俺は見た、リアルな鳥海山を【鳥海山リベンジ】

2004年08月27日(金) 1日目

前回、赤城山登山で膝がやっぱりパンクしていることを確認した。これだと今シーズンは登山断念かなあ、と残念に思いつつも、家でうだうだ本を読みながら酒飲んで時間を潰していたのだがやっぱり居心地が悪い。自宅で「クーラー」という偉大なる文明の利器を絶賛しその技術を余すところ無く体感していたわけだが、身の回りの環境が快適であればあるほど人間って余計な事に気を回す余裕が出てくる。

「膝のことはとりあえずおいといて、どこか山に行かないとなあ」

とりあえず置いとく、というコトバで片づけられない重要な要素である気がしなくもないが、そうはいっても山が気になるお年頃。気がつけば、もう8月末。残暑お見舞いを申し上げすぎてすでに陳腐化しつつある季節だ。夏山シーズンももう終わり。いかん、悠長に構えていると山に登りそびれるぞ。

そこで、えいやっと会社に有給届けを出し、えいやっと山に行くことにした。とりあえず、南アルプス鳳凰三山くらい登ってこよう。

しかし、ここで「えいやっ」と思いつきで行動したもんだから、天気予報について何も考えていなかった。お休みを確保したこの日、山梨界隈は雨の予報になっていた。ううむ、これは想定外だった。では、北アルプス方面に向かうとどうか。ここも雨。くそ、だったら近場で関東近辺はどうか。ここも雨。

天気予報を調べまくった。「こうなったら開聞岳(鹿児島県)登ってもいいぞ」などと範囲を広げてみたのだが、どこも雨、雨、雨。週末ずっと日本全国雨でやんの。けしからん。一斉ストライキをやってるつもりか?

一人で憤っていたのだが、唯一秋田県・山形県界隈だけがこの週末、晴れの予報となっていることを発見した。日曜日には雨が降るようだが、金曜・土曜で登ってくれば問題はなさそうだ。

秋田、山形かぁ。・・・となると、鳥海山、か。

鳥海山といえば、以前深夜バスを使って特攻したが、降り止まない雨と強烈な風のおかげで途中断念した「敗戦の地」だ。同行していたコダマ青年が「ココロの目で鳥海山の山頂を見た」と、濃霧の中強がっていた やつだ。

鳥海山リベンジねぇ。ふーむ。

いつかはリベンジしなければいかん山ではあったが、もう少し、赤穂浪士のように綿密に計画を練って、積年の恨みを晴らさずにはおれん、と武者震いするくらいじゃないといかんのではないのか。いきなり、思いつきで鳥海山ってのは勿体なくはないか。

しかし、もう会社にはお休み申請しちゃったし、無駄に過ごすわけにもいかん。それに、もう今既にお休み当日の金曜日朝6時だし。

・・・当日朝になって、まだ行き先が決まってないんかい。

優柔不断な性格なので仕方がない。天気悪かったし。

でも鳥海山遠いしなあ、面倒だなあ、とぐずる自分の気持ちを直接民主主義で実行動に反映しようとすると、いつまで経っても 話が進まない。「最大多数の最大幸福だよ、民主主義は」といいながら、「旅の窓口」で今晩の酒田の宿を適当に予約してしまった。もう後には引けない。それ、さっさと支度せんかい。 「ファシズムだ!圧政反対!」という、「休みの日は家でゴロゴロしていよう党」の猛抗議を無視し、よたよたと荷造り開始。

今回の行程としては、以下の通りを考えている。

今日は、移動日とする。お昼頃に山形市に入り、そこで蕎麦屋を何軒か行脚。夜、鳥海山のお膝元である酒田市に向かい、そこで一泊。

翌日、早朝から鳥海山登山。下山後、そのまま自宅に向かう。

素晴らしい。蕎麦屋行脚、というイベントを挿入したことで、何とかモチベーションが上がってきた。山形方面に向かう強い動機付けになった。

曇り空

今日はそんなに急ぐ必要がないので、のんびり装備を調え、朝9時に出発。

埼玉県の空模様はこんな感じ。そろそろ雨が降ってきますよ、と予告先発している状態だ。

雨の模様を示すカーナビ

インターネット経由でアメダス情報を引っ張ってこれる我が車のナビで、天気予報を見てみる。

あちゃー、関東一円、明日朝から雨が降るんですね。で、今日一日はなんとか曇りのまま、という予報。

鳥海山にフォーカス

それが、だ。

明日登ろうとしている鳥海山にフォーカスを当ててみると。

どうだ、とばかりにお天道様マークがびっしり。今日明日はビシっと晴れてくれるらしい。ありがたい。

遠路はるばる、遠征する価値があるってもんだ。何しろ、自宅から車で8時間くらいかかるんじゃないかという距離だ。中途半端な晴れっぷりじゃ、こちらもおいそれと現地入りできない。

よーしよーし。明日はすかっと晴れた鳥海山の山頂で、日本海をバーンと見下ろしながら、び、ビールをだな、ぐいいいーーっと飲んで、ぷはぁーっとやるぞ。今、頭の中で明確にイメージできた。オッケー、現地突撃だ。それ、アクセルをフルスロットルだ。

途中のサービスエリア

東北道を北に向かって行ったのだが、天気はどんどん悪くなってきた。

・・・大丈夫か、おい。

今にも雨が降りそうになってきた。坂上田村麻呂よろしく東北地方に大遠征してるんだから、雨だけは勘弁してくれ。

また、鳥海山の中腹で「ココロの山頂が見えた」だのなんだの、苦しい開き直りをするのはもうイヤだ。

強い雨

わー。

宮城県に入ったあたりから雨が降って来だした。結構強い雨だ。

日本全国まんべんなく雨(ただし山形と秋田は別よ)、の予報は確実にこの地をも網羅していたわけか。

悔しいので、ワイパーを必要以上に高速回転させて、憂さ晴らしをする。

山形県は晴れ

と、思ったら。

トンネルを越えて、宮城県から山形県に入った瞬間にこれだ。

すかっと晴れている。

驚いたね、これぞディスカバージャパンだ。山越えただけで、こんなに天気って変わるのものなのだな。

気象庁の面目躍如、山形の地には、おかでんがはるか埼玉の地から望んでやまなかった、青空が広がっていた。これこれ、これを見たかったから、わざわざ4時間近くかけてここまで来たのだよキミィ。

もりそば

もりそば

とはいっても、今日そのまま登山をするわけではない。本日のメインイベントは、「山形そばを食べ歩く」事だ。晴れ渡った空を見て急に食欲が湧いたおかでんは、俄然うれしくなってしまい蕎麦屋行脚開始。

もりそば

鳥そば

さすがに4軒も食べ続けると、おなかいっぱいでぐったりしてしまった。血液中にルチン流れまくり。もうしばらくお蕎麦はいいです。

この日訪問したのは、萬盛庵梅そば庄司屋一寸亭支店。それぞれ、「蕎麦喰い人種行動観察」コーナーにてレポートが既に掲載されている。

本当は、せっかく山形まで来たわけだし、もう1軒ほど蕎麦屋に行ってもいいかな、という気持ちがあった。しかし、やめておいたのは、この日の夜に美味いビールを飲みたかったからだ。今晩泊まるホテルには、ビアレストランが併設されているという。生ビールが美味いらしいので、昼下がりのこの時間から「節制」を開始しないといかん。蕎麦って、案外消化が悪い食べ物だから、ビールをおいしく飲むためには早めの時間で蕎麦喰いを切り上げないと。

・・・山登りに来たんじゃないのか、アンタ。

いや、山「も」登りに来ました。でも、それよりもビールが美味ければいいです。山のぼる前日に泊まるホテルで美味いビールが飲めれば幸せ。山登って、山頂で美味いビールが飲めれば幸せプラスワン。そんな感じで。

酒田市から鳥海山

山形で蕎麦食べたら、何だかもう旅の目的が達成されてしまったような気になったが、まだまだここから先が長い。

月山の脇をすり抜けつつ、酒田を目指す。近いようで、なかなか遠い。

山形から車を走らせること1時間半、酒田市街に到着した。

おお、真っ正面に聳えているのは、あれぞまさしく鳥海山ではないか。富士山のように、周りに山がない状態ですっくとそびえ立っている。非常に優雅で、かつ雄大だ。

「かわいそうに。あれだけ雄大であっても、明日の昼頃にはこのオレサマに蹂躙されることになるとはな」

と、意味不明な優越感を口にする。

それにしても立派な山だ。しばらく見とれてしまった。これは、登りがいがある山だ。遠くからやってきた甲斐があったというものだ。

まるで初めてこの山に登るかのような感動を抱いてしまった。前回は、山の全貌なんて全然見えなかったからなあ。有効視界10mな世界でこの山にへばりついていたから、何のこっちゃ全然わからんかった。

結論。山は晴れている方が良い。

小学生でも分かるような結論に、ひとまずこの場は納得。深く頷き、車を先に進めた。

ジャスコに立ち寄り

しかし、いざ「獲物」を目の当たりにして少々ビビったのも事実だ。あんなにババーンとした山に登らないといかんのですかボクは、ということで俄然膝が心配になってきた。

膝、またパンクするんじゃないんか。

前回赤城山登山から、1カ月が経過している。それからは膝が痛むことは全く無かったものの、やはり不安だ。ここは、何らかの対策を打っておかないと、後が怖い。山の中で歩けなくなって、背負われて救助、なんていったら末代までの恥だ。

で、おかでんのことだから、背負ってもらって下山している最中も、デジカメでその光景を撮りまくって、救助してくれた人に「アンタいい加減にしなさい」とオコラれたりなんかするんだ。きっとそうだ。それは相当格好わるい。

膝を保護する何かを、買って置かなくては。ちょうど、ジャスコがあったので立ち寄ってみることにした。

あのなあ、そういうのって山登りの計画を立てる時点でちゃんと配慮しておけよなー。何で山登り直前になって「思いつく」んだよ。おせーよ。

ひざサポーターを買う

スポーツ用品を売っているコーナーで、こんなものを買ってみた。よく膝を悪くしたプロレスラーが装着しているな、この手のサポーター。

なんだか、ボクもこれで強くなれそうだよママン。

違う違う、アンタが弱いからこういう補助具に頼らなくちゃいけないんだから。100万光年勘違いしとるぞ。

ホテルCOMET

酒田市は、案外小さな市街地だった。ちょっと外れると、広大な庄内平野が広がる。

今回泊まるホテルは、市街地からやや外れたところにあった。「おい、本当にこんなところにあるのか?」と不安にさせられたが、ナビに従っていたら到着できた。

ん?ここ?

なんだか、ホテルらしくない建物だ。どこかの会社のオフィスみたいな雰囲気。

ホテルの看板

しかし、看板にはきっちりとホテルの文字が。

OPEN24HOUR

と書かれているのが微妙にヘンだ。

まあ、いい。

看板の一番下に、「生ビールハウス」という文字とKIRINのロゴを発見。よし、噂は間違っていなかった。

ホテルの入口

入り口には「ビアホール」の捨て看板が掲げられていた。おおぅ、いいねえ。アスホール(くそったれ、の意)じゃないぞ、ビアホールだぞ。

そして、大きな看板には、左側に「ホテル コメット」と書かれ、右側に「キャデラックカフェ」と書かれ、真ん中にひときわ大きく「ビアレストランコメット」と書かれていた。デカデカとジョッキだかピッチャーだかの絵が描かれている。

この建物、レストランがメインなのかホテルがメインなのかよくわからん。しかし、ビアレストランを真ん中に据えているということは、もっとも注力しているのはレストラン事業なんだろう。

どうでもいいことだが、こんな「車じゃないとちょっと来られない」場所にビアレストランを作るガッツは素晴らしい。飲酒検問には気をつけろ。・・・じゃなかった、ハンドルを握るなら飲んじゃダメだぞ、よい子のみんな?

おい、未成年飲酒かい。

ま、それはともかく。「生ビールと料理がおいしい ビアレストランコメット」と書かれている看板は非常に我が意を得たり、なんである。今晩は楽しい宴になりそうだ。うひひ。

ホテル内部

外観も不思議な造りだが、内装も何だかちょっと不思議。入ってすぐのところにキャデラックが置いてあって、その奥が吹き抜けになっているスペース。テーブルが並んでいて、奥にはバーカウンターが。

えと、あの、ボク今日は宿泊しに来たんですけど。ええと、入り口間違えたかな。

ちょっと動揺してしまったが、バーカウンターの隣がホテルフロントだった。ヤヤコシイ造りだ。

チェックインカウンターの脇には、使い捨て歯ブラシが置いてあった。部屋には配備されてないので自分で持っていけ、ということらしい。微妙な経費削減策だなあ。ちなみに、楽天トラベルで予約した場合、1泊食事無しで4,410円と非常にお安い。

部屋に通じる廊下

吹き抜けのホールを取り囲むように部屋がある。あてがわれた部屋は一番奥の角部屋だった。

シングルルーム

こちらが本日のお部屋でござーい。

シンプルだけど、過不足無い作り。これはうれしい。

天井が高い部屋

天井がえらく高い。もともとホテル用として作ったのではないのだろう。冬だといくら暖房を入れてもなかなか効果なさそうな作りだ。暖気が全て高い天井に籠もる予感。

ユニットバスが、取って付けたような形だ。まるで、「ご家庭用防音部屋」みたいだ。箱形の部屋になっている。あとづけ感ありあり。

ユニットバス

ユニットバスの中も撮影してみる。こんなの撮影しても、何の記念にも参考にもならないのだが、とりあえず。デジカメって、写真撮影の考え方を根本的から変えてしまうのですね。

ボディーソープをはじめとするアメニティは完備されていた。ではなぜ歯ブラシだけフロントから持っていく形になっているのだろう?不思議だ。

夕暮れの鳥海山

窓から外を見たら、正面に鳥海山が見えた。雲がすっかり晴れ渡り、雄大な裾野からてっぺんまで、見放題覗き放題になっていた。つくづく格好いい山だ。

ニープロテクターを装着

早速「新兵器」ニープロテクターを装着してみた。

あんな邪魔くさいものを膝に巻き付けたら、相当可動範囲に制約ができるのでは?と心配だったのだが、それほど問題は無いようだ。膝を鋭角に曲げない限りは、特に不自由さは感じない。

ニープロテクターをつけたまま、しばらく狭い部屋の中をうろうろしてみた。「シャキーン、シャキーン」という効果音をつけながら。

別にアンドロイド化したわけではないので、全くもって無意味な効果音だ。

さて、この新兵器で、明日の鳥海山を無事に登ってこられるだろうか?途中で、猛烈に膝が痛くなってしまったら立ち往生だ。身動きつかなくなって救助、なんていうのは素敵過ぎる冗談だ。登山開始から下山まで約8時間。頼むぞ。

タンブラー

部屋の机には、タンブラーが置いてあった。バドワイザーのロゴが入ったものだ。

ううむ、これはまさに、ビールへの誘いではないか。ごくり。思わずつばを飲み込む。

そういえばこの部屋には急須や湯飲みといったたぐいが一切置かれていない。簡略化しているのだろうが、それじゃお客さん「ちょっと飲み物を飲みたい」時に困るでしょう・・・というわけでこのタンブラーを据えて置いたのだろう。

日没の鳥海山

日が暮れてきた。

日没とともに刻々と姿を変えていく鳥海山にしばし見とれる。

橋を渡った向こう側の地には、高い建物が全くない状態。だから、山が「丸出し」なわけだ。独立峰で、こうもはっきりくっきりと楽しめるというのはなかなかないのではないか。

テレビの天気予報

テレビをつけたら、ちょうど天気予報が放送されていた。

酒田は最高気温29度。鳥海山の山頂まで登れば、けっこう涼しいかもしれない。ちょうど登山するには快適な気候になりそうだ。

それにしても、30度を上回る地域がどこにもない。そろそろ秋ということだな。

週間天気予報

土曜日まで晴れている山形でも、日曜日には曇りのち雨の予報が出ていた。日本全土を覆い尽くしていた低気圧が、こちらにもやってくるということだ。

鳥海山登山は、間一髪で低気圧をかわして行われる事になる。

律儀にPCを持ち込んでいる

もう外は日が暮れた。

持ち込んだノートPCで、今日食べた蕎麦屋の記事を執筆開始。

そろそろ夕食の時間なのだが、まだおなかが空いていなかった。少なくとも、ビールが心地よく胃袋で踊るほど、胃がスタンバイできていなかった。昼食べた蕎麦が、まだ内臓をパレードしている。そのための時間稼ぎとして、執筆。

山に登るというのにノートPCを持ち歩いている、というのも変な話だが、車で移動の場合余計な荷物は車内に置いておけるので良い。これが公共交通機関で登山口に向かうと、こうはいかない。アホみたいに、重いノートPCを背負って山に登る羽目になる。

ホテル内のビアホール

ノートPCと格闘することたっぷり2時間、夜の9時になってしまった。慌てて階下のビアレストランに向かう。うかうかしてラストオーダー時間を過ぎてしまったら、せっかく楽しみにしていたビールを飲み損ねてしまう。

万が一食いっぱぐれても、ホテルの斜め向かいにガストがあったりするので飢え死にはしないが、何が悲しゅうて山形まで来てガストで、しかも一人で晩餐をせにゃならんのよ、というわけで。

ビアレストランに足を踏み入れた。えらく広いスペースがそこには広がっていた。ああそうか、ここも吹き抜けになっているのか。天井がえらく高く、がらんとした印象がある。お客は、おかでん以外にはここのホテルの従業員?と思われる子連れ家族が食事をしているだけだった。そりゃそうだ、もう夜が遅いからな。

ちょっとだけ居心地の悪さを感じながら、一番隅っこの席に座る。こういう時、ど真ん中の席にどっかと座れるか、座れないかでそいつの度胸ってのが推し量れる。おかでんは、隅にいるのが居心地良い小心者。

お品書き1

お品書き2

宿泊客は、夕食・朝食ともに500円で、ここの日替わり定食を食べる事ができるらしい。しかし、せっかくなので500円のお得料理ではなく、いろいろメニューを見てみることに・・・

ええと。

完璧にナメていたのだが、このお店、メニューが凄いぞ。せいぜい町の中華料理屋程度の品そろえかと思ったら、肉料理魚料理そのほかいろいろ。目移りしてしまい、「わ、わ、俺どうすればいいの」と焦ってしまった。料理名にはそれぞれ解説文が添えられていて、その圧倒的な情報量のせいで脳がパンクしてしまった。

世界の味めぐり、というメニュー

どの料理もお値段がそこそこお安い。その割には結構大げさな料理名だったりするわけで、コレは「名前だけ派手にしました」なのか、「良心的な価格設定にしました」なのか、「酒田の物価ってせいぜいこんなもんですよ?」なのか、不明。

あっけにとられたのが、「世界の味めぐり」というメニューだった。2000円と3000円のコースがあるのだが、えーと、何品出てくるんだ?「人気No.1」と書き添えられている2000円コースだと、デザートやコーヒーを含めて 全10品。すげぇな、1品あたり200円ってわけですか。信じられません。セルフ方式のカフェでコーヒー飲んでも1杯200円するこのご時世、この値段はにわかに信じられない。

まあ、それぞれの料理は一口サイズだったりするんだろう。松花堂弁当みたいな提供のされ方かな?・・・いや、でも一品一品調理する手間はかかるわけで。

このお店、実は大当たり臭いぞ。

単品メニューを見繕うのをやめ、2000円で世界の味めぐりに旅立つことにした。鳥海山に登るつもりでこの地に足を踏み入れたのに、まさか世界に羽ばたく事になるとは思わなかった。

生ビール!

おっと、忘れてはいけない。ビールも注文しておかないと。

さすがにビアレストランを標榜するだけあって、きっちりと大ジョッキがメニューに書かれていた。

そうそう、これこれ。やっぱ大ジョッキでぐいーっといかないとねぇ。夏なんだし。過ぎゆく夏に思いを馳せ、さあ乾杯しようじゃないか。

ビールをあおるぜ

胃袋を支配していた一寸亭支店の鳥そば がようやく腸に流れていったようだ。シグナルはオールグリーン。それ、行け。

ぐいーっと。

うふふふふ。いいねえ。旅先で飲むビール。仲間とわいわいしゃべりながら飲むのもいいが、一人でマイペースでぐいっと飲むのもこれまた幸せ。

ましてや、これから美味そうな料理がでてくるわけだ。その料理を想像するだけで、ビールがますますおいしくなる。

世界の味めぐり1

ビールをぐいぐい飲みながら、一人ニヤニヤしていたら料理が運ばれてきた。

ことり。お皿が目の前に並べられる。

おや、松花堂弁当形式じゃなかった。えっ、ということは、このひと皿で一品としてカウント?

おい、これ相当なボリュームじゃございませんか?ホントに2000円なのか?

あぜんとする。

右が、シーフードフレンチサラダ。左が、たこのからあげメキシカンサルサソース。

おお、いきなりフランスとメキシコか。地球の裏側に連れて行かれたぞ。

世界の味めぐり2

今度は牛肉のイタリアントマトソース煮パイ包み、だそうで。

こしゃれた料理を出してきおるわい。完全にこちらはノーガード状態。もう、人間サンドバッグになってなすがまま。

いや、それではいけない。何とかこの怒濤の攻めをしのぎきらないと。ええと、すいません、ビールもういっぱいください。

世界の味めぐり3

こちらがビールおかわりという反撃に出たのを見て、お店側は怒濤のラッシュ開始。圧倒的な物量作戦で、こちらを鎮圧しようという腹づもりらしい。

よ、よせ、まだ前の料理を食べきっていない!次から次へと洪水のように運ばれてくる料理で、広いテーブルが次々と埋められていった。まるでテトリスで負ける寸前の画面のようだ。空いたスペースが次々と埋まっていく。

写真の料理は、タイカレーチキン。

おや、世界一周旅行はアジアに突入ですな?

世界の味めぐり4

料理を運んでくる従業員さんが、ひっきりなしにおかでんのテーブルと厨房を行ったり来たりしている。なんだか申し訳なくなってくる。

これだけいろいろな料理が出てくるとなると、ホント「酒のつまみに最適」だ。ああそうか、このお店ってビアレストランだったっけ。酒のつまみに最適ってのはしごく当然のことだ。

んー、さっきからビールを飲んでいたけど、そろそろお酒の方も「世界の味めぐり」でいいんじゃないかなという気がしてきた。ああ、すいません、赤ワインをデキャンタでください。

明日、早朝発で山に登ろうとしている人間の言動とは思えない。あと7時間後には行動開始というのに。でも、この時は「二日酔いで動けなくなったらそれはそれで我が人生に一片の悔い無し!」と真剣に思った。

さらに出てきた料理は、左上から反時計回りに、白身魚の中華風甘酢揚げ、庄内豚の柔らかステーキ「まるちゃん」、スープ、焼きたてパン。

世界の味めぐり5

最後、ケーキとコーヒーが出てきて、コメット砲の連射は沈黙した。

いや、呆れた。これで2000円はやりすぎだろ、いくらなんでも。このお店は道楽でやってるのか?

結局、コース料理の値段よりもお酒代の方が高くついたくらいだ。ちなみに、チェックイン時に「ウェルカムドリンク」ということでドリンク一杯無料券が渡されていた。おかでんはうっかりしていて使いそびれたのだが、それを使っていればさらにお安くなっていたことになる。呆れた。

呆れたついでにもう一言。この記事を書くために、もう一度楽天トラベルでこのホテルの情報を調べていたのだが、こんな記述を発見した。「ご飲食お一人4,000円以上で、宿泊料金1,500円キャッシュバックのサービスがあります」。おいおい、さらに値引きかよ。一体どこまでやれば気が済むのやら。

ビアレストランコメット、ここは宿泊でなくても利用する価値大。ちょっとした真面目な会食に使ってもいいくらいだ。手放しで絶賛させてもらいます。

手放しで絶賛はいいけどな、ちゃんと手すりを持って階段を登れよ。フロントから二階に上がるとき、ちょっと足下がふらついた。どう考えても飲み過ぎだ。明日5時起きだぞ、忘れるんじゃないぞ。

と、鳥海山登山編、初日はひたすら食べまくる一日で幕を閉じた。明日は、今日の分きっちりとカロリーを消費しないと。

それにしてもなあ、普通膝を悪くしたヤツってのは、膝の負担を減らすために体重を減らすもんだよな。何で体重を増やすようなマネをしてるんだか。あははは。まあいいや、酔っぱらっちゃって何も考えられなーい。