猪蟹合戦
日 時:2011年(平成23年) 02月11日~13日
場 所:静岡県賀茂郡松崎町 雲見温泉、静岡県伊豆市湯ヶ島
参 加:おかでん、ばばろあ、しぶちょお (以上3名)
以前から、しぶちょおは「西伊豆でタカアシガニを食べたい」ということを口にしていた。
タカアシガニ。その大きさはカニの中では世界最大を誇り、写真でその姿を見てみると、確かにデカくて大層男前だ。「世界最大の生き物」なんて日本のような気候風土では存在しないと思っていたが、ところがどっこいタカアシガニはしっかりと根付いているのだった。なんでも、急に水深が深くなる駿河湾の地理的構造のおかげらしい。そのため、西伊豆ではタカアシガニが名物だが、東伊豆では全然見かけない。東伊豆だと、せいぜい金目鯛とかイセエビだ。
デカいことは良いことだ、とは思わない。しかし、こんな大きさのカニを食べるとさぞや痛快だろう。
今回、2月の建国記念日3連休にアワレみ隊はどう取り組むか、という議論をチャットでやっていた時、あらためて「西伊豆でタカアシガニを食べる企画」が持ち上がったのだった。タカアシガニの旬は冬なので、今食べておかないと今度いつ食べられるか分かったもんじゃない。
とはいえ、西伊豆は結構交通の便が悪く、車で行くにしてもそれなりの時間を要してしまう。となれば、一泊二日でタカアシガニだけ食べて帰るのはあまりにもったいない。二泊三日の行程にして、二泊目も伊豆の美味美食を満喫するというのが良いというのは明らかだった。
そこでおかでんから提示されたキーワードが「イノシシ」だった。伊豆の冬の味覚といえば、イノシシが有名。一日目にタカアシガニという海の幸を食べ、二日目に山の幸であるイノシシを食べれば、なんとなく「冬の伊豆を攻略完了!」という気持ちになりそうだ。「猿蟹合戦」というむかしばなしがあるが、アワレみ隊は「猪蟹合戦」で伊豆を制圧することにした。
一泊目は西伊豆の南側、雲見温泉でタカアシガニ。二泊目は湯ヶ島でイノシシ料理とすることを決め、宿を手配。さあ、アワレみ隊名物食い倒れの旅が始まるよ。
2011年02月11日(金) 1日目
午前9時。三島駅で一同集合。おかでんは新幹線で、しぶちょおとばばろあは車で現地入りした。岡山在住となっているばばろあは、愛知のしぶちょおの家で前泊。夜明け前から行動開始している。
移動手段はもちろん車。今回は珍しくレンタカーを調達した。
アワレみ隊専属ドライバーであるしぶちょおは車を持っているのだが、なにせ2シーターのロードスターだ。3人が乗ることはできない。一方、東京のおかでんも車を持っているのだが、愛知と香川からやってくる二人の利便性を踏まえて、今回は車を出さなかった。そのかわり、しぶちょおが名古屋でレンタカーを借り、ばばろあと共に車で三島入りすることになった次第。
修善寺を経由して、西伊豆の玄関口である土肥(とい)に向かう。途中、土肥峠のあたりで雪が降り出して一同びっくり。伊豆って温暖で雪が降らない場所だと思っていたが、降るときは降るもんだな。後で宿の人に聞いたら、伊豆で雪が降るなんて年に1度あるかないか、くらいだという。
土肥ではイベントを一つやろうと考えていた。「フィッシングパーク土肥」という海上釣り堀があるという話なので、そこでアワレみオープン釣り大会を開催しよう、というわけだ。
あれ・・・これが釣り堀?人が一人もいない、どころか、釣り堀と思しきいかだが桟橋から離れている。まさか不人気で潰れた?
おおう、荒天のためなのか、本日休業になっているではないか。がっかり。われわれは雨の中でも大物を釣り上げる気満々だったというのに。実はここで釣り上げた魚は、指定されたお店に持ち込むとさばいてくれて、そのまま食べさせてくれる(有償)。われわれのお昼ごはんは釣った魚で決まり、と想定していたので、予定が激しく狂って途方に暮れる。釣りが楽しめなかった、というより、ボクらのお昼ごはんどうなっちゃうの、という気持ちの方が強い。
ここで釣りをする場合、貸竿代(餌付)で1,000円かかる。それとは別に、釣り上げた魚にはそれなりの費用がかかる。タイだと2,000円、アジで200円、メジナは1,200円など。
だから、うっかり一人1匹ずつタイを釣りあげたりした日にゃ、3匹で合計6,000円といったお会計になってしまうのだった。自分たちの胃袋の空き状況を把握しつつ、お昼ごはんに何を何匹食べるか、考えないといけない。われわれの事前想定としては、三人でタイ一匹、あとはアジを一人1~2匹くらいかなあ、というものだった。
それとは別に、面白いルールがこの釣り堀にはある。イケスの外で釣った魚については費用は請求されない、というものだ。考えてみれば当然な話だが、これはありがたい。なので、胃袋を満たすメインの魚はイケスの外で釣り上げようと思っていた。
でも、それがまさかの本日休業により全部おじゃん。さて、どうしようかな。
釣りができなかった分、時間が余ったので近場にある観光スポット、土肥金山に行ってみることにした。
入場料一人あたり840円なので相当お高い。入るか入らないか、議論があったが、外は雨が降っているし時間には余裕があるし、で結局中に入ってみることにした。
土肥金山の観光坑道。
まっすぐに伸びる坑道の写真をとる二人。傍からみると、二人の大人が坑道の中でしゃがみこんでおりなんだか変な構図。
※写真を撮る際ブレやすいので、脇をしっかりしめるために二人ともしゃがみ込んでいる。
坑内には「働く人形」が展示されていて、当時の様子を知ることができる。
昔は佐渡金山に次ぐ、日本で二番目の産出量を誇る金山だったらしい。1965年に資源が枯渇して閉山になった。
佐渡金山に展示してある人形たちは、島流しにあって強制労働させられている人。だから、労役的な意味合いが強い展示になっていた。一方こちらの土肥金山は、「苦しい、きつい」といった雰囲気は特に感じさせない展示になっていた。
一部の人形は機械仕掛けで動いていた。
この人形がそうなのだが、首が90度以上曲がってこっちを見るので、なんとも気味が悪かった。
ばばろあが真似をするが、当然人形より首が回らない。
坑内風呂
土肥の温泉は金山から湧き出したのが始まりといわれており、当時から坑内で湧出した温泉は坑内で働く金堀たちにとって作業の疲れを癒しながら最も楽しい一時の憩の場所でありました。
・・・だそうだ。仕事終わりに温泉に入れたんだとすれば、そりゃ楽しいわな。しかし、泥まみれの人たちが風呂に殺到するわけで、坑内温泉が快適だったかどうかは非常に疑問ではある。人形は入浴中の女性もいて、なんだかセクシーかつ愉快な場所に見えるけど。
坑道から出たところにある「黄金館」。金に関する展示がある。
そこで、千両箱が展示されていて、「持ち上げられるもんなら持ち上げてみろやコラア」と挑発してきている。ならば、ということで持ち上げてみたが、これが重いのなんの。腰を痛めそうだ。後で知ったのだが、箱の重さと小判の重さを足したら20キロ近くあるらしい。
この千両箱を肩に抱え上げて屋根づたいにひょいひょいと逃げ回るねずみ小僧は相当な筋力の持ち主だろう。金に目がくらんだら、火事場の馬鹿力が出るのかもしれない。
こちらは「金塊実感体験」ということで、金の延べ棒(12.5キロ)を持ち上げることができるようになっていた。延べ棒一本でも相当重い。
金塊を手にし、思わず満面の笑顔になるしぶちょお。
さすが「黄金館」を名乗るだけあって、まだそのほかに実際に触ることができる金塊が用意されていた。こちらは250キロ!なんてぇ重さだ、と驚く以前になんてぇ値段だ。2月10日時点、9億56百万円」という表示があった。この金塊1個あれば一生楽して暮らすことができるぞ。すげえ。鰹節削り器でこの金塊を少しずつ削って、それを売って1日1日過ごしていけば、一生ものだろう。
これは持ち上げるのははなから無理なので、タッチするだけ。
わざと爪を伸ばして尖らせておいて、金塊を少しずつ削るといった泥棒&器物破損の輩はいないのだろうか?
お土産もの売り場の脇に、記念メダル刻印機があった。
以前アワレみ隊で関ヶ原に行った際、記念メダルを購入したわけだが、その時「今後は記念メダル刻印機があったら毎回メダルを作っていこう」とした決まり事がある。なので、ここでも記念メダルを購入することにした。
小判を模したメダルに「AWAREMI-TAI 2011-02-11」という文字を刻印させた。記念といっても、引き出しの奥にしまっておくようなものなので、どこまで本当に記念になるかはわからないが、とりあえず一応。
屋外に出たら、「上御用金」と書かれた札を掲げた大八車が。
こんな目立つ形で、しかも丸腰で輸送していたら、襲撃し放題ではないか。チートモードを地でいっている雰囲気。
でも、先ほど重たい千両箱を持ってみたので、ここで襲撃しても千両箱を強奪するのはかなり難しいことが分かる。リスクがでかいので襲撃はやめとけ。
順路を通っていくと、なにやら長い養殖池のようなものが並ぶエリアがあった。砂金採り体験会場だ。「30分砂金採り放題」を謳っているが、「取り放題」っていったってそうたくさん取れるおのではあるまい。
ちなみに料金は30分で600円。われわれは観光坑道の入場料840円で既にビビっていたので、この600円は払わなかった。ちょっと物価が高いですな、この土肥金山は。
水槽の中をのぞき込んでみると、砂が敷き詰められている。黄色っぽい色をした砂も混じっているが、まさかこれがあっけなく砂金でございます、という訳ではあるまい。砂金を拾い上げるのは相当難儀しそうな気がした。
ちなみに上手な人は、30分間で50個近く砂金を見つけるらしい。50個、といってもしょせんは砂粒。非常に少量しか取れないわけで、とても大変だ。
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