ダウンヒルに焦がれて。【奥多摩トレックリング1】

ヘルメットをかぶって出発

全ての手続きが終わり、店員さんからの説明も済み、セッティングを終えたところで出発。

トレックリング前で記念撮影をする。ニコヤカでいられるのは今だけかもしれないし。

奥多摩湖への道

今日は、いきなりダウンヒルで青梅を目指すのではなく、いったん奥多摩湖を目指すことにしていた。標高343メートル地点にある奥多摩駅からスタートし、200メートルくらい標高を稼ぎつつ、水平距離で10キロ程度ある奥多摩湖(小河内ダム)に到達する予定だ。

ドライブの際、「岬」とか「灯台」が近くにあったらついつい寄ってしまうように、「ダムがあるなら寄っておこう」という安直な発想だ。特にダムに行ったからといって、何かがあるわけではない。

でもここで、赤ちゃん連れである同伴者の様子を伺おうと思っている。奥多摩湖往復してみて、大丈夫そうなら引き続き青梅を目指そう、というわけだ。もし母子どちらかがしんどいようなら、この時点で企画を終わりにし、トレックリングに自転車を返すつもりだ。

正直言って、この時点では青梅までダウンヒルできるとは思っていなかった。さすがに無理だろ。近くのスーパーにお買い物に行くのとはわけが違う。標高200メートルを上って、そのあと下るんだぜ?並大抵のことじゃない。

さて、その奥多摩湖への道だが、青梅街道を進んでいくことになる。新宿から杉並方面を走っている、あれだ。あの道がこんなところまで続き、そしてさらにその先、山梨県まで続いていると思うと胸が熱くなる。でも、すでに都心部での交通量の面影は少なく、のどかな雰囲気が漂っている。

まず自転車はこの道をぐいぐいと上っていくことになる。

トンネル道

トンネルが現れた。さすがにここから先は山がちの場所なので、道中トンネルがいくつもある。

「あれ?でも、さっきの店員さんの説明では、トンネルは通らないって話だったよな?」

どうやら道を間違えたらしい。

青梅街道から旧道へ

正しい道はこっちだった。

奥多摩湖へのサイクリングルートは、トレックリングが「奥多摩むかしみちコース」と名前を付けている、旧道が正解。特に看板が出ているわけではないので、うっかり見落としても仕方がない。今回のサイクリングは、始終オリエンテーリング的な要素満載だった。整備されまくったサイクリングコースとはわけが違う。

むかしみち

新道(現在の青梅街道)が出来たことによって、すっかり寂れてしまった「むかしみち」を走る。自然の地形に素直に作られているので、うねうねしているし道幅が狭い。トンネル使って山の向こうに一直線だぜー!といったことは当然なく、スローライフっぷりを堪能。

滝

おかげで、こういう小さな滝を道ばたで発見しただけで「わあすごいすごい」と言いつつ立ち止まる。車びゅんびゅん&ガードレールとトンネルの新道にはない楽しさだ。

うん、これはいい。奥多摩といえば当然のことながら車移動だ。道中信号がほとんどないこともあり、ずっと時速数十キロで巡航する場所だ。そんなところを、自転車でキコキコゆっくりと走ると、これまで見えていなかった光景が見えてくる。

忘れ去られたようなむかしみち

木漏れ日の中、こういう狭い道も走るのが楽しくって仕方がない。

車だったら、「対向車が来たら面倒だな」と警戒しつつ、素早く移動することになる。しかし、自転車だったらその心配は無用。なんてお気楽なんだ。思わず歌を歌いたくなってきた。

考えてみてほしい、こんな「裏道っぽいところ」を自転車でこぐなんて、自宅近辺以外であり得るか?ないだろ?でも、今こうしてキコキコやっているわけで。この日常的と非日常的の混在が、ワクワクせずにはいられない。

ひび割れたアスファルトの路面、というのも、「整備されまくった観光地」ではないことを物語っており、それがまた楽しい。まあ、要約すると「全てが楽しいじゃねぇかこの野郎」というわけだ。

右の道が正解

しかし、ウヒヒヒと笑いながらペダルを漕いでいたら、またうっかり分岐点を素通りしてしまった。写真の分岐を、道なりに左側に進んでしまったのだが、坂の途中で「?おかしい、ここを下るというのは腑に落ちない」と気づき、あわててUターンした。すると、よく見ると右側の道に向けて案内標識が出ていた。あ、やっぱり右側か。右側なんスかぁぁぁーッ。

でも右側の道、車のわだち以外は草が生えてるぞ。これ、どっかの私有地への入り口みたいに見える。これが正しい「むかしみち」なんだからトラップ満載だ。

未舗装道

ここから先は砂利道になり、なんだかますます楽しくなってきた。さあ盛り上がってきました。

心配していた坂だが、息が上がるような急坂は今のところない。ダラダラと上っていく感じ。

同伴者は、息を上げる事なく順調に前へと進んでいた。背負った赤ん坊も、今のところ全くぐずることなく、おとなしい。事前に、「この子はおとなしい子だ」とは聞いていたが、本当に感心させられた。休憩時間であっても、ほとんど手間がかかっていなかった。むしろ、路面のデコボコによる揺れを楽しんでいた節さえあった。この子、将来が楽しみだ。

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