
16:33
丘の上にある葉山教会から下界に降りるまでは、一癖ある。
幹線道路である国道134号線は、この下をトンネルで通過している。
いったんトンネルの上を通過しながら尾根を下り、集落におりたら鋭角に折り返してトンネル入り口のところに向かう。
大回りだが、標高50メートルある教会から最短距離でトンネル入口近くまで下るのは道路として無理なのだろう。

その証拠に、「えっ、ご冗談を!?」と声が出てしまうような急坂を歩くことになる。本日の総仕上げだ。
この道、斜度が何%あるのかわからないが、運転が下手な人だったら車で登ることはできないだろう。それくらい、急。
歩いて下るのは、脚力で相当なブレーキを掛け続けないと転がり落ちそうだ。
もしこっち側から仙元山、そしてその先の三浦アルプス縦走を考えて歩き始めた人がいるなら、この最初の急坂でモチベーションが下がってしまいそうだ。

坂を下っていくと、平野部の住宅街が近づいてきた。本日の山旅は、そろそろ終わりが近づいてきた。
それにしても家が多い!さすが葉山。
いったいおいくらくらいで家が買えるのだろう・・・?調べてみたが、ピンキリでよくわからなかった。そりゃそうだ。建売住宅だと、平米数も建物のスペックもまちまちだ。
安い物件だと4,000万円台であるようだが、高くなると当然1億円超えはザラ、そんな場所。

16:37
無事下山。登山口に到着。
正面に仙元山の山頂が見える。
おお、こういう位置関係なのか。
あんなのは山ではなく、丘に見える。チョロそうに見えるのだが、そこに至るまでの道は直登のために案外しんどい。

トンネル脇にあったおしゃれな建物。
ブーランジェリーなんだそうだ。
こういうのがひょっこりあるのが、葉山だよな。住んでいる人の財産スペックが高いと、お店の種類や景観も変わってくるのか。
ここだけでなく、周囲のお店もいちいちおしゃれで、さすが!と唸らされる。

16:39
ただし、葉山界隈は渋滞がすごい。国道134号線は車でいっぱいだ。
半島の宿命でもあるが、幹線道路に車が集中し、慢性的な渋滞が生まれる。

バス停に到着。ここが今回の旅のゴールだ。
風早橋バス停。
すでに、僕と同じくトレッキングを楽しんだと思われる先客がバスを待っていた。
ただ、路上は相当な渋滞。見渡す限りの渋滞だ。どうしようかな、これ。

バスの時刻表を見ると、びっくりするくらい潤沢にバスが運行されていることがわかった。
なんだこれ。都心を走る都営バスのダイヤよりも濃いじゃないか。
これだけ便数が多いなら、ちょっと待てばすぐにバスが来るだろう・・・と思うのだが、なにせこの渋滞だ。バスの運行頻度以前に、バスが前に進まなければ乗ることができない。乗っても目的地に着かない。
こりゃあだめだ、とバスに乗るのは諦めて、歩いて逗子駅方面に向かうことにした。
時折後ろを振り返り、渋滞後方にバスの姿を発見したら、すぐに次のバス停で乗車すればいい。
・・・と思ったが、結局最後までバスに追いつかれて追い抜かされることはなかった。逗子駅まで、2.4km徒歩30分の所要時間だったというのに。

16:49
長柄橋バス停。
便数はごくごく少ないものの、YCAT(横浜駅西口)行きのバスが停車する。ちょうど土日ダイヤで16時台にYCAT行きのバスが通過するようなので、ものは試しに横浜駅までバス旅も悪くないな・・・と思った。
が、バスなんて来る気配がない。だって、渋滞だもの。
バスに乗るのは諦めた。

帰路は京浜急行の逗子・葉山駅から京急で品川まで出るか、それともJR横須賀線の逗子駅から都心を目指すか、何も決めていなかった。
しかし、てくてく歩いているうちに「家族にお土産を買って帰りたいな」と考えるようになり、だったらお店の数が多いJR逗子駅の方に進路をとった。
道中見かけた、「MISAKI DONUTS」というお店。ここでドーナツを買う。

ぜんぜん関係ないけれど、これは「なぎさ眼科」。
さきほどの「ミサキ」にしろ、こちらの「なぎさ」にしろ、海をモチーフにした名前のお店が多い。

17:17
立ち寄りたかったお店がこれ。マーロウ。
ハードボイルドな雰囲気の紳士がロゴマークの、プリンでおなじみのお店。
ワンカップ酒の容器みたいなガラス瓶にプリンが入っていて、その瓶に紳士のロゴがプリントされている。
プリンを作るために使われている瓶なので、もちろん耐熱ガラスで頑丈だ。
「峠の釜めし」のお釜を、必要でもないのに家に持ち帰ってなんとなく記念品にしてしまうように、マーロウのプリン瓶もつい持ち帰ってしまうものだ。
ただ、ガラスコップとして使えるマーロウは峠の釜めしよりもはるかに実用性があり、家にあっても損はしない。ただ、頑丈でそう簡単に割れないので、いったいいつまでこいつは家に居座るんだ?ということになる。
マーロウのプリンは美味しいので、お土産に買う。妻子に食べさせたい味だ。ただし、お値段は容器代込みということもあってギョッとするくらい高い。お土産、という名目でないかぎり、気軽に買えない。

17:21
JR逗子駅に到着。
変化に富んだ、楽しい山歩きだった。面白かった。
最後、30分に及ぶ車道歩きとなったが、下山して「もう安全だ」とホッとした余韻に浸るにはちょうど良い時間だった。僕は登山よりも、下山したときの時間が好きだ。たぶん、サウナから出て体を冷やして「整いました」というのと同じ感覚なのだと思う。サウナよりもクールダウンのほうが好きなように、僕は登山よりも下山したあとの方が好きだ。
おみやげ物を買えたし、気持ちはスッキリしたし、さあ、妻子が待つ東京に戻ろう。
「毎月一回、山に登ろう」キャンペーンの第二回は、良い山歩きができた。さて次は3月。そろそろ日が長くなってくるけれど、気温も上がってくる。どの山を目指そうか。
(この項おわり)

コメント