2019年08月28日(水) 第3区間
激辛グルメ祭り、3rdRoundが8月23日から始まっている。
Roundによって開催期間にばらつきがある(短いときは5日間、長いときは8日間)のだけど、僕らは正確な時計が時を刻むように、「毎週水曜日」の訪問となっている。そんなルーティンワークは早くも3週目。「激辛グルメ駅伝」の第3区間の出走だ。
厭戦気分は、いまのところない。
一緒に走り続けている仲間がいるので、前週のうちに「次、何を食べるかな?」ということを話せるのがいい。モチベーションの維持になる。そして何よりも、「人が集まるのかどうかヒヤヒヤ」という瀬戸際オフ会という形だからこそ、戦略性が出てきて面白い。
人数が少ないのでこのお店を優先させて、こっちのお店は後回しにして、と調整するのは、まるでパズルだ。
第3区間は、8月も終わりの8月28日に開催された。
相変わらずのゲート。
昔はもう一か所に出入口があったけど、封鎖されてしまい今ではこの一か所だけになってしまった。「入り鉄砲に出女」とばかりに監視の目を光らせているのだろうか。
そういえば自動食券機の写真を撮っていなかった。今更ながら、撮影しておく。
生ビールはピッチャーで2,40円、レモンサワーのピッチャーだと1,800円。
以前はここで食券を買うだけでも長蛇の列だったものだ。でも今じゃ、こうやって気軽に写真撮影できるくらいに人がいない。
Suicaなど交通系ICカードを使って、各店舗で決済ができるようになったからだ。これはすごく便利だ。
以前はセブンイレブンでチケットぴあを経由して前売りチケットを買っていたものだ。前売り券だと50円引き、というメリットがあったものの、チケットを買ってしまったが最後、後で換金ができないので困ったこともある。なにしろ、お目当てのメニューが売り切れだったりすると、前売りのチケットを余らせてしまうからだ。「800円の商品に対して、1,000円の前売り券を渡して200円のお釣りをもらう」ということはできない。
現在はチケットぴあではなく、ローソンチケットで前売り券を購入することができる。しかし、前売りの割引はなく、定価販売だ。となると、わざわざ前売り券を買うメリットは乏しい。
東京界隈に住んでいる人なら、SuicaかPasmoはたいていの人が持っている。しかも来場客の平均年齢は30歳そこそこではないか、というほど若い。電子マネーを持っていて当然の世代だ。
とはいえ、相変わらず自動券売機を使っている人がいる。どういう人なのだろうか。
「Suicaは交通費限定にして家計簿をつけている。買い物の費用はお財布から現金で払っている」
という人なのかもしれない。
客席は相変わらず「ほどほどの混雑」。
6週にわたるイベント、ということでほどよく客がばらけているのだろう。
この日我々のとなりに座っていた別グループの人たちと情報交換のために軽くおしゃべりしたのだけど、別れ際に「じゃ、また今度!機会があえばお会いしましょう!」と社交辞令的に告げたらちょっとだけ変な顔をされた。おそらく、その人たちは「会期中、1回行けばOK」と思っているのだろう。僕らのように、「毎週訪れて、全店舗の料理を食べよう」なんて考えているほうが特殊事案だ。
なんでもかんでも、SNSに投稿する時代だ。
イベント主催者は、SNSに投稿しやすいように、あれこれ「映える」工夫をしている。
激辛グルメ祭りも、数年前から写真撮影用のパネルが用意されている。どうぞここで記念撮影をして、SNSに投稿してくれよ、というわけだ。それが最大の広告宣伝効果を生むからだ。
で、今日会場を見渡すと、撮影パネルがこれまでと違うところに設置されていて「あれっ?」と思った。どうしちゃったんだろう。
よく見ると、ライトがこうこうと灯っている。どうやらこの照明のために、電源が引っ張ってこられる場所までパネルを引っ越したらしい。
なるほど納得だ。僕らも、これまで2回このパネルで記念撮影を撮っている。しかし、撮影後家で写真を確認してみて、毎度「あれ・・・?」と首をひねる仕上がりになっていたからだ。というのも、パネルの中に人が入って撮影するスタイルになっているのだけど、人物が暗すぎて記念撮影としてはイマイチだったからだ。
明るさを調整して人物を強調すると、今度はパネルが白飛びしてしまう。陰影のコントラストが強すぎるんだ。
これではSNSの広告としてあまり役に立たない、ということに主催者も気が付いたのだろう。なので人を照らす照明を用意のうえ、ゴミステーションの脇へと居を移したのだった。
チャンドゥ・ハウス
第3区間は、4名の参加となった。4名9店舗9品、という布陣で臨む。
第1区間からノンストップ出走を続けるかめぜろさん、もよさん、おかでんの3名に加え、今シーズン初参加のおーまさんの4名。
おーまさんは激辛が得意ではない人なのだけど、このサイトのオフ会ということでよく参加してくれている。適応力が非常に高く、ひょうひょうとしながら辛い物を食べる。実は激辛好きなんじゃないか?と本人に聞いてみても、「いや、そんなことはないです」ときっぱりと否定するから、面白い。
さて、激辛グルメ祭り3rd Roundに出店しているお店を紹介していこう。
まず1店舗目、食券機すぐ脇にあるのが「チャンドゥ・ハウス」。今回初参加のお店だと思う。
昔は、食券機脇の売り場というのは一番ヒエラルキーが高い場所だったと思う。蒙古タンメン中本など、重鎮のお店が陣取っていたものだ。しかし今じゃ、あまりそういう序列はないように見える。初参加のお店でも、この場所を確保しているくらいだから。
このお店、一体何のジャンルを扱っているお店なのだろう?と思ったら、中国料理なのだそうだ。
僕は知らなかったのだけど、「チャンドゥ」というのは東京ディズニーシーにいる、子供のトラのマスコットキャラクターの名前だそうだ。シンドバッドのアトラクションに関係しているということだが、それと同じ名前で、中国料理店なのだからややこしい。
たぶん、「チャンドゥ」というのは汎用的な言葉なんだろう。ディズニーのキャラの名前をそのまま使いました、ということになると、さすがにディズニーから訴えられそうだ。
このお店、上野の「晴々飯店」の系列店らしい。
「晴々飯店」は次回4th Roundに出店予定(初)だけど、僕自身以前訪れたことがある。感動したので、記事にも書いたことがあるくらいだ。
そんなお店が、どんな料理を出すというのか。
売りなのは、「紅妖(赤鬼)担々麺」という料理らしい。「ホンヤウ」と読むそうだ。
赤鬼が激おこ状態でこちらをにらみつけている。
中国でも、こういう鬼っているんですかね。黄色い鬼のパンツをはいていて、金棒を持っている。てっきり日本独特のキャラだと思っていたけど、中国から輸入された概念なのだろうか?
【脱線】
初代ガンダムのアニメ版で、「ガンダムハンマー」という野蛮な武器があった。トゲトゲがついた鉄球に鎖がついた代物で、これをブンブン振り回して敵をなぎ倒していく、というものだ。宇宙世紀にもなって、「殴打する」という方法で敵を倒すという手法はむしろ斬新だった。
それでも、鬼が持っているような「トゲトゲのついた金棒」を武器としたガンダムはこれまで登場していないと思う、たぶん。さすがにバット状のもので敵をぶん殴るのでは、絵面としてよろしくないのだと思う。
紅妖(赤鬼)担々麺(鬼辛)。
鷹の爪が、鬼のツノよろしくぴょこーんと立っているのが特徴。でも、あんまりかわいいとは思わないけど。
こういう「どうだ辛そうだろう」という自慢めいた演出に対して、僕らはむしろ「その手にはのるか」と思っている。辛い物を毎週食べているので、派手な演出はいらない、と思っているからだ。むしろ「地味だけど、実は辛い」というほうが愛しく思える。
麺にまで唐辛子が練りこんであるらしく、麺がオレンジ色だ。
「鬼辛」と銘打っている辛さレベルであることからして、我々は身構えた。こいつァ、金棒でぶん殴られるような強烈な刺激がくるかもしれないぞ、と。
・・・でも、鬼はどうやら見逃し三振をしてしまったようだ。フルスイングで金棒を振り回すことなく、僕らにとっては辛さを感じずに食べ終わってしまった。
この料理を食べたのは、トップバッターではない。何品目かだったので、すでに舌が麻痺していた、という事実は間違いない。しかし、だとしても「あれ?」という拍子抜けは我々の共通認識だった。
なまはげさんが「泣く子はいねぇかぁーーー!」と乱入してきたけど、誰も泣いている子がいなかった、みたいな感じ。
居酒屋とよじろう
居酒屋とよじろう。
激辛専門の居酒屋、というわけではないようだ。二子新地(二子玉川の、多摩川を挟んで対岸)にある居酒屋であることは調べてわかった。
どういう文脈でこの激辛グルメ祭りに出店したのかは、謎。自薦なのか他薦なのか。
まあ、それを言ったらほかのお店だって似たようなものだ。もともと激辛を売りにしているお店なんてのは、少ない。
でもだからこそ、この激辛グルメ祭りの意義があるともいえる。このイベントに向けて激辛料理を開発して、お店が挑んでくるわけだから。
裏をかえせば、普段はやっぱり「激辛」というのは日陰の存在である、ということでもある。こうやって「激辛イベント」だったら、参加者ほぼ全員辛い物好きだ。だから容赦なく辛い料理を用意できる。しかし、普通の飲食店だったらそうはいかない。数名でお食事会、となったときに、一人でも辛い物が苦手な人がいたらどうだ?激辛メニューは絶対に選ばれない。そんなわけで、通常営業の際には辛いメニューというのは用意しづらいと思う。ラーメンやカレーみたいに「シェアはしないで、一人一皿食べる」という料理ならともかく。
デス辛ジョロキア若鳥もも肉のカツレツ(デス辛)。
白髪ネギで本体が隠れていたので状況を把握できていなかったが、箸で持ってみて納得。ああ、要するにチキンカツだ、と。
で、そのチキンカツの衣にどうやらジョロキアを混ぜているらしい。カラッと揚げてきつね色になりました、とは到底言えない、どす黒い色をした衣に仕上がっている。
ジョロキアの色というのは僕は知らないのだけど、僕はこの色に見覚えがある。ハバネロの色だ!つまり、そっち系の辛さがあるぜ、というわけだ。
とはいえ、我々の共通認識として、すでに「肉は甘い」ということになっている。衣にジョロキアを使ったくらいじゃ、辛くはならない。なぜなら、肉の甘みを感知するセンサーが、無駄に僕らは強化されてしまったから。
案の定、辛さをあまり感じないまま、このカツレツをぱくぱくと食べてしまった。
「たぶん辛いんだよね、これ」
「ああ、言いたいことはわかるんですけどねえ」
なんて言いながら。
台湾小吃 美
「台湾小吃 美」と書いて、「たいわんしゃおつー めい」と読む。
台湾料理というジャンルから激辛グルメ祭りに出店するのは、過去の歴史を振り返ってもこれが初めてのことだ。
台湾料理はピリ辛という概念があっても、激辛というのはあまりない印象だ。でも、唐辛子をバーンを入れればどこの国の料理だって激辛になるんだよ!ってことでここはひとつ。
とはいっても、本当にこの「激辛グルメ祭り」で毎年感心させられるのが、「まずい料理が(ほとんど)ない」ということだ。辛さ偏重のあまりに、味のバランスが悪いダメな料理というのがない。基本的に、どれを食べてもうまい。
ひょっとしたら、主催者側がこのあたり、きっちりチェックしているのかもしれない。「辛いばっかりで美味くない料理はダメだぞ」って各店舗に言い聞かせているとか。
辛々麺S(激辛)。
うどんのような白い麺。ただし、丸い断面の麺で、ちょっと独特な形だ。
器は真ん中に仕切りがあり、二種類の料理が盛れるようになっているもの。でも、そこにこの麺料理を盛り付けているので、なんだか美しくない外観になってしまった。
お弁当をお店で買って、自転車で家に持って帰っていざ食べようとしたら寄り弁になっていた、みたいな感じ。
辛さ?いや、気にならなかった。
ソウルフードバンコク
ソウルフードバンコクは、ソウルフードインディアとともに3rd、4thの2週にまたがっての出店だ。
今回参加人数が少なかったら、このお店の優先順位を下げざるをえない、と思っていたけど、無事4名集まったので問題なく食べることができた。
トムヤム唐揚げ(小辛)。
このお店には、ほかにも激辛メニューが存在する。でも、何を頼むかは担当する人次第。その人が「たまには辛くないものも、食べたいよね?」という気分ならば、小辛程度の料理が選ばれることだってある。
そんなわけで、まぜそばとか空心菜炒めといった辛い料理を差し置いて、ここでは「小辛」のトムヤム唐揚げが選ばれた。
もちろん、辛くない。
よりによって、この料理が全9品のうち最後の食事となったので、不完全燃焼感が半端なかった。デザートと呼ぶにしてはストンと満足感が押し寄せないし、びみょーな気分にならざるをえなかった。
お店に責任はない。単に僕らの料理を食べる順番の問題だ。
最初の1個目は、辛さを感じないだけでなくトムヤムの味もよくわからなかった。2個目を食べて、ようやく「ああ、確かにトムヤムクン味だ」という実感がじわじわと押し寄せてきた感じ。
つまり、辛さ・痛さに対して鈍感になっているだけでなく、味覚全般に鈍感になってしまっていたらしい。
(つづく)
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