードであれもこれもやっちゃ駄目だ。東京人として自覚をしなくちゃ。

なお、そうはいっても一応念の為にサントリーの白州醸造所、シャトレーゼの白州工場など工場見学ができる施設について下調べはしてあった。すると、いずれも一般客の受け入れを中止していた。そりゃそうか。ファンサービス的なことを今このタイミングで積極的にやる必要はない。リスクが大きすぎる。

帰りの特急あずさのチケットは、甲府駅前にある金券ショップで購入した。ここ最近、中央本線特急のチケットはどうすれば安く手に入るのか?という法則がどんどん変わってきているのでスゲーややこしい。毎回悩まされる。

まず、昔からあった「あずさ回数券」は今や存在しない。高速バスとの競合が激しかっったので割引率が高かったし、気軽に金券ショップで購入できたので便利だったのだけど。

そして、「自由席」と「指定席」という概念も、車両になくなった。「人が座っていない席が自由席。確実に席を確保しておきたかったら、予め席を指定」という考え方になった。

JR東日本のチケット予約サイト「えきねっと」で予約をすると、「えきねっとトクだ値」などで10%~30%の割引がきく場合がある。しかしこれは席数限定だし、早割制度なので申込期間に制限があったりする。

そして2020年春から、「えきねっとチケットレスサービス」というのが始まって、ちょうど今は導入キャンペーンで300円割引になっている。ややこしい。一体どれが安いんだ?

ちなみに往路は「えきねっとチケットレスサービス」を使うつもりでwebの「えきねっと」でチケットを予約したが、それは間違っていた。このサービスは、スマホアプリ「えきねっと」で申し込んだ場合に限り使えるサービスだった。ああややこしい。そしてもちろん、モバイルSuicaアプリとはまったく関係のないサービスだ。ゴチャゴチャして理解するのが面倒。

帰りは、「トクだ値より安い!」と謳う金券ショップのチケットを購入。1枚3,480円。確かに10%引きのトクだ値よりは少し安い。クレジットカードでJRの窓口で買ってポイントが付与されることを考えると、あまり差はない。

チケットは店に入ってすぐのところに自販機が設置されているので、対面販売でなくても購入ができる。便利。しかし、往復きっぷが売られていたりちょっとややこしいので、よそもんできっぷ事情がよくわからないなら、窓口で買ったほうが確実だと思う。

何気なくチケットを購入し、駅に到着したところで「あれ・・・?」と変なことに気がついた。やたらと枚数が多いぞ?

その数、一人4枚。二人分買ったので、8枚もチケットがある。なんだこれ。

よく見ると、竜王⇒新宿の特急券が1枚と、乗車券が3枚の組み合わせだった。乗車券3枚は、「甲府⇒塩山」「塩山⇒八王子」「八王子⇒新宿」となっていた。一応途切れなく甲府から新宿まで行けるけれど、なんでこうなった。

こうやってバラした方が実は安くつく裏技なのだろうか?それとも、普通乗車券の回数券を買う上での制約があったのだろうか?謎だ。

まあいずれにせよ、特急券は1枚なのでそれに指定席を割り当てればいい。甲府駅の自動券売機で座席指定をしようとしたら、エラー画面が表示されて受け付けてもらえなかった。なんだなんだ?今度はなにが起きた?

特急券を改めて見てみると、この特急券は「7月22日」乗車になっていた。えっ、日付指定がすでにされちゃってるの?

しまった、とんでもなく使えないものを買ってしまったのか、と焦ったが、チケットと一緒に封入されていた紙に解説が書いてあった。曰く、「みどりの窓口に行って日時指定をしてもらえば使えるよ」と。

マジか?と思いながら窓口にいって手続をしたら、そのとおりになった。へー。まあそうか、乗車予定日時から前倒しで利用する分にはJRとしても問題はないもんな。

それにしてもなんで「7月22日」なんてチケットをつかまされたんだ、と思ったが、よく考えてみればそりゃそうだ。だって、「あずさ回数券」という概念が既にないのだから。特急券を買う時は、日時指定をするしかない。

あとで金券ショップで売却することを考えているなら、今買えるもっとも未来の日付・・・つまり、1ヶ月後の日付で特急券を買うことになる。

そもそも金券ショップで売られている回数券などって、「買ったはいいけど、全部は使い切れないので残りを金券ソップに買い取ってもらう」という出自のものだと思っていた。しかし、この特急券の場合はそうではない。なぜなら、バラで買っているわけだから。あくまでも、クレジットカードで購入したものを金券ショップに売って、現金を手に入れるための手段だ。どういう動機でやっているのだろう?

あずさがやってきた。14時台の電車に乗ったので、17時過ぎには帰宅することができた。旅行としてはとてもコンパクトに、スムーズに楽しめたと思う。

「せっかくの」というマジックワードのもと、あれもこれもと詰め込んでみたり夜討ち朝駆けで出撃するのもいいけれど、こうやって近場でぬるっと、するっと一泊して帰ってくるのも良いものだ。今後、気晴らしにときどきこういう「郊外のビジホ・大浴場付き」のところで一泊して過ごすことをやっていきたいと思った。コロナ次第だけれど。

(この項おわり)

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