2020年9月/コロナ時代の静岡にひっそり帰省する

15:56
久能山に戻るため、ロープウェイ乗り場に帰ってきた。

先ほど見かけた、「桜えび団子」が気になるので、頼んでみよう。

「日本平名物」だと銘打っている。海の産物なのに、丘の上で「名物」を謳うのか・・・と思うが、よく考えると別に不思議なことじゃない。ここで桜えび団子がよく売れているなら、それは名物と言って全く問題ない。「特産」と言うとおかしいけれど。

ということで、僕らもその名物が気になるので、さっそくオーダーだ。

へー。

さくらえびパウダーってのが売っているのか。いわし粉、だし粉は静岡おでんにかかっている印象であまり驚きはないけれど、「さくらえびパウダー」は「なるほど、その手があったか」と思う。東京では馴染みのない粉だ。

いろいろ料理に使えそうだ。風味づけに良さそうだ。

甲殻類アレルギーの人に向かってこの粉を投げつけたら、殺人未遂で逮捕されても良いレベルの事件になる。その点では、この粉は凶器にもなる。

1年後に我々夫婦の間に生まれた子どもが食物アレルギー持ちだったため、食材を見るたびにそういうことを考えるようになった。でも、この時点(2020年)時点ではそんなことは全く考えていない。

桜えび団子。

白い餅に赤い桜えびがパラパラと振りかけられたものかと思ったが、桜えびが練り込まれた揚げ団子だった。

うん、これはこれで美味しい。満足してロープウェイに乗る。

16:12
久能山に戻る。

さて、境内の参拝はどうしようか。中に入るためには、社殿500円、社殿+博物館で800円がかかる。

僕はこういうのにお金を払うのを惜しむタイプで、日光東照宮は何度も訪れたことがありながら、未だに中に入ったことがない。拝観料を惜しんで、外から眺めているだけだ。

今回もそうで、遠くから門を眺めるだけで満足した。

せめてズームで、ということで楼門を撮影。

って、あれ?ズームにしては画角がちょっと辻褄が合わないな。

えーと、これは何だ。

今回記事にするにあたって、この写真を見て困惑した。なんだこれ。有料ではないエリアにこんな立派な社殿ってあったっけ。

あれっ、これは・・・?

前後の写真を見比べて、ようやく「ああ、結局お金を払って中に入ったんだな」ということに気がついた。

「思い出した」んじゃない。「気が付いた」んだ。

つまり、参拝したことを何一つ覚えちゃいなかった。これじゃ、わざわざお金を払って中に入った意味があったのかどうか。でも、神社仏閣参拝ってそういう事がよくある話だ。「見た」という事実だけが残る。記憶には残らない。今回の僕の場合、記憶すら残っていなかったけど。

16:42
長い石段を下り、車を停めている海沿いまで戻ってきた。長い道のりだった。

18:45
義父母と、義妹家族とで会食。

コロナ時代ということもあって、お互いかなり気を遣いながらの会食だ。なにせ僕ら東京モンは明らかに「ヤバい場所からやってきた人」という扱いだからだ。こっちも気を遣うし、静岡県民サイドも「あまり近づかないようにしよう」と警戒している。

来年には孫が増える、ということで義父母はとても喜んでくれたが、まだ生まれるまで相当先だ。なので、子どもが生まれたらどうするこうする、という話題よりも、どちらかというと目の前のコロナに関する話題が中心だったと思う。まずはそれを乗り切らないと。

いしは里帰り出産を希望していたが、コロナでそれは実現しなかった。

受け入れる静岡県側の病院が、「他県から里帰り出産をする場合は、診察は静岡入りして1ヶ月間経ってから。夫の立ち会いも同じく静岡入りから1ヶ月が経過してから」という条件だったからだ。つまり、事実上無理。

出産予定日が近づくと診察頻度が上がる。なので、予定日より1ヶ月前どころか、もっと前に静岡入りしていないといけない。そして夫である僕も、立ち会いどころかその後の入院中のお見舞いをしたけりゃ、1ヶ月前に静岡入りが必須だ。できっこない。

一応、建前としては「日帰りで、ちょこっとお邪魔します。妊娠のご報告を両親と墓前に報告するだけです。ご迷惑はおかけしませんので」ということになっている。そういう話を静岡の実家にしてある。

会食というのは、そこからちょっと逸脱した、家族ならではのギリギリの線だ。2020年当時はこれすら駄目と言われていたので、世間にバレたらマズい話だった。

実際は今晩静岡に一泊して、明日も引き続き静岡県を探検する予定になっている。そのことは実家にも内緒にして、会食後は「じゃあまた今度」と言って別れた。今度っていったいいつになるのだろう、と思いながら。

(つづく)

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