アワレみ隊・歳の差最大47歳、みんなで1日中栗を食べまくる【恵那・中津川栗きんとんめぐり】

15:05
「特急しなの」名古屋行きの電車が中津川駅を出発するのは15:10。

それに間に合わせるため、ここでしぶちょお・ひびさんとはお別れとなった。6時間の栗食べ歩き。移動に次ぐ移動で、あまり会話はできなかったが、それでも昔のアワレみ隊を彷彿とさせるイベントでとても楽しかった。

特に愛知県在住のしぶちょお・ひびさんはこの土地に明るく、栗きんとんや栗粉餅、その他いろいろこの界隈の話を教えてくれて、僕ら東京モンにとっては「へえー、そうなのか!」と感心続きだった。

これがもし彼らがいなかったら、単に「美味しいねえ」「そうだねえ」と家族でニッコリして終わりだったし、栗粉餅に出会うことすらなかっただろう。

今回、2台の車に分かれての移動となった。LINEの音声通話で常時会話をしようとしたが、思った以上に電波状況が悪く、車中での会話はあまりできなかった。山間部を車が走っていたからだろう。

昔、アワレみ隊の車旅行用にトランシーバーを買ったことがあり、今でもそれを持っている。今回そのトランシーバーを10年ぶりくらいに復活させればよかった。あまりに久しぶりすぎて、うっかり忘れてしまった。

あと、しぶちょお・ひびさんとは数年ぶりの再会であり、「積もる話」もあるやら、これから行くお店の話もあるやらで、LINEの通話程度では話がしづらかった。今度はキャンプをやるとか、もっとじっくりと時間を確保したうえでアワレみ隊イベントを企画したい。

しかしその一方で、既に弊息子タケには「習いごと」という時間の制約が生じている。わずか3歳児なのに。よりによって土曜日に習いごとの予定が入っているので、週末を使ったアワレみ隊企画が立てにくいのが悩ましい。

今後、タケは成長とともに親の手間がかからなくなってくる。しかしその一方で、やれ部活だ、期末試験だ、習いごとだ、受験勉強だと時間の融通がどんどんきかなくなってくるのだろう。「彼をアワレみ隊でビシビシ鍛えてやる」と考えるのは多分無理で、僕は彼とは別行動・単独行でアワレみ隊活動をやっていくことになるのだろう。

15:08
「じゃあ、ここでしぶちょおさんたちとお別れだよ、ご挨拶しなさい」

とタケに伝えると、彼は涙をポロポロこぼして大号泣しはじめた。

「しぶちょおさんと離れるのが嫌なの?」

と聞いても、ハイともイイエとも言わず、ひたすら大声を上げて泣く。改札眼の前なので、通り過ぎる人が「何事か?」と気にするレベルだ。だって今どき、別れ際に泣く人なんてあんまりいないから。

「待て、しぶちょおと離れがたくて泣くんなら、しぶちょおにしがみつくのが筋だろ。なんでママ(いし)にしがみついているんだよ。違うだろ」

とタケにいくら言っても、彼はいしにしがみついて泣き続けた。

端から見ると、体格のよいヒゲのおじさんが子どもをシバいたかのようだ。しぶちょおの名誉のためにも、ほれ、しぶちょおに抱きつけ。「またね!」くらいは言え。

15:10
いしに「なんで彼は泣いているんだ?」と聞いたら、

「楽しかった時間が終わることがショックなんじゃないですかね?」

と言う。寂しいとか悲しいとといったことよりも、「ショック」なのかもしれない。いつまでもこの「数十分おきに甘いお菓子が目の前に出てきて食べることができる!」という楽しい時間が続く、と思っていたのだろうか。

しぶちょお、ひびさんに別れを告げ、僕らはホームに出る。

長野県の長野駅から岐阜を経由し、遠路はるばる愛知県の名古屋駅を目指す特急、「しなの」がやってきた。

本当は普通列車で名古屋に行くのでも十分だった。そもそも、この旅行初日の往路は普通列車で中津川までやってきているし。特急と普通列車の所要時間に大して差がなく、せいぜい15分くらいの時間短縮効果しかない。それで特急料金が1,000円以上かかるので、いざチケットを予約してみてびっくりした。高い。

それでもチケットを確保したのは、「中津川から名古屋まで特急しなの、という電車が走っていて・・・」という話を僕がいしにしていたのを側で聞いていて、その後彼が口癖のように「特急しなのに乗りたい、特急しなの」と連呼するようになったからだ。

まだ「あいうえお」の発音が一部怪しいタケは、「とっきゅう」という発音も若干怪しい。絞り出すような感じで、「とっきゅう」と甲高い声で発音するのがいじらしく、つい「じゃあ、特急しなのに乗ろう」と僕が折れたのだった。

なお、彼はSLにしろ新幹線にしろ特急列車にしろ、乗りたい乗りたいと言う割にはいざ乗ると大して興奮しない。車両内で興奮してドタバタするよりはマシだけど、案外しれっと憧れの電車に乗り、そのままくつろいじゃう様子を見ると「お前なあ、せめて車内探検くらいはしてこいよ」と思う。

今回の特急しなのは「栗 戦利品お披露目会」会場となった。

特急ならではのクロスシート席なので、各席にテーブルがある。そこに、「買ったけどまだ食べていない、至極の栗菓子」がずらりと並んだ。

普通列車だったら、ロングシートになる。テーブルはないので、栗粉餅のようなものを食べるのはちょっと難しかっただろう。その点では、特急に乗って良かった。

「新幹線に乗ってから食べてもいいんだぞ?」

と僕は言うのだが、いしは目を輝かせながら「鮮度が!鮮度が大事ですから!」と言う。タケもそれに異存はなく、母子二人揃って「今すぐ食べよう」の大合唱だ。

恵那福堂の栗粉餅。

ひびさんから「お土産にどうぞ」ということでプレゼントしてもらったもの。高級なお菓子をいただいてしまい、恐縮だ。ありがとう。

ここの栗粉餅は、狂い個がきなこのように細かいものから、粗々のそぼろ状のものまでサイズ違いのものが混じっていて独特だ。各店舗、いろいろ創意工夫しているものだな。

3人で栗パーティー中。二人がけの席に3人いるのでギュウギュウ。

JRにおいて、未就学児は乗車券・特急券ともに無料だが、3歳にして既にかなり厳しい。子どもを膝の上に乗せて長時間耐えるのは、親はともかく子どもが辛抱できない。

その結果、我々は座席下にレジャーシートを敷いたりしてしのいでいる。

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最近はヘリノックスの小型折りたたみ椅子を持参しているくらいだ。小型軽量なので持ち運びに苦労しないし、これなら大人でも子どもでも座ることができる。

ただ、本当ならここに少年タケが座ってほしいのだけど、彼は得意満面で窓際席を大人顔負けに陣取っている。結局、いしがヘリノックスに座ることになっていて、親の負担となっている。

特急しなのの窓にカーテンがあることが、タケにとっては珍しいらしい。閉めて視界をすっかり遮っている。僕が

「せっかく特急に乗っているんだから、車窓の景色を楽しみたまえ。カーテンを閉めるのはもったいない」

と言ってカーテンを開けたら、彼は「うう!」と敵意を込めた唸り声を上げ、「いいの!これで!」と言ってまたカーテンを閉めてしまった。子どもの価値観は難しい。

これは、恵那市の三久で買った「栗きんとん大福」。

食べてみたが、うん、栗きんとんをわざわざ大福にしなくても十分に美味しいね、という印象だった。

中津川「梅園」の栗きんとん。

パッケージの上に「栗きんとん」と書かれているのはあんまり多くないし、赤に近い茶色で字が描かれているというのはもっと珍しい。そう考えると、中津川・恵那の栗きんとんってどこも似たパッケージだ。

だいたいが茶巾絞りのような包装になっていて、ザラザラした紙、そして側面に「栗きんとん」と書いてある。透明なラップに包まれています、とか栗きんとんに「まろん浪漫」みたいな名前を付けていてその名前が印字されているといったことはない。

おっ、最後の最後でびっくりした。梅園の栗きんとんは絞った形をしておらず、丸いんだな。シワすらついていない。

「これも個性だねえ、面白いねえ」

と夫婦で感心していたのだが、後で「中津川栗きんとんマップ」を読み返してみたら、そこに掲載されていた梅園の栗きんとんはしっかりと絞られていた。この栗きんとん、僕らが持ち歩いているうちにあちこちぶつかって、角が取れてしまったらしい。

特急しなのは1時間で名古屋に着く。わっせわっせと栗きんとんや栗粉餅を食べていく。

中途半端に残しても荷物になるので、栗粉餅は食べきってしまわないと。

いしはうっとり、タケはウキウキ、僕は「美味しいんだけど、もう少しゆっくり時間を空けて食べたい・・・」とぼやく状態。

そうこうしているうちに、電車は名古屋へ。さあ、栗なんてどこにもない、東京のビル街に戻ろう。

夢のような一日だった。とても楽しかった。家計簿は見なかったことにしよう。

(この項おわり)

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 今や東京都内のデパートに並ぶ中津川の栗菓子❗️出身者としてはなるほど🧐と感心しきり
    所謂,地域起こしかな⁉️季節の贈答品としては喜んで頂けますね、

  • 桂川保彦さん>
    贈答品として栗きんとんをいただいたなら、かなり嬉しいですね。
    ただ、贈る側としては、恵那地方の栗きんとんはおせちに入っているのと違うんだ、という説明をしなくちゃいけなくて面倒かもしれませんね。
    希少な存在なんだよ、と説明しても、贈られた側が「へーそうなんですかー」の一言で済ませてしまうと、相当ガッカリしそう。

  • 栗の和菓子
    中津川が有名ですが
    恵那市にも
    地元の人に人気の栗菓子が
    いっぱい有ります
    次回は是非来て下さい

  • 加トちゃんさん>
    今回、恵那の栗きんとん・栗粉餅もあれこれ食べて美味しかったです。
    ルートイン恵那のすぐ隣にトレーラー型のホテルがあって面白そうなので、次はそこに泊まりつつ周辺の食べ歩きをやってみたいですね。

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