
11:02
ヘブンスそのはらのゴンドラのりば。
スキーシーズンでもないのに、そこそこお客さんがいて感心する。
高原散策が楽しめる場所として、朝方の雲海が楽しめる場所として、そして夜間は星空を楽しむ場所として、雪がないシーズンも集客ができている。大したものだ。

ゴンドラ乗り場の地図。
スキー・スノボ用品のレンタルショップが併設されているが、当然今この時期は営業をしていない。

建物入ってすぐのところには、売店があっておみやげ物を売っている。
正方形のユニットシェルフが今どき感ある。無機質と有機の中間。新しくできたカフェ的というか、無印良品的というか。

「星空を見上げて」というお菓子が売られている。ここは星空推しだ。
こういう観光地土産、別の場所でも見たことがある。少なくとも富山県・立山で見たのははっきりと覚えているぞ。

11月6日。標高がそこそこ高い山に登るには、気温もさることながら日照時間も考えるとそろそろ限界の時期だ。これ以降は冬山のつもりで臨まないといけない。
標高1,400メートル近くの高さで、10時時点で14.8度。まあまあ温かい。
雲海がうっすらまだ見えています、と書いてある。

11:05
チケット売り場。

ロープウェイ・リフト券を購入した。
これで3つのロープウェイとリフトに往復で乗ることができる。
今日中に下りてくるのか?と窓口の人に聞かれたので、「萬岳荘で一泊して、明日下山する」と伝えたら、「萬岳荘 22.11.06」というスタンプがペタンと押された。
別にこれで割引サービスが受けられる、というわけではない。
おそらく、入山時に人数のカウントをしていて、一日の終わりに入山者数と下山者数を突合しているのだろう。そしてその人数が合わないと、「大変だ、まだ下山していない人がいる!」となる。だから、「萬岳荘に一泊する人がいます」と明示しているのだろう。

ゴンドラ乗り場へ。
このヘブンスそのはらでは、ゴンドラのことを「ロープウェイ」と呼んでいる。なので、以降、「ロープウェイ」と呼ぶ。

ロープウェイは全長2.5km、所要時間が16分。
いったん1,400メートルの高さまでロープウェイで上がり、そこからゲレンデ内の2つのリフトを乗り継いで、最終的には1,600メートルの展望台にたどり着く。
・・・で、そこから萬岳荘行きのバスに乗って萬岳荘へ。まだまだ遠い。

ロープウェイ山麓駅。「天空の楽園」というキャッチフレーズがいたるところに掲示されている。「環境省認定 日本一の星空」だって。

ロープウェイ乗り場。
犬用のケージが並ぶ。小型犬用だけでなく、かなり大きいケージがある。
最近の犬はご主人と一緒にどこへでも旅行に行くようだが、標高1,400メートルまでロープウェイに乗って行くのか。
いくら広々としたスキーゲレンデとはいえ、ドッグランではないのでリードを外して遊ばせるわけにはいかない。それでも、飼い主としては「犬に天空の楽園を体験させたい」と思うのだろう。
僕はその心境はよくわからないのだが、我が子を天空の楽園に連れていきたいと思う気持ちと一緒か。

ストーブが昼間から赤々と灯っている。
日陰だと、標高800メートルの山麓駅であっても寒い。

9月23日から11月20日の間は、「空彩絶景」と銘打って、紅葉が楽しめるシーズンであることを打ち出していた。

ロープウェイに乗る。
スキー場によくある、小さいゴンドラだ。
思いっきり間引いて、なかなかゴンドラが来ない・・・ということはなく、次々とゴンドラがやってきた。
相乗りは行われておらず、丁寧に一組で1つのカゴに乗せていた。なので、僕は一人で1つのカゴを独占した。
これは大変快適だった。狭い空間でずっと見知らぬ人と相乗りというのはちょっと気まずい。

11:16
いざ、出発。まだゲレンデがどこにあるか、ここからはまったく見えない。手前の山があるからだ。
ましてや、明日登る予定の恵那山も見えない。

振り返ったところ。
すでにロープウェイ脇の紅葉が燃えるようでとても美しい。この時期訪れて、本当に良かった。
こんな紅葉を、大して混まずに見ることができるんだから嬉しい。東京界隈だったら、人、人、人でウンザリするのが紅葉の定番だ。
はるか彼方に、南アルプスの山脈が見える。たぶん、荒川三山のあたりだろう。

途中、針葉樹林の濃い緑に阻まれ、「ああ、風光明媚な場所はもう終わりか・・・」と油断させておいてからの、

また紅葉。
「えっ、これからあの紅葉の中目掛けて進んでいくの!?」と嬉しくてワクワクしてしまう。

ほら、これ全部が紅葉ですぜ。
マツクイムシにやられて葉っぱが茶色くなった松なんかじゃなくて、れっきとした紅葉。すごいよな、こんなに紅葉だらけなのは自分の人生であんまり見たことがない。
だって、紅葉=人混みがイヤだ、ということで僕は意図的に紅葉の名所を避けてきたから。それが今回、たまたま登山のために紅葉が美しい場所に足を踏み入れてしまった。

まだまだゴールははるか先。
でも、ひたすら美しい景色が続くので恐れ入る。

ほら、黄色と赤に染まった木々のすぐ木をロープウェイは通り抜けていく。
本当に素晴らしい時間なのだが、惜しい点としてはロープウェイの窓を開けられないことだ。スキー場ゴンドラならではの、傷だらけの窓ごしに撮影すると、光が反射して映り込むし、せっかくの景色が白く濁る。もったいない。
とはいえ、安全のためには窓が開かないのが当然だろう。
(つづく)
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