ソウルフードインディア
ソウルフードインディア。
「ソウルフードインディア」と「ソウルフードバンコク」という似た名前のお店が出店しているので、恐らく系列店なのだろうと思いつつ、それを確認しないまま何年も経っている。まあいいか。
この2店舗は、次週の4th Roundにも出店している。今回の参加人数が少ない場合はパスしようと思っていたお店だけど、無事4名が今日集まったので、食べる対象となった。
ミニタンドリーフライドチキン5P(激辛)。
「あれ?今日は唐揚げが二種類もあるのか」
と最初思った。ソウルフードバンコクの「トムヤム唐揚げ」と似ていたからだ。しかし、よく聞くとタンドリーチキンだという。ああ、タンドリーチキンなら全く別ものだ。
・・・あれ、いやちょっと待った、「タンドリーフライドチキン」だって。唐揚げの要素もあるタンドリーチキンなのか。
あんまり食べたことがない概念。
それはともかく、こういう骨付き肉の場合、手づかみで食べることになる。で、辛い料理を手づかみで食べた場合、そのあと丁寧に汚れた手を拭き取らないとえらい目に遭う。うっかり、汗をかいた額をこすったり、そのまま目をこすったら大変だ。
手を拭いたからそれでOKだと思ってはいけない。手を拭いたタオルやウェットティッシュをそのまま無意識のまま流用してしまう可能性があるからだ。激辛に関しては、本当に油断は禁物だ。
という話をしつつ食べていたのだけど、あんまり辛いと思わなかったし、食べた後に二次災害が起きるようなこともなかった。あれれ。
どうやら本当に、辛さに麻痺してしまったらしい。
もよさん、かめぜろさん、おかでんの3名は3週連続の参加だ。あれよあれよと辛さ耐性がついてきているのだろうか。それとも、感覚がマヒしてきているのだろうか。
今シーズン初参加のおーまさんに「そこんとこ、どうなのよ」と聞いてみたら、寡黙な彼は「まあ、辛いっちゃあ辛いですね」なんて答えた。何が正解なのか、よくわからない。
そういえば周囲を見渡してみると、若い人…特に女性が大勢お客さんとしているのだけど、「辛くて悶絶している」光景は全く見かけなかった。ひょっとして、ガチで辛くしてお客さんに敬遠されないように、辛さには「遠慮」があるのだろうか?
炎魔堂
ここも初出店となる、炎魔堂。
麻婆豆腐には二種類あって、店名を冠した「炎魔麻婆豆腐」とノーマルの「麻婆豆腐」がある。ノーマルが「中辛」一択で、「炎魔麻婆豆腐」は超激辛一択。
炎魔麻婆豆腐 M単品(超激辛)。
ノーマル麻婆豆腐と対比してないのでわからないけれど、「炎魔」の名前がついている麻婆豆腐は、唐辛子がのっかっているかどうかの違いだろうか?
これまで食べてきた「陳家私菜」や「京華楼」はもっと毒々しい赤黒い色をしていたけど、ここのは非常におとなしい色だ。なので、食べる前から我々一同、温かい目でこの料理を見つめていた。
ひょっとすると伏兵発見!とばかりに辛い料理かもしれない。
でも、仮にそうであったとしても、「麻婆豆腐は甘い」というのが我々の共通認識だ。豆腐の甘さ、ひき肉の甘さ。そういうのが辛さより勝るにきまってる。
食べてみたら、案の定。
いやもう、辛い物食べ比べオフ会の体をなさなくなってきた。どれも「そんなに辛くないですね」という話ばっかり、みんなでしている。
拉麺一匠 Dead or Alive(麻辣白湯)
この日一番の行列を作っていたお店。
「死神オブザデッド」という、インパクトがある名前のメニューがあるからだろうか。
もともと、麺料理というのは行列ができやすい。一度に大量生産が難しいし、作り置きをしておくことができない料理だからだ。
それにしても「死神オブザデッド」って、「死の死神」って意味だよな。「腹痛が痛い」というのと一緒。
辛いけど旨い!
と謳っている。
死神オブザデッド(10辛)。
名前からしてすごいけど、さらに「10辛」だ。
1辛、5辛、10辛の3段階あったので、問答無用で10辛にしてみた。
たぶん、1辛程度だと、「死神オブザリビング」くらいの存在だろう。
受け取った麺は、確かに辛そうだ。赤黒い唐辛子(ハバネロ?ジョロキア?)と、明るい赤色の唐辛子(韓国唐辛子?)の二種類が上に振りかけられている。これで辛くないわけがない。
・・・けど、辛く感じないんだな、これもまた。
あー。
困った。痛い目に遭いたいわけじゃないんだけど、少しは焦りたかった。「こ、これはッ・・・!」と慌てて水を飲み干すような、そういうヒヤリとするシチュエーションが全くない。
たぶん辛いんだろうな、うん、きっと辛いんだろうね、
とお互い声を掛け合いながら、なんとなく自分を納得させていく。
なにしろ、どの料理も四人で一つの料理をシェアする。なので、ぱくっと食べてしまうと一瞬でなくなってしまう。辛くないと、余韻がなくて困るのだった。
ロータスパレス
ベトナム料理のロータスパレス。
このイベントが楽しい要因の一つが、いろんな国の料理が食べられることがある。
でも、裏を返せば、辛い料理を好んで食べる国というのは全世界で見てもさほど多くないのかもしれない。出てくるジャンルがある程度固定化してしまっている。
辛い料理といえばブータン料理なんてのもあるが、そもそも日本にブータン料理を出すお店が少ない。こういうイベントに出てきてもらうのは大変なのかもしれない。
そもそも、実店舗で通常営業をしながら、こういうイベントに出店するのって、いったいどういう人員配置になっているのだろう?バイトさんを雇っているのだろうか?
激辛ベトナム風まぜめん(激辛)。
ひき肉のサラダかと思ったら、まぜめんだった。
記憶なし。辛くなかったんだと思う。
ひき肉の上に載っている、唐辛子が辛さのポイントなんだと思うけれど。
スペインクラブ
スペインクラブ。
情熱のイベリコパエリアL(激辛)。
貧弱なプラスチックのナイフだと、ハムを四等分するのにえらく苦労した。
その印象しか残っていない。
天候不順な時期だったということもあるけれど、行列はどこもまばら。一部の店舗だけ大行列になっているけれど、その他はお買い求めやすい状況だった。
さすがに、週末はひどく混雑するのだと思うけれど。
6週間に会期が延びたことで、客足がばらけたということは確実にあるだろう。これはありがたい。いっそのこと、通年営業にしてくれないものだろうか。四半期毎にお店入れ替わり、くらいのペースでいいので。
この日頼んだ料理一通り。
麺料理が4品、ご飯ものが1品。炭水化物が案外多かった。
9品食べきってみて思ったのだが、「うわあ!」という驚きと興奮は特にない週だった。これは初参加のおーまさんも含めての感想だった。
もちろん、かめぜろさんは後日「翌日になって体調が悪くなった」と述べているように、辛さ成分が足りないわけではないのだろう。単に僕らの感覚がマヒしただけだ。
あと、それだけじゃない。僕ら側の問題だけじゃなくて、お店側にも問題がある。辛さ表現にインフレが発生しているからだ。
昔は、どのお店も「小辛」「中辛」「激辛」の3パターンで辛さを表現していたと思う。記憶が定かではないので違っているかもしれないけど、少なくとも変な名前の辛さ表記はなかったと思う。
それが今では、「デス辛」「超激辛」「鬼辛」などと自由な表現になっているし、メニュー名自体もギョッとするような辛そうな前をつけている。
それは、激辛目当ての客の耳目を集めるだろう。でも、やるんだったら看板に偽りなし、の本当に人を殺しかねないような辛さにしないと。でないと、僕らのように「はあ・・・拍子抜けだね」ということになってしまう。
スーパーなどの小売店が、「安売り」からはじまって「大安売り」、「激安」「超安」「驚安」みたいな造語でどんどん売り文句をインフレーションさせていったように、辛さの世界にも同じことが起きている。それを僕はちょっと憂いている。実態に即した表現にとどめるよう、それぞれのお店や主催者は自制をお願いしたい。
おかわり:居酒屋とよじろう
9品目最後の料理が、よりによって大して辛くはない「トムヤム唐揚げ」だった。
そのために、どうにもしまりの悪い、キレの悪い状態になってしまった。
大して辛さを感じずに食事が進むと、食べ終わるのに要する時間も短い。8時20分頃には、まったりした時間になってしまった。うーん、このまま解散でも構わないけど、それもちょっとなぁ。
そこで、意を決して「おかわり」をすることにした。狙ったのは、店頭にブートジョロキアの復路がずらりと貼り付けてあった、「とよじろう」。先ほど、チキンカツレツを食べたお店だ。
デス辛 鹿児島産黒ブタのもつ煮込み 単品(デス辛)。
食後の反省会で、
「辛さを感じやすいのは、ごっくんと飲み込めるものじゃなくて口の中に滞留するものだろう。噛まなければ食べられない、トッポギみたいな餅や、もつのような食材のほうが辛いのでは?」
という意見が出ていた。そんなわけで、もつ煮込みだ。しかも、「デス辛」を標ぼうするメニュー。
・・・だけど、ここにおいても辛さをあまり感じなかった。
これはもう、この記事を読んでいる方にはごめんなさいと言わざるをえない。どの食べ物のレビューも、「辛くありませんでした。以上おしまい」という内容になってしまっている。バカなのか僕は。食レポになってない。
とはいえ、辛いかどうかという基準でしか頭と舌を働かせないでもぐもぐやっているので、それ以外の味の印象が残らないのだった。いかんなー。
そんなわけで、不完全燃焼のまま、第3区間もまた全店舗食べた、ということで終了。来週からようやく後半戦だ。これまでのべ27店舗食べたけど、これから先も27店舗が待っている。
今のところ、体調を崩して寝込んだ、とか、激太りまたは激やせした人はいない。このまま、いろんな人が手を取り合って、最後まで走り切りたいものだ。
(つづく)
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