
13:17
今日は鉄塔をよく見る。
もし道に迷ったなら、鉄塔を目印にしよう。三浦半島の背骨部分なので、逆に言えば鉄塔・高圧電線に沿って歩くとなかなか人里にたどり着かない、ということになる。
なお、道迷いエリアに入ってしまうと、山に囲まれている場所なので携帯電話の電波が入りにくくなるそうだ。

おっとこれは意外。
岩場にトラロープが設置されている。
ロープを掴んで登る必要はないけれど、ルート確認用としてロープは必要。
デコボコしていて登りやすそうな岩に見えるが、この界隈の岩は脆いそうだ。なのであまり足場を過信しないようにしよう。

13:23
乳頭山到着。
小さな看板があるから、「あ、ここが山頂?そうなの?」というレベル。
標高202メートル。
「乳頭」という名前はどうしてついたのだろう。もちろん、山の形がそうだから、に決まっているのだけれど、歩いて登っている限りではその由来が全然わからない。
どうも、横須賀方面からこの山を眺めると、すぐ南にある211メートルピークと双耳峰を成していて、それが女性の豊かな胸に見える、ということらしい。
211メートルピークの方が標高が高いわけだが、名もなき山の扱いになっている。で、202メートルのこっちは、乳頭山という名前がついている。もっとも、1/25,000地図には山の名前の記載はない。

乳頭山のピークといっても、こんな感じ。
あんまり長居して楽しいような場所でもない。

なぜ211メートルピークよりもこちらの方が知名度があるのかというと、ここには三角点があるからだ。山において、三角点があるというのは錦の御旗に等しい。

ということで、三角点に敬意を示してここでお昼ごはん。
毎度おなじみ、会社から払い下げてもらった、賞味期限切れの缶詰パン。賞味期限が1年や2年過ぎていても、お腹が非常事態にならないクオリティはさすが非常食だ。
食べ終わったら缶詰を潰してコンパクトにできれば最高なのだが、それができないのは仕方がない。
こういう保存食がわが家にあるからこそ、「ちょっと今日、山に行ってくるわー」とフットワークが軽くなる。もし、昔のように「山でのご飯はどうしようか?ガスストーブでお湯を沸かしてラーメンを作るか、それとも弁当を買うか?」などと考え始めたら、途端に億劫になる。
山の上で食べるご飯はとても美味しいものだ。だから、自炊して拘るならば最高だ。しかし、そんなことを計画するよりも、シンプルな食料を手にとっとと山に向かったほうがいい。あれこれ悩むのは疲れる。

山歩きの良いところは、「あの仕事はどうしようか」とか「あれは早く決めなくちゃ・・・」とか「空いた時間に何の動画を見ようか」などという悩みから開放されることだ。
そういう煩悩は、まずは山を下山しないことにははじまらない。だから一歩一歩、前を歩いて無事に山から出ることに集中しなくてはいけない。そんなひとときこそが、僕を癒やしてくれる。
だがこの山はどうだ、分岐が多い!
13:52
分岐の右に向かうと、観音塚2.9km。三浦アルプスの主脈を歩く。
分岐の左に向かうと、「芽塚」という小さなピークに出る。
標識によると0.1km、と書いてある。ならばせっかくだから、芽塚に行ってみることにした。

これまでの僕の登山は、「できるだけ楽したい。無駄なルートは歩きたくない」という考えだった。
しかし、こういう低山ハイクをやっていると、体力も時間も余裕があるし、あんまり山場がない山歩きだ。だから若干脇道に逸れてでも、ちょっと楽しいことをやりたい。
ということで芽塚への登り。
また鉄塔が見えてきた。

鉄塔を通り過ぎたら、道が下りになっていった。
あれ?おかしいな。下るってことは行き過ぎたか。
地図を確認してみたら、鉄塔がある辺りがこの界隈のピークで、それが芽塚ということらしい。特に標識は見つからなかった。

鉄塔の下にいた野良猫が、「何をやってるんだお前は」という顔でこっちを眺めていた。
人家から離れたところに住む、「山猫」と呼べる生き物。普段は一体何を食べて生きているのだろう?

鉄塔を下から見上げたところ。白い鉄塔、青い空。そして絶縁体である碍子(がいし)がそろばんのように数珠つなぎになっているのも美しい。
(つづく)

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