一方のベーコン・エクスプロージョンだが、一体いつ頃が食べ頃なのかがよくわからない。挽肉なので、ちゃんと中まで火が通っていることが大事だ。「そろそろいいんじゃないか？」としびれを切らした一同は、怖い物みたさで中を開けてみることにした。
が、脂でジクジク熱されたアルミが鉄板にこびりついてしまい、フライ返しを使って強引に鉄板からこそげ落とす事になった。ひっくり返してみると、無残、アルミは焦げ付き、はがれ、ベーコン御大の姿が天の岩戸から見えてしまうような事に。脂の威力強力なり。自らの脂で自らを焦がす。さすがっす。パネエっす。
中を開けてみると、そこには立派なベーコン・エクスプロージョンがいた。「カピバラさんみたい」と言ったら、カピバラ大好きなよこさんが「いや、カピバラはもっとくびれがありますから」と微妙な訂正をしてきた。
残っていたピカンテソースを上に塗り、もう少し加熱。再度ホイルでくるむ気になれなかったので、そのままホイルの上で温めた。本物のベーコン・エクスプロージョンはオーブンで直に焼くものらしいので、できあがりはもっとカリカリベーコンちゃんになっていて香ばしいはずだ。でも我々がやったのはホイル焼きなので、蒸し焼き的要素が加わってしっとりとした見た目になった。
しばらく加熱してから包丁で割って中を見てみたら、中が真っ赤だ。
「ああ、ダメだ！まだ全然火が通っていやしねぇ！」
と言ったら、「いやいや、それはピカンテソースが中に入っているからでしょ？」と言われて納得した。そうだった、中にもピカンテソースが入ってるんだった。なんてくどい料理なんだ、これは。
で、切り分けて完成したベーコン・エクスプロージョン。見ての通り、ベーコンが折り重なり、その隙間に挽肉が入っているという救いようのない肉料理だ。早速食べてみたが、案の定というか、ピカンテソースのインパクトが強い。というか、ピカンテソース強すぎ。「うまい！でも・・・辛い！」と一同、前回の「キャベツ大爆発」と似たようなリアクションになってしまった。
ギットギトのジャンクフードで、食べたら胸焼けしちまう料理、という戦前のイメージは覆された。これ、そんなにジャンクじゃないぞ？「ハンバーグのベーコン巻き」という料理があるけど、まさにそれだ。材料からして当然の結果なんだけど、思った以上に想定範囲内の味で、拍子抜けした。というか、ピカンテソース偉大すぎる。味のインパクトが圧倒的。
「折角、いろんな調味料を駆使して下ごしらえしたのに・・・ピカンテソース使ったら、全部無意味になっちまった」
と思わずぼやいてしまう。ラブ？そんなん、ありましたっけ？状態。いちいちラブなんてすり込まなくても良かった気配濃厚。
ビックリするような料理ではなかったけど、かなり旨かったのは事実。ベーコンを編む手間以外はそんなに面倒じゃない料理なので、ネタとしてパーティー用に作るってのは大いにありだろう。でも、一人暮らしの自炊メシで作るものじゃあ、絶対にない。
芋煮の具をある程度片付けたところで、シメ用のカレーうどんをスタンバイする。
「これからシメか」
と思わず笑ってしまったが、もうこの状況に慣れた。「うどん6玉用意してありますけどー」というよこさんの言に、「構うものか全部入れてしまえ」と即答した。中途半端に余っても困る。それならカレーうどんを作った後、お持ち帰りを検討した方が良かろう。
同様に、カレールーが鍋に投入されていったのだけど、最初は「とりあえずつゆには既に味がついているんだし、ルーは半分くらいで・・・」と言っていたくせに最後は「もういい、全部いっちゃえ」と粉末カレールーを一袋まるごとどばー。かなり濃厚なカレーうどんができあがった。
よせよせ、何の冗談だ。
本日のメイン料理、できたよー！という場面ではない。あくまでも「シメ」だ。最後の小腹満たしのためのうどんなのに、なんなんだこの量は。そりゃそうだ、6玉入っているんだから。
ネギは後のせにして、青い風味を楽しむ。カレーうどんは、だしがしっかりときいたつゆのお陰でかなり満足度の高い一品に仕上がった。これ、結構幸せ。これだったら何杯でも食べられる・・・ことはないな。
「こういうときは若い人に頑張ってもらわなくちゃ」
というわけで、おーまさんに残ったうどんは全部渡った。その後しばらくの間、おーまさんは一人で「食べても食べても減らない・・・」と言いながら、このカレーうどんと格闘していた。カレーうどんは、とろみがある分なかなか冷めないというのも量が減らなかった一因。
最後、コーヒーを飲んでまったり。二日前に焙煎したペルーの豆をその場で挽いた。風が吹いて粉が随分散らかったけど。
この頃になると太陽は雲に隠れがちになり、気温が急速に下がってきた。そろそろ潮時のようだ。片付けをして、早めに退散しよう。
手分けして片付けをして、15時過ぎに舎人公園を後にした。
寒かったとはいえ、ちゃっちゃといろいろな料理を作って食べられたのでとても楽しい会だった。炭グリルの場所の都合上、同時並行でいろいろな料理を作ることができなかったのも、むしろ良かったかもしれない。前回バーベキューの時はいろいろ手広くやったので、結構バタバタだった。それに比べて今回は「全員で炭を取り囲んで、一つの料理ができあがるのを待つ」といった感じだったので一体感があったと思う。また是非開催したいものだ。
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