ラティースにしたベーコンに、おかでん特製ラブをすり込む。
「そのジップロックに入ってる粉、それ全部で一回分だから。使い切るようにしてね」
と怖いことを言う。確かに、参考にしたレシピはそう記載されていたけど、実際に作ったラブは分量が適当。一体どんな味になるのやら・・・。
ラブをベーコンの上にまんべんなくすり込んだところで、挽肉の登場。これをベーコンの上に敷き詰める。なにせ500グラムある挽肉なので、その重量感たるや相当なものだ。今日何度目かの「うわあ・・・これ本当に食べられるのかなあ」という声があがる。で、「ジップロックがありますから。」という、やっぱり今日何度目かの回答もある。
ここで、ソースを塗る。もう味はしっかり付いてるだろうに、これ以上味を上乗せしてどうするんだ?と心底不思議なのだが、アメリカにおけるバーベキューってのはこういうものらしい。最初は何かの勘違いじゃあるまいか、と何度も参考にしたレシピを読み返してしまったくらいだ。
ここで塗るバーベキューソースは何でも良いらしい。焼肉のたれでもテリヤキソースでもよいとのことだが、トマトソースもいいよ、ということなので冷蔵庫にあった「ピカンテソース」を使うことにした。
前回バーベキューで「キャベツ大爆発」を作った際の立役者だ。キャベツ大爆発を食べた人はみな一様に、「辛い!でもうまい!」と悲鳴を上げながらも絶賛したものだ。
ピカンテソースはそれ以来2カ月もの間、全く使われることなく我が冷蔵庫で冷え冷えになっていたので、今回は在庫処分市だ。ついでに、ピカンテソースの傍らに似たようなトマトソースもあったので、それと混ぜることにした。こちらは、「ダニエルズ ファイア ロースト サルサ ホット」というものだ。辛いソースしか家に置いていない、というのがいかにもおかでんだ。
前回「キャベツ大爆発」の辛さを知っている参加者は、今回もピカンテソースが持ち込まれ、さらになにやら別のホットソースがつぎ足されたことに警戒感をあらわにしたが、僕が
「大丈夫!追加したホットソースは、紀ノ國屋で買ったものだから!ほら、紀ノ國屋みたいなハイソなお店で扱っているものだから、下品な辛さってことはないから安心して!」
と意味不明な説得をしてその場をひとまず落ち着けた。
ソースをたっぷり塗った後、ラップを使ってベーコンをぐるりと太巻き状に巻く。最初のイメージでは、コロコロと巻いていって筒状のものができあがる、かわいいものだった。しかし実際はそうならず、ドスン、ゴロン、と相撲取りが上手投げで倒れる時のように動いた。
「巻きすがないから、丸く成形できないよ」
とおやびんから言われたが、なるほどそうだ、こりゃ無理だ。我々はようやく今頃にして、コイツの無駄なデカさに気がついた。
動揺しつつも、ぺたしぺたしと手で成形。最後に表面に残ったラブをすり込み、アルミホイルを三重にくるんでひとまずできあがり。
アルミの塊となったベーコン・エクスプロージョンは、鉄板の上にしずしずと置かれた。炭の上に直に置いちゃう?その方が火の通りが早いよね、なんて議論になったけど、よくわかんないので鉄板の上にした。しかしそれが正解だったことを後になって知る。
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