
[正しいラムサールのがっかり感]
写真のように、旗の手前の水たまりに清く正しく球を打ち込みましょう。
次の一打では、強く打ちすぎてフェアウェイを通り過ぎ、対面のラフのラムサールを視察するのが様式美です。

パターゴルフ場の外れの境界あたりは、水たまりどころか川みたいになっていた。境界線上に植樹がされていて盛り上がっているので、その手前が帯状に水びたしになっているのだった。
「アムール」と名付けられた。名前の根拠は特にない。
一枚上の写真で、ラムサールを視察していたオレンジの球が、今度はアムール視察に繰り出している。視察とはいえ、球から無念さがにじみ出ている。ちなみにオレンジ球はおかでんのもの。
その奥には間一髪アムールで溺死せずに済んだ黄球がドキドキしている。
ただこの黄球、この後アムールを徒渉していかないといけない。これはこれで死の行軍。
「ワイルドだなあ」
「つくづくワイルドだなあ」
一同、あまりのワイルドさにひれ伏すのみだった。

6番ホールは、超ショートホールだった。
フェアウェイはほぼ円形で、距離は5mちょっとしかないと思われる。こんなシンプルなホールは、老若男女キャッハウフフと楽しめるパターゴルフ場だってあまりない。ひねりがなさ過ぎて、設計意欲が湧かないのだろう。コースデザイナーが「こんな単純なコースレイアウトを作れとは、私を愚弄しているのか」とか言い出しそうだ。
正直、われわれも今まで散々溝にはまったり水まみれになってきたので、今更こんなホールには拍子抜けでしかない。しかもPAR3って。楽勝過ぎるではないか。
舐めてかかっていた。しかし、いざ一打目を打とうとして、このホールが隠し持つワイルドさにようやく気がつくのだった。
「これ・・・ちょっと力が強すぎると、すぐに転がり落ちるぞ」
このホールはプッチンプリンのような形になっている。そのてっぺんにフェアウェイがあるわけで、力を入れすぎるとすぐにコロコロと加速して遠くへと消えていくのだった。
だったら単純に力を抜いて、細かく刻んでいけば良いではないか・・・と思う。しかし、「PAR3」という数字がプレイヤーへのプレッシャーになり、一打目で可能な限りカップの近くまで寄せようと色気が出てしまうのだった。その結果、力加減を誤る、と。

地獄からはい上がろうと必死なかんだたのような心境で、フェアウェイlから転がり落ちたボールと格闘する人たち。
しぶちょおの足元にはまたオレンジの球が。この球、水をことのほか好む。河童か?


「おい!あれは何だ!」
一同がげらげら声を上げて笑ってしまったのが7番ホール。今までは、ラフに転落すれば水たまりがある程度だったが、今回のホールはフェアウェイが池に侵食されている。しかも、両脇に一つずつあるご丁寧ぶりで、もう池を思う存分泳いでくれたまえ、という一足早すぎるクリスマスプレゼントにしか見えない。
池は、これまでの「ラムサール」とは違い、明らかに水深がある。ここまで来ると、「ワイルドすぎる」というよりも「排水の設計ミスっただろ」と痛いところを突っ込まざるをえない。
しかも、池同士がある間のフェアウェイがラムサール。大抵のプレイヤーは、このラムサールで球が失速してしまっていた。

池に沈没するかしないかの瀬戸際で繰り広げられる生き残り戦。
・・・というか、オレンジの球だけがっつり池に。またアナタですか。お約束すぎる。
オレンジ球は、完全に水没。
この球を脱出させるため、おかでんは池を跨いで相当無理な姿勢で一撃したのだが、勢いがつかずにまた池へ逆戻り。今度はさらに池の幅あるところの、しかも深いところに球が落ちてしまった。そのため、股裂きの刑状態になりながら、目いっぱい股を開いて球をもう一度打つハメに。・・・今度は球に勢いが付きすぎ、グリーンを通り越して向こう側のラフへ。次の一打は、力が強すぎてまた池へGO!
このワイルドコースの怖いところは、一度ラフに落ちたら、地獄からはい上がろうと力を入れすぎてしまうこと。フェアウェイを通り越し、向かいのラフに落ちる、という事を延延繰り返す事になる。無間地獄だ。

続く8番ホールも、超ショートコース。
さすがに学習能力があるので、一打目は全員カップ近くに寄せることができた。おかげで球同士が密集する絵面に。
常々おかでんは、「じゃ、お先に失礼」といってカップすぐそばに寄せた人が先行してホールアウトするのはスマートすぎると思っていた。今回のようなショートコースだと、あれよあれよと「お先に」が発生しそうだ。
そこで、
- 「お先に失礼」はカップによっぽど近づかない限り(一応手のひらサイズ以内)は原則禁止
- 他人の打球の邪魔にならないように、マークを付けて球を待避させるのは禁止
という新ルールをこのホールから適用した。
その結果、ホール上は大混乱。ゴルフやっているはずなのに、ビリヤードみたいになってきた。ゴルフでは、カップから遠い球から順番に打つというルールがある。そのため、うかつにカップに寄せてしまうと、後からやってくる球に(悪意が無くても)体当たりされてしまうのだった。せっかく寄せたのに、遠くにかっ飛ばされるこの理不尽さよ。
でも、逆の例もある。写真の場合、オレンジ球の前に白球があるのだが、ここでオレンジ球がカップを狙ったら、どうしても白球をはじいてしまう。その結果、オレンジ球はそこでストップするだけでなく、白球はナイスインというごっつぁんゴールとなるのだった。
ゲームを根底からひっくり返してしまうルールだったが、あまりに理不尽すぎてやたらと盛り上がった。

最終ホールはS字を描くコース。これも、ショートカットしようなんて余計な事を考えないこと。きっちりとフェアウェイの曲がり角で止まり、そこで方向転換を確実にしていかないといけない。しかし、その「曲がり角」は球の密集地となるわけで、第一打目から早々にビリヤードが発生。うまくフェアウェイをキープしたはずなのに、ラフに追い落とされるといった理不尽な展開が早くも登場。
カップ近くになると、もう勝敗はほぼついてしまっているので、しぶちょおが
「俺こっちを打つ!」
といってカップとは違う方向にいるおかでんの球を狙い、遠くにかっ飛ばしてみたり、「他人の妨害」という頭脳プレイにまで発展。なかなか収拾がつかなくなり、あまりの馬鹿馬鹿しさに笑いっぱなしだった。
こういうゴルフを、「バトルゴルフ」とかいう名前にして新競技として設立できるかもしれん。
[第6種目:パターゴルフ・ワイルドコース 結果]
1位:ジーニアス 34打
2位:しぶちょお 46打
3位:マタギ 49打
4位:おかでん 67打

この勢いを駆って、もう9ホール別にあるワイルドコースにも行きたいところだったが、われわれが有する権利はここまで。なので、惜しまれつつ打ち切りとなった。
なんだかんだで結構時間が経ったので、いったんここでSMCに戻り、正式チェックイン後荷物を部屋に預けることにした。そのあと、日帰り温泉施設である「森林乃湯」へ行き、そのついでにゴルフ練習場に立ち寄って競技。あとはご飯食べて今日はおしまいだ。さすがに夕食後にプールいこうぜ、なんてのは無理だ。
巡回バスに乗って、SMCに戻る。途中厩舎があったりして、馬もいる。一体この施設はどこまで手広くやるんだ、と呆れる。
SMCのフロントで鍵を受け取り、われわれが宿泊する建物「サウスウィング」に向かう。
SMCは、フロントとレストランを主業務とする建物(といっても、これが相当にデカいのだが)であり、宿泊施設ではない。宿泊は、別棟である「サウスウィング」と「ノースウィング」の二箇所に別れている。
看板表示に従ってサウスウィングに向かうのだが、これが結構遠い。広いSMCの建物端まで歩き、そこから階段を下り、屋外に出て、トンネルをくぐって(!)その先にある。つまり、SMCとは山一つ向こう、ということだ。一体どうしてこういう作りになっているのか、不思議すぎる。一応、雨に濡れないように歩道には屋根がついているのだが、それにしても高低差も水平差も相当なものだ。
「なんかね・・・延々歩くのが、なんか格好いいとされる時代ってリゾートには一時あったと思うんだよ。昔作られた巨大リゾートってこんな感じだったような」


サウスウィング。
山の斜面に沿って、階段状に作られた部屋が並ぶ。各部屋ツインベッドの部屋になっている。道路を挟んで建物が分断されており、道路より上の建物、と下の建物、の二棟によて構成されている。
建物はSMCよりも古い。比較的「つま恋」の歴史の中でも古い施設だと思うが、なぜこんなところに建物を建て、なぜここから離れたところにSMC、そしてもう一つの宿泊棟「ノースウィング」を作ったのかは不明。時系列順に、この施設が増築されていった様を航空写真で見てみたいと思った。
「なんかこの建物・・・沖縄のカヌチャベイホテルみたいな感じだな」

われわれは4名なので、2名ずつで2部屋に分かれる。


中は、いかにもリゾートホテルではなく、やや古ぼけた感じの部屋。これを見て思いだした。北海道のアルファリゾート・トマムがまさにこんな感じだったな。
夜になってみると、その印象をよけい強く抱いた。同室のジーニアスと二人で、「電気はどこだ?これで全部か?」というくらいの薄暗さ。薄暗さがなんだかリゾートっぽいという価値観があったんだろう。トマムがまさにそうだった。あそこの施設は、その結果貧相なイメージになってしまったのだが。ただ、トマムに関して言うと、今は星野リゾートが買収したので昔とは印象が変わっているかもしれない。

風呂に入ることができるように洗面道具を手に、一同再集結の後出発。なお、各部屋にもバストイレはついているので、
風呂の前に、まずはゴルフ練習場だ。
SMCを抜けて進んでいくと、そこにはもう一つの宿泊棟、「ノースウィング」がある。SMCからの利便性では確実にこちらの方が上。風呂にも近い。施設も新しいようだ。こちらは60平米弱の広さがある部屋になっていて、4人泊を前提とした作りになっている。家族連れはこちらへどうぞ、ということか。こちらの方が4名だと1,000円ほど高く付くが、それなりの合理性はある。本当はこちらに泊まりたかったのだが、空室が無かったのでサウスウィングで予約を取った。


ノースウィング脇に、森林乃湯及びゴルフ練習場に通じるゲートがあった。そこをくぐると、ここから一気に目を見張るような急な階段が待っていた。森林乃湯などは、この崖の下にあるらしい。なんでこんなに三次元的なんだここの施設は。
もう少し効率的な建物配置をしようと思わなかったのか、と思うが、きっとこういう「施設内散策」も宿泊客の楽しみであるというコンセプトなのだろう。
道理で、わざわざ森林乃湯へ行くためのバスがSMCから巡回していたり、「サウスウィングから森林乃湯まで徒歩15分」などと書かれているわけだ。この階段で納得した。地図だと二次元で描かれているので、このあたりが全く分からなかった。「すぐ近くなのに・・・なんだこの妙に間延びした所用時間は?」と不思議だったのだが、納得。


階段を下りきったところがゴルフ練習場。
中に入ってみると、以外に開けたところが確保されていて意外だった。聞くと、250ヤードあるらしい。てっきり、「山の斜面に受かって打ち込め」という類のものだと思った。
これだけ広いんだから、ここにSMCとか宿泊施設を作ろうとなぜ考えなかったんだろう。北ゲートからも至近だし。ますます、この施設の設計コンセプトが気になってきた。そういうのが気になるのはおかでん一人だけだったようだが。


ゴルフ練習は、50球の貸し球と施設利用料がプレイチケットで無料扱い。クラブは別途レンタル料金を伴うんだそうだ。一本210円払って、クラブを借りる。ドライバーを借りたかったのだが出払っているということで、PWとか5Iあたりを中心にレンタル。

ゴルフ打ちっ放しで勝敗なんて決めようがない。ドラコン対決でも良かったが、常連チックな地元のお父様方が真剣に練習してらっしゃるので、あんまり盛り上がってもまずい。よって、「ヤード表示がされている看板に球を当てるか、ネット内に球を放りこんだら1ポイント」という事にして、各自が勝手に打ちっ放す事にした。
で、結局該当者は現れず、この競技はドロー。
「PWで股間の玉を思いっきりひっぱたき、痛みに我慢できた人が勝ち」とかなんとか、無理矢理勝敗ルールを作ろうと思ったがむちゃなのでやめた。
[第7種目:ゴルフ練習場 結果]
ドロー

ゴルフ練習場の隣にある日帰り入浴施設、「森林乃湯」へ行く。
この施設に関しては、われわれの宿泊プランでは何度も入場することができる。とはいえ、場所が遠いので、温泉旅館に泊まった時みたいに「一日に三度も入っちゃった。てへ」みたいな事はほぼ無理。
宿泊者向け、というよりも、日帰り客やこの施設だけ目当てでやってくる客を強く意識した建物になっている。しかし、南ゲートから入場し、施設南側でスポーツしている人たちがどれだけここまでやってくるかは疑問だし、この施設だけ入るといっても、わざわざゲートで入場チェックを受けてから入るというのはちょっとハードルが高い。

フロント脇ではお土産が売られているのだが、お茶スパゲティとかお茶シャンプーといった、お茶関連商品が並んでいた。さすが牧ノ原台地。
その傍らでは厳選がちろちろと湧いていた。本当に温泉だったのか。日本全国、どこでもボーリングさえすれば温泉が出るという好例。なお、泉質は「ナトリウム・塩化物泉」。まあ、要するに食塩水ってこっちゃ。これもまた、定番。さすがにカテキン泉とかポリフェノール泉とか、そういうのは湧出しないか。


デジカメのバッテリが切れそうだたので、一人温泉を離脱して部屋に戻る。風呂上がり後、そのまま夕食会場に行くだろうから、それまでに自己解決しておく必要があったからだ。
ライトアップされたサウスウィング。ここは普段陸の孤島になっているのだが、18時以降になると「北ゲート周り」の巡回バスが立ち寄るようになる。こちらも南ゲート周り同様、15分に一本の頻度。
これはラッキーと乗ってみたが、車道をゆっくりと走るので歩くよりも時間がかかった。体力に不安がないなら、歩いた方が早い。

温泉に戻ってみると、風呂上がりのばばろあとしぶちょおがマッサージチェアの上で「あー」とか「うー」と唸っていた。運動後の風呂、そしてマッサージが相当エエもんらしい。
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