ディープ立石オフ

立石駅

立石、という場所がディープだということは以前からなんとなくは聞いていた。

メガロポリス東京には、メガロポリスであるが故にふっと気が抜けたところ、怪しいところ、秘密めいたところというのがあちこちにある。一昔前なら、「時代に取り残されたださい場所」だったのかもしれないが、だささが一巡すると、むしろそれがかっこよくなってくるから世の中わからないものだ。立石なる場所においては、昔ながらの趣があるお店が何軒もあってよい、ということだった。

ここでいう「よい」というのは、あくまでもレトロ趣味において、という意味だ。オサレなカフェなどを好む女子からすると無縁な世界だ。・・・と思ったら、むしろ女性の方がこういうレトロにも興味津々なのだから、面白いものだ。

立石がディープと言われるのは、それなりに理由がある。東京界隈に住んでいる人であっても、この駅のお世話になった人がまありいないという場所柄だからだ。場所は東京の東端、葛飾区に位置する。柴又の近くといえば近くだ。京成線が走っている土地だが、このあたりの京成線はとにかくぐちゃぐちゃしている。スカイツリー界隈から北千住、高砂あたりまで部外者から見ると何がなんだかわからない路線の入り乱れようだ。僕自身、いまだにこのあたりがどういう塩梅になっているのかぴんときていないくらいだ。ましてや、地図を見るのが苦手な女性なら全く意味不明な土地かもしれない。

この地には昔、セルロイド工場があり、町工場の集積地だったという。また、赤線があったということもあり、男たちの欲望渦巻く場所だったのだろう。しかし21世紀の今、その面影を残しつつも町は移ろい、ディープな町として認識されるようになっている。

そんな場所で、昼からオフ会やろうぜという話になった。何軒かハシゴしながら立石の味わい深い店、名店を巡ろうというものだ。発案者のたっぴぃさんが立石からさほど遠くないところに住んでおり、この地に明るいので先導役を買って出てくれた。

昼間っからでも飲める店が当たり前のようにある。それが立石の魅力でもある。じゃあ、お言葉に甘えて昼間からぐいぐいやっちゃおうじゃないか。そういう「ちょっとイケナイことをやる」気満々で我々は立石の地に集結した。

立石の商店街

2013年9月29日日曜日、オフ会メンバーは立石に集結。

立石という場所を訪れたことすらない人、仕事の関係で何度かここにきたことがある人、地元民、などさまざまだ。

ほぼ地元民であるたっぴぃさん曰く、「立石は日曜日休みのお店が多いので、本当なら土曜日の開催が良かったのだけど」。

個人商店中心のお店構成なら、日曜日休みも仕方がないところだ。ディープな街なら、そういうお店が多くても納得だ。

なので今回は、お店をハシゴするにあたっても完璧な打線を組めたわけではない。営業日、営業時間、お店の細かいルール、そして我々の胃袋状況などを等しく勘案しないといけなかった。その辺はたっぴぃさんがよきように取り計らってくれた。

さて、駅を出てすぐのところにある商店街。見る限り、よくありがちな駅前商店街の風情だ。特にディープ感はない。

駅の改札を出た瞬間、「いやー、さすがですねぇ。ディープですねえ」と言おうと思っていた我々取材班(?)は、ちょっと拍子抜けした。というか、なんとコメントしていいか言葉に詰まった。

鳥房外観

駅の北側、商店街を歩き始めてすぐのところにあるのが「鳥房」。今回このお店からハシゴをスタートさせようとしている。

日曜日において、お店が開店するのは15時。しかし今はまだ13時過ぎだ。何でこんな時間にして既に立石の地に降り立っているのかというと、お店が狭くてとても混雑するからだ。2時間前からお店に並んでりゃ、さすがに余裕だろう、という計算がある。

そこまでしてこのお店に固執しなくても、と呆れるが、これには理由がある。お店のルールとして、「酔っ払いは入店不可」であること、さらにはお店の名物である鳥の唐揚げ(骨付きもも肉丸ごと一本)を一人一本必ず頼むこと、というのがあるからだ。このルールがある以上、腹を空かせつつお酒も飲んでいない1軒目にせざるをえないのだった。立石は、ここに限らずいろいろマニアックなお店がマニアックなルールを持っていたりする。

さて、この鳥房の外観だが、見る限りお肉屋さんにしか見えない。コンクリートの壁にそのまま店名をペンキ書きしているのは、まるで沖縄のようだ。

わき道に入る

鳥房って、テイクアウトしかできないんじゃないの?・・・と疑いの目を向けたが、さにあらず。居酒屋的な利用をしたい人は、お店の脇から入店することになっているようだ。

狭いわき道に入る。

鳥房入口

これが鳥房の入口。テイクアウトをやっている店頭販売カウンターの裏手からお店に入ることになる。

まだ営業開始まで2時間弱時間があり、当然ぴっちり扉は閉まっている。時代劇で浪人が昼酒をあおっているお店っぽいが、れっきとした鳥料理のお店だ。

チキン料理を食べるためにチキンハートだった我々だが、さすがにこの時間だと待ち行列はゼロ。「さすがに早かったか」と納得。しばらく店の前で並んでいたが、その他のお客さんがぞろぞろと並びだすような気配が全くないことを察知し、んじゃまあもう少しどこかお出かけしてこよう、とお店を後にした。1時間前くらいにまた戻って並びなおすことにする。