13:13
「ズワイガニUFOキャッチャー」が置いてあって笑った。
こんなものがあるのか。
まさか本当にボイルズワイガニが入っているわけがないので、これは一体なんだろう?と思ったら、ズワイガニの足の形をしたおもちゃだった。「ノックするとツメが動く!」というPOPがケースについている。
UFOキャッチャーとしては面白いけれど、景品は全く欲しいと思わない。微妙な内容ではある。これ、100円払って失敗した人がアツくなって「もう一回!もう一回!」ってなるのだろうか?我に返って、「やっぱりいらないよな、これ」っていう気持ちになりそうな気がする。
こっちはビンゴマシン。
当たればイクラ200g、活〆イセエビ3尾、とろびんちょう5kgなどの景品が貰えるらしい。ビンゴマシンの横に「目録」と書かれたのし袋が飾られているのが面白い。
もし本当に当たっちゃった場合は、後日自宅配送ということになるそうだ。これは面白い。でも、景品が豪華すぎて、当たる気がしないのでお試しする気にはならなかった。
ビンゴって、機械を相手にやって楽しいものではなく、集団でやるから楽しいものだ。他人よりもいち早く上がりたい、という競り合いがハラハラさせられる。このマシンの場合、ひたすら「イクラ!エビ!マグロ!」と物欲だけに対してテンションを上げていかないといけない。魚介好きの方はどうぞ。
13:18
そういえばこの焼津さかなセンターには食堂が見当たらない。ないわけはないので、どこかにあるだろうと思ったら別棟に大食堂があった。バスでやってくる団体客にも対応できるようなサイズ感だ。
店頭にはずらっとメニュー写真のボードが並ぶ。
さすがに実物を並べるわけにはいかないし、旬によって魚の種類はコロコロ変わっていくので、いちいちその食品サンプルを作って展示するわけにもいかない。なので、写真パネルをショーケースに飾るというスタイルになっている。
それにしても、こうやって俯瞰すると魚食レストランのメニューって「赤・茶・黄色」が多いんだな。どのパネルも似たような色になっている。
いろいろメニューがあるのだけど、お値段はやっぱり高い。
東京とくらべてどうなのか、というのはよくわからないが、1,000円で一食が完結するような値段設定にはなっていない。
「それでもこれは魅力だなあ、ここで食べておかないと後で後悔するなあ」というメニューがあるならば少々高くても食べる気になるのだけど、僕にとってそれはなかった。
なので、結局ここでご飯を食べることなく、パスした。
本日の最遠目的地、富士山静岡空港にやってきた。
焼津市、藤枝市を通過して、大井川を越えた先の牧之原台地にある。丘の上にあるので、空が広い!
・・・いや、当たり前か。「空が狭い空港」ってありえないよな。
僕がこの空港を訪れたかったのは、開港当時ネットで散々薄ら笑いの対象として取り上げられていたからだ。
自分の県に空港がない静岡県がプライドを満たすために採算度外視で建てたんじゃないか、という憶測があり、そういうのがネタとしてネットで消費されていった。
あと、東海道新幹線が通っているトンネルの真上に空港を作り、静岡県はJR東海に「静岡空港駅を作ってくれ」と請願した、というのもネタとして香ばしかった。JR東海は前後の駅間が狭く(静岡と掛川)、こんなところに駅、しかも地下駅で事実上空港専用となる駅を作るのは無理、と突っぱねた。静岡県がJR東海のリニア工事に対して異議申し立てを繰り返しているのは、静岡空港駅で邪険にされた仕返しという面もある。
そもそも、この牧之原台地というのは広大なお茶畑だ。茶畑空港。静岡市街から遠いし、静岡第二の都市である浜松からも遠い。噂には聞いていたけど、訪れてみてマジで茶畑空港なのでびっくりした。ネット上で随分歪んだ切り取られ方がされて、それに基づく冷笑だと思っていたが、確かにこれはすごい立地だ。
静岡には鈴与という巨大企業がある。その鈴与も出資する形でFDA(富士ドリームエアラインズ)という航空会社が作られ、静岡空港を拠点に就航している。このFDAがあるお陰でなんとか空港に定期便があるという体で開港に至った。
なお、FDAは小さな航空会社なので、A空港とB空港を一日何便も飛ばす、という運行が開業当時は難しかった。そのため、A空港⇒B空港⇒C空港、みたいな三角形のルートでぐるぐる日本中を飛んでみたり、松本空港や花巻空港という結構マイナーな空港を積極的に開拓したり、面白い経営を行っている。
そういう独特な航空会社であり空港なので、一度見てみたいと思ったのだった。
いやあ、それにしてもすごいところにあるな。
広島県民だった人間が偉そうに言うな、と我ながら思うが。(広島空港は冗談みたいな山奥にあって、広島市街に出るまでバスで高速道路経由、所要時間50分)
新しい建物を見学するのはなんであっても楽しい。
駅でも、ショッピングモールでも、マンションでも、土木建築でも。
その時々の最新の技術とトレンドが使われていることが多いからだ。
新しい商業施設に行くと、「へえ、最近はこういうお店が出店するのか」と感心させられるし、通路やお店の配置、天井の高さ、吹き抜け、そういうのがいちいち面白い。
で、この富士山静岡空港。
特徴的なのは、巨大な駐車場にせり出したアーチ型の屋根だ。遠くから見ても「えっ、何だ?」と二度見するレベルでデカい。屋内フットサル場があるのかな、と思ってしまうレベル。でも、フットサル場にしても、巨大すぎる。体育館レベルのサイズ。
近づいてみると、身障者車両専用の駐車場になっていた。へえー!!
車いすが必要な方など、さまざまな障害がある人向けに屋根付きの駐車場が用意されているというのは素晴らしい配慮だ。
間違えてはいけないのは、ここは車寄せではない、ということだ。健常者の単なる送迎や荷物の積み下ろしをやる場所ではない。
あと、空港ターミナル間近の駐車場P1は有料になっている。僕みたいにお金を払いたくないマンはちょっと離れたP2駐車場に車を停めている。
空港にどういうお店が入っているか、というのも見どころだ。
特に規模が小さくて便数が少ない空港の場合、空港施設会社の創意工夫が必要だ。
僕が最近見た中では、茨城空港も便数が少ない空港でのどかだったが、LCCによる国際便が就航しているので「日本土産」を売っているお店が目立った。
そうか、ローカル空港と侮るなかれ、れっきとした日本の玄関口なんだな、と感心したものだ。
この静岡空港にも免税店がある。ほかにも、「しずおかマルシェ」とか「メイドイントーカイ」という名前のお店があって、静岡における空の玄関口感が強い。
へえー。
FDAだけでなく、いろいろな航空会社が就航していた。
もちろん毎日運行している航空会社は少なく、チャーター便を含めたラインナップだとは思う。それでも結構そろえたものだな。大韓民国2、台湾1、中国5、日本はFDAのほかにANA。
開港当時、JALも就航していたはずだけど、JALが経営破綻して頓挫したことは知っている。その際、空港とJALとで訴訟になった。空港はJALに対して、「搭乗率70%未満だったら損失補填する。だから就航してくれ」と依頼して便を作ってもらった経緯がある。で、JALが破綻した際、JAL側から「損失補填の約束を果たしてください」と言われ、空港が「破綻して一方的に路線撤退した会社に支払う道義はない」と突っぱね、それで裁判になっちゃった。これは結果的にJALの勝訴となったはずだ。
そんなわけで静岡空港とJALとは仲が悪いのかな?と思ったが、よくよく調べてみるとFDAはJALとのコードシェア便として運行されていた。間接的にJALは就航しているということになる。
(つづく)
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