デジャブな旅【岡山/広島旅行】

アンデルセン本店の朝食アップ

パンがおいしいのは当然として、どれもがおいしかった。サラダが飾り程度ではなく、たっぷりと盛られていたのもうれしい。あと、予想以上にジャムがおいしく、Fishは「やみつきになるねー」と絶賛していた。最初、料理の量が少ないのではないか、と心配だったが、食べ終わってみると満足・満腹の一皿となった。スープを飲んだことも、満腹感を導いた要因かもしれない。

広島観光に訪れたとき、朝ごはんをどうしよう?と考えたら、このお店を検討対象とすることをおすすめしたい。

ひろでん車内

9時過ぎ、紙屋町東電停から広電に乗車。ゴトゴトのんびり揺られて宮島口を目指す。

宮島に行くには、JR山陽本線で移動するのが一番早い。併走する広電は、電停が多いうえにスピードがあまり早くないので、あまりナイスな選択ではない。

宮島が見えてきた

ただ、紙屋町からいったん広島駅まで戻り(宮島とは逆方向)、山陽本線に乗るのはあまり美しくない行程ではある。だから今回は敢えて却下。広電だったら乗り換えなしで宮島口まで行けてしまうし。しかも僕ら、広電のフリーパス券を持っているので、ここは迷わず広電でGO。

車窓から見える広島湾

ただ、想定していたとおり時間がそれなりにかかった。乗車時間約1時間。

広電宮島口駅

宮島口に10:11に到着。

フェリーに乗る前に、宮島名物「あなごめし」を売っている「うえの」で弁当を購入。

うえの外観

宮島であなごめし、といえば真っ先に上がるお店の名前が「うえの」だ。お店は、昼時にもなれば行列ができて相当な待ち時間になる名店。

ただ、われわれはそんなお店での食事は考えていない。お弁当で十分だ。なにしろ、「うえの」のあなごめしは、冷めてからが本領発揮、よりおいしくなる・・・というチューニングが施されているからだ。冷めるとご飯にたれの味がしみ込むというのがポイントらしい。

あなごめし弁当

そんな弁当を1個買う。二人なのに1個、というのはなぜかというと、お値段が高いからだ。1個1,400円なり。なかなかしびれるプライス。そんな高いお金を払ってまで食べるべき料理かというとちょっと疑問なので、「とりあえず1個」にしておいた。これを二人でシェアすれば、一人700円で済む。「宮島行ってあなごめし食べたよ!」と後々の思い出にするために買ったというわけだ。

当然、1/2個ではおなかが満腹にならない。でもそこは観光地宮島、お土産物屋でもみじまんじゅうとかその他食べ物を買って食べればいくらでもフォローができる。

フェリー乗り場

宮島行きのフェリーに乗る。だいたい15分に一本の割合で船が多頻度運航されている。しかも、JRのフェリーと、広電系列の松大汽船の2社が競い合って運行しており、観光地・宮島がいかに集客力があるか、というのが分かる。

以前【街で見かけた光景@宮島】で書いたとおり、JRと広電が争っているのが傍から見ていて楽しい。

フェリーに乗り込む

われわれは広電のフリーパスがあるので、松大汽船のフェリーに乗る。

宮島を目指す
大鳥居

JRと松大汽船、どっちのフェリーに乗ればいいの?と聞かれたら、「値段は一緒なので、行きと帰りとで違うフェリーに乗れば良いのでは?」という回答になる。片道170円、往復340円。往復割引は特にないので、行きと帰りで違う船に乗るのは全く問題ない。ただ、JRの方が若干有利なのは、船着き場の場所の関係で、JRがより宮島のシンボル・大鳥居の近くを航行するという事がある。海側から大鳥居を楽しみたいなら、JRに乗るのが吉。

JRのフェリーが横切っていった

ほら、こんな感じ。近づいてくる大鳥居を船上から眺めていたら、目の前にJRのフェリーが横切っていった。おかげで大鳥居が隠れてしまった。

大鳥居修復中

ちなみに大鳥居だが、4月3日の暴風によって屋根が破損してしまい、現在は足場が組まれて修理の真っ最中。6月に修理が終わるそうなので、ちょっとそこが残念だった。

宮島の道

所要時間10分で宮島到着。そのまま上陸する。

フェリーという言葉に釣られて、そのまま宮島まで車で乗り付ける人が時々いるようだが、それは無謀なのでやめた方がいい。宮島の島内はふつうの観光客が車で移動するようには作られていない。駐車場だって、ない。だから、宮島口に到着する前にどこかの駐車場を見繕っておくのが正解。しかも、フェリー乗り場からできるだけ遠く離れたところの駐車場を選ぶのが大正解。

なぜかというと、宮島口近辺の道は狭い上に交通量が多いからだ。国道二号線とはいえ、狭い。宮島口近辺は渋滞のメッカなので、車で宮島口に接近するのは愚の骨頂といえる。特にボートレース宮島で競艇が行われている日は、混む。だから、宮島口から離れている駐車場に車を停め、パーク&ライドするのが一番賢い。

放し飼いの鹿

上陸したわれわれをお出迎えしたのは、人様より偉そうな面構えをした鹿たち。宮島は、奈良公園と並んで「鹿のメッカ」だ。全国各地の里山で、鹿害が増えて困っている現在なのに、ここでは人間と共存している。とはいえ、ここの鹿はガラが悪い。「お弁当を広げて食べていたら、後ろから首を突っ込まれ、お弁当を取られた」なんて話は枚挙にいとまがない。人間を恐れない鹿というのは可愛いといえば可愛いが、あまりお近づきにはならない方がよい。

奈良の鹿は、「しかせんべい」を差し出すとお辞儀をしてからしかせんべいをぱくりと加える。誰がしつけたのか知らないが、そっちの方がよっぽどお上品だ。

Fishが「わー、鹿だー」と歓声を上げ、おかでんにツーショット写真を撮るよう依頼。何枚かFish&鹿の写真を撮影したが、鹿は我関せずと全くこっちを見ようとしなかった。慣れている鹿というのはこれはこれで面白くない生き物だ。

大鳥居

宮島の大鳥居。修復のための足場が組まれているのは残念だが、それでも迫力ある出で立ちだ。

干潮のときは海水が引き、大鳥居の真下まで歩いていける遠浅の海。「大鳥居まで歩く」というのは観光客にとって魅力的だが、眺望としては海水が満ちている方がきれいだ。これは、海の上に建てられている厳島神社においても同じ。

今回われわれが訪れたときは、ちょうど潮が満ちており、眺めが良かった。大鳥居をバックに、記念撮影を何枚か撮る。うん、フォトジェニックだ。さすが日本三景。

厳島神社

海から見た厳島神社。国宝。1571年、毛利元就が改築したもの。国宝とはいえ、頻繁に修復が行われている。台風が来て壊れました、とか高潮で建物が水没しました、なんてのが結構ある。

なんで面倒臭い海の上に建立したのかというと、宮島は島そのものが神様扱いだから、という理由らしい。だから、神様の手前、すなわち海の中に神社を建てたというわけだ。

「神の島」という考え方は今でも健在で、たとえば宮島の中にはお墓がない。神の島にお墓を作るのが憚られたからだという。だから、宮島に住む人がお亡くなりになったら、わざわざ島の外にお墓を作らないといけない。

厳島神社入り口
拝観券

拝観料300円を払って中に入る。今まで、おかでんは一度もこの中に足を踏み入れたことがない。だから、今回は初厳島神社だ。岡山もそうだったが、地元民だとあまりオラが観光名所に対してがっつかないので、「灯台下暗し」になる。

厳島神社から大鳥居

厳島神社から大鳥居を見る。

ここからこれぞ日本三景、という景色が楽しめるかと思いきや・・・実際は、対岸(本州)には海岸線沿いにマンションが建っていたりするので「大パノラマ」とはいかない。特に、山の中腹に巨大な白い建物があるのが目立ってしまい、違和感ありまくる。何の建物なのかと思ったら、新興宗教のものらしい。景観を損なうので勘弁して欲しいのだが、仕方がない。観光客は一様にその白い建物を指さし、「あれはなに?」とひそひそ話をしていたのが印象的。

引き潮の厳島神社

厳島神社は廻廊が繋がっている建物。ほぼ一方通行で廻廊を巡る事になり、入口と出口は独立している。黒い布で廻廊を覆って真っ暗にすれば、お化け屋敷を作ることもできるんじゃないか。

能舞台正面
能舞台斜め

写真は能舞台。海の上にある能舞台ということで、日本唯一のものだ。重要文化財。

既に潮が引き始めているようで、能舞台のあたりは砂浜が露出していた。

神社を出る

厳島神社を拝観しおわったところで、弥山に向かう。弥山に広がる原生林と、瀬戸内海の多島美を楽しむためのネイチャートレッキングだ。

正直言って、あまり時間がない。現在11時45分なのだが、あと3時間程度でフェリー乗り場に戻っていないと、飛行機に間に合わない計算になる。弥山にはロープウェーで登ることになるが、山頂まではロープウェーがのびていない。途中から徒歩での登頂となる。さて、間に合うかな、どうかな。

ネイチャートレッキング

ロープウェー乗り場は、結構山の中に入ったところにある。何でこんな奥にあるの、と心配になるくらい奥だ。そのため、ロープウェー乗り場行きの無料送迎バスが厳島神社の裏手から出ているくらいだ。われわれもその送迎バスに乗って行こうと思っていたのだが、「←ロープウェー乗り場」の道案内の看板に従って歩いていったら、どんどん山奥へ。紅葉谷に彷徨いこんでしまった。

少々焦るおかでん。時間がもったいない。でも、Fishは森の中を散策するということで結構喜んでいた。道を間違えた、ということは内緒にしておこう。

ロープウェー案内

結局、バス乗り場がどこにあったのかさっぱりわからないままにロープウェー乗り場に到着してしまった。厳島神社の出口から徒歩で20分弱。

厳島神社界隈は、平日とは言え観光客がとても多かった。しかし、ロープウェー乗り場はそれほど人が多くない。弥山まで登る人はあまりいないようだ。

ロープウェーから海を見る

ロープウェーで弥山を目指す。最初はスキー場のゴンドラみたいなロープウェー(循環式)に乗り、榧谷(かやたに)駅まで向かう。所要時間10分ほど。

瀬戸内海が見える

ここで、交走式のロープウェーに乗り換え、約5分で獅子岩駅に到着する。眼下には手つかずの原生林が広がっており、視線をあげると瀬戸内海の島々が見える。なかなか景色が良い。

獅子岩駅
山頂付近の案内図

獅子岩駅は弥山の山頂ではない。ここから山頂までは30分ほど歩いて登らないといけない。それほどきつい登りではないので、軽装でも大丈夫。

もちろん、ここまでやってきたからには、山頂まで登るつもりだ。山頂に行けば、景色が360度になりたおやかな瀬戸内海の情景を楽しむことができる。運が良ければ四国の山も見えるのだという。

しかし、問題があった。時間があまり残されていない、ということだ。現在時刻12時24分。フェリー乗り場には15時までに戻ることが必須なので、ちょっと今から山頂に向かうのはギリギリだ。

うーん、とりあえず行けるところまで行ってみよう。ひょっとしたら地図に書かれているコースタイムはお年寄り基準で、われわれだったらもっと早く到着できるかもしれないからだ。

霊火堂
霊火堂の明かり

コースタイム通り、20分かけて途中の霊火堂に到着。弘法大師が護摩をたいた際の火が脈々と引き継がれているとのことで、火の歴史は1,200年を数える。

恋人の聖地

なんじゃこりゃー。「恋人の聖地」だって?なんでここが聖地なんだ?最近の「パワースポット」ブームの一環なのだろうか。そういえば宮島もパワースポットだとよく言われるようになったけど、そのパワーを感じたことがないおかでんは単なる鈍感なのだろうか。

後で調べてみたら、

恋人の聖地プロジェクトでは、2006年4月1日より、全国の観光地域の中からプロポーズにふさわしいロマンティックなスポットを「恋人の聖地」として選定し、地域の新たな魅力づくりと情報発信を図るとともに、地域間の連携による地域活性化を図っています。

なんだそうだ。えー、この霊火堂がロマンティックな場所なのか。プロポーズにふさわしいのか。ここでプロポーズするとは、随分渋いカップルだな。

「2012年4月1日現在、恋人の聖地プロジェクトは、全国111ヶ所の恋人の聖地、22ヶ所の恋人の聖地サテライト、海外3ヶ所の恋人の聖地と連携して展開しています。」

と全国各地に結構あるようだ。知らなかった、初耳だよこんなプロジェクト。でも、全くこういうことに疎いというのは、それだけおかでんが孤独、ということでよろしいか?ちくしょう。

あなごめし

山頂まではここから往復20分なのだが、その時間さえ危うくなってきた。飛行機に乗りそびれて、広島でもう一泊、広島の街を満喫!というのはあまりよろしくないシナリオ。

仕方がない、中途半端な場所だけどここでお昼ごはんにし、われわれは撤退しよう。せっかくの「恋人の聖地」をあっけなく「中途半端な場所」と一刀両断するのは申し訳ないのだが、実際問題ここでUターンしてロープウェー乗り場に戻るのは相当中途半端なのは間違いない。

お昼は買っておいたあなごめし。小ぶりの器に入っていて、二人でシェアするにはやっぱり量が少ないかもしれない。うん、でも味は十分おいしい。あなごがふっくらしていて、あまり小骨っぽさがなく、美味なり。あなごがご飯の上に隙間なく盛り付けてあり、ぜいたくだ。お店で食べる暖かいあなごめしもきっと素敵な味わいだと思うが、冷えている弁当も十分に良い味を醸し出している。

うん、恋人の聖地で食べるあなごめし、悪くなかったぞ。

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