
第1ターミナルの探検をほぼ済ませたところで、次なるターミナルへと移動することにした。各ターミナルは無料の送迎バスが循環しているので、それに乗って行けばいい。わざわざ車を駐車場から引っ張り出すほうがよっぽど手間だ。

黄色い車体が循環バスの目印。このバスはいくつかルートがあって、そのルートによって乗り場も違うので少しだけややこしい。
・第1ターミナル → 東成田駅 → 第2ターミナル 循環
・第1ターミナル → 東成田駅 → 第3ターミナル → 第2ターミナル 循環
・第2ターミナル → 第3ターミナル 循環
の3路線。
我々は第3ターミナルに行きたかったのだが、ちょうど第2ターミナル行きのバスがやてきたので、それに乗ることにした。
「ひたすらぐるぐる、1、2、3全部のターミナルを循環してればいいのに!」
と思うが、それは面倒だと空港側は判断したのだろう。格安航空会社相手の第3ターミナルだけ格下扱いなので、そこに全ての循環バスを走らせるのは贅沢が過ぎる、というわけか。

バスに乗って移動する。さすが空港は巨大施設だ、ちょちょいと移動すればすぐに次のターミナルに到着、なんて気軽な世界ではない。結構マジ乗りしないと次なる目的地には到着しない。
これは、空港というものがもともとデカい存在だから、というのもあるが、成田空港の生い立ちからしていびつな形にならざるをえなかった、という事情もあるのだろう。
途中、「東成田駅」というバス停を通過する。「日本一短い私鉄路線」である芝山鉄道の起点となる駅だが、地下駅なので地上からはその存在はうかがえない。どこに地下にもぐる階段があるのかさえ、このときは発見できなかった。ちなみに、空港第2ビル駅から500メートルの地下道を歩いてこの駅にアプローチすることも可能らしい。
芝山鉄道は全長2.2キロというとても短い路線で、空港建設とのバーターで作ったものだ。便数は少ないし乗客もとても少ないらしいのだが、空港の真下をトンネルで走るという地理上、常に警察官が電車に乗車しているという日本唯一のぴりぴりした路線となっている。
しかもこの路線、地元民への便宜のためのものなのに、空港反対派住民の承諾が下りなかったためにその住民の土地を大きく迂回していたりして、路線はいびつにゆがんでいる。もう、何がなんだか、だ。
しかしそんなローカル路線芝山鉄道を擁する東成田駅だが、現在の成田空港駅および空港第2ビル駅が開業するまでは、ここが成田空港の玄関口だったらしい。まじか?だって、第1ターミナルまでかなり距離があるぞ?この駅からバスでピストン輸送していたというのか。うわ、不便極まりないな。
交通が便利になった今でさえ、「成田は遠い」と批判されるというのに、昔は成田の中でさらに面倒くさいことになっていたのか。こりゃ利用者から嫌がられて当然だ。ただでさえ、海外旅行ってことで重たい荷物を持ち歩いているんだから。
今では、空港関係者以外は使わない駅になっている。周囲に家なんて皆無なのだから、利用客は非常に少ない。そのため、東成田駅は廃墟マニア垂涎の「時代に取り残された感満載の、でも現役の駅」らしい。
3路線ある循環バスは、全て時計回りに動く。日本の空港ならどこでもそうだろうが、ターミナルビル前の道路が時計回りの一方通行になっているからだ。
このため、第1ターミナルから第2ターミナルに向かう際は、いったん第3ターミナルの目の前を通過していくことになる。なんだかスゲー損した気分。おいちょっと第3ターミナルにも立ち寄ってくれよ、と思う。

バスを降りたら、そこには陸上競技のレーンのような帯が地面に描かれてあった。これが第3ターミナルへ誘導する印だ。まだできて間もないことが、色合いからもわかる。

第2ターミナルから第3ターミナルへは、550メートルの距離がある。
黄色いバスに乗って行くのも良いが、もちろん歩いても結構。そのための目印が、地面の陸上レーンだ。
その陸上レーンが左右に分岐しているところがある。
右側が歩道による徒歩コース左側が循環バスだ。
歩いていこうとしたのだが、相方に阻止された。諦めて左折し、バス乗り場に向かう。

第2ターミナルの24番バス乗り場でしばらく待っていたら、第3ターミナル行きバスがやってきた。
循環バスでも、行き先によって乗り場が大きく異なるので面倒だしややこしい。このあたり、もう少しこなれた運用ってできないものだろうか。・・・いや、そういう運用もすっ飛ばして簡略化するからこその、格安航空なんだろう。贅沢言っちゃいけない。イヤなら、550メートル歩け、ということだ。

バスの運行間隔を記した紙。
これはとても面白い!早朝深夜は5分間隔とかなりの多頻度運行なのに、朝と夕方は7分間隔に間引かれ、お昼は11分間隔に格下げされてしまっているのだった。
これは、LCCが「できるだけ安く運行するため」に、深夜早朝に便を多く飛ばすことに起因するのだろう。
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