16:21
別荘地の一番外れが登山道になっていて、右手に別荘を眺めながらの下山となる。
今回の登山を一言で言い表すなら、「エレガント」だ。乙女峠のバス停から登り始めて、あっという間に稜線に出て、あとは風光明媚な道をひたすら楽しく歩く。4月ということでさほど暑くもなく、快適なトレイルだった。そして最後、下山道は別荘を眺めながら。
変化に富んでいるし、楽しい。ストイックさはさほどなく、「楽しい」とにっこり微笑んで語れる山だ。
16:34
庶民代表である僕が、高等な方々の別荘を眺めつつ、ときには熱く品評しながら通り過ぎるつもりだった。でも、そんな気配を察知したのか、道は途中から別荘とは別れてしまった。ざんねん。
16:37
おっと。道に出た。これで登山道は終わりらしい。ここからは本当の下界だ。
この宮城野の別荘地、地図を見ると「ナイスシーン強羅」という気になる建物があった。
なんだその名前は。リゾートホテルにしてはちょっと陽気すぎる。
あとで調べてみたら、温泉大浴場付きのマンションだった。こういう名前のマンションもあるのか!
「どちらにお住まいですか?」
「ええ、ナイスシーンです」
「ナイスシーンですか!それはナイスですね!」
という会話をご近所さんとやるのか。ほのぼのしていていいな。
16:37
道路脇に標識が出ていた。お前の都合がどうであれ、とにかくぜんぶ左に行け、ということらしい。
宮城野・宮城野温泉会館 15分
バス停(宮城野支所前) 10分
公衆便所 バス停前 10分
と書いてあった。
そうそう、下山後のお楽しみは、この温泉会館でお風呂に入ることだ。
ちょうど日が傾いてきたし、温泉日和となってまいりました。
日が高いうちにお風呂だと、「もうちょっとトレイルできたかも?明星ヶ岳までいけたかも?」という気になってしまうけれど、今この時間なら罪悪感は皆無だ。
16:39
このあたりはすっかり開けてきた。別荘地感はなく、のどかな田舎という感じだ。
ただ、この角度から開放的な箱根山を見る機会なんて滅多にないので、とても印象的な光景だと感じた。
16:41
舗装道路があるエリアに入ると、むしろ道に迷いやすい。山の斜面に作られた分譲地ということもあって、道が入り組んでいるからだ。そして、グネグネした道をわざわざ歩かなくて済むように、登山客向けの歩道がそれとは別にショートカットとして作られている場所もある。これはこれでちょっと混乱を招く。
下っていく
16:42
左に行けば小田原14km、国道138号0.3kmと青看板に書いてあった。
そして、茶色い看板で「宮城野バス停、日帰温泉勘太郎の湯 この先、徒歩6分」とも。
よっしゃあああ、風呂に入るぞおおおお。
カウントダウン状態で、我がお楽しみの温泉は近づいてくるのです。
残りあと2分。
(つづく)
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