激辛グルメ駅伝2019

プングム

プングム

韓国料理を提供するお店、「プングム」。

韓国料理は甘辛いコチュジャンで対して辛くない料理だ、と思っていた時期があった。でもそれは無知であるということを思い知らされたのはここ・激辛グルメ祭りのおかげだ。「痛い」系の辛さを提供してくるのは、大抵韓国料理だ。油断してはいかん。

困惑させられるのが、料理ごとの辛さの基準だ。

各店舗、辛さ表記に自由裁量が与えられている今日(こんにち)の激辛グルメ祭りにおいて、「小辛・中辛・激辛」というわかりやすい基準がないお店がある。ここがまさにそう。

「うどんタッカルビ」は「激辛」しか選択肢がない。「辛くないのを食べたいッス」といっても通用しない。お同じように、「タッカルビ」も「激辛」しかない。なんてぇ潔さだ。

「辛いものが苦手だけど、付き合いの関係上来場した」という客を完全に切り捨てた、辛い物好きのための辛いもの料理、というスタンスが豪快だ。

一方、謎なのが「チーズタッカルビ」だ。タッカルビにチーズが乗っかっているんだから、味はマイルドになるのでしょう?・・・と思いきや、辛さの選択肢は二段階。「中辛」と「ヤバ辛」。どうやら、ノーマルタッカルビよりも辛くなってしまうらしい。チーズがあるのに。どうなってるんだ、一体。

チーズうどんタッカルビ(ヤバ辛)

チーズうどんタッカルビ(ヤバ辛)

で、うちらは「牛丼のあいがけ」みたいな、全部盛りの「チーズうどんタッカルビ」を頼んだ。もちろん「ヤバ辛」で。

あー、多分この料理を「ヤバ辛」たらしめているのは、チーズの上にかけられている赤いソースだな。この量次第で、僕らを生かすも殺すも自由自在らしい。

カプサイシンソース、ってやつだ。唐辛子の辛さの素であるカプサイシンをそのままソースにしてるんだから、凶悪としかいいようがない。辛いもの好きの僕でさえ、戦慄する存在。

どうして韓国料理に?と思ったら、カプサイシンソースというのは韓国食材として売られているものだった。他国にはそういうものがないのかもしれない。調べてみたら、Amazonでも買えることがわかった。買わないけど。シンプルに辛すぎて、ちょっと自宅では持て余す調味液だ。

三田 麺屋やっとこ

三田 麺屋やっとこ

流通業やマスコミにおいて、日本語のインフレーションというのはすごいものがある。一体どこまで言葉というのは大げさにしなければいけないのだろう。

たとえば、芸能人が交際していると「熱愛」だし、結婚が発表されたら「電撃婚」だし。電撃ってなんだよ。

スーパーのチラシを見たら、「激安」なんてもはや過去の異物で、「超安」「驚安」みたいな謎の日本語が紙面を賑わせている。

同じように、激辛グルメ祭りにおいても言葉はどんどんインフレを起こしている。なんだか、「激辛」という言葉が「ピリ辛」程度の意味しか持たなくなっているんじゃないか、という錯覚に陥る。

このお店の場合、店頭に「究極のブラック激辛ソース累計20000食突破」という張り紙をぶら下げていた。「究極」であり「激辛」であるらしい。パワーワードを並べてPR。

究極ブラック餃子(閻魔辛)

究極ブラック餃子(閻魔辛)

このお店の場合、「2辛」の次が「閻魔辛」という二段階で料理が用意されていた。

一体何がどう「2」なのか、どうすれば閻魔様が降臨されるのか、基準がよくわからない。おそらく、実店舗の方では1辛から順番に辛さランクが存在するのだろう。でも、こういうイベント屋台なので途中のものは端折って、「2の次は閻魔」ということなんだと勝手に理解する。

じゃあこの「究極ブラック餃子」が閻魔様に舌を引っこ抜かれるほど辛かったか?というと、そうでもなかった。毎度のことなんだけど、みんなでシェアをすると一人はちょっとしか食べない。試食レベルだ。なので、ぱくっと食べて、おしまい。特に餃子のように、一気に飲み込めてしまう料理はなおさらだ。

ピラミッド

ピラミッド

ピラミッドといえばエジプトを思い出させるけど、売っているものはカレーだ。でも、インドカレーというわけではないようなので、名前と料理のミスマッチをツッコむというのは筋違いだろう。

とはいえ、ドイツビールでおなじみの「エルディンガー」の横断幕が軒先に吊り下げられており、もう何がなんだか、状態だ。この会場ではアサヒビールのドリンク屋台が別にあるので、ここでエルディンガーが独自に売られているのかどうかは不明。メニューには載っていない。

神秘の野獣キーマカレーライス付き(ハイ!激辛)

神秘の野獣キーマカレーライス付き(ハイ!激辛)

「神秘」で「野獣」なんだそうな。そして辛さ基準は「ハイ!激辛」だってさ。

もうね、こういう言葉遊びには食傷気味で、「ああそうですか」としか言いようがない。ところで「ハイ!激辛」というのは一体どういう辛さなのか。激辛よりもキツいのかユルいのか。

ホルモン焼 幸永

ホルモン焼 幸永

韓国料理のお店。

ホルモン焼きのお店だけど、冷麺も扱っている。

ここは「1辛・2辛・MAX」という3段階で辛さを指定できる。

特製牛すじ煮込み(MAX)

特製牛すじ煮込み(MAX)

というわけで、牛すじ煮込みのMAXを。

料理の上には七味唐辛子と思しき粉末がかけられている。「なんだ、七味か」と思ってしまうあたり、激辛グルメ祭りの恐ろしさがある。人によっては「七味を料理にかける」だけでも辛い!辛い!と大騒ぎするのに、僕らは「なんだ」呼ばわりだ。

謝朋酒樓

謝朋酒樓

今年の激辛グルメ祭りは、主要参加メンバーの一人であるのっちょさんが「いのちをだいじに。」というテーマで激辛は追求しないことを宣言している。

これまでは、暗黙の了解として「メニューの中で一番辛いやつを頼む」というのがルールになっていたけど、今年はその忖度を明確に開放した。

しかし、それも最初のうちで、だんだん回を重ねるうちに「激辛追求」に方向性が傾いていった。やっぱり、激辛の料理はワクワク感があるからだ。「辛いかもしれない、もし辛かったらどうしよう。でも、もし予想外に辛くなかったらそれはそれでどうしよう」というこのハラハラは、激辛だからこそ、だ。

本格成都陳マーボー豆腐 単品(激辛)

本格成都陳マーボー豆腐 単品(激辛)

普通の麻婆豆腐の上に、唐辛子の塩漬けみたいなのが載ったもの。おそらく、この唐辛子トッピングの有無で辛さの調整が行われているのだろう。

各店舗、辛さ調整のやり方というのはいろいろだ。

オーダーが入る都度、調理をしていたのではお客さんをさばけない。ソースなのかエキスなのか粉末なのか個体なのか、何かをプラスすることで簡単に辛さ調整がきくように、工夫されている。

5thRound 料理一式

そんなわけで、激辛グルメ駅伝第5区間の料理一式がこちら。

出店している全9店、全て出揃った状態。

ここまで味と辛さについて殆どコメントを書いていないのは、記憶にあまり残っていないのと「どれも辛いとは感じなかった」からだ。毎週参加しているうちに、すっかり辛さ耐性が見についてしまったようだ。なのでむしろゾッとする。改造人間になった気分だ。

でもそれと同時に、「あんまりガチに辛い料理って、お店側は出さないのかな?」という気もした。しゃれにならない辛さの料理じゃ、一部の好事家を除いて客が寄り付かない。それでは商売にならないので、大げさに辛さをPRしつつも実際はそこそこの辛さ、ということにしているんじゃあるまいか。そんな気がする。

そんなこんなで第5区間も無事完走。残すは最終の第6区。目指す54店舗全制覇までゴールが見えてきた。

(つづく)

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