2019年09月11日(水) 第5区間
第四区間は所要のためおかでん出走せず、だったけれど第五区間からは復帰。またこの新宿大久保公園に戻ってきた。
二週間ぶり。
ほぼ毎週ここを訪れているので、たった一週抜けただけでも「随分久しぶりだな」という気になるかと思った。しかし実際は、「またかよ・・・」と最初っからうんざり感がある状態。全然、14日インターバル程度では「久しぶり感」はないのだった。
この企画の発案者であり主催者であるおかでんはまだ「身から出た錆」というか「自業自得」というか、まあしょうがないので最後までこの激辛グルメ祭りを見届けるつもりだ。しかし僕以外の皆様は、よくもまあここまでお付き合いいただけるものだ。本当に頭が下がる。
特に、かめぜろさんは今回の企画全6回をフル参加してくれた。主催者よりも多い参加回数、というのがすごい。かめぜろさんは毎回早く会場入してくれて、座席確保も担ってくれて随分助けられた。
一方、前半戦3区間を共にしたもよさんは、後半ぱたっと姿を消した。「姿を消した」というと大げさだけど、前半戦の主要メンバーとしてこの企画の立ち上げに貢献し、そして後半にたすきをつないだ、という展開となっている。みな等しく、仲間だ。
今回の第五区間の参加は4名。一人2店舗ないし3店舗の担当で、合計9店舗を食べることになった。かめぜろさん、ゆうどんさん、おーまさん、おかでんの4名。
面白いもので、この中で「激辛サイコー!大好き!」というのは僕だけだということだ。残りの3名は「辛いものは食べられるけど、そこまで好きというわけではない」というスタンスの人だと思う。でも、そんな人でも楽しめるのがこの「激辛グルメ駅伝」企画だ。ちょこっとずつ料理をシェアしまくるので、激辛料理でも耐えられる。
そんな激辛メニューの数々だけど、相変わらずの「辛さ表示のハイパーインフレ」は続いている。「激辛」というネーミングだけでは他店に埋没する、とばかりに「MAX」とか「ヤバ辛」といった辛さ表記で客を挑発してやまない。
この日、19時頃の会場の様子。
着席できるテント下の席は、ほどよく混んでいる状況。これだと、一人ないし二人ならどこかの隙間に潜り込むことができるだろうけど、三名以上になるとちょっと厳しいかもしれない。でも、立ち席が埋まることはなかったので、立ってでの宴会でもよければ席に困ることはない。
冗談みたいな話だけど、何年か前は立って宴会しようと思っても立ち席すら空きがない、という状況だった。それを踏まえると、今年は随分と楽になったものだ。
長時間座りっぱなしの仕事をやっていると、痔になりやすいという話を聞いたことがある。激辛料理においても、立ちながらの食事の方が肛門に負担がかからなくて良いかもしれない。ぜひ立ち席をおすすめしたい。
・・・いやいや、食べている最中から肛門の心配をするのは、ちょっと気が早すぎるか。
宇都宮餃子館
第四区間と我々が呼んでいた、先週の回にも出店していた宇都宮餃子館。
宇都宮ではおなじみのチェーン店だ。ここ数年、このイベントの常連店となっている。しかし、ここの餃子を辛いと思ったことがない。おそらく、餃子という形態だと、パクパクと一気に食べてしまうからだろう。
我々は過去の戦いで学んできた。辛い料理というのは、単に唐辛子が多いか少ないかだけではない、ということを。餅やモツのように「よく噛まないと飲み込めない」料理は肉体に多大なるダメージを与え、一方で「するっと食べられる」料理は辛いはずでもそんなに感じない。
蒸しシウマイ7粒(5辛)
餃子はもうよろしかろう、辛くないということは十分にわかった、ということで今回はシウマイが選ばれた。横浜・崎陽軒のシウマイのような形をしている。
「辛そうかい?」
「見た目は全然普通ですねぇ」
「これが辛かったら相当びっくりだ、でも多分辛く感じないと思う」
なんだか最近は無敵感があるというか、少々のものでは辛く感じないという予感がしてきた。身体に耐性ができてきたからだろう。おかげで最近は「思ったよりも辛く感じない」または「全然辛いと思わない」という、このイベントの趣旨をぶち壊すような発言が数多く出るようになってきた。
辛いやつは辛いやつなりの風格、というものが料理に備わっているものだ。もちろん、無色透明のカプサイシンエキスを振りかけて、長州力を蹴り飛ばした前田日明ばりの奇襲作戦に出るということも可能だけれど。でも、「見るからに辛そうではない」ものが辛かった試しは、過去に一度もない。
今回のシウマイは・・・うーん、あまり期待はできなさそうだ。で、案の定、あまり印象に残らないままぱくぱく食べ終わってしまった。
宇都宮餃子館の名誉のためにフォローしておくが、こういう「あっという間に胃袋の中に収まってしまうプチ形状」の食べ物である以上、辛く感じなくて当然だ。でも、胃袋の中では実は炎が燃え盛るように激辛なのかもしれない。飲み込んじゃったのでそこはよくわからない。
海老と麺 シモキタシュリンプ
最近の飲食店はいろいろなジャンルを標榜するのだな。「海老と麺」と名乗るのはちょっとおもしろい。
店内に入ったら天ぷらそばが売られていたり、海老ワンタンがあったり、伊勢海老の殻を器がわりにスパゲティがもられていたり・・・夢は広がる。
が、さすがにそんな「海老と麺ならなんでもあり」なお店ではなさそうだ。
和風激辛海老まぜそば(激辛)
桜えびがふぁっと振りかけられていて、華やかな麺料理だ。水菜の緑も目に優しい。
・・・いや、目に優しいなんて褒めてちゃだめだ、「激辛」を僕らは食べたいんだ。よく見ると、桜えびに埋没するように唐辛子が紛れていることに気がつく。でも、あくまでも彩りといった感じで、ああこれはあまり辛そうではない予感。
というかね、もうわからんのですよ本当に。何を食べても「うん、まあ辛いね」としかいいようがない。特にこの料理のような汁なし麺の場合、時間が経てば経つほど麺がダマになって、ほぐれなくなる。お台所に置いてあるスチールたわしみたいにワシャワシャになる。これを人数分に均等割・・・は無理だから、適当に分けるのに一苦労で、そこから各自が食べるのも一苦労。結局、「ゆっくり噛んで食べなさい」と親からしつけられた教えが台無しになりながら、あっという間に食べちゃう。
タイ料理 クルアチャオプラヤー
激辛タイ料理のお店といえば、「トムヤムクン」「パッタイ」「ソムタム」あたりを取り揃えていることが多い印象だが、このお店はちょっと聞きなれないものがあった。「トリ肉とチリペースト炒め」がそれ。
「トリ肉」と書かれていると、一瞬何のことかわからないが、0コンマ何秒かで、「ああ、鶏肉のことか」と気が付く。そういえば、豚肉の場合は「ブタ肉」とカタカナ表記することがあるのに、そういえば鶏肉って「トリ肉」とはあんまり言わないよな。「ニワトリ」とは言うのに。
トリ肉とチリペースト炒め(3辛)、米麺のタイ風焼きそば(2辛)、2種の合盛り
合盛りという便利な仕組みがあったので、二種類の料理を楽しめた。ということで、今回は実質9店舗10品を食べたことになる。いやー、よく食べるなあ僕ら。
でもその分、このお皿に盛られている料理の「一人当たりの量」はとても少なくなる。本来の1/2量を、さらに四人で分けるのだから、本当に試食レベルの量だ。スーパーの店頭でやっている試食レベル。まだコストコの試食のほうが大盤振る舞いをやっているくらいだ。
そんなわけで、これを辛く感じるなんてのは無理で、「もぐもぐ、ごくん」で食べ終わってしまった。でもむしろ、辛い料理こそこういう食べ方でよいのかもしれない。何も僕らは激辛で悶絶したいわけじゃない。痛いのが大好きなわけじゃない。カジュアルかつエレガントに、辛いものでワクワクしたいだけなんだ。
たこ焼き専門店 くれおーる
その気になればなんでも激辛料理にできる。味の良しあしを考慮しなければ、ひとまず唐辛子を料理にかければ「激辛料理」となるからだ。なんなら、刺身に唐辛子をまぶして「激辛刺身」にしたっていい。
そんなわけで、もう今更どんなジャンルの激辛店舗が出てきても驚かないが、「そうか、たこ焼き屋という手があったか」と思わせられたのがこれ。
粉ものは、辛くするのは楽だ。うまいかどうかはともかく。粉もの本体で辛くするのもよし、料理にかけるソース類で辛さを演出してもよし。激辛たこ焼きかぁ、そういえばあんまり見たことはないな。あってもよさそうなものだけど。
もちろん、「罰ゲーム」として、居酒屋に「ロシアンたこ焼き」があるのは知っている。お皿の上に載っているたこ焼きのうちどれか一つだけが激辛(またはわさび味)になっている、というやつだ。でも僕らは罰ゲームがやりたいんじゃない。美味い激辛たこ焼きが食べたいんだ。そういうニーズにちゃんと応えてくれているのだとしたら、これは嬉しいことだ。
浪速の旨辛ソースたこ焼き(激辛)
「旨辛ソース」のたこ焼きで、辛さは「激辛」なんだという。ということで、ソースそのものが辛いのではなく、たこ焼き本体が辛いぜ、ということを示唆している。
実際に出てきたたこ焼きは、若干不穏な色をしている。言われなければさほど気にならないけど、言われてみると若干赤い。これが「激辛」たるゆえんか。
しかし、やっぱりこれも「ぱくっと食べちゃう」系の料理なので、辛さをあまり感じなかった。僕らの味覚がすっかりバカになってしまったのか、それとも食べるサイズの問題なのか、またはそもそも全然辛くないのか。本当に謎だ。
激辛といいつつ、万人受けするような手加減をしているのではないか?という疑念が、このイベントを通じて感じている。ガチで辛くて痛いやつはマニア向けすぎるので、商売っ気を優先しているのではないか、と。
でも辛さ基準は「激辛」ということにしておいて、お客様にとっては「激辛グルメ祭りで、激辛料理をいろいろ食べたよ!つらかったけど、全部食べられたんだ!」とSNSで自慢できる余地を残しておく、みたいな。
考えすぎだろうか。たぶん考えすぎだと思う。
(つづく)
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