蓄積されていく疲労と制限時間のプレッシャー。それでも絶景は微笑む【恵那山・富士見台高原】

15:07
ヘブンスそのはらの送迎バスで、高速バス園原バス停にやってきた。良かった、間に合った。

名鉄バスセンター行きのバスは、15:15にこのバス停を通過する。その便に乗れなかったら・・・今日は、もう名古屋方面に行くバスはない。

ヘブンスそのはらからこのバス停までなら、なんとか歩いて行くこともできる距離だ。しかし、このバス停を経由するバスがとても少ないので、今回のようにヒヤヒヤすることになった。

もし乗り遅れたら、昼神温泉までタクシーで行き、そこで一泊するのが正解だろうか?それとも、飯田までなんとかタクシーで行って、そこからJRで名古屋、または高速バスで名古屋、または高速バスで新宿??ダイヤをあれこれ検索しないと最適解がわからない。山の中では電波が入らなかったし、一分一秒を競って歩いていたのでその代替案を考える暇がなかった。

とりあえず、バスに間に合ってよかった。心底、ほっとしている。「無事下山できた」ことよりも、間に合った安堵感の方が強い。お陰で、山に登った!という達成感は二の次だ。登頂の喜びなんて、忘れてしまった。それよりも、ひどい疲労感だ。

17:16
バスで2時間。名古屋に戻ってきた。

昨日の朝みたいに、しぶちょおに来てもらって夕ご飯でも、という段取りにしたかったのだが、なにせ今日は月曜日。一般的なサラリーマンならまだ仕事中だ。さすがに無理だと思って諦めた。

名古屋に着いたからといって安心してはいけない。ここから東京の家に戻るのに、あと2時間以上かかる。長い。

今回は東京発公共交通期間利用1泊2日の恵那山登山だったが、これは限界ギリギリのスケジュールだ。登山を楽しみたいなら、悪いことは言わない、2泊3日にするか、車を用意したほうがいい。

エクスプレス予約で手配している新幹線の乗車時間までまだ時間があるので、夕ご飯を食べてからホームに向かうことにした。

ぴよりんを買い求めようとして大行列ができているのを尻目に、僕は味噌煮込みうどんの名店、「山本屋本店」に向かった。

ひどく疲れたので、塩分と、炭水化物がほしい。

名古屋の「味噌煮込みうどん」を、立ち食いうどんや丸亀製麺などの延長線で考えてはいけない。まったく別ものの、高級料理だ。

メニューをめくっても、1,000円を下回るメニューがない。それどころか、3,140円などと目を疑う価格設定のうどんもある。それが味噌煮込みの世界。

いくら登頂・下山記念とはいえ、超高級うどんを食べるのは家で待つ家族に対して申し訳ない。

そんなわけで、番安い「味噌煮込みうどん 1,210円」を選んだ。

甘辛い味付けのうどんは、口の中、喉、そしてお腹にまとわりつき、じわんと染み込むうまさ。

東京で生活をしていると、この甘辛さを「くどい」と感じる場合もあるだろう。それを見越して、ご飯も頼んでおいた。

340円。おかわり自由とはいえ、なかなかなお値段。

うどん屋なんだから、「替え玉」があってもよさそうだが、ご飯。そりゃそうだ、「煮込みうどん」なんだから、替え玉は無理だ。

「お漬物は味噌煮込みうどんをご注文いただいた方のみ提供となります」という張り紙。

こういうのを見ると、過去に「おい、漬物をよこせ」と無茶なことを言った客がいたんだろうな。ビールだけ頼んで、漬物を出せ、と要求したとか、ご飯だけ頼んで、バクバクおかわりしつつ「漬物は?漬物もらえないの?」と店員に迫ったとか。

ぴよりんは完売。

販売は10時、14時、17時だそうだ。

こうして僕は新幹線に乗り、東京へと戻った。

自分の実力としてはオーバーペースで下山したので、とにかく息が上がったし足が疲れまくった。

前回の浅間山のときほど、ヨチヨチ歩きになる筋肉痛は起きなかったものの、それの1ランク下くらいの筋肉痛にはなった。

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やっぱり昔とは違う。50歳間近ともなれば、事前にちゃんとトレーニングを重ねていないと、山を登るのは厳しい。

2022年の高山登山はもうこれでおしまい。2023年も引き続き日本百名山登山は続けるが、事前に十分なトレーニングを積んでおかないと遭難しかねない。今回はもっと山に行く回数を増やそう、と思った登山となった。

ちなみに、東京の家へのお土産は、名古屋駅で買った恵那の栗きんとんだった。

(この項おわり)

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