バトルアスリーテス・アワレみ隊大運動会2010

パーフェクトピッチング

パーフェクトピッチングの施設内に入る。

これは無人で運転されており、遊園地内の娯楽施設のようだ。同時に二人が遊べるよう、2レーンある。(写真はレーン中央から撮影したもの)

ジャンケンで順番を決め、おかでんが一番目となった。

中に入りお金を入れるが、何が何だかわからない。そもそも投げる球がどこにあるのかさえ、わからない。

投げる準備
しぶちょおが投げる

途方に暮れていると、足元の箱からボーンと球が飛び出してきた。うわびっくりさせるなあ、もう。

で、目の前10メートルほど先の9マスの標的を狙うわけだが、何だかそのうちの1マスが点滅してるんですけどー。ええと、これは何。

「そこを狙え、という事だ!行け!」

としぶちょおから解説されて、ようやく分かった。でも、敢えてそこを狙わず、悠々と自分の好きなマスを狙ってもかまわないらしい。

勝手が分からず、適当に投げたら圧倒的手前にワンバウンド。うわ、これは情けない。

よく、有名人が野球の始球式に出て、くそボールを投げるのを見かける。ひでぇピッチングだ、と毎度毎度思う方も多かろうが、それがご主人、案外投げられないものなんですよこれが。力むと、余計手前で落ちる。

歳相応、筋力相応に山なりボールでも投げてりゃいいんだろう。しかし、ついつい「ライナー球」を投げつけようとするものだから、残念な結果になる。「ここを狙え!」とマスが点滅するから、人間高ぶる気持ちを抑えられないんだな。

その点、キャッチボールを三度の飯よりも愛するというしぶちょお(今勝手に決めた。多分うそ)は一人だけピッチングフォームがまとまっていて、周りがどん引き。ちょっと格が違う。

最終ピッチャーとなったジーニアスは、それまでの人の悲惨さを見ているので、力まず投げる事ができていた。しかし、山なりボールはその分マスの枠に当たる事が多く、球が弾かれる事多数。4人の中で一番「うわぁぁぁ」とうなり声を上げる機会が多かった。

2点
12点

プレイ後、レシートの形で成績がプリントアウトされる。

しぶちょおは、ダントツの12点。4球しか当てていないのに何で?と聞いたら、「ここを狙え」マスに指示通り当てたら、それは5点で計算されるそうだ。これが2回あったので、ダントツ。

[第3種目:パーフェクトピッチング 結果]
1位:しぶちょお 12点
2位:おかでん  02点
2位:ジーニアス 02点
4位:ばばろあ  01点

同率順位があった場合は、得点を折半することにした。つまり、この場合2位が2名いるので、2位の2名には(2位の点数6点+3位の点数3点)÷2=4.5点、が配当される仕組み。

カートコース入口
フォーミュラサーキット

まだ外は小雨が降り続いている状態だったが、フォーミュラサーキット場ではレーシングカートが営業をしていた。

「雨の中やらんでも・・・」という声が先ほどから出ていたが、「まあそう言わんと、ここまで来たんだから」となし崩し的にレース決定。「いいじゃない、減るモンじゃなしぃ」と。開国してくださいよぅ。(c)ペリー提督

ランドカー

ランドカーが多数待機中。ガレージから溢れんばかりに余っている。

借りる人がほぼ皆無だったようだ。実際、この施設に滞在していた1泊2日の間、ランドカーを楽しげに運転している光景は1度か2度程度しか見なかった。レンタル料金が高いので、基本ブルジョアの乗り物。

「どうする?借りる?」

なんて話も出たのだが、ジーニアスから「やめとけ。ゴルフ場いけばこんなの勝手に乗れる。珍しくもなんともない」と冷や水を浴びせる発言で一同沈黙。まあ確かにそうだ。

実際問題、15分おきに運行されているバスで全く不自由は無かった。当初おかでんが想定していた大運動会ルールのように、頻繁に競技会場を行き来するとなればニーズがあっただろうが、あいにくの雨なのでほとんど場所移動が無i。そのため、15分ヘッドの定時運行されているバスで全く不自由はなし。

もっとも、晴れていたら「ランドカーなど生ぬるい。移動は全部レンタサイクル」と宣告し、アップダウンが激しい道をへろへろになりながら漕いでいたはずだ。競技そのものよりも、移動が疲れるといういびつな大運動会。でもそれがいい。そういう本末転倒は今のおかでんにとって一番ツボにはまるところだ。

スポーツカート
フォーミュラサーキット値段

サーキットでは、「スポーツカート」と「ゴーカート」の二種類を遊ぶ事ができる。

何が違うのか、というと、どうやら「ゴーカート」の方は二人乗り、2ハンドル仕様車になっているらしい。こちらのゴーカートは雨のため営業中止。

スポーツカートがOKでゴーカートがNGというのがよくわからないが、恐らくゴーカートはバッテリー駆動車で、雨の中走らせると漏電して股間がシビレてしまうからではないか、という結論に勝手に落ち着いた。本当かどうかはわからないが。

スポーツカートは、ちゃんとカウルが装着された「スポーツ」の名にふさわしい外観。既に2台は、客寄せ用としてか屋外のスターティンググリッドに整列していた。

コースは一周1.6kmもあり結構長い。スポーツカートも営業していなかったら、ここで「1,600m競走」をやっても良かったくらいだ。ここを、一周いくらという形ではなく、「7分」という時間制限の中で走るということになる。あんまり勢いよく回りつづけると、バターになってしまう恐れがあるので7分程度でストップしとかんと、という思惑だろう。

注意書き1
注意書き2

スピードが出る乗物なので、受け付け横には注意書きがいっぱい。

「遺書を書け」「愛する人がいるなら、車に乗る前に一言でも電話で連絡を取っておけ」「トイレに行ったか?ちびっても知らんぞ」といった物騒な表現が並ぶ。

というのはうそだが、専ら身だしなみについての記述だった。

「カートは、F1を最高峰とするカーレースカテゴリの裾野として愛されています。プロを目指してレースに挑むなら、年間数百万円が必要とされ、貧乏人には無理な紳士淑女のためのスポーツです。そのため、ドレスコードも当然あり・・・」「レーシングスーツの下にシャツとネクタイは必須。ボタンダウンの襟はカジュアルなので不可。ズボンでツータックはださいので不可。折り目がついていること。靴は・・・」

とまあ、細かい細かい。

それは嘘だとしても、ヘルメット手袋の着用が求められ、上着はバサバサ言わないようボタンやファスナーを全部閉じろ、髪が長い女性は髪を束ねてメット内に入れろ、などといろいろある。

あと、当然だけど飲酒運転禁止。あぶねー。昼ご飯がうなぎボーンだったおかでんだが、昔のおかでんだったら絶対ここでビールを飲んでた。今回は飲んでいないので、心おきなく競技可能だ。

申込書

こういう諸々の諸注意を読んだのち、免許書の提示と申込書に記名を求められる。住所まで書かせるくらいなので、よっぽど慎重だ。

破損料一覧1
破損料一覧2

「おい、おかでんサンこれを見ろ!」

コース脇に、カートの写真とともになにやらいろいろ書き込まれている。何?「破損料一覧表」だって?おおおい、壊れたら損害賠償請求されるんかい。

故意で壊したなら兎も角、不慮の事故で壊れるというのは主催者側の想定範囲内じゃないんか、と思う。

家を転居する際、畳の色褪せなどは「経年劣化」であり居住者の責ではない。だから、敷金で畳をやり直すというのは本来やってはいけない事だ。タバコの焦げ跡ならともかく。それと一緒ちゃうんか。すげーしっかりしているなつま恋。

なぜこの件でおかでんサンに注目が集まるかというと、以前この面子で無印のキャンプ場で「雪上ドライビング教室」を受講した際に、車をコントロールできずに雪山に車が突撃、バンパーの一部が外れるという「車の破損」をやらかした経験があるからだ。

そういえばその時と全く同じ面子だし、あのドライビング教室をやった場所は「カンパーニャ嬬恋」だったな。偶然にも同じ「つまごい」という名前でやんの。やべー、今回、そのご縁でまた車壊すかもしれん。

破損料はパーツ毎に細かく設定されており、一番壊しやすそうなフロントバンパーは7,040円。サイドバイサイドのバトルをやって、タイヤ同士なんぞが接触したらフロントホイール7,560円、ナックル10,500円など。たけぇ。

ちなみに一番高いのがフレームで、88,000円。フレームが歪む、なんて事態は大クラッシュして横転でもしないとありえないが、キモに銘じておかないといかんな。

ウェア1
ウェア2

ウェアの着用は義務づけられていないのだが、一応無料で借りられるということなので全員が着用する。ウェアが威力を発揮するのは、クラッシュしてふっとばされて車から投げ出されました、とかエンジンが炎上爆発しました、といった非常事態だが、まあ一応念のために着ておく。

既にみんな冬服をもこもこ着込んでいる上に羽織るので、サイズが足りない。とくに骨格が大きいおかでんとしぶちょおは、「体に合うサイズがない」とあれもこれも着てみるハメになった。ようやく体を押し込んではみたが、ピッチピチ。なんていう活きの良さだ。

これにヘルメットとグローブ装着して、一応インチキくせぇレースドライバーの完成。ドライバー、というのはいまいちだな。「パイロット」とこの瞬間だけは俺たちを呼んでくれ。

とはいえ、「ウェア」といってもどうやら雨合羽にすぎないので、ビシイッと決まった感はほとんど無い。プロのレーサーはスタート前に心拍数が200ちかくまで上がるそうだが、何だか僕ら、逆に心拍数が下がってきそうだ。

スターティンググリッド

4人中3名がほぼ同じ服とヘルメット、そして赤いカートだったために誰が誰だかわからなくなってしまった。

職員さんの説明を、スターティンググリッドで聞く。

多分4ストロークの100ccエンジンで、本物のカートレースに使うものとは違う「お遊び用」だと思う。でも、すぐ脇にエンジンがドドドドと唸っているのは楽しい一時。

さあ、テールtoノーズの戦いをやるぜ、と身構えていたら、職員さんから

「安全のため、一人が出てあそこの(随分先を指さす)コーナーを前の人が通過してから、次の人がスタートになります」

だって。あれーっ。グリーンシグナル点灯で一斉スタートじゃないのか。

しまった、これはどうやって勝ち負けを決めればいいんだ。

混乱したまま、ポールポジションのおかでんからスタート。良いポジションゲットだ、これで勝ち逃げしてやるという目論見はものの1分足らずで終了。

一応、ある程度進んだところで二番目のばばろあの到着を待っていた。四人そろうまでタンデムで走行し、そろったところでルマン式のスタートにしようと思ったからだ。

しかし、ばばろあは「遅い奴はぶち抜く」とあっけなくおかでんを抜き去り、そのまま後ろを振り返りもせずに全力で走り去ってしまった。おい、話が違う。あ、そうか、話なんてまだ何もしていなかったか。正確には「おかでんの想定と違う」。

随分とばばろあに引き離され、これじゃもうレース形式は無理という段階になって、諦めておかでんも全力走行へ。なんとか自分含めて後続3名でレースをやっても良かったのだが、なにせヘルメットを被っているので言葉で意志疎通ができない。相手に伝わらず、また「どうだ」とばかりに後続にブチ抜かれるのはアホらしい。そもそも、レースはじめたら職員さんから「危ないからやめなさーい」って言われるかもしれんし。アテがハズレたぁ。

結局、何だか各自が各様にコースを攻めて終了、となった。途中、ばばろあがスピンしていたので、おかでんは再度ばばろあの前に出て、徐行してレースに誘おうとした。しかしやっぱり意志疎通ができず、再度抜かれるというハメに。

一応競技として得点をつけないといけなかったので、こういう事にした。

・スピンした -1点
・途中、車から降りた -1点
・抜かれた -1点
・抜いた +1点

何しろ、ラップタイム表示器もないので、これくらいしか採点基準がない。

[第4種目:レーシングカート 結果]
1位:ジーニアス 0点
2位:おかでん  -1点(抜かれた)
2位:しぶちょお -1点(スピンした)
2位:ばばろあ  -1点(スピンした、車から降りた、抜いた)

おかでんがスタート直後にばばろあに抜かれたのは意図的な徐行によるものであり、対象外とした。二回目に抜かれたのも、おかでんが徐行して背後までばばろあを引き寄せたからだが、ブロックラインをとっていたにもかかわらずぶち抜かれたので、これは素直に「抜かれた(おかでん視点)」「抜いた(ばばろあ視点)」と採点した。

ジーニアスは、「普通に最初から最後までマイペースで走っただけ」なのに1位獲得という、なんとも幸運な結果に。「まじかよ俺棚ぼたじゃん」と、喜んでいいのやらなんやら微妙な顔をしつつ、でもやっぱり喜んでいた。

アーチェリー料金表
アーチェリー解説

カートレース(というか、カート試乗会状態)を終えたわれわれは、ぱっつんぱっつんのウェアを必死になって脱いで、そのまま歩いてレクリエーションセンターに戻った。

巡回バスに乗っても良かったのだが、ぐるーっと反時計回りに回って、SMCを経由するくらいだったら歩いた方がいいや、ということで。この歩くのも、競歩として競技でここはぜひ。・・・といったら、絶対全員から反対されて廃案になるので、提案するのはやめとく。

実際歩いてみると、レクリエーションセンターまでは案外近かった。バスは安全第一・最徐行で走っていたらしい。なにせ、今日は皆無だけど、普段は歩いている人・自転車・ランドカーなどが走っている道路。ぶっ飛ばすわけにはいかないのだろう。

レクリエーションセンターに戻ったらちょうど頃合いがよろしいようで。すぐに予約してあったアーチェリーに取りかかる。

カウンターを見ると、「ターゲットアーチェリー」というのが競技の正式名称らしい。「『不沈艦』スタン・ハンセン」とか、「『殺人魚雷』テリー・ゴディ」みたいな愛称だと勝手に理解。しかし、後日Wikiで調べて見たら、そういう名前の競技であることを知った。うわそうだったのか。

単なるアーチェリーとは若干違うやり方で行われる、西洋式弓矢競技がターゲットアーチェリー。その詳細は説明するのがかったるいので割愛。いずれにせよ、われわれはその競技ルールではなく、もっと簡略化された「的に狙って矢を放てばよろしい」ということだった。

レーザークレーとは違い、今度は矢だ。人に向けて撃てば、矢鴨どころか矢人ができる。というか、人殺しはできる。よし、今まで憎いと思っていた隊員のあいつをこの際・・・やめろ。そのせいで、職員さんからの事前レクチャーは結構細かく行われた。危険だから、というのもあるが、矢を放つだけでも結構大げさな装備が必要だから、という事もある。

アーチェリー用の器具1
アーチェリー用の器具2

まず、職員さんから黒いものを渡される。セクシー下着かと思ったら、これを左腕につけよという(右利きの場合)。ボウ(弓)を左手で持つため、ストリング(弦)がばちーんと腕に当たるのを防ぐ役割があるという。なんだ、股間に装着するのではないのかと一同落胆(と、おかでんは勝手に解釈。ちなみにおかでんはそんな不埒な事は考えていない)。

ちなみにこれを装着していても、思いっきりボウを放った瞬間にストリングが腕をひっぱたき、各自必ず一回以上は「いってえ!」と絶叫していた。しぶちょおに至っては、あざを作ってしまったくらいだ。おかでんもあざ寸前。

その次はなにやら白いサック。グラブといって、今度は右手にはめる。指三本だけを覆うという特殊な作りになっているが、アロー(矢)を放つ際に手を保護するためのものだそうだ。なんだこれもセクシー下着では(以下略)

アロー
ボウ

そのあと、アルミ製のアローと、アローを腰にぶら下げるためのクイーバー、そしてボウが渡された。さすがにボウとアローを手にすると、未体験ゾーンということで相当ワクテカする。

ボウは、オリンピックの中継で見たことがあるような、アンテナみたいな棒がにょきにょき生えていたり、照準あわせのための計測器がついているようなものではなかった。至ってシンプル。さすがにそんな「プロ仕様(といっても、オリンピック選手はアマチュアだが)」は不要ということか。

「うーむ、もう少し・・・上か・・・」とかいいながら、したり顔であれこれ微調整してみたかったんだが。これだと、ラブ時空の通販で売られている弓とあまり変わりない。

「胸当ては?胸当てはないのか?」

としぶちょおが言う。確かに、弓道では女性が胸当てをしているのを見たことがある。漫画の世界で、だけど。多分あれは女性用のものなんだろう、ということで一同沈静化。

「胸当てがいるなら、ポニーテールにしないと始まらんだろう」

的外れな事をおかでんが言う。

なんだかコスプレをどこまで凝るんだ?みたいな世界で盛り上がってる。

的
アーチェリーの説明を受ける

アーチェリー場に一同移動。そこでもまた、職員さんの説明が入る。相当手間がかかっている。こりゃこれ単体で商売ベースには乗らないな。

30mほど先に大きな紙の的が張ってある。的の後ろは畳。ここに向かって矢を放つ。1ゲーム6発のアローを打ち、点数を集計し、それを6ゲーム。合計6×6の36発のアローで勝負ということになる。的の中央が10点で、一番外が1点、それ以外は0点。良く見ると「亀の子たわし1年分」とか書いてあるんじゃないかと思ったが、さすがにそういうトラップはなかった。

ボウリングのように、投げた球が自動的に戻ってくるなんて電動化は当然されていない。だから、全員が1ゲーム終了したところで矢を拾いに行く事になる。ここで、全員の終了を確認しないまま矢を拾いに行くと、運が悪いと串刺しになる。おかでんは一回、危なく串刺しにされるところだった。

アーチェリー1
アーチェリー2
アーチェリー3

セットアップ→ドローイング→リリース→フォロースルー

一連の動き。

事前に言っておくが、おかでんは初心者なので、この姿勢は「駄目な例」なので注意。

なんで弓矢って、ああやってうまいこと引き絞ることができるのかと思っていたが、実は簡単な話。矢のお尻には割れ目があって、そこに弦をひっかけるのだった。そして、弓には矢を乗せるための出っ張り(レスト)があるので、そこに弓を乗せればOK。なるほどー。弦を引き絞ったときに矢がぽろっと落ちないような仕組みがあるのだな。

写真のおかでんは、ドローイングをしている時(写真中央)に、体がのけぞっている。これだと、矢は明後日の方向に行く。他の人も似たようなもので、的がある建屋の屋根に矢を突き刺してしまったり、畳を素通りして敷地の裏に飛んでいったり、隣の的を射抜いてしまったり、最初の頃は散々だった。

「へべれけ紀行」に登場する「コダマ青年」は、学生時代アーチェリー部の部長だったので、事前に彼にレクチャーを受けておけば良かった。とはいっても、今は上海在住な人なので、習いようがないが。2010年春の上海は、万博を控えて厳戒態勢だとコダマ青年はぼやく。間違っても、「アーチェリーの使い方教えてやるよ」と近くの公園にボウを持ち出したら、確実に逮捕される。

串刺しになった的

コツを掴むもの、コツを掴めずもがくものに二分された競技だった。

おかでんは、途中から「コツを掴んだ気」になって、ストリングを強く引くようになってしまい、どんどん的から嫌われてしまった。ほら、ボウリングでもいるじゃないですか、ちょっと上手くなったもんだからって、球を早く投げたりカーブかけたりして、全然駄目になっちゃう人。それと一緒。

一方、マタギ(ばばろあ)としぶちょおはゲーム毎に調子をあげていき、お互いで競い合っていた。

「ああ!1本外した!」

なんて言って悔しがっているくらいなので、おいそれは1本しか的に当たっていない僕ら(おかでん&ジーニアス)に対する嫌味ですか、という差ができていた。

さすがマタギ、こういう狩猟形の競技は強い。しぶちょおと最後まで争った挙げ句、マタギの名に恥じない1位を獲得した。やあ、面白い競技だったなこれは。

[第5種目:アーチェリー 結果]
1位:ばばろあ  122点
2位:しぶちょお 102点
3位:おかでん   77点
4位:ジーニアス  71点

ちなみにスコアカードによると、
「ガンバロウ 100点以上」「初級 150点以上」・・・「達人240点以上」ということなので、僕ら全員「ガンバロウ」ということだった。いや待て、「100点未満」は何も書かれていないぞ。「センスないから二度とやらない方がいいと思う。いやマジで」という事なのか?そうなのか?

チャレンジして下さい
パターゴルフ料金表
ワイルドコースのコース図

雨はまだ若干とはいえ降り続いていた。

しかし、このレクリエーションセンターでできる競技といえば、残るはパターゴルフのみだ。パターゴルフといえば、アワレみ隊公認スポーツとも言えるものであり、あんまりスポーツ企画をやらないわれわれであっても、この競技だけは前後をわきまえず飛びついてきた。

パターゴルフをやる際は、必ず「アワレみオープン」という名前が冠になるのだが、アワレみ隊メンバーしかいないのに「オープン」を名乗るのは全く理不尽だ。ちなみにアワレみオープンという名前が出てきたのは、「日本分断作戦(国道152号線縦断)」企画からなのだが、あの時はパターゴルフに時間を割きすぎて、危なくゴールインできなくなるところだったくらいだ。

というわけで、雨でもやります。決定。異議は認めない。

この頃になると、全員雨に打たれ慣れてしまい、誰も制止する者は居なかった。というより、パターゴルフがいかにご馳走であるかというのをよく知っているので、これを見逃す手はあるまい、というわけだ。
受付カウンターに行って申請すると、「ファミリーコースとワイルドコースがありますが」と言われた。おっと、そうなのか。正確には、ファミリーコース9ホール、ワイルドコースが2種類9ホールずつの18ホール、計27ホールがここには存在している。

おかでん、自信たっぷりに

「もちろんワイルドコースで。僕ら、道行く人に『あの人、ワイルドよ』と指さされるくらいワイルドなんで」

なんて適当な事をぺらぺらしゃべる。

「ワイルドコースはアップダウンが結構ありますが・・・」
「そういうのがいいんです。僕ら、生まれつきワイルドなんで、『Born to be wild』と・・・」

もうそのあたりでやめとけ。

人生初のアーチェリーをやって気分が高ぶったからか、やたらと口が軽い。

ワイルドコース
ワイルドなしぶちょお

指示された場所に行ってみてみる。うん、パターゴルフ場です。

一見普通のように見えるのだが、いざ足を踏み入れてみると、ここのワイルドさがわかる。

「フェアウェイから外れたら、転がり落ちるじゃないか」

このワイルドコース、細いフェアウェイが盛り土の上に作られており、そこから少しでも逸れるとあれよあれよと球は奈落の底に転がっていくのだった。すげえ。その名に恥じないワイルドっぷりじゃねぇか。気に入ったぜ相棒。

パターゴルフって、コースがくの字型になっていたら、「敢えてラフをショートカットしてみるか、それとも順当に刻んでいくか」という判断がつきものだ。しかし、このコースに関してはそれは無理。ショートカットした瞬間、それは果てしない大回りになるのだった。こんな三次元コースは初めて見た。

写真右はしぶちょおのファーストパットだが、なんとかくの字のコースの角をギリギリで通過させようと、左端から打っている。しかしこのコースの侮れないところは、安全地帯だと思っていた青芝のフェアウェイでも既に傾斜がついていて、ギリギリを上手に狙えたとしても「あれ?あれれれ・・・」と予想外に球がサヨウナラしていくこともあるのだった。

水たまり

しかもこのコースのワイルドっぷりは、徹底していた。

雨の日ということもあって、低いところに雨は集まる。これ自然の摂理なり。その結果、コース脇の至る所に水たまりができているのだった。

ただでさえ、コースから逸れたら、復帰するために急坂を攻略しなくちゃいけないので打数がかさむ。それに加えて水たまりにはまったら、もう大変おいしい目に遭う。こういうところで「しまった」という顔をする人はアワレみ隊にはいない。「おいしい」と思って、むしろそのシチュエーションを楽しまないと。

なお、この水たまりは湿地帯に見えることから、おかでんによって「ラムサール」と名付けられた。そのため、「ああー、ラムサール!ラムサールに入った!」「うひょー」なんていう他人が聞くと意味不明な発言を各自がするようになった。30半ばのおっさん4名というだけでも怪しい集団だが、ますます怪しさがUP。

アワレみオープンの基本ルールは「ギブアップ無し、OBやウォーターハザード無し」。たとえ何打かかろうが、ホールインするまではゲームが続く。以前、2000年に行われた大会では、蛋白質がまさに崖の下(高低差は5m以上ある)に球を落とし、そのためそのホールでは50打以上をブッ叩いた実績がある。容赦はしない。

もちろん、後続のお客さんがいたらこんなルールは当然できないが、幸いこの日はわれわれが9ホールを貸し切り状態。やりたいようにやらせて貰えた。

排水穴まである
強引にパット

さらなるトラップが。

排水穴。そりゃそうだわな、雨が降ったらラムサールになるような場所だ、ところどころ排水できるようにしておかないと、雨上がりから数日はラムサール条約抵触だ。

しかし、この穴をフタしている鉄格子がとんでもないトラップなわけで。ちょうど上手い具合に、ゴルフボールをちょこんと乗せてしまうのだった。このコースの設計者、ここまで計算の上で「ワイルド」を名乗っているのか!?

当然こういう穴があるのは低い場所。本来のコースは高いところにあるので、コースに復帰するために強くパットするのは当然のことだ。力が弱いと、球が坂を登り切れずに戻ってきてしまう。

しかし、こういう格子の上でガンと打つと、手がシビレそうで怖い。恐る恐る打つことになるのだった。

写真右のばばろあは、ちょうど格子の向きと目指している向きが一致していたから大事には至らなかった。問題はおかでんで、2回この手の穴にはまった際、そのいずれもが格子の向きと打ちこみたい向きが90度ずれていた。そこを何とかしてくれよ、ええい力任せで行け南無大師遍上金剛、とかぱーんと打ったら、格子の力や恐るべしでそのまま格子の向き、すなわち球が90度もずれて遠くへすっ飛んでいった。初めて見た、パターで球が横に飛んでいくなんて。

当然、そういうホールは、完全におかでんは勝負にならなかった。なにせ、球がありえん方向へ力任せで飛んでいくんだもの。

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