日本の中のブラジル【群馬ブラジリアンタウン】

グリコの桶川工場、「グリコピア・イースト」に到着。

グリコピア・イースト

正面から見ると、これが工場には見えない。新しく作った大学キャンパスか、大きな企業の技術開発研究所の感じだ。

工場というのは、ノコギリのようにぎざぎざした屋根・・・というのはとうの昔のことなんだろうな。そういえば今、そういうデザインの工場ってめっきり見なくなった。あれは採光に優れているから使われている形らしいが、今じゃ「窓から採光」なんてことは大型の工場じゃしないのだろう。

小学校のとき、僕が社会科見学に行った工場は「パン工場」だった。山崎パンだ。その時のことは今でも覚えているし、お土産でパンを貰ったときの「えっ!貰っていいの?ホント!?」と興奮した記憶が残っている。そんなこともあって、パンメーカーといえば僕はいまだにヤマザキに愛着がある。パスコとか敷島製パンよりもはるかに。・・・って、敷島製パンのブランドが「パスコ」だ。そもそも間違ってるぞお前。

でもそんな僕でも、やっぱり広島出身ということでアンデルセンのパンが一番だったりする。工場見学は地元愛に勝てないということだ。

館内

中はちびっ子が結構いる。それと父兄。平日昼なのに一体どうなってるんだ?学校を休んでここに来ているのだろうか。僕ら社会人は「有給休暇」という制度があるけど、子供にはそのようなものがない。むしろ、休みたけりゃ親の判断で休ませればよい、とも言えるのだけど、それにしてもびっくりするくらいの子供の数よ。

今の子供はどのようなお菓子を食べるのだろうか?駄菓子屋がないので、親が買ってきたものを食べるか、買い食いするにしてもコンビニで売られているものだろう。「セブンのドーナツ、今度味をリニューアルするってよ」とかいう会話をクラスメイト同士で話し合ったりしてるのだろうか?いや、それとも「ファミチキ最高だよな」とか?

さすがにそれは違うと思うが、子供がいない僕からすると、想像すらできない。

工場見学は同時に大勢の人が行うので、班分けされている。数十名ごとの班行動で、あっちの班がこっちを見学しているときはそちの班はこれをやってる、みたいに順番と段取りが決まっていた。他の班が工場レーンを見に行っている間、僕らはシアターみたいなところで、画面を見ながらの早押しクイズ大会。悪くない正答率と早押しスピードだったと思うのだが、さすがちびっ子相手には瞬発力では勝てない。全然良い成績が残せず、唖然としながらシアターを後にした。くっ、こんなところで加齢を感じることになるとは。

この工場ではプリッツを作っているそうで、そのレーンを上から見下ろすことができる。それほど躍動感溢れる生産ラインではなく、「おーすげえすげえ」という内容ではない。しかし、やっぱり見慣れない世界なので楽しいのは間違いない。ちなみにカメラ撮影禁止。こういうの、撮影されたらどのように困るのだろうか。企業秘密ですから!といっても、目で見ることはできるわけで。

一階の受付付近では、グリコの歴史に関するものが小規模ながら展示されていた。写真は、グリコのお菓子がでてくる自販機。お金を入れると、下から商品が出てくるまでの間、正面のディスプレイでわずかな時間の動画を楽しむことができるという仕組みだ。「モノ」のおまけではなく、昔はマルチメディアなおまけだったんだな。すげー。

昔のほうがむしろマルチメディア、ということに驚いたが、でもそもそも昔って紙芝居屋が自転車に乗ってやってきて、お菓子を子供たちに売ってから紙芝居を演じていたと聞く。その延長線上だと思えば、あまり不思議なことではないのだろう。

一方現在はというと、SAとかでカップのコーヒーを買うと、豆を挽いてドリップするまでの間、さも「自販機の中をリアルタイムで撮影しています」風の動画が表示されたりする。やってることは相変わらずだ。ただし、そのコーヒー動画は「おまけ」感はほとんどないけど。情報過多の21世紀なら、その程度ではおまけにすらならない。

グリコのおまけ

グリコのおまけがずらっと並んでいる壁。

グリコといえばおまけ、というイメージがあるのは事実だけど、いざグリコの何のお菓子におまけがついているのか、その辺りの記憶がない。なんだっけ。

ばかもーん。

今調べてみて、知った。「江崎グリコ㈱」のキャラメルの商標が「グリコ」なのだ。グリコのおまけ、といえば、言うまでもなく江崎グリコ社のキャラメルのおまけにきまってるじゃないか!

うはあ。そうだったのか。

おまけアップ

キャラメルのおまけなので、簡単なものばかりだ。しかし、シンプルゆえに遊び方はいろいろで、むしろ子供の創意工夫を刺激してくれる気がする。

年代とともに精巧になっていくさまが面白い。技術力の進歩が伺える。もっとも、このおまけを作っているのは国外だとは思うけど。

「あー、このおもちゃで遊んだ記憶がある!」なんてのがあればよいのだけど、すまん、ぜんぜん覚えていない。子供の頃夢中になったおもちゃといえば、スーパーカー消しゴムだけど、グリコのおまけってのは全然記憶にない。

おみやげのプリッツ

お土産でもらったもの。グリコピア・イースト特製ポッキー。パッケージに工場の建物が描かれている。ほー。

出来立てのものを貰ったことになるけど、さすがに「やっぱりできたては味が違うなあ、香ばしさが際立っているよ」といったことはなかった。でも、安定してうまいな。

しかし、ポッキーというチョココーティングの兄弟がいる関係で、このプリッツは「えらくそっけない味」に感じてしまうのは僕だけだろうか。これそのものはとてもおいしいものだし、十分すぎる味なのだが。

売店

工場入り口脇に、グリコ商品を扱う売店があった。

工場見学をした直後で、我々は一様に若干の高揚感とともにグリコファンになっている。何か手ごろなものがあったら、応援の意味もこめて買いたいという気持ちになっていた。しかし、なんだか欲しいものが見つからず、「うーん」と首をひねりながら手ぶらで退却。

「1,000円ぐらいするような大袋、はちょっと買いづらいですよね」
「お菓子でなくてもいいんだ、気の利いたグッズでもいいから売ってれば買ったかもしれないのに」

収穫としては、ゲームセンターやボウリング場でよく見かける自販機、「セブンティーンアイスクリーム」がグリコ製であるということを知ったこと。

「ああ!言われてみればグリコだ、あれ」

百観音温泉

最後、久喜市に場所を移動して百観音温泉へ。JR東鷲宮駅から徒歩で行ける場所にある。

ここは都心から程近い場所なのに、「源泉かけ流し・自噴」の温泉だ。さすがに源泉自体は地下1km以上深いところまでボーリングしたものだが、穴が開いたのちはどばどば自噴しているのだからすばらしい。ついでに源泉温度が57度で、無駄に加温したり加水しなくて良いというのもすばらしい。

「びっくりするぞ、遠くに行かなくてもこんなに良い温泉があるなんて!って」

と前振りをしてからこの温泉に行ったのだが、実際はそれどころじゃなかった。芋洗い状態、という言葉がふさわしい混雑で、カランで体を洗うのも待つし、風呂も人でごった返す有様。お湯を満喫してのんびりする気分にはなれなかった。ありゃー。最近ますます人気が高まったのだろうか。平日夕方だぞ?週末ならまだしも、なんでこんなに人がいるんだ。

「遠くに行かなくても良い湯」ということは、それだけ人が集まるということだ。当たり前の事が目の前で起きている、というわけだな。「穴場発見!」とほくそ笑んでいちゃダメだ。

ま、最後は微妙ではあったけど、今日一日はコンパクトながらあれこれ楽しむことができた。日帰り旅行としては刺激的な内容だったブラジリアンタウン。1年に1回くらいは、食料品を買出ししに訪れてもいいなあ、とつくづく思った。また訪れたい場所だ。

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