スパイシーな夜を、貴方に。(四川料理/中国家庭料理 楊 2号店)

スパイシーナイツ、久々の開催。

このサイトのオフ会シリーズとしてはかなり古い歴史を誇る。・・・といっても、自慢するほどのことじゃないんだけど、とにかく長い。

あわせて読みたい
スパイシーな夜を、貴方に。 アワレみ隊OnTheWebが新機軸として打ち出したオフ会シリーズ、「スパイシーナイツ」。別に夜である必要はないし、第1回目開催時から「ナイツ」と複数形にされているとい...

このオフ会とは別に「激辛グルメ祭り」に毎年突撃したり、

あわせて読みたい
「一番辛くしてください。」激辛グルメ祭りの、熱すぎた日々 「微糖」と記されたコーヒーは信用ならない。飲んでみて、「やっぱり甘いじゃないか」って事案多発。同様に、「ピリ辛」「激辛」もそう。この世の中、ぬるすぎる。たる...

職場の同僚たちと「激辛友の会」を結成して、辛いものを食べに行って痛い目に遭ったり、

あわせて読みたい
味覚 【(東京都港区西新橋)】 ふと、自分にガツンと一発、辛いものを仕込みたくなる時がある。ドスンとご飯を食べたくなるときもあるが、それよりも強い衝動だ。僕はさほど「...

いろいろ辛いものは食べてきている。

しかし、僕がお酒を飲まなくなったのを契機に、すっかり辛いものを食べる頻度が落ちた。やっぱり、辛いものとビールの相性は最高だ。その結果、「スパイシーナイツ」オフ会の頻度も落ちている。

今回、「ますゐTシャツ-フォーエバー・サービストンカツver.-」を作成したのだけど、その購入希望者の中に「スパイシーナイツ」常連だったやっさんがいた。スパイシーナイツ開催頻度が落ちたと共に、すっかりご無沙汰となっている方だ。

「直接会ってTシャツを渡す」という段取りにして、折角だからひさしぶりに「スパイシーナイツ」をやるか・・・そう思い立って、急遽「平日だけど、数日後に集まれる方がいればどうぞ」というスタイルでオフ会を募集した。

あわせて読みたい
【オフ会】急遽開催!スパイシーナイツ@池袋(2019.01.24) 急な話でまったくもって恐縮なんですが、今週、久々に「スパイシーナイツ」オフ会を開催します。 「スパイシーナイツ」は、10年以上前から開催されている歴史あるオフ会...

まあ、どうせ人がこなくても、やっさんとふたりでメシ食って帰ればいいや・・・それくらいの気楽な気持ちでいたら、あれよあれよと人が集まり、その数は僕も入れて5名。立派なオフ会になっちゃった。なんだ、みんな案外「平日夜開催、しかも数日後」に対応できるものなんだな。これまでオフ会って、土曜日夜開催が多かったけど。

今後は「平日夜にやるよー」というのも、時々織り込んでみよう。会社帰りオフ会。

そんなわけで、2019年1月24日、集まったのは池袋。今回、「中国家庭料理 楊(やん) 2号店」に行くつもりだ。「孤独のグルメ」ドラマ版のシーズン1で取り上げられ話題になったお店だけど、それ以前から辛いもの好きの間では知られていたお店だ。僕自身、一度だけだけどランチで利用したことがある。

集合は、池袋駅。

最近、「時間になったら、お店の中で集合」ということが多い。予約名はおかでんだから、三々五々お店にやってきて、勝手に座ってろ、というやり方だ。

しかし今回は、敢えて池袋駅に一旦集合し、その後みんなでお店に移動するというスタイルにした。これは、昔からのスパイシーナイツの伝統でもある。

辛い料理を食べる、というのは、「もぐもぐして飲み込む」ことだけが楽しいんじゃない。「何を選ぼう?」とメニューを見ながら悩んだり仲間と相談するのも楽しいし、お店に向かう途中、「今日、体調は大丈夫?」とか「今日行くお店はどれくらい辛いんだろうね?」と話をするのも楽しい。

辛い料理が好き、というのは、そういう一連のプロセス全体が好きだ。単に辛くて痛い料理を食べてヒーヒー言う、マゾ気質なのではない。「連帯感」とか「協調性」とか、そういうコミュニケーションこそがご馳走だ。

楊2号店メニュー

参加者募集がギリギリだったこともあり、お店の予約は取っていなかった。

いざ池袋駅に5名が集まったのを見届けたのち、お店に電話して「これから5名、入れますか?」と確認して、お店に向かった。ダメだったら、いくらでも代案はある。知音食堂とか、聚福楼(じゅふくろう)とか。

あわせて読みたい
スパイシーな夜を、貴方に。(四川料理/知音食堂) 第03夜:四川料理/知音食堂@東京都豊島区 [2007年09月15日] 前回のスパイシーナイツは池袋のタイ料理屋だったわけだが、「タイ料理=激辛」を期待していたわれわれに...
あわせて読みたい
聚福楼 【(東京都豊島区西池袋)】 羊肉が好きな人は結構いる。昔は羊肉と聞くと顔をしかめる人が一定数いたが、ジンギスカンが市民権をじわじわと獲得したこともあり、そういう...

うまいことお店に入り込んだところで、さっそくオーダー検討開始だ。全員が激辛大好き!オレを殺せ!というような人ではないので、お互いの顔色を伺いつつの「これなんて、頼むといいよね」チラッ、という感じで注文を決めていく。

あ、ちなみに集まった5名は全員男性。

毎年、夏に「激辛グルメ祭り」に参加していてつくづく思うのだけど、辛い料理のイベントって、若い女性が大勢集まるものだ。にもかかわらず、なんやねんこのオフ会の男性率の高さは。100%男性だ。でも当たり前か、「アワレみ隊OnTheWeb」のオフ会だから。

「おすすめメニュー」を前に、一同悩む。おすすめ、と言われたら頼んでみたいよなあ。

楊2号店メニュー

でも、困るのがメニューの豊富さだ。

中国料理店というのは、一つの食材を焼いたり煮たり蒸したり、いろいろバリエーションがある。その結果、百科事典じゃあるまいか?というくらい分厚いメニューになりがちだ。お初の客にとっては、頭が混乱する。この中から一体何を頼めばよいのか、と。

このお店は比較的メニューが絞られているので、まだ頼みやすい。そして、辛い料理は赤字で書かれているので、選びやすい。ありがたいことだ。それでも、しばらくみんな「うーん」とうなりながら、悩む。

なにせ、普段ご一緒しない人たちだ。

  • 予算感は?
  • 空腹度合いは?
  • 辛い料理への耐性は?

なんて「配慮」をしだすと、何も頼めない。こういうときは、「エーイ、僕はこれを食べたいので、注文します」と宣言しちゃった方がいい。

最近つくづく思うのだけど、大人になればなるほど、余計な気遣いをしすぎてお互いが「どうぞどうぞ」になってしまう。なので、大人だからこその「わがままの主張」があった方がいいと思う。こんな時代だからこそ、なおさら。

楊2号店メニュー

右ページの「主菜」欄、「四川風」の列は全メニュー真っ赤。つまり、「辛いメニューだぞ」という犯行予告だ。さすが四川、本気を出すと全部辛くなるというのか。いいねえ、ぜひこのあたりから料理を注文したい。

楊2号店メニュー

「汁なし担々麺」が大きな文字で書かれている。このお店のスペシャリテと言える料理・・・だったと思う。確か。これも頼まなくちゃ。

あれ?「これも頼もう」というのが、ページをめくるたびにだんだん積み重なっている。一旦整理しよう、全部頼むと大変なことになる。

「5人もいるのだからなんとかなる」というのは、完全に甘えだ。辛い料理、特にシビレる料理は案外たくさん食べられないものだ。花椒がガツンときいた料理を食べていると、だんだんテンションが下がることがある。気をつけないといかん。

僕らのオフ会において、「食べ残す」というのは原則あってはならないことだ。

ソフトドリンク

お酒を飲む人は生ビールを飲む中、僕は・・・なんだったっけ、「杏仁ジュース」だったと思う。ちょっと飲み慣れない、珍しいジュースだった。ただし、濃厚でねっとりした杏仁豆腐ではなく、寒天で固めた薄透明の杏仁豆腐の味がした。

お通しからして、赤い。いいね、お店に歓迎されている感がするよ。

楊2号店料理

まず真っ先にやってきたのが、主菜の「四川風麻辣鶏肉」。1,560円。

お店によっては「辣鶏子(らーずーちー)」と呼ばれる料理だ。

同じ池袋の知音食堂では、確か3,000円近い値段がする料理なので、このお店は安い。なお、知音食堂は青島ビール(小瓶)が300円台で飲める激安店なので、いかにこの料理にコストがかかっているかがわかる。

小さくぶつ切りにした鶏肉を揚げたものと、唐辛子を炒めたもの。シンプルだけど、うまいんだよなぁ、これ。本来は鶏肉だけ選り分けて食べるようだけど、僕なんかはむしろ唐辛子だけをバリバリ食べたりする。ああ、辛い。

さすがに箸が止まるぜ。のっけからいいパンチをもらったぜ。

といっても、「パンチをもらいにいっている」状態だけど。

楊2号店料理

「皮も手作り水餃子」、5個で490円。

もちろんこれは辛くない。先ほどの唐辛子でヒリヒリする口を、水餃子でぜひリセットしてください。

・・・あっつぅ!

当たり前だけど、水餃子は熱かった。おかげで、辛さの感覚が倍増。

楊2号店料理

単に辛くない水餃子というわけじゃないぞこの野郎、ということで、卓上には魅惑のラー油が置いてあった。

これがうまい。

「これだけ、お土産で売ってないかな?」

と思わず声をあげてしまうくらいに、うまい。

でも、この手の「辛味調味料」って、味に感動して家に買って帰っても、家だとあまり使わなかったりするんだよな。柚子胡椒とか、七味とか、そういうのが家の冷蔵庫にいろいろある。

楊2号店料理

水餃子と並んで焼き餃子もメニューにあったので、頼んでみた。

こちらは5個で590円。

なにも僕らは激辛バカというわけではない。魅力的なメニューがあったら、辛くなくても頼むのですよ。

これは昔からそうだった。「スパイシーナイツだからといって、激辛料理以外を頼んではいけない」というルールはなかった。でも、結果的に辛い料理ばっかり頼んでいたのは、「若気の至り」な人たちばかりが集っていたからだ。今では、僕が歳を重ねるとともに参加者の年齢も上がり、「若気」が至らなくなりつつある。

楊2号店料理

四川風麻婆豆腐、890円。

花椒が強くきいているので注意、とわざわざメニューに書いてある一品。

しかし、僕らが「激辛グルメ祭り」でいつも感じているのだけど、「麻婆豆腐って、案外甘いよね」と今回も思った。というのは、他にもいろいろ辛い料理を食べている中で麻婆豆腐を食べると、挽肉の甘みの印象が強く感じられるからだ。今回も、先ほどの辣鶏子で唐辛子をバリバリ食べた後なので、案外甘く感じた。

とはいえ、僕が「味覚」で石鍋麻婆豆腐を食べて体調を壊してしまったように、時には完全にヤバい麻婆豆腐も存在する。辛い料理、というのは本当に気が抜けない。

食べてみるまでわからない。食べた後になってみないとわからない。このドキドキ感、そしてその感覚を仲間と共有することが醍醐味だ。

楊2号店料理

「楊特製」と書かれているメニュー、「麻辣ナス」950円を頼んでみた。

そうしたら、こんなビジュアルの料理が出てきたのでびっくり。中華せいろに入って出てきたぞ。どうやら、ナスを蒸した料理らしい。

蒸したナスの上に、唐辛子が乗っている。中華食材店でよくずらっと瓶詰めで売られている、唐辛子調味料だ。ああ、これは辛いヤツや。

辛い唐辛子と、辛くないナスとの拮抗。どっちが勝つか、というのはあなたの箸さばき次第。唐辛子を多く取れば、辛さの勝ち。ナスだけとれば、当然ナスの勝ち。

楊2号店料理

四川風魚香肉糸糸。1,300円。

「豚肉の酸辣炒め」という注釈がついている。食べ応えのあるボリューム感で、具も多くて嬉しい。

なんなら、一人でこのお店を訪れ、この炒め物とどんぶり飯をガッツリ食べる!ってことをやってみたい。酸辣湯麺みたいな感じで、辛くて酸っぱいと、いくらでも食が進むのでかなわんなーもう。

楊2号店料理

「四川風水煮肉」1,800円も頼んでみた。

やっぱり四川料理店に来たならば、この手の「水煮」料理は頼んでおきたい。辛さ、シビレが存分に楽しめるからだ。案の定、存分に楽しんでやったぜ。ああ、しびれる。

楊2号店料理

炒飯も食べたりする。これは特に辛くはない。

楊2号店料理

汁なし担々麺も。

中国料理としての汁なし担々麺なので、麺が「ソフト麺」みたいなもので、殆どコシがない。

今回、僕とさみさんが広島出身者として参加していたのだけど、今広島では「汁無し担々麺」がすっかりご当地グルメに成長している。それとは違う文法の汁無し担々麺なので、「なるほどねぇ」と感心させられた。

辛さ?いや、それほどすごくはなかった。

「激辛グルメ祭り」のときもそうだったけど、大勢で料理を取り分けると、さほど辛くは感じないものだ。人数が多い分、頼む皿数は増える。しかし、それぞれの料理で「辛さのポイント」が異なるので、ちょとずついろいろな料理を食べている限り、あんまり辛さを感じないものだ。

たぶん、辛い料理1品をずっと食べ続けると、同じ痛覚を刺激し続けるので痛くてたまらないと思う。途中から「イテテテテ!」と叫ぶはずだ。しかし、大人数による協調プレイだと、それがない。これぞ絆、だと思う。いや、たぶん違うけど。

店頭で記念撮影

最後、お店の外で記念撮影。

事前に、誰が写真の顔出し公開OKだったか確認を取ったのだけど、全部忘れちゃった。なのでごめんなさい、全員顔にモザイクをかけてます。

この日参加したのは、やっさん、ゆうどんさん、さみさん、いかんなんやろさん、そしておかでんの5名。

辛いものを食べながら、いろいろ「これまでの人生と、これからについて」しみじみと語ったのが良かった。単にキャーキャーいいながら辛いものを食べました、というだけでなく、人生論に耳を傾けつつ、杯も傾けつつ、そして辛いものを食べる。

人生ってなんでこんなに世知辛いんだろうね。でも、それだからこそ、楽しいんだと思う。そう、僕らが激辛料理を食べるように。

足湯と薬膳

お店の近くで、写真のような看板を見かけた。「漢方足湯と薬膳コース40分 2,980円」だって。びっくりだ。

漢方足湯はまだわかる。しかし、薬膳料理とセットになっているとは。さすがに値段が安いので、本格的な料理が出てくるとは思えない。とはいえ、「40分」という時間制限があるのだから、一体どうなっているのやら。「40分以内にお召し上がりいただけないと、強制終了」だったりするのだろうか?気になる!

帰り道、「せっかくだから池袋駅北口にある中国食材店に行こう!」ということになって、全員で中華食材の買い出し。雑居ビル5階にあるディープなお店で、いろいろな食材を見たり買ったりした。僕は粒状の花椒を1袋買ったけど、使い切るのに一体どれだけかかることやら。

スパイシーナイツ、やっぱり定期的にみんなでワイワイとやりたい。激辛!やばい、殺される!というほど辛いものでなくてもいい。参加者の裾野を増やしつつ、にぎやかに辛い料理を囲みたいものだ。

(2019.01.24)

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください