12:06
丁子屋でとろろ汁を楽しんだのち、丸子周辺で気になる場所があったので立ち寄ってみた。
丸子の集落から山に入ったところ、丸子峠と呼ばれているあたりに「世界一のたい焼き」を売るお店があるという。
世界一とまで称するたい焼きを僕ら2人が食べられるとは思えないけれど、どんなものか様子を見てみたい。とりあえずお店の前まで行ってみた。
「世界一大きい 丸子峠大鯛焼き」という看板がある。椅子やベニヤ板で半分隠れているけど。
この看板によると、鯛焼きは60センチあるらしい。確かにデカい。だけど、いまいち実感がわかない。ええと、普通の鯛焼きって何センチくらいあったっけ?日常使いで食べているわけじゃないので、相場感がわからない。でも、たぶん30センチはないだろうな。
おっと、写真発見。
16センチで250円、26センチで600円、そして60センチで4,000円。
値段もさることながら、デカさはさすがだ。これはすごい。こんな鯛焼きを焼こうとすると、型をひっくり返すのに相当な力が必要だろう。というか、こんな特注の型、わざわざ作ったのか。
このお店の鯛は、尾びれがピンとしてキヲツケの姿勢をしているタイプではない。尾びれが下を向いている形だ。ちょっと見慣れないので、すべてのサイズが特注品の型を使っているっぽい。
それにしても「中」サイズの26センチでさえ、相当デカいんだな。写真に写っている人の手のサイズと比べると、26センチが野球のグローブのようだ。
ここの鯛焼きは1匹ずつ焼く「天然」スタイルだ。しかし、魚の型は四角いので、「養殖」に近い。
26センチの鯛焼きを1匹、買ってみた。
良い焼き色!この、焦げる一歩手前が素晴らしい。ホットサンドでもこれくらいの焼き加減がベストだけど、鯛焼きでこの浅黒いものを見るのはなかなかない。パリッとしている感に惚れ惚れする。
26センチだけあって、やっぱりデカい。写真だとサイズ感がわかりにくいが、ちょっと写っているいしの手を見て欲しい。両手でこの鯛焼きを受け止めていることから、この鯛焼きがいかに大きいかがわかると思う。
一方、60センチともなるとこのサイズになる。記念撮影にどうぞ、ということなのか、サンプルとして実物大・・・実物鯛?の60センチ鯛が置いてあった。
ボクシングのラウンドガールみたいに両手で掲げて、記念撮影。
「この際だから!」と調子に乗って買わなくてよかった。これ、「食べきれなかったらお持ち帰りにしよう」ができるレベルじゃないぞ。二人がかりで1/4を食べられたら上出来、というサイズだ。
12:59
26センチ鯛焼きを食べたあと、静岡市街に戻らないでもうちょっと奥に向かってみる。
季節は9月。静岡でも各地でかき氷が売られていて、そのガイドマップが手元にあった。僕はかき氷が好きだ。以前、かき氷の食べ歩きをやっていたくらいだ。
なので、今回の静岡滞在でかき氷が食べられるといいな、と思っていたところだ。
向かった先は、「おくしず」と自称しているエリアだった。
「おくしず」といっても、静岡市というのはとんでもなく奥が深い。南アルプスの山々があまりに折り重なっているため、あまり実感はないものの、北は日本百名山間ノ岳までが静岡県だし、静岡市駿河区だ。ほぼ山梨県甲府市の西。
この間ノ岳から見ると、「おくしず」なんて全然「奥」じゃなくって「手前」レベルなんだけど、間ノ岳が特別に静岡の領土拡張に寄与しているのであって特殊事例だ。「おくしず」地区自体は十分に山里に分け入ってきた感がある場所。
そんなわけで、「オクシズの駅 わらびこ」に立ち寄る。
道の駅ではなく、「オクシズの駅」という謎の概念。
地図を見ると、国道362号線沿いに「オクシズの駅」は3つあるらしい。
それにしてもカタカナで「オクシズ」なんだな。ガンダム世代の人からすると、「アクシズ落とし」を連想するネーミングだ。きっと名前をつけた人は、意識していると思う。そうでなければわざわざカタカナにはしない。
施設の入り口には、「マスク着用・検温にご協力下さい」という掲示があった。
わざわざこれを写真で撮っているというのは、当時まだこれが珍しかったからだ。というのも、2020年春にコロナが流行した直後は、そもそも「日本国民よ、外に出るな」という緊急事態宣言発令だった。緊急事態宣言が明けてから、少しずつ人が行動を再開したときに出てきた概念が「マスクと検温」。特に「検温」だった。
施設入り口に赤外線式の非接触体温計を設置し、37.5度以上の人がいたらエラー音が鳴る仕組みになっている。
当時は「ほほう」と感心してこの写真を撮った。
ここで「手指をアルコール消毒してください」と書かれていないのは、おそらく2020年9月時点でまだアルコールの流通が潤沢ではなかったからではないか、と思う。このあたり若干記憶が曖昧だ。
いっときマスクもアルコールも品薄になり、なんなら病院でさえも「マスクの交換は一週間に一度と上司から指示された」なんていう有様だった。
マスクは中国からの輸入でしばらくして安定供給されるようになったが、アルコールはしばらく時間がかかった。その間、怪しい自称消毒液が出回り、世の中は混乱したものだ。
「オクシズの駅」の道路向かいに「茶の芽」というお茶屋さんがある。
これが今回のお目当て。
「まるごとほうじ茶かき氷」だって。
ほうじ茶そのものを氷にして、それをかき氷器でかき氷にするので「まるごと」なのだそうだ。それは楽しみだ。
(つづく)
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