激辛グルメ駅伝2019

かき氷もある

6週間にもわたる長期開催で、延べ54店舗が出店する激辛グルメ祭り2019。

以前から「いっそのこと、常設店を作ればいいんだ」と冗談で言っていたけど、本当にそんな気配になってきた。だって、一年間って54週しかないんだぜ?だから、1/9年の間、大久保公園を占拠して激辛イベントをやっている有様。すごすぎる。

「新横浜ラーメン博物館」みたいに、ときどきお店が入れ替わったりしながらも常設会場がある、というのが理想的なんだけど・・・さすがに、「激辛」のテーマパークというのはお客さんが来ないのかもしれない。

参加者のひとり、のっちょさんがこんな事に気がついた。

法則性に気付いたため、報告です。
すべてのラウンドにおいて、そのラウンドにしか出店していないお店は、6店舗のみです。
他のラウンドでも食べられるお店を3人以上参加の回に回せば、無理なく制覇出来るかも!

なるほど、さすがに毎週9店舗ずつ6週入れ替わりで54店舗、というのは無理がある。別の週にも重複参加しているお店がいくつもある、というわけだ。そのため、週ごとに、食べるべき「一期一会で、ここを逃すともう食べる機会がないお店」は6店舗。ここは必ず押さえておこう、ということになる。残り3店舗は、こっちの戦力不足ならば無視してもいい。

四川料理 京華樓

四川料理 京華樓

今年もずらりと並ぶ、激辛飲食店。

これまでは、各店舗のメニューを全部書き出して紹介していたけど、もう面倒だから今年はやらない。だって、6週間で54店舗だもの。辞書でも作る気か?っていうレベルだ。メニューを知りたい人は、写真の文字をなんとか拡大して見て読解してほしい。

とはいえ、いきなり料理写真というのは切ないので、一応お店の写真は載せておく。単なるプレハブだけど。

四川料理 京華樓。激辛グルメ祭りの常連だ。

四川料理 京華樓 本場の四川麻婆豆腐 激辛

本場の四川麻婆豆腐 激辛

昔は、めいめいがバラバラに料理を食べていたけど、1年前だったか2年前だったかから、「せーの」で全員が同じ料理を食べることにしている。そうでないと、辛さの評価がばらつくからだ。舌も、喉も、胃袋も、まだ辛さに慣れていないウブなコネコチャンな状態で食べた料理が一番辛いと感じる。

なので、以前「一番辛かった料理はなに?」と聞いたら、全員がたまたま自分の目の前に置いてあった料理(=真っ先に食べた料理)を指差した、ということがあった。

これではいかん。

激辛、というのは、連帯責任というか運命共同体だ。全員が同じ釜のメシを喰らい、「いやー、これは辛いなあ」と汗をかいて苦悶する。その様をお互いで見せつけ合い、共感し、時には肩をたたきあって励まし合い、そういうど根性こそが楽しいものだ。みんながバラバラに食べるのは、その信義に反する。

というわけで全員一斉に同じものを食べているのだけど、毎度必ず言われるのが「麻婆豆腐は、甘い」だ。豆腐の味わい、ひき肉の旨味、が甘く感じる。たとえ激辛の味付けであったとしても。今回も、やっぱりそうだった。全員一致で、「甘い」という評価だった。

アムリタ食堂

アムリタ食堂

毎年のことだけど、席の場所取りをした後、みんなが「自分の受け持ち」の料理を買い求めにバラバラに散らばっていく。今回は4名なので、一人2品ないし3品の調達という役割分担だ。

昔は誰が何を買ってくるのか、当日その場で相談したこともあったけど、今はきっちり事前申告制にしている。お店や料理が重複して「あらー」と困惑しなくて済むようにしたいし、「この料理を食べるのか」と事前にイメージトレーニングをやってテンションを上げるためでもある。

写真のお店は、「アムリタ食堂」。

過去、出店したことがあるかもしれないし、ないかもしれない。もう、お店が多すぎていちいち覚えていられない。変なジャンルのお店だったら記憶に残るのだけど、「タイ料理」や「韓国料理」というのは激辛業界の激戦区なので、入れ代わり立ち代わりいろいろなお店が登場するので記憶に残りにくい。

アムリタ食堂 激辛ソーセージ 超辛

激辛ソーセージ 超辛

料理名に既に「激辛」が入っているのだけど、味の調整が効く。これで「中辛」とか「小辛」ってのがあったら謎だけど、選択肢は「激辛」と「超辛」の2通り。そうこなくっちゃ!

でも、こういう「一口ぽいっと口に投げ込めば食べられちゃう」という料理は、勢いであっという間だ。なので、案外辛く感じない。作り手としては思いっきり辛くしているかもしれないけど、その努力が案外報われないものだ。

一番辛さを感じるのは、なかなか噛み切れない・飲み込めない料理だ。口の中での滞在時間が長いと、その間にカプサイシンが口腔内を地獄の業火で焼き尽くす。

麺屋まぜはる

麺屋まぜはる

麺屋まぜはる。

この日一番の行列店だった。我々が訪れたのはイベント初日だったということもあり、オペレーションがこなれていなかったのかもしれない。あと、麺というのはどうしても時間がかかる料理なので、バンバン客をさばくにはむかない料理だ。

僕がこのお店に並んだ時は、20人待ちだった。受け取るまで、20分以上待つことになった。

麺屋まぜはる 四川風まぜそば パクチー付き 激辛

四川風まぜそば 激辛

台湾まぜそばと四川風まぜそばの二種類ある。ひき肉が載った汁なし麺という点では一緒だけど、おそらく「四川風」の方は花椒が使われているのだろう。

麺を受け取ってから食べるまでしばらく時間が空いたため、いざ食べよう!というときには麺がひとかたまりの団子になってしまった。ほぐそうとしてもうまくいかず、結局箸で麺を引きちぎるような形で、一人ひとりが取り分けていくことになった。

ただでさえ伸びやすい麺だけど、汁なしならなおさら伸びる。今更ながらの教訓だ。

辛さ?いや、ええと、あんまり記憶にない。美味しかったけども。

チャオエムカフェ

チャオエムカフェ

ベトナム料理のお店。ベトナム料理に辛い料理は少ない、ということをしたり顔で述べていた時期が私にもありました。これまで、激辛グルメ祭りには「ヴェトナム・アリス」が出店していたのだけど、「まあ、これは日本人シェフがオーナーのお店だし」と理解していた。

でも、そうとも限らないんだな。今年はヴェトナム・アリスは出店しておらず、かわりに別のベトナム料理店が出店している。辛い料理って、ないわけじゃないんだな。

まあ、それを言ったら和食だって辛いものとは疎遠な料理ジャンルだ。でも、その気になればいくらでも辛くできる。「激辛味噌汁」とか「激辛天ぷら」なんてのは余裕だろう。うまいかどうかはともかく、唐辛子をドバドバ入れればどの国の料理だって、ひとまず辛くはなる。あとはそれをどうやって「人様に提供できる美味しさに仕上げるか」だ。

チャオエムカフェ ブンキムチ 激辛

チャブンキムチ 激辛

「ベトナムにもキムチがあるのか!」と驚かされたが、実物を見ると「えっ、これがキムチ?」という料理。なにやらサラダっぽい。

そういえば、「ブン」というのは米麺のことだった。この丼の下には、フォーのような米麺が隠れている。

この料理についてネットで検索してみたけど、激辛グルメ祭りの話ばっかりが出てきた。どうやら、このお店オリジナルの料理っぽい。

キムチといっても、真っ赤なやつではなく控えめな色。

「これが辛いわけがない」
「いや、青唐辛子でも油断していると辛いやつがあるから・・・」

といいつつ食べてみたけど、やっぱり辛くなかった。生野菜のさっぱりさで、むしろ軽くヒリヒリする口の中の痛みが緩和された。

辛ちゃん

辛ちゃん

韓国ではフライドチキン屋がたくさんできては潰れていく、「チキン激戦国」と化しているそうだが、このお店も韓国風チキンのお店。

辛さが「4辛」しかなく選択肢を与えない、潔さだ。

「ゴチュ味」というメニューがあって、なんの味だかさっぱりわからないのだが、調べてみたら「ゴチュ」とは「唐辛子」の意味らしい。

辛ちゃん 辛ちゃん手羽先 ゴチュ味

手羽先 ゴチュ味

こういう食べ物は、警戒しなければならない。というのは、手でつまんで食べる料理であり、さらにベタベタする料理だからだ。

激辛料理全般、手で触るのは大変に危険だ。その後すぐに手を洗うことができればよいのだけど、普通の食事ではそうはいかない。せいぜい、ウェットティッシュで手を拭くのがやっとだ。で、唐辛子成分が残った手で目をこすってしまったり、額の汗を拭うと・・・顔が痛くなる、目が痛くなる。

また、ウェットティッシュをバンバン使い捨てればいいのに、使い回すと二次災害三次災害を招く。拭き取った唐辛子成分を撒き散らすことになるからだ。

最悪なのが、唐辛子がついた手でトイレにいくことだ。股間の粘膜に唐辛子成分が付着しちゃったときの痛さたるや、もう。そんな性癖の人ならやるのは構わないけど、普通の人ならマジで気をつけよう。

辛麺屋 一輪

辛麺屋 一輪

「辛麺屋」というジャンルがあるということにまず驚く。つまり、辛いものを売る店だぞ、と最初っから宣言しているわけだ。これで「大して辛くない」麺なんて出せるわけがない。店の看板に偽りあり、ということになってしまう。

今思うとそうなのだけど、最初のうちは完全に油断していた。

辛麺屋 一輪 辛麺(とんでもねぇ) 地獄辛

辛麺(とんでもねぇ) 地獄辛

見た目、「唐辛子は使っているけど、まあありがちな辛いラーメンですね」という印象だ。川崎あたりのご当地グルメっぽい位置づけの「ニュータンタンメン」に近い見た目。

実際、食べてみたところ「ああ、唐辛子をバサバサと振りかけただけのラーメンだな」という印象だった。全員がそういう印象だった。

で、しばらくして「苦く感じるな」ということにみんなが気づく。

唐辛子が大量に使われている料理の場合、「苦味」を感じることが多い。これがまさにそうだ。

「力技で、たくさんの唐辛子を使ったんだろうね」

なんて話をしていたのだけど、そのうちに苦味が痛みに変わってきた。

あ、油断していたけど、これは辛い、いや違う、痛い。

辛さ、というよりも「苦くて、痛い」という印象のほうが強い。スパーンと汗が吹き出る辛さではなく、ジリジリと人を追い込んで苦しめる、そんな重たい辛さ。

気がついたら、この第一区間9店舗のなかで「一番辛い料理」認定されるに至った。「とんでもねえ」という名前の料理だけど、たしかにとんでもなかった。悶絶するほどの辛さではないのだけれど、最初油断させておいて後からジリジリと痛めつけるこの辛さは、凶悪だと思った。

一人一品、全部食べること!というルールだったら、食べているうちにイヤになってくる辛さだろう。幸い僕らはみんなでシェアしているので、なんとかなる。

サフラン池袋 幻のインド料理

サフラン池袋

以前から、このお店が出店しているときは無条件で「世界一辛いカレー」を頼んでいた。こんな名前を見せられて、選ばない理由がないからだ。逆に、他の料理の味は全く知らなかった。

しかし今回、辛い料理には特にこだわらない、という方針を改めて明らかにしたので、のっちょさんが別メニューを買ってきた。

サフラン池袋 幻のインド料理 辛チキバンバン ちょい辛

辛チキバンバン ちょい辛

以前から、「激辛を頼まなければいけない」というルールはなかった。「身の丈にあった料理の辛さを選んで構わない」と名言していたのだけど、どうしてもみんな遠慮があったと思う。「激辛好きが集まるオフ会なのだから、(辛いものに大して強くない)私なんぞが参加すると迷惑かも・・・」と、イベントに興味はあるけれど参加しなかった人だっているだろう。

しかし、今回のっちょさんは激辛耐性がある人だけど「敢えて辛いものから勝負をおりた」。

それもありだと思う。参加することに意義がある。辛いものを食べた人が偉い、というわけじゃない。

というわけで、「ちょい辛」という過去に例を見ないようなお気軽料理が目の前に。どうみても辛そうではないし、脇に添えられているホットソースも辛そうに見えない。当たり前だ、「ちょい辛」なんだから。

実際、ちょい辛・・・いや、感覚が麻痺している僕らにとっては、「辛さを感じない」レベルだった。一服の清涼剤。

ペルー料理&バル ALDO

ペルー料理&バル ALDO

さすがのメガロポリス東京とはいえ、ペルー料理を食べる機会というのはとても少ない。なので、こういうイベントがあるのは本当にありがたいことだ。いざ!ペルー料理店にいくぞ!という気にはなかなかなれないので、カジュアルにさくっと一品食べられる今回は最高。

ただし、辛いけれど。

ペルー料理がもともと辛いものなのかどうかは、よくわからない。

ペルー料理&バル ALDO

料理名説明が書いてあるけど、忘れるだろうな、すぐに。馴染みがない名前なので。

ペルー料理&バル ALDO アヒデガジーナ 中辛

アヒデガジーナ 中辛

わっ、真っ黄色なカレーだ!

と思ったが、カレーではないそうだ。黄色い唐辛子を使った料理なのだというけど、辛かった記憶がない。そもそも中辛しか選択肢がないメニューなので、そりゃそうだろう。

「なんだ、辛くないのかよ」なんて思ってはいけない。辛くない料理をチョイスしたからこそ、こういう見たことがない料理と出会うことができる。

陳家私菜

陳家私菜

このお店も激辛グルメ祭りの超常連店舗。

もうね、毎度お馴染みすぎちゃって、「いかに麻婆豆腐を頼まないようにするか」ということをメニュー選びで考えないといけないくらいだ。うっかりすると、毎年ここの麻婆豆腐を食べることになってしまう。いやそれはそれで良いのだけど、料理のワンパターン化が進むのはよくない。

3年前 四川料理に花山椒の麻辣(痺れ)で、麻辣ブーム(マー活)を起こした発祥の店

と名乗っている。そうなの?

まず、「麻辣ブーム」というのが存在することを知らなかったし、「マー活」なる言葉も知らなかった。遅れてるな、オレ。いや、単に「ブームが起きたことにした」だけなのか。

でも、少なくとも2019年の今は花椒を使った料理やスナックが増えてきているのを実感する。花椒を使うなんてのは四川料理店を標榜するならどこでもやってるので、この陳家私菜が発祥かどうかはしらんが、マー活・・・が始まっているのかもしれない。それにしても軽薄な言葉っぽく聞こえるな、「マー活」って。

陳家私菜 花椒麻鶏(三種花山椒しびれ鶏) 地獄辛

花椒麻鶏(三種花山椒しびれ鶏) 地獄辛

麻婆豆腐でもよだれ鶏でもない、「花椒麻鶏」なる第三の料理を選んでみた。

この手の料理の難しいのは、ラー油を使っていると「油そのものを甘く感じてしまい、辛さ感覚が鈍る」ということだ。これ単品で食べてれば当然辛いのだろうが、他の激辛料理をむしゃむしゃ食べている最中にこういう油たっぷり料理を食べると、油が「甘い」と感じるのだった。

そんなわけで、この日買い揃えた料理全部。

19時にはみんな手分けをして買いにいったのだけど、ここまで揃うのに30分以上を要した。比較的客足が少ない平日でさえこれなんだから、週末はもっと大変なことになっていそうだ。

麻辣ピーナッツ

そうだ、 京華樓は+200円でご飯または麻辣ピーナッツをつけることができる。そこで、麻辣ピーナッツも買ってきてくれていた。

これは・・・さすがに「ヒイイ」というほど辛くはないな。むしろ、超絶辛い麻辣ピーナッツなるものがあったら、お目にかかりたいくらいだ。できないわけがないのだけど、まだ誰も商品開発をやっていないのか、僕らが知らないだけなのか、それとも技術的に難しいのか。

ラー油がこぼれた

僕はカメラを構え続け、オフ会に参加したみんなの「苦悶する表情」を撮影しようと待っていた。しかし、今回はさほど辛い料理がなく、みなさん比較的おだやかな表情での写真ばかりになった。

このサイトのオフ会初参加のもよさんは、予想に反して若い女性だった。「周りに行く人がいないから」ということでオフ会に飛び込んできてくれたナイスガッツの持ち主。そんな人だけに、どんな辛い料理を食べても涼し気な顔をしていたので逸材発見だと思った。むしろオフ会主催者として、「辛くなくてすいませんでした。」と謝りたい気分になるくらい、涼やかに料理をぱくぱくと食べていた。このもよさん、第2区間、第3区間も出走すると表明してくれたので、これからのますますの活躍に期待したい。

いっぽうのおっさんチーム・・・いや、紳士チームは、年相応に脂汗をダラダラとかいて、「ああ」とか「うう」という野太い声をあげての食事。そりゃあ、見栄えがいいっていうものではないけれど、「これが生きる、ってことなんだよ!」ということで、大変に微笑ましい光景だった。

いずれにせよ、全世代激辛は楽しい、ってことだ。

そんなあなたに悪いお知らせが。食べ終わってほっとしていてはいけない。料理がなくなって軽くなったお皿は、時として凶器になるということを覚えておいて欲しい。

この日はやや風が強かったのだけど、食べ終わってラー油だけが残ったお皿が吹き飛ばされた。で、見事に僕のチノパンにダイビング。ラー油を豪快にひっかぶせてしまった。なんてこった。

こういうこともあろうかと、汚れてもいい古いチノパンにしておいてよかった。今後、このイベントに参加を考えている人は、服装には注意。下半身が危険なのは言うまでもないけれど、油ハネで上着が汚れることだってありえる。新品の服だとか、白い服は着てこないほうがいいだろう。

そんなこんなで、全6区間で行われるオフ会「激辛グルメ駅伝2019」、今年も1区から2区へと無事たすきをつなぐことができた。さて第2区ではどんな料理が待っているのか。

(つづく)

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