風神さん雷神さんと仲良くしよう
日 時:2012年(平成24年) 05月04日-06日
場 所:長野県上伊那郡箕輪町萱野高原
参 加:おかでん、しぶちょお(以上2名)
2012年のゴールデンウィークは、5/1と5/2を休みにすれば9連休になるビッグホリデーだった。しかし、おかでんはその一週間前に行われた「岡山・広島旅行」の企画立案と手配に気を取られ、全くゴールデンウィークには目が向けられていなかった。そんなわけで気が付いたらゴールデンウィーク突入。おっと、これはいかん。このままでは、昼からビールをかっ食らって昼寝して一日が終わる、という日々に始終してしまう。それはあまりに非生産的なので、絶対に避けたいところだ。どこか、出かけなくちゃ。
慌ててしぶちょおに連絡をとり、「キャンプでもどうかね?」と打診をしてみた。幸い、しぶちょおもGW後半は予定が入っていなかったので、二人で検討を進めていくことにした。
今回、候補地として検討対象になったのは、毎度おなじみの廻り目平キャンプ場、そして岐阜県は平湯温泉にある平湯温泉キャンプ場だった。無印良品のキャンプ場3か所も候補に挙がったが、GW期間中に営業をしているのはカンパーニャ嬬恋(群馬県)だけだったし、空いているサイトはサニタリー棟から遠くて不便な所一か所だけだったので、やめた。そうかー、広大なテントサイトが広がる無印良品のキャンプ場でも、GW中はフルハウスになるのか。
とにもかくにも、なにしろ検討開始したのが5月2日。キャンプ当日までの時間がほとんどない。ここは勝手知ったる廻り目平キャンプ場で手を打とう、と決めかけたところで、しぶちょおから「廻り目平は飽きた」の一言。おおう、飽きたですか。それはまいった。じゃあ却下だ。では、第二候補の平湯温泉キャンプ場か?
「萱野(かやの)高原キャンプ場、というところがあるんだが」
その時、しぶちょおから全く新しいキャンプ場の提案があった。
伊那市の北、箕輪町にある萱野高原にキャンプ場があるのだそうだ。ためしにwebで調べてみたが、詳細情報があまりない。大丈夫か、ここ。しかし、限定的な情報を調べる限りでは、悪くなさそうな場所ではある。
「どうしてこんな穴場を知ってるんだ?」
と聞いてみたら、
「ちょくちょく長野県のキャンプ場については調べているんで」
という回答。さすが「支部長」を名乗るだけある男だ、頼もしい。
しかしここ、情報が少ない分、ホントに大丈夫?と若干不安にはなる。しかし、しょせんはキャンプ場、水場とトイレと平らな場所さえあればなんとかなるだろう。あまり気にしないことにした。よし、アワレみ隊として、ここに行くことに決めた。
本当はひびさんが参加する予定だったが、家で掃除洗濯がしたいということで参加が見送られた。ここ最近、ひびさんのアワレみ隊活動参加率は低くなっている。その分しぶちょおが単身で愛知から出陣しているわけで、一人留守番を強いられているひびさんには申し訳ない限りだ。しかし、われわれがキャンプをやっている最中、ひびさんから「近況報告」メールが飛んできたが、それはお惣菜を買ってきて、昼間っから白ワインで乾杯しているものだった。ひびさんはひびさんなりにおひとりさまライフをお楽しみ中らしい。
あと、アワレみ隊のアクティブメンバーとしてはばばろあがいるのだが、彼の住まいは現在山口県にある。とてもじゃないが2泊3日のキャンプのために遠征できず、今回は残念ながら欠席。キャンプに関して言うと、道具の大半を関東在住のおかでんが持っているわけであり、おかでんの行動可能範囲でしか合宿ができない。今後、ばばろあがキャンプに参加するのはなかなかしんどいことになりそうだ。
2012年05月04日(金) 1日目
おかでん、午前3時起床。身支度をしたのち、隣駅にあるレンタカー屋に車を借りに行く。徒歩20分。24時間営業のレンタカー店が比較的家から近い距離にあるのはありがたい。借りたのは日産の軽自動車、「モコ」。2泊3日で、保険に入って22,000円程度だったと思う。今までのおかでんは自家用車を持っていたので、こんな出費はかからなかった。「キャンプに行くだけで、すげえお金がかかるな!」とあらためて驚いてしまう。しかし、マイカーを持っていない分、普段の維持費はゼロ円の生活を送っているわけであり、実際はマイカーを所持せずレンタカーを使った方が安い・・・はずだ。たぶん。
午前4時、ベランダに積んであるキャンプ用品一式を車に詰め込む。これが結構手間。3階の自宅から1階の車まで荷物を運びこむわけだが、ツバメの親が巣にいる雛のために何度も何度も餌を運ぶ様と一緒。何往復しなくちゃいけないんだ?これ。途中でくたびれてしまった。今まではずっと車のトランクに荷物を詰め込んだままだったからなあ、こういうシチュエーションは非常に久しぶりだ。朝からどっぷり疲れた。
夜明けとともに中央高速が大渋滞するのは目に見えているので、早々に出発する。おおう、軽自動車で高速道路を走るのは初めてだが、100km/hを維持するのは結構しんどいな。すぐにスピードが鈍る。まあ、そのおかげで安全運転ができるので、これはこれで良いかもしれない。
途中、事故渋滞ができていたので、少し時間をロス。朝からいったい何事、と現場に到着して見ると、トラックが防音壁を突き破って宙に浮きあがっとる。何をどうすればこんなことになってしまうのか、知恵の輪を眺めている気分になる。それにしても運転手はどうやって救助されたのだろうか。
しぶちょおとガスト伊那店に朝9時集合。しぶちょおの方が早く到着していて、朝ご飯を食べていた。
さあ、ここで2泊3日の食事について検討をするぞ・・・と思っていたのだが、レシピ本(前回廻り目平で活躍したダッチオーブンの本など)一式を全て持参し忘れていた。あちゃー。キャンプ用品を車に詰め込むことに夢中になっていて、本のことはすっかり失念していたよ。困ったね。何作ろうか。
2泊3日だと、昼-夜-朝-昼-夜-朝、と合計6食になる。朝食2回、昼食2回、夕食2回とそれぞれ2回ずつ。
とりあえず朝ご飯は魚とみそ汁、ご飯の組み合わせ。お昼はは何か工夫しなくちゃいけないな。夜は1日目は焼肉で、2日目はチリコンカン(ポークチリビーンズ)をこしらえれば良いだろう。あとはスーパーに行って、適当に見繕おう。
イオンに行き、買い物をする。山菜がそろうようだったら、山菜の天ぷらなんかもいいねー、という話をしていたのだが、タラの芽だけしか売っていなかったのでこの案却下。何か南信地方っぽい食べものがあったら買おう、とあらかじめ話し合っていたのだが、あまりそういうものが見つからなかった。うーん、全国にチェーン展開をしているイオンだから売っているものが画一化しているのだろうか?そんなはずはないのだが。
しかし、思わぬ収穫もあった。ここのイオン、見切り処分シールがやけにいろいろな商品に貼ってあるのだった。消費期限はまだ余裕があるのに、見切ってしまっているのは、消費者にとってはありがたい限り。シールが張られているものを中心に、あれこれ買ってみた。
店内を歩いていくと次々と見切り品が出てくるので、あれもこれもと買ってしまいがち。抑制しながら買っていったが、途中でどの食事に何を作るのかが混乱してしまった。やっぱり事前に作る料理を決め、メモを取っておくべきだな。つくづく身に染みて分かった。
買物を済ませて、いざ現地に向かう。ナビが示すルートは荒れたルートだった。おかげで車は泥まみれに。後でわかったが、少し大回りするものの整備された道があった。この連載を読んで萱野高原に行こうと思った人は、整備されたルートを選択した方がよい。
しかし、荒れた道でもちょっと楽しかったのは、みるみる標高が上がっていくことだ。伊那谷を見おろしながらのドライブは快適とは言えないものの、風光明媚だった。
到着した場所は「かやの山荘」という国民宿舎。キャンプ場はこの宿に併設されているという位置づけなので、受付はここ「かやの山荘」で行うことになる。
1泊1,000円だったので、2泊で2,000円。一人あたりの価格じゃないぞ、テント一張りの値段だぞ。だから、非常に安い。一泊一人3,000円以上するキャンプ場がある中、ここは商売っ気が全然ない。
キャンプ場内にはお手洗いがない。ここ、かやの山荘のお手洗いを使うことになる。だから、一応下見をしておく。シャワーブースもあったが、それは調整中のため使えず。
かやの山荘には眼下の伊那谷を見下ろすための「展望棟」という建物があり、その脇には水場とかまどが並んでいた。キャンプ場から離れた場所だが、そこそこ利用されているようだ。日帰りでここを訪れた人が、バーベキュー用途で使っていた。伊那の眺望を楽しみつつ肉を食べる。それはなかなか良いアイディアだ。
さあ、キャンプ場へ行こう。時刻は12時。とっととテント組み立てて、お昼ごはんの準備をしないと。
キャンプ場は、鳥居をくぐった先にある。神社の境内の中にキャンプ場?ちょっと不思議なシチュエーションだ。
鳥居の下には丸太で作った車止めが2つ、鎮座している。荷物の搬入と搬出に限り、山荘の人に許可をとってこの車止めを除けることができる。結果的にテントサイト脇まで車を乗り入れすることができるので、ありがたい。
萱野高原は標高1,200m。そのせいで、桜が今まさに満開だった。東京と比べて1か月近く遅いんだな、この辺の桜は。
キャンプ場はまさに山の稜線上に存在している。だから、あまり広いキャンプ場ではない。
鳥居をくぐってしばらく進んだところに広場がある。ここがテントサイトその1。だいたい3か所くらいテント一式が張れるスペースがある。フリーサイト。
ここでテントを張ることができればいいけど、もしいっぱいだった場合はさらに奥、階段を登って行った先にまた別のキャンプスペースがある。ただ、そこにテントを張る場合は、体力が相当必要となるので、大荷物のキャンパーには不向き。
桜の木の下にテントを張ってみた。まさか今年、もう一度お花見ができるとは思わなかった。ここだと頭上に桜があるので、超一等地ではないか。お酒を飲みながら昼桜、夜桜と両方楽しめるぞ。楽しみだ。
・・・と思ったが、タープを張ってみたら、ちょうど桜の木の下にタープが設置されちゃった。これではお花見ができぬではないか。作戦しっぱい。左右の状況を見ると、ここから場所を変えるのは難儀そうなので、お花見は諦めた。
キャンプ場をぐるっと見渡したところ。ちょうどわれわれ含めて3組がテントを張っている。
写真下:逆を向いて、伊那谷を見下ろしたところ。稜線沿いのキャンプ場というだけあって、眺めは素晴らしい。
前回キャンプから1年。キャンプ用品がどうなっているか分からない。恐る恐る引っ張り出してみたら、おおおう、炭火コンロが赤さびだらけになっているぞ。さすがに、雨の中山菜天ぷらを揚げて、そのまま片づけただけある。これはしっかり金たわしでこすりあげないと。
しぶちょおが金たわしを手に洗い場に突撃していったが、戻ってきたとき冴えない顔をしていた。
「網が持ちこたえられんかった」
見ると、しぶちょおが手にしているバーベキュー用の網の真ん中あたりの針金がちぎれ、穴が開いていた。安物のバーベキューグリルなので、網が脆かったらしい。さて、このグリルはいつまで使い続けることができるだろうか?少なくともあと数回は持ちこたえて欲しいのだが。
今日のお昼ごはんは豚のバックリブのBBQ。そしてご飯。
バックリブソースが肉に添付されているので、調理は簡単。
ソースをバックリブに漬け込む。
ソースをなめてみたら、マクドナルドのチキンナゲットの「BBQソース」の味がした。
正面の山から雲が霧状になって降りてくるのが見える。これだけ見晴らしが良いと、天気の移り変わりがばっちりわかるな。
「へー、すごいな」
なんてのんきなことを言っていたら、しばらくしたら雲は伊那谷を通過し、われわれのいるところまでやってきた。結構強い風と小雨。うわあ、油断していた。他人事じゃなかったぞ。
網の上にソースに漬け込んだバックリブを並べる。本来だったら、網の上に置いた時点で「じう」と音がするはずなんだが、全く微音すら聞こえやしない。1年ぶりのキャンプなので、炭火の勘が完全に鈍っていた。本来ならもっと盛大に炭をくべるべきなんだろうけど。
5分待ってみたが、ちっともうまくいかないので、いい加減苛立っちゃった。そこで、フライパンに肉を移し、ガスストーブで加熱してみた。うん、敗北感はあるものの、確実に肉に火が通っていくぞ。結果オーライということにしよう。炭火?あんなのただの戯れですよ。・・・と炭火をなかったことにする。
バックリブが焼きあがるまでの間、今回のキャンプのとっておきをこしらえることにした。
その名も「ババロリア」。寒天でできた商品で、牛乳を加えて冷やしたらババロアができるというもの。アワレみ隊に「ばばろあ」という人間がいるので、これは見逃せない。ぜひ作らなければ。
デザートなんて今作る必要はないわけだが、「冷やす」という工程がないとこの料理は成り立たない。だったら、クーラーバッグに氷がたくさん入っている今のうちにこしらえるのがよろしかろう。
熱湯をこしらえて、ババロリアの素を溶かす。そのあと、牛乳を入れる。外袋には「10人前」と書かれていてびびったが、5人前×2袋が中に入っていたので、安心した。5人前なら大丈夫だ。・・・いや、ちょっと待て、われわれは2名だぞ。ババロリア5人前ってやっぱり多いぞ。
ま、いっか。なんとかなると信じよう。
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