お昼ごはんを食べ終わったら、既に僕らは退却時間が気になってきた。
昔ならもっと遅い時間までウロウロしていたはずだ。でも今や、こちらには未就学児が1名いる。本来の彼のライフスタイルなら、午後早い時間はお昼寝タイムだ。最近、休日はお昼寝をすっ飛ばすことが増えてきて彼の体力増強っぷりがうかがえるが、それでも眠れるなら眠ったほうがいい。そして昼寝をしてもしなくても、遅くとも21時には家で就寝しておきたい。
そこから逆算した結果が、「15時には中津川を出発」だった。これなら19時頃には家にたどり着くことができ、お風呂に入っても21時前にはオヤスミナサイができる。
ただその結果、お昼ごはんを食べてからのスケジュールがえらくタイトになってしまった。というか、事実上、ご飯を食べたらもう退却準備を進めるしかなかった。
苗木から中津川市街地を通り過ぎ、一旦国道19号に出る。渋滞覚悟だ。なにせ、ガソリンを給油したうえでレンタカーを返却しなければならないから。
ちょうどガソリンスタンドのすぐ横に、「恵那福堂」という和菓子店がある。ここにも給油ついでに立ち寄ることにする。しぶちょおたちと、いし&タケはガソリンスタンドで一旦別れ、僕だけが給油の列にならぶ。
車が渋滞しているのは道路や栗きんとん屋さんだけではない。ガソリンスタンドも大渋滞だ。セルフ形式なので、なおさら列が長い。
「時間があまり残っていないなあ」とソワソワしながら、自分の順番を待つ。
結局、僕が給油を終えるよりも先にいしが栗きんとんを買って車に戻ってきた。
しぶちょおと合流するタイミングを図る余裕がないので、一旦僕らはレンタカーを返しに、中津川の駅前まで移動。
8軒目:松月堂(中津川)
14:51
レンタカー屋の斜め向かいが、ちょうど和菓子店で栗きんとんを売っていた。

お店ののれんに「栗」の文字。松月堂。

売られているものが栗だらけ。
和菓子だけでなく、洋菓子も栗。モンブランとか、サブレとか。
そういえば「サブレ」って結構和菓子屋さんではよく見かけるお菓子になったな。和洋融合しつつある。あと、「ブッセ」なんてのも和菓子店で見かける洋菓子。
このお店でも栗粉餅が売られていたが、ここでは「くりもち」という商品名になっていた。
9軒目:梅園(中津川)
松月堂から中津川の駅に向かう途中、まさに駅前にもう一軒の和菓子屋さんがある。
この界隈、一体どれだけ和菓子店があるんだよ!?と今更ながら驚く。密度が高すぎる。

14:54
梅園。
車でアプローチしやすいロードサイド和菓子店舗の方が激混みになるのに対し、駅前立地のこのお店にしろ、先程の松月堂にしろ、全然混んでいない。
味が良い・悪いの話ではなく、「駅前だから利用者が多い」という場所ではないのだろう。東京モンの土地の考え方とは違う。

中津川駅。今回の旅のゴールだ。
駅前の駐車場に車を停めたしぶちょお・ひびさんとも合流。
ただいまの時刻、14:59。15:10の電車出発まであと11分。ギリギリセーフだ。

駅前ロータリーのベンチで、中津川で入手した最後の戦利品試食会をやる。
ええと、これはどこの栗きんとんだったっけ。
松月堂。

松月堂の栗きんとん。

これは恵那福堂の栗きんとん。

恵那福堂は結局、僕はお店の外観も中身もまったく見ていない。ガソリン給油に時間を費やしていたからだ。
味は良し。
一日のうちで、あれこれ栗きんとんを食べ比べられるのは口福だ。お店ごとのこだわりや特徴がよくわかるので、きっと自分の好みの方向性が見えてくるだろう。「たまに栗きんとんを食べる」程度では、味の違いがわからないまま、なんとなく「どれも一緒でしょ?」という印象になってしまいがちだけど、一度に食べればそうはならない。
・・・と思っていたのだが。
食べ進めるうちに、わけがわからなくなってきた。「僕はちょっとポロポロした感じの食感が好きだな」と思いながら食べていたら、しっとりした栗きんとんに出会い、「うむ、これはこれでいいな」と考え直し、一から好みを考え直すことになる。
それだけ奥が深い食べ物ってことだ。原則、砂糖と栗だけで作られているお菓子なのに。

松月堂で買った「くりもち」もこの際だから食べちゃう。

タケ、人生でこんなに甘いもの三昧の一日を送ったことがないので、たぶん人生史上五本の指に入る楽しい一日だったはずだ。ちなみに昨日は恵那山となりの富士見台高原(標高1,739メートル)に登り、山小屋で鍋焼きうどんを食べて大喜びしていた。2日連続、なんでこんなに楽しいんだろう?と彼なりに不思議に思ったかもしれない。
でも少年よ、こんなのは一年のうちでごく稀なできごとだ。毎日続くと思うなよ。
大人たちは、今日は「栗きんとんに一体いくら支出したんだろう?」なんて考えないことにしている。まともに計算するとギョッとするからだ。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (4件)
今や東京都内のデパートに並ぶ中津川の栗菓子❗️出身者としてはなるほど🧐と感心しきり
所謂,地域起こしかな⁉️季節の贈答品としては喜んで頂けますね、
桂川保彦さん>
贈答品として栗きんとんをいただいたなら、かなり嬉しいですね。
ただ、贈る側としては、恵那地方の栗きんとんはおせちに入っているのと違うんだ、という説明をしなくちゃいけなくて面倒かもしれませんね。
希少な存在なんだよ、と説明しても、贈られた側が「へーそうなんですかー」の一言で済ませてしまうと、相当ガッカリしそう。
栗の和菓子
中津川が有名ですが
恵那市にも
地元の人に人気の栗菓子が
いっぱい有ります
次回は是非来て下さい
加トちゃんさん>
今回、恵那の栗きんとん・栗粉餅もあれこれ食べて美味しかったです。
ルートイン恵那のすぐ隣にトレーラー型のホテルがあって面白そうなので、次はそこに泊まりつつ周辺の食べ歩きをやってみたいですね。